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腎嚢胞

 腎嚢胞というのは腎臓にある液体の塊です。この液体の塊は基本的には無害です。液体の塊が単発でできる方が多いですが、なかには二つ三つ持っている患者さんもおられます。もちろん腎嚢胞がない患者さんの方がほとんどです。腎臓の表面に液体の塊がポンとついていて、それが一つから数個腎臓にあるのが腎嚢胞と呼ばれるものです。腎嚢胞は特に治療は必要ありません。基本的には放置します。ただしあまりにも腎嚢胞が大きくなってきてお腹に圧迫感を出したり、何か症状が出てくる場合や嚢胞性腎がんといって腎臓の嚢胞にガンを合併している時があります。お腹に圧迫感がある場合は嚢胞の中の液体を抜きます。また腎嚢胞が多発することで腎機能が悪化するタイプがあります。腎嚢胞の原因はよくわかっておらず、年齢とともに多くの人に発生し、エコー検査やCT検査の際に偶然に発見されます。腎嚢胞が多発するタイプのものでは、遺伝が関係しているものもあり家族性に発生します。まれに腎嚢胞に感染を起こし熱が出る場合があります。抗生剤の投与だけで治る場合もありますが、時に腎嚢胞を穿刺して、感染した中の液体を排出する必要がある場合があります。まれに腎嚢胞内に出血を起こす場合があります。出血に伴って、腎嚢胞のある側の腰痛を認めます。腎嚢胞内に出血を認める場合、その原因となりうる悪性腫瘍の発生を疑う必要があります。非常にまれですが大きな腎嚢胞で破裂する場合があります。まれに腎嚢胞が腎の中心部に発生し、尿路を圧迫し尿の流出の抵抗となる場合があり、そのため腎盂が腫れ、いわゆる水腎症と呼ばれる状態になる場合があります。水腎症がある場合、腰部の痛みの原因となる場合があります。腎嚢胞の中に隔壁が存在したり、石灰化していたりする場合は、前述の出血した場合も含めて、腎嚢胞内の悪性腫瘍の存在を疑います。CT検査やMRI検査などの画像検査で精査します。腎嚢胞が多発する疾患があり、多発性嚢胞腎という疾患があります。遺伝する病気で家族性に発生します。腎嚢胞が多発することによって、腎機能が低下し腎不全になる場合があります(難病指定)。

漢方と鍼灸

 まずは癌かどうかの鑑別が大事ですね。腎臓と癌の反応穴で確認し漢方食養生ツボを選択します。液体の塊ができることから水毒、血尿がある場合はお血を考えます。また癌の場合は免疫力の低下で気虚も考えます。