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突発性血小板減少性紫斑病

 本疾患は、血小板膜蛋白に対する自己抗体が発現し、血小板に結合する結果、主として脾臓における網内系細胞での血小板の破壊が亢進し、血小板減少を来す自己免疫性疾患である。最近、欧米において本症は、一次性免疫性血小板減少症(primary immune thrombocytopenia)と呼ばれることが多い。種々の出血症状を呈する。通常、赤血球、白血球系に異常を認めず、骨髄での巨核球産生能の低下も見られない。ITPの診断は今でも除外診断が主体であり、血小板減少をもたらす基礎疾患や、薬剤の関与を除外する必要がある。血小板減少とは、血小板数10万/µL未満をさす。最近では、ITPにおいては血小板破壊亢進のみならず、血小板産生も抑制されていることが明らかにされている。血小板自己抗体が骨髄巨核球にも結合し、血小板の産生障害を引き起こしていると考えられる。病因は不明であり、抗体産生機序は明らかにされていない。小児ITPではウイルス感染や予防接種を先行事象として有する場合がある。小児ITPでは、ウイルス感染が多くの場合先行し、急激に発症し数週から数か月の経過にて自然治癒することが多い。急激に血小板が減少する場合には、出血症状も高度であることが多い。一方、血小板数が徐々に減少し、推定発病から6か月以上、年余にわたって慢性的に持続する場合は、発症時期が不明なことが多い。臨床症状は出血症状であり、主として皮下出血(点状出血又は紫斑)を認める。歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多、頭蓋内出血なども起こり得る。これらの出血症状は何ら誘因がなく起こることが多く、軽微な外力によって出血しやすい。一般的に出血傾向が明らかになるのは、血小板数5万/µL以下である。血小板数が1万~2万/µL以下に低下すると、口腔内出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血などの重篤な出血症状が出現する。これらの症状を呈した場合は入院の上、副腎皮質ステロイドやガンマクロブリン大量療法に加え、血小板輸血も考慮する。一方、患者によっては血小板3万/µL以下であっても、軽度の出血傾向しか呈さない症例もあり、この場合は外来での観察で充分である。ピロリ菌が陽性の場合、まず除菌療法を行うことを推奨している。一方、除菌療法の効果のない場合やピロリ菌陰性患者では、第一選択薬は副腎皮質ステロイドとなる。副腎皮質ステロイドは網内系における血小板の貪食および血小板自己抗体の産生を抑制する。
発症後6か月以上経過し、ステロイドの維持量にて血小板を維持できない症例、ステロイドの副作用が顕著な症例は積極的に脾摘を行う。脾摘が無効の時、ステロイド抵抗性で脾摘が医学上困難である場合にはトロンボポエチン受容体作動薬の適応となる。
その他の治療としては、ガンマグロブリン大量静注療法は一過性ではあるが高率に血小板数の増加が期待され、外科的手術時、分娩時、重篤な出血時など緊急に血小板増加が必要時には有用である。重篤な出血が認められる場合には血小板輸血も考慮される。
さらに、ITPの治療を行う上における治療の目標は、危険な出血を防ぐことにある。薬の副作用の観点から、血小板数を3万/µL以上に維持するのに必要な最小限の薬剤量の使用に留めるべきであることを成人ITP治療の参照ガイドでは推奨している。小児ITPでは、大部分が6か月以内に自然に血小板数が正常に戻ることが多く、慢性化するものは10%程度。成人慢性ITPでは、約20%は副腎皮質ステロイドで治癒が期待されるが、多くは副腎皮質ステロイド依存性であり、ステロイドを減量すると血小板数が減少してしまうため長期のステロイド治療が必要となる。脾摘により、ITPの約60%がステロイドなしでも血小板数10万/µL以上を維持できるようになる。ただし、それでも残りの約5~20%は治療に抵抗性(あるいは難治性)で、出血に対する厳重な管理が必要。血小板数が3万/µL以上を維持できれば、致命的な出血を来して死亡する例はまれであり、重篤な出血は血小板数3万/µL未満の症例に見られることがある(多くは1万/µL未満の症例)。

漢方と鍼灸

 ステロイド治療をしても3万まで減少してきてご相談に来られた方がいます。漢方と食養生で10万以上となり回復されました。副腎皮質ステロイドは様々な副作用がでますので、長期服用は別の病気を発症する可能性があります。証より漢方と免疫で良くなりました。脾臓、自己免疫疾患の反応穴、小腸の反応穴、出血部位、ピロリ菌の反応穴などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。