慢性疲労症候群
それまで健康に過ごしていた人が、原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、その症状が6か月以上続き、日常生活を送るのにも支障をきたすようになる病気。略称。おもな症状は、強度の疲労感、倦怠感、脱力感、頭痛、微熱、筋肉痛や関節痛、筋力低下、睡眠障害、思考力や集中力の低下、抑うつ症状などで、仕事や家事が手につかなくなり休養を余儀なくされる程度から、体を動かすことさえむずかしくなるほどの重症まで幅広い。抑うつ状態を呈する場合は気分障害や心因性の病態と診断されることがあり、筋肉痛や関節痛を伴う場合は、全身痛が主症状の線維筋痛症の病態ともきわめて類似する。そのため、医療機関でうつ症状や痛みの程度に応じた別の診断が下されることも多い。1988年にアメリカで初めて慢性疲労症候群として報告され、日本では1991年(平成3)に厚生省(現、厚生労働省)に研究班が発足、調査・研究が開始された。原因は解明されていないが、神経系、免疫系、内分泌・代謝系の異常が複雑に絡み合った病態であることが明らかになっている。また、PET(陽電子放出断層撮影)検査で重症患者の中脳や視床に炎症がみられることがわかっており、厚生労働省はCFSの診断にPETなどの特殊検査による客観的な評価を用いることを推奨している。治療は、抗うつ剤や抗不安剤の投与、免疫力を高めるための漢方薬や、抗酸化作用向上のためのビタミンCの服用などがあるが、確実で有効な治療法はみつかっていない。その後、厚生労働省が2014年度(平成26)に行った慢性疲労症候群の患者の日常生活に関する実態調査で、1日をほとんど寝たきりのまま生活する重症患者が30%以上に達することがわかった。また、回復に長い時間を要するほどの激しい疲労などが長期間続くだけではなく、神経系機能障害も伴う深刻な実態であることも明らかとなった。全体の患者数は24万~38万人と推計されている。国際的には、筋痛性脳脊髄炎(ME:myalgic encephalomyelitis)とよぶことがあり、こうした潮流から日本においても「ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)」の病名が用いられるようになっている。病態は中枢神経系の機能異常や調節障害が中心で、ウイルス感染後に発症することが多いとされる。国際疾病分類(ICD-10)でも、ME/CFSは神経系疾患に分類されている。
漢方と鍼灸
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