心因性嘔吐(神経性嘔吐)
心因性嘔吐は、原因となる疾患がなく、心理的なストレスが原因で慢性的に何度も嘔吐することをいいます。嘔吐はなくても吐き気があればこの病名が使われます。
心因性嘔吐は、自律神経失調症(身体表現性障害)や機能性ディスペプシア(FD)の一症状とされることもあります。また吐き気は過食症や対人緊張などでもよく見られます。
心因性嘔吐の吐き気は、緊張する会食など、場面が限定されていたり、午前中だけなど特定の時間帯に偏っていたり、逆に終日症状が続くといったものがあります。
吐き気の原因を本人が自覚しているとは限りません。このため吐き気以外の症状の有無や、症状の特徴、吐き気が出やすい状況などから原因を探します。
ストレスは、精神的な負担だけでなく、身体的にも不調を引き起こすことがあります。
特に胃腸の働きは、自律神経のバランスが密接にかかわっているため、ストレスによる不安や緊張などが続くと、胃の粘膜を刺激し吐き気やおう吐を引き起こすことがあります。
吐き気は、脳のおう吐中枢が刺激されることで起こります。ストレスにより胃腸の状態が悪くなっている時に、迷走神経やおう吐中枢が刺激されると吐き気やおう吐につながることがあります。
ストレスが原因の場合は、意図せずに条件反射で吐き気が引き起こされるため、病院などで検査してもその原因をはっきりと特定できない場合がほとんどです。
ストレスがかかって吐き気が起こることは病気ではありません。しかし、ストレスが原因で吐き気を伴う疾患を発症することがあります。ストレスが原因で吐き気以外にも、腹痛や胸やけ、下痢、胃痛などを引き起こすことがあります。
ひどい場合は、過敏性腸症候群、急性胃腸炎、慢性胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった疾患を引き起こすことがあります。
漢方と鍼灸
脳と胃腸の関係から起こる病気ですので、自律神経のツボ、胃のツボ、腸のツボ、腹痛箇所から経絡に落とし込んで漢方、ツボ、食養生を選択します。