不育症
不育症とは、妊娠はしますが流産や死産を繰り返す状態をいいます。
流産(22週未満)または死産(22週以降)、新生児死亡を2回以上繰り返すことです。不育症のうち、3回以上の流産をとくに「習慣流産」といいます。
妊娠反応は陽性ですが、子宮内に赤ちゃんの袋(胎嚢)が見えずに終わる生化学的妊娠(化学流産)は、流産には含まれていません。
主な原因としては、抗リン脂質抗体症候群、子宮形態異常、受精卵の染色体異常、内分泌代謝異常、血液凝固異常などがあります。
不育症の原因
① 抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群は、抗リン脂質抗体という自己抗体により、血栓症や流産・死産を起こす病気です。
② 子宮形態異常
子宮形態異常といって、子宮の形が通常と異なる場合、とくに中隔子宮では流産しやすい事がわかっています。診断法には子宮卵管造影やMRI、子宮鏡検査、超音波検査などがあります。
③ 夫婦染色体異常
夫婦どちらかに均衡型転座(ある染色体がお互いに入れ替わっているが、遺伝子に過不足がない状態)などがあると、夫婦ともに健康ですが、卵や精子ができる際に、染色体に過不足が生じることがあり、流産の原因となります。
④ 内分泌代謝異常
甲状腺機能亢進・低下症、糖尿病では流産のリスクが高くなります。
妊娠前から妊娠中にかけて、良好な状態を保つことが重要になります。
⑤ 血液凝固異常
血液中の凝固因子(血液を固めて血を止める働き)に異常があると、血栓が作られやすくなり、流産や死産を繰り返すことがあります。凝固因子異常の疾患として、抗リン脂質抗体症候群、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症などがあります。
漢方と鍼灸
病院の検査で問題が見つからないのに流産や死産を繰り返す場合は、漢方的な体質が原因である事が多いです。流産しやすいのはお血や血虚、気虚、腎虚ですが、抗リン脂質抗体などの免疫異常は水毒が原因になることもあります。不育症の原因がはっきりしている場合(特に抗リン脂質抗体症候群など)は妊娠するまでは漢方薬で治療をおこないます。妊娠後は病院の治療を行いながら、漢方薬を併用することがおすすめです。
不妊症の反応穴、黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、抗体の反応穴、甲状腺、乳頭、子宮、頸管、卵巣、卵管、精索静脈、精巣、自律神経・更年期の反応穴、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方、食養生、ツボを導き出します。