多発性硬化症
多発性硬化症は免疫細胞が中枢神経(脳・脊髄)や視神経に炎症を起こして、神経組織を障害する自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、本来、外敵から自分を守るための免疫系に異常が起き、自分の体の一部を外敵と見なして攻撃してしまうことによっておこる病気です。多発性硬化症では神経細胞の突起(軸索)を被う髄鞘(ずいしょう)が主な標的となり、その結果、髄鞘が壊され(脱随)、神経からの命令が伝わりにくくなります。またこの病気は脱髄の空間的、時間的多発性を特徴とします。空間的多発性とは、複数の神経障害部位があるということ、時間的多発性とは、何度も症状の寛解と再発を繰り返すことです。
有病率は推計で人口10万人あたり7.7人、発症好発年齢は20~30歳前後、3:1の割合で女性に多い病気です。発症リスクとしてストレス、高緯度地域での生活、日照時間の低下、EBウイルス感染、喫煙などが指摘されていますが、自己免疫状態をきたす、その詳しい原因はわかっていません。炎症を起こした後、古くなった脳や脊髄の病巣は硬くなるため、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)という名前がつけられました。
主な症状は、感覚障害では、触った感触や温度の感覚が鈍くなる、逆に過敏になる。痛みやしびれ感など、異常な感覚が生じる。運動障害では、手足に力が入りにくい。体の片側が動きにくい。ふらついて歩きにくい。目の障害は、霧がかかったようになり見えにくい。視力が急に低下する。視野が狭くなる。ものが二重に見える。排尿障害では、尿の回数が頻回になる。間に合わず失禁する。尿が出にくい。残尿感。認知・精神障害では、理解力の低下やもの忘れがある。気分が高揚する。うつ状態になる。発熱、入浴、運動などにより体温が上がると、それまでにこの病気であったしびれ感などの症状が一時的に悪化することがあります(ウートフ徴候)。また、頚部を前屈すると肩から背中にかけて放散する電撃痛を生じることがあります(レルミッテ徴候)。
漢方と鍼灸
MRIの画像から白くなっているところが脱髄病変。問診とツボから免疫の状態、感染、炎症などを探り漢方をお出しします。心身が整えられれば免疫も正常化し炎症もなくなります。鍼灸も異常箇所からの波長を読み取って経絡に落とし込み治療していきます。多発性硬化症と診断を受け来店。漢方で良くなった方がおられます。