アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、花粉やダニなどの特定の物質(アレルゲン)を異物とみなし、体内から異物を排除しようと主にくしゃみ、鼻汁、鼻閉の3つの症状が生じてしまう病気のことです。アレルギーとは、ある特定の物質に対して体の免疫機能が過剰に反応してしまう現象のことです。アレルギーはI〜IVの型に分かれており、アレルギー性鼻炎はIgE抗体という抗体(病原体などが体内に侵入してきたときに反応するたんぱく質)が関与する鼻粘膜のI型アレルギー疾患に分類されています。原因物質はたくさんありますが、アレルゲンに曝露されることでアレルギー性鼻炎が出現する点は共通しています。アレルギー性鼻炎は一年中症状がある通年性アレルギー性鼻炎と一定の季節に限局して生じる季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。原因の90%がダニによるものです。そのほかにハウスダスト、動物の毛やフケなども原因となります。季節性アレルギー性鼻炎でもっとも多い原因は花粉であり、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎のことを一般的に花粉症と呼んでいます。
原因となる花粉は60種類以上ありますが、スギ花粉の飛散が多い日本では花粉症全体の70%がスギ花粉によるものと推測されています。また、ほかの季節に飛散する花粉に悩まされている患者さんも多くいます。3大症状は“くしゃみ”“鼻汁”“鼻閉”です。そのほかに頭痛、頭重感、食欲不振、耳・喉・目のかゆみなどの随伴症状が起こることもあります。また、倦怠感や意欲の低下にもつながります。こうした症状は非常に不快で、日常生活の質を著しく低下させます。生命に関わる病気ではありませんが、学業や仕事に悪影響をきたすこともあります。アレルギー検査の方法としてもっとも一般的なものは血液検査です。血液検査でアレルギーに関連性の深い好酸球やIgEなどを測定します。特異的IgE抗体の測定は、原因物質の特定を目的として検査されます。アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)によって体内に生成されたヒスタミンという物質によりアレルギー症状が起きます。このヒスタミンが起こす症状を抑えることが、アレルギー性鼻炎の治療として有効になります。一般的に使われる内服薬は、アレルギー反応を起こす刺激物質を抑える抗アレルギー薬と抗ロイコトリエン薬です。抗アレルギー薬は、ヒスタミンの発生と放出を抑えることにより主にくしゃみ、鼻汁の軽減が期待できる、比較的即効性のある薬です。作用の強い薬は脳の覚醒を維持するヒスタミン受容体にも同時に作用してしまうので眠気を起こしてしまう場合があります。一方、抗ロイコトリエン薬は鼻粘膜にあるロイコトリエン受容体に作用することで、主に鼻閉に効果を示します。即効性はやや劣りますが眠気は起こりません。中等症以上では鼻粘膜の炎症を抑える鼻噴霧用ステロイド剤も使用します。ステロイドとは本来副腎と呼ばれる組織で作られるホルモンであり、強い抗炎症効果があります。内服薬の長期の連用は副作用の心配がありますが、鼻噴霧用ステロイド薬でのステロイドは副作用の心配は少ないです。
漢方と鍼灸
標治はくしゃみ、鼻汁、鼻閉を治すこと。本治は免疫の過剰反応をもとに戻すこと。免疫は中庸がいい状態です。免疫の過剰(亢進)は慢性炎症の状態です。アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、気管支喘息、蕁麻疹などなど。免疫の反応をみるツボから、あなたにあった免疫調整の食養生食品をお選びいたします。