妊娠中の風邪
妊娠中気をつけていても風邪をひいてしまうことはあると思います。特に妊娠中は抵抗力が低下しているため、風邪などの感染症にかかりやすい状態です。
まずは、うがい、手洗い、マスクの着用など予防対策を行うことが大切です。うがいは水でのうがいが勧められます。イソジンなどのヨードを含むうがい薬を使う人が多いのですが、ヨードは胎盤を通過しやすいので注意が必要です。また、インフルエンザワクチンは妊娠中でも接種可能です。
薬が必要な場合は、咳、鼻、熱などの症状を改善する薬を必要最小限使用するようにします。また、抗菌薬や抗ウイルス薬も、成分によっては服用できるものもあります。インフルエンザに使われるザナミビル(商品名:リレンザ)は吸入薬であるため、妊娠中でも使用は可能です。市販の風邪薬はいろいろな成分が混じっており、必ずしも安全とはいえません。
かぜ薬はかぜを治すためのものではなく、風邪の症状を和らげるためのものになります。かぜを早く治す方法は、無理をせず十分な休養と水分・栄養をとることです。ただ、症状がどうしても辛い、今だけはどうしても休めない、という場合は妊娠中でも内服できるかぜ薬があります。
薬を飲む場合、基本的に妊娠初期は避けた方がいいでしょう。妊娠4〜7週を「器官形成期」といい、赤ちゃんの脳や神経などを作る大切な時期です。この時期は薬を飲むと赤ちゃんの発達に影響があるため、薬を飲むことはなるべく避けるようにしましょう。
器官形成期は妊娠に気がつかない人もいるため、風邪をひいたと思い薬を飲んでしまうことがありますので注意してください。
妊娠8週〜15週までは、赤ちゃんの重要な器官の形成は終わり、過敏期はすぎていますが、奇形を起こす心配がなくなるわけではありません。そのため、薬を飲むときは必ず医師に確認してください。
妊娠16週以降は赤ちゃんに奇形を起こすことが問題となることはありませんが、胎盤を通過して赤ちゃんへ移行するため、薬を飲む時は注意しましょう。
漢方と鍼灸
漢方薬では、桂枝湯、香蘇散、参蘇飲、麦門冬湯などが症状にあわせて使われます。原因となるのはウイルスなので、免疫力が落ちているとかかりやすいです。当院は免疫を見る反応穴から最適な漢方、食養生、ツボを選択します。十分休息を取り、油を控えた和食(熱いおじやなどがおすすめ)を腹5~6分ぐらいがベストです。妊娠中は免疫を上げて体力をつけることを主に考えます。