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しゃっくり(吃逆・きつぎゃく)

 しゃっくりは、続くとつらい症状です。
しゃっくりは、横隔膜の不随意のけいれんの後に声門が音を立てて素早く閉じることが繰り返し起こるものです。横隔膜は腹部と胸部を仕切っている筋肉で、1回1回の呼吸を起こす働きがあります。声門は、声帯間の開口部で、これが閉じることで肺への空気の流れを遮断します。「ヒック」というような独特の音が出る現象のことである。吃逆(きつぎゃく)ともいいます。
短時間発生する急性のしゃっくりは基礎疾患がないことがほとんどで、食べ過ぎ・飲み過ぎや炭酸飲料などによる刺激によって発生する場合が多く見られます。慢性や難治性のしゃっくりの場合、延髄の呼吸中枢付近の障害や脳の疾患、咽頭や消化器、呼吸器などの炎症や腫瘍などが原因になることがあります。また、アルコール摂取や薬剤によることもあります。
 慢性や難治性の場合は長時間続くしゃっくりによって不眠や悪心嘔吐、食欲不振などが起きたり、会話、とりわけ電話での会話が困難となって社会生活に支障を来したりすることがあります。
しゃっくりが2日以上続く場合や、他の症状が加わったりした場合は診察・検査を受け、原因を特定していく必要があります。具体的には現病歴や既往歴、手術歴、家族歴、飲酒や喫煙の有無などの生活習慣を確認した上で消化器症状(胸焼けや嘔吐など)、神経症状(しびれやまひなど)、呼吸器症状(咳など)の有無をチェックします。必要に応じて血液検査、画像検査、生理学的検査などを行い、しゃっくりを引き起こしている原因を探します。

西洋医学的な治療

 急性の場合は、特に治療を行わなくても自然に収まることがほとんどです。症状を緩和するため、息こらえや飲水といった民間療法が行われることもあります。一方、難治性の場合は、反射運動を起こしている原因を探します。

漢方と鍼灸

 吃逆(きつぎゃく)ともいわれるしゃっくりは、気が上衝し、のどに続けてヒックという音がします。冷えやストレス、筋肉の緊張、術後など原因がわかれば、対処方法も考えられます。しゃっくりの原因(冷え・筋肉の緊張・術後など)を探しながら、最適な漢方食養生ツボを選択します。また胃や腸の波長も調べ自律神経と同じなら、原因は自律神経です。違う場合、胃や腸の調子を整える漢方ツボで治療いたします。呉茱萸湯、柿蔕湯、小半夏加茯苓湯、半夏瀉心湯、茯苓飲、半夏瀉心湯、補中益気湯などが使われます。