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子宮頸がん

 子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。HPVは男性にも女性にも感染するありふれたウイルスであり、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染機会があるといわれています。しかしHPVに感染しても、90%の人においては免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、10%の人ではHPV感染が長期間持続します。このうち自然治癒しない一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。予防としてワクチン接種を若い人に行いますが有効率は60~70%と言われています。子宮頸部異形成はその病変の程度によって、軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成・上皮内がん(CIN3)の3種類があります。子宮頸部の扁平上皮病変は、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成・上皮内がん、微小浸潤扁平上皮がん、浸潤がんと段階的に進展することがわかっています。一方で、腺病変に関しては腺異形成と呼ばれる病変から上皮内腺がん、微小浸潤腺がん、浸潤腺がんと進展すると考えられていますが、その自然史は未だ明らかになっていません。子宮頸部異形成は自覚症状を示さないことが多く、子宮頸がん検診(細胞診)を契機に発見されることが多い病気です。言い換えれば、子宮頸がん検診を受けなければ見つからないと考えてよいでしょう。
 子宮頸がんの病気の発生の過程は、がんの前の段階である異形成、子宮頸部の表面だけにがんがある上皮内がん、そして周囲の組織に入り込む浸潤がんに分類されます。
子宮頸がんは通常、早期にはほとんど自覚症状がありませんが進行するに従って異常なおりもの、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。

細胞診
Ⅰ 全く異常がありませんⅡa異常なし炎症があったりホルモンバランスのくずれがあると少し活動力のある細胞が出ることがあります。多くは念のため6ヶ月後の検診をすすめられます。
Ⅱb(ⅡRともいいます)異常なし、Ⅱの中でもやや異常細胞に似ているものをⅡbとする事があります。炎症などが原因の事が殆どで3-6ヶ月後に再検査すると異常が消えている事がよくあります。ただたまにクラスⅢの細胞が紛れこんでいる時もあるので再検査をすすめられる事があります。
Ⅲa気を付けて 現在がんが疑われる状態ではありませんが、少し活動力のある細胞が出ている状態です。医師の指示に従い定期的な検診が必要です。しかし、時としてⅢbの状態が紛れ込んでいる時もあるため、時々精密検査をすすめられる時があります。
Ⅲb気を付けて がんではないものの将来がんになる可能性もある。現在のところ、約20%の方が、がんに進行する可能性があると考えられています。この中によく調べると初期のがんが紛れ込んでいる時もあり、この時点では精密検査をうけた方が良いと考えられます。
初期のがんが疑われる
進行したがんが疑われる。

漢方と鍼灸

 ウイルス感染が原因なので免疫の力が大事になってきます。多くの人はがんになる前に叩いてしまうためがんにはなりませんが、何らかの理由で免疫力が弱っていると異形成からがん化してしまう。免疫をあげるものに誰でも合うというものはなく、その人に相性がいいものを選ぶことが大事と思います。

・頸部の異常信号から経絡に落とし込んで鍼灸治療はおこないます。
漢方治療も同じように免疫力が最大限に働くように体質を変えていくものを選択します。食養生も大切ですね。

【症例】65歳 検査で中等度異形成と診断。ご紹介で相談を受け、漢方食養生を2か月服用後、再検査で軽度異形成になっています。検査も半年後でいいですよと言われて喜んでいました。