黄体機能不全
黄体のはたらきがよくないと、排卵後に十分な量の黄体ホルモンが分泌されず、また黄体が早々と退化して高温期が維持できなくなります。
また、卵胞の発育が十分でないことや、子宮内膜の感受性が低下していることなども原因として考えられます。黄体ホルモンの分泌の低下によって起きるケースと、黄体ホルモンには異常がないのに子宮内膜自体の働きに異常があるケースがあります。
黄体機能不全になると、子宮内膜に問題が生じ、受精卵が着床しづらくなります。自覚症状はあまりなく、病院で検査をしたり、体温を測定したりしていなければわからないことが多いです。ただし、ひどくなると、不正出血や頻発月経などを起こすことがあります。
黄体機能不全の診断基準
・黄体期(排卵後6日目くらい)の黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)値が10mg/ml未満
・高温期が短い(10日未満)
・高温期と低温期の差があまりない(0.3℃未満)
・高温期の途中で低温へ落ち込む
・子宮内膜が薄い(8mm以下)
などを基準にします。
基礎体温の傾向
黄体機能不全になると高温期を維持できなくなります。そのため、高温期が36.7℃に届かない、高温期の日数が10日未満と短くなる、低温期と高温期の差が0.3℃未満になるといったことが起きます。基礎体温のグラフの形は、高温期に基礎体温が一時的に下がる、高温期の日数が短くなる、高温期の体温が低くなる、低温期との差がなくなるという傾向があります。
西洋医学の治療は、一般的に黄体ホルモンの補充や排卵誘発剤などで卵胞の発育や排卵を促すことが中心です。しかし、ホルモン剤をずっと飲み続けることへの不安、子宮内膜への影響や経管粘液の減少などが気になることもあります。
漢方と鍼灸
漢方では血虚または気虚や腎虚と考えます。黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、抗体の反応穴、甲状腺、乳頭、子宮、頸管、卵巣、卵管、精索静脈、精巣、自律神経・更年期の反応穴、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方、食養生、ツボを導き出します。