悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は、白血球のうちリンパ球ががん化する病気です。悪性リンパ腫は、がん細胞の形態や性質によって、大きくB細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫の3つに分かれます。細かくは、100種類近くのタイプがあります。B細胞リンパ腫は濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫などがあります。T/NK細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球のうち、Tリンパ球またはNKリンパ球ががん化する病気です。進行の速さによって、「低悪性度(進行が年単位)」、「中悪性度(進行が月単位)」、「高悪性度(進行が週単位)」に分類されます。種類は、末梢性T細胞リンパ腫、非特定型、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、皮膚のリンパ腫(菌状息肉症など)です。ホジキンリンパ腫は、リンパ球のがんである悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。日本で発生する悪性リンパ腫全体のおよそ5%を占めます。ホジキンリンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の2つに分けられます。古典的ホジキンリンパ腫はHRS細胞(Hodgkin/Reed-Sternberg細胞)、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫はLP細胞(lymphocyte predominant細胞)とよばれる腫瘍細胞が増えることが特徴です。血液細胞は造血幹細胞からつくられます。血液の中にある赤血球、白血球、血小板などを血液細胞といいます。血液細胞は、骨の中心部にある骨髄で、血液細胞のもとになる造血幹細胞から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれて成長します。骨髄系幹細胞からは、赤血球、白血球、血小板などがつくられ、リンパ系幹細胞からは白血球の一種であるリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)がつくられます。リンパ球は、リンパ系幹細胞から分化した白血球の一種です。
症状は、痛みのないリンパ節の腫はれやしこりがあらわれます。多くの場合、頸部や鎖骨上窩(鎖骨の上のくぼみ)のリンパ節が腫れます。発熱、体重減少、盗汗(大量の寝汗)といった症状があらわれることもあり、これらの症状を「B症状」といいます。
検査は、血液・リンパのがんでは、ほとんどの場合、診断や病型を確定するために骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)を受けます。骨髄検査は、皮膚を消毒し局所麻酔をした後に、一般的には腸骨(腰の骨)に針を刺して、骨髄組織を採る検査です。
血液・リンパのがんは、がんそのものや薬物療法の影響で、健康な人には害のないような弱い細菌、真菌(カビ)やウイルスなどの病原体に感染しやすくなります。そのため、手洗いやうがいをしっかり行う、感染源を作らないためにけがをしないようにするなど、日常生活でも注意が必要です。
漢方と鍼灸
癌の反応としこりのあるリンパ節の反応、腸骨の反応をとって漢方、ツボを選択していきます。しこりの固さ、大きさによって生薬の量を加減していきます。血液の癌は脾が原因で起きていることが多いです。