三叉神経痛
三叉神経は顔面の感覚を脳に伝える神経で、その名のとおり
・前頭部や目、鼻などの感覚を支配する“眼神経(第1枝)”、
・上顎や頬、上唇などの感覚を支配する“上顎神経(第2枝)”、
・下顎や下唇、舌、咀嚼筋そしゃくきんなどの感覚を支配する“下顎神経(第3枝)”
の3つに分かれています。
主に50歳代以降の人にみられることが多く、中でも男性よりも女性に多い傾向があるとされます。痛みは洗顔や食事、歯磨き、髭剃りなど生活上の動作によって生じるとされており、痛みの程度によっては食事をするのが困難になるなど日常生活に支障をきたし、生活の質が低下することもあります。三叉神経痛は、主に頭蓋骨内にある血管によって三叉神経が圧迫されることで発症します。圧迫された神経は髄鞘(神経を覆う物質)が障害を起こした状態(脱髄)になり、異常な神経のはたらきをすることで痛みが生じると考えられています。特発性三叉神経痛では原因が明らかではないことが多い一方、二次性三叉神経痛では腫瘍や血管奇形、外傷などが原因となることがあります。
三叉神経痛は、鋭く我慢しがたい痛みが数秒から数十秒と発作的に生じることが特徴です。痛みがよく現れる部位としては、上顎や頬、上唇などの感覚を支配する上顎神経(第2枝)や下顎や下唇、舌、咀嚼筋などの感覚を支配する下顎神経(第3枝)領域の頻度が多いです。痛みの持続時間は通常は短いですが、時に10~20分程度続く場合があるほか、1日のうちに何度も痛みが繰り返されることもあります。また食事や洗顔、歯磨きなどの刺激や顔などを触ることによって痛みが誘発されることが多いのも特徴の1つです。二次性三叉神経痛の場合でも電撃のような鋭い痛みを生じますが、これに加えて感覚の異常をはじめとするほかの症状を伴う傾向にあります。三叉神経痛の痛みの度合いは、人によって異なります。時に歯の痛みと間違って認識されることもあり、歯科や口腔外科など神経痛を専門としない領域の医療機関を受診する人もいます。また、三叉神経痛によって多大なるストレスを感じる人もいます。痛みが反復されることから、円滑な日常生活を送ることができなくなることもあります。
漢方と鍼灸
50歳以降の方に多いことから動脈硬化による神経圧迫の可能性があります。また原因のわからない場合ストレスが関係していたり、冷えが関係していることもあります。基礎疾患がある場合、そちらの問診も必要ですね。まずは痛みを楽にすることが患者さんにとって大事なことです。まず痛みの部位から経絡に落とし込んで薬方やツボを選択します。動脈硬化が始まっていても血管を柔らかくする漢方があります。少し時間がかかる場合がありますが良くなる方も多いのであきらめないで。