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眼底出血

 『眼底』とは、眼球の内部、奥の部分のことをいいます。眼底には、網膜・脈絡膜や視神経、血管などの大切な組織があります。『眼底出血』は、多くの場合は網膜の出血のことを指します。網膜の中心部である黄斑部は、中心視力にとって最も大切な部分です。

 糖尿病・高血圧によるものが代表的ですが、加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症・網膜細動脈瘤・糖尿病網膜症・高血圧網膜症・網膜剥離・外傷・全身の血液疾患(腎臓病・白血病)などが原因になるものもあります。眼球内に出血が溜まり急激に視力が下がる硝子体出血という重症のタイプもあります。出血そのものの症状は、飛蚊症・視野障害・視力低下などです。しかし黄斑(おうはん)という感度の高い中心にでると、見にくい場所をはっきり自覚するようになります。したがって、健康診断で発見されることも多いです。両目で普通にみていると気づきにくいため、ときどき片目ずつで見てみると発見できることがありますので是非ためしてみてください。

漢方と鍼灸

 出血を止める漢方、血栓を溶かす漢方、動脈硬化を改善する漢方を組み合わせます。鍼灸では出血箇所の波長から経絡に落とし込んで治療していきます。

煎じ

三黄瀉心湯(黄連・黄芩・大黄)『傷寒論』
充血性炎症の強い時に使われます。
黄連解毒湯(黄連・黄芩・黄柏・山梔子)『外台秘要』
三黄瀉心湯に使われる場合に似ていますが、それほど下す必要がない時に使われます。
温清飲(当帰・川芎・芍薬・地黄・黄連・黄芩・山梔子・黄柏)『万病回春』
病状が長引いているときに使われます。
洗肝明目湯(当帰・川芎・芍薬・地黄・黄連・黄芩・山梔子・石膏・連翹・防風・荊芥・薄荷・姜活・蔓荊子・菊花・蒺蔾子・桔梗・決明子・甘草)『万病回春』
眼脂の分泌がある時に使われます。
桂枝茯苓丸(桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬)『金匱要略』
桃仁・牡丹皮に駆お血作用があり内出血や腫瘤を除きます。
・桃核承気湯(桃仁・大黄・甘草・芒硝・桂枝)『傷寒論』
小柴胡湯(柴胡・黄芩・人参・半夏・甘草・生姜・大棗)『傷寒論』
体質改善の目的で使わることが多いです。
小建中湯(桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗・膠飴)『傷寒論』
疲れやすく、腹直筋が薄く緊張している方に使われます。
など(薬局製剤以外も含む)