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気管支炎・慢性気管支炎・細気管支炎・閉塞性細気管支炎

 気管支炎とは、下気道(気管、気管支)に炎症を起こす病気の総称です。いわゆる“かぜ”が上気道(鼻、咽喉頭)に感染し、炎症を起こす病気の総称であることに対して用いられます。数日から数週間で治癒する急性気管支炎と、3か月以上症状が続く慢性(遷延性)気管支炎に分けられます。さらに、気管支の末梢である細気管支という部分に炎症を起こす病態を細気管支炎といいます。原因としてはウイルス、細菌などによる感染症・アレルギー・喫煙・大気汚染・化学物質などがあります。気管支炎はさまざまな原因により生じますが、原因の多くはウイルスによる感染症です。原因となるウイルスは、ライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルス・RSウイルス・インフルエンザウイルスなど、かぜの原因にもなるウイルスです。また、細菌感染も急性気管支炎の原因となることがあり、マイコプラズマやクラミジア、インフルエンザ菌、肺炎球菌、百日咳菌などが挙げられます。慢性、または短期間で繰り返す気管支炎の場合は、生まれつき免疫の一部に欠陥が生じており、免疫機能がうまくはたらかない “原発性免疫不全症候群(PID)”が原因であることも考えられます。そのほかの原因としては、アレルギー・喫煙・大気汚染・化学物質などが挙げられます。びまん性汎細気管支炎は、日本や東アジアの国々に多く、40~50歳代に好発する病気です。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を併発し、鼻汁や嗅覚障害などの症状がでることもあります。びまん性汎細気管支炎では、ヒト白血球抗原(HLA)がB54というタイプを持つ人が多いことが知られています。閉塞性細気管支炎は、細気管支が炎症により狭くなり、空気中から十分な酸素を肺に取り込めなくなる病気です。感染や化学物質の吸引などで起こりますが、原因不明の場合に特発性と呼びます。免疫学的な機序が病気の発症に関係していることもあります。感染症が原因となる気管支炎の症状は炎症による発熱、咳、痰です。また、全身倦怠感、食欲不振、胸の痛みが起こることもあります。小児の場合には元々気道が狭いため炎症でさらに狭くなり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴が聞こえることがあります。このような状態を喘息様気管支炎といいます。慢性気管支炎では、咳や過剰な痰が長期間続きます。疫学調査では、これらの症状が少なくとも2年以上にわたり、毎日または少なくとも連続して3か月以上続くときに慢性気管支炎と診断します。もっとも多い原因は喫煙です。

漢方と鍼灸

 気管支の一番炎症の強い箇所からの反応を取って経絡に落とし込んでツボ漢方を選択します。炎症をおこしているわけですから刺激物は禁止です。上焦の熱なので柴胡・オウゴン麻黄・杏仁 麦門冬 甘草 桔梗などを使うことが多いですが桑白皮、竹葉、石膏、生地黄なども考えて使います。気管支の粘膜の炎症を止め修復させることが大切です。気管支は肺と鼻を結ぶホースなのでゴミが付着しやすく、常に潤いと洗浄作用が働いていないといけません。