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ブレインフォグ

 新型コロナウイルス感染症にかかった後,ほとんどの人は時間経過とともに症状が改善しますが,一部の人は症状が長引くことがあり,これらの罹患後症状はいわゆる“後遺症”と呼ばれています。新型コロナウイルスはオミクロン株へ変異してから感染力を増し,日本でも流行の第6~8波を起こしました。現在,第8波は収束に向かい,5月からは感染症法上でも5類扱いになることが決まっていますが,未だに後遺症で苦しむ患者さんは後を絶ちません。後遺症の代表的な症状には,疲労感・倦怠感,関節痛,筋肉痛,咳,息切れ,胸痛,脱毛などが知られていますが,最近では,記憶障害,集中力低下,抑うつなどの精神神経症状を訴えるケースも多く,“ブレインフォグ”と呼ばれています。新型コロナ後遺症のうち,咳,息切れなどの呼吸器症状については,肺の線維化による可能性が指摘されています。一方で,ブレインフォグについては,ウイルスの直接浸潤や脳血管の凝固異常のほか,最近では,自己抗体など免疫系の異常が関与している可能性が明らかになってきました。さらに,ブレインフォグを起こした患者さんの脳内では,ミクログリアやリンパ球とよばれる免疫細胞のはたらきが活発になっていることにより,脳に“慢性炎症”がおきていることも明らかになりました。

漢方と鍼灸

 免疫亢進による慢性炎症ですので、免疫の調整が必要です。また血栓によって血流不全、上咽頭、各症状の出ている箇所の波長をとって経絡に落とし込んで漢方鍼灸治療をしていきます。有酸素運動、EPA,DHA、休養、睡眠の質の向上、食生活の見直しも大事ですね。