足の痛み・かかとの痛み
歩き疲れたときなどに足が痛いと感じるのはよくあることかもしれません。しかし、何も心当たりがないのに痛みを感じる場合には、注意が必要なこともあります。そんなに歩いていないのに足に痛みを感じやすい、足の裏が痛くて体重をかけられない、足が慢性的にだるく、痛みを感じることもあるなどこのような場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。足が痛いときに考えられる病気は、足の痛みは、何らかの病気によって引き起こされていることがあります。大きく分けて骨や関節の病気、または体の病気が原因となっているケースがあります。足の痛みを引き起こす骨や関節の病気には、次のようなものがあります。産まれたばかりの子どもの足には土踏まずのアーチがありませんが、大人になるにつれてアーチが形成され、効率的に体重を支えることができるようになります。扁平足には、子どもの頃からうまくアーチが形成されなかった場合と、大人になってから何らかの原因でアーチが崩れてしまったものがあります。主な症状には内側のくるぶしの下の腫れ、足の痛みなどがあります。変形が進むにつれ、歩きにくくなることもあります。足底腱膜炎は足底腱膜という、足裏のアーチを支えるために重要な役割を果たしている腱が炎症を起こし、かかとの下側からつま先にかけて痛みを感じる病気です。朝起きたときや、長時間休憩した後に最初に体重をかけたときに強い痛みがはしることがあります。種子骨障害 ・ 種子骨炎は、足の親指の付け根にある種子骨が骨折や炎症を起こし、足の裏に痛みが発生している状態です。走る・踏み込む動作が多いスポーツなどの負荷により発生するといわれています。踵骨骨端症(シーバー病)は、かかとの骨にはアキレス腱や足底筋膜など、足のはたらきに大切な腱が付着しています。走る・跳ぶなどの動作でかかとの軟骨が引っ張られて炎症が起こり、痛みが起きる病気です。運動をした後、朝起きたときなどに痛みを感じることが多いといわれています。また、踵の骨に背が伸びる成長軟骨の残っている小学生、特に男児に多いといわれている病気です。捻挫・骨折は関節に無理な力が加わり、骨と骨をつなぐ靱帯が伸びたり切れたりする捻挫、骨が折れたり欠けたりしてしまう骨折はいずれも強い痛みの原因となります。捻挫の場合、内側に足をひねってしまうことが多いですが、靱帯が強く引っ張られることで靱帯の付け根が骨ごと剥がれ、裂離骨折といわれる一種の骨折を起こすことがあり、特に子どもの場合の多くが裂離骨折となります。痛みや腫れが強いときには、ただの捻挫だと思わず、一度受診するようにしましょう。血管や皮膚、体の病気によって足の痛みが起こることもあります。代表的な病気には、以下のようなものがあります。
血管の病気により足が痛むこともあります。たとえば、足に血栓ができるエコノミークラス症候群、動脈硬化によって血管が狭くなる 閉塞性動脈硬化症、足の静脈が浮き出たり盛り上がったりする 下肢静脈瘤 です。足の皮膚の色が悪い、足が片方だけむくむ、特にふくらはぎの血管が盛り上がり瘤のようになっているなどの場合には注意が必要です。 蜂窩織炎は皮膚の深部が細菌感染して炎症を起こす病気です。足は比較的発症することが多く、痛みのほかに皮膚が赤みを持って腫れる場合がほとんどです。また、程度によっては熱が出たりすることもあります。痛風は尿酸の結晶が関節や腎臓にたまり、関節痛や腎機能障害を起こす病気です。特に、足の関節や足の親指の付け根は痛みが起こりやすい場所として知られています。いったん痛み発作が起こると、激痛を伴って赤く腫れますが、数日で徐々に治っていきます。発作時は尿酸値が低下することもあり、そのときの血液検査では診断がつかないこともあります。痛みのあるときだけでなく、長期的な治療が必要な病気ですので、痛みが自然に治っても一度受診しておくことが大切です。足に痛みが生じるまれな病気としては、ファブリー病 などが挙げられます。症状は、手足の先がよく痛くなる、汗をかかない・または汗をかきにくい、熱いお湯に手足をつけるのが苦手、皮膚に赤いぶつぶつがある、家族や親戚の中に、若い頃から、腎臓や心臓の病気がある人や、脳の血管が詰まったことのある人がいるなどがあればファブリー病かもしれません。