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難聴

 音が耳に入ってから脳に伝わるまでのどこかの段階で障害が起こり、音が聞こえにくくなったり、まったく聞こえなくなったりする症状。音が聞こえにくい、言葉が聞き取りにくい、あるいはまったく聞こえないといった症状のことをいいます。具体的には、音は聞こえているが、何を話しているか分からない。話し声が明瞭に聞き取れず、こもったような音として認識される。大勢の人の中や、雑音がする環境では会話が困難。時計のアラームなど高い音が聞き取りにくいなどです。

 原因には生まれつきの先天的なものと後天的なものがあり、脳腫瘍や薬などが影響することもあります。障害の程度はさまざまですが、音がまったく聞こえなくなってしまうこともあります。先天的な原因としては、妊娠期間中の感染症(たとえばウイルス)や内耳の蝸牛奇形を挙げることができます。後天的な原因として頻度が高いのは、加齢による聴力機能の衰えです。そのほかにも、突発性難聴や脳腫瘍、薬による影響などで内耳や脳の聴覚野の機能が低下し、発症に至ることもあります。また、大きな騒音により聴覚障害が生じる可能性があります。そのほかにも、中耳炎、耳垢などが原因となることもあります。0歳代前半の人によくみられます。近視が中等度以上の人では10年ほど早く発症するといわれています。

 耳の構造は、「外耳」(入り口から鼓膜までの部分)、「中耳」(鼓膜、耳小骨[じしょうこつ]、鼓室[こしつ]と乳突蜂巣[にゅうとつほうそう])、「内耳」(さらに奥の蝸牛[かぎゅう]と三半規管などがある部分)の3つに大きく分かれています。外耳と中耳は音を伝える役割をしており、内耳は音を感じて脳に伝える役割をしています。これらのどこか、あるいは大脳の聴覚中枢に障害が起こると、難聴を発症します。

 難聴は、外耳と中耳の障害によって音がうまく伝わらない「伝音難聴」と、内耳や脳に問題があり、音をうまく感じ取れない「感音難聴」とそれらが合わさった混合性難聴の3種類に分けられます。
• 伝音難聴……中耳炎や外耳炎、耳硬化症、耳あかの詰まり、外耳が閉塞したり、中耳にある鼓膜が破れたり音を伝える耳小骨が骨折などして障害されることにより音が伝わりにくくなる状態
• 感音難聴……加齢性難聴や突発性難聴、ヘッドホン難聴などの音響性難聴、騒音性難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病、内耳の蝸牛にある音を感じる有毛細胞が変性・脱落したり、聴神経に腫瘍ができることで音を感じにくくなったりする状態
• 混合性難聴……伝音難聴と感音難聴が合わさった状態

漢方と鍼灸

 何年も経っているものは治しにくいと言われているので早い方がいいでしょう。
やはり標治と本治にわける必要があります。発症当時の聞き取りは大事です。めまいを伴うもの、ストレスと関係するもの、老化によるものなどの関係性を探るのと異常個所を特定することも大事です。聴神経の伝達なのか蝸牛の問題なのかを探っていきます。例えば老化の場合、脳の伝達をよくするもので聞こえも良くなってくることが多いです。