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糖尿病

 糖尿病とは、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気のことです。

糖尿病診断基準(2023)

●“糖尿病型”の判定基準:以下のいずれか 1 つを認めた場合
① 血糖値 空腹時血糖値≧126mg/dl
② 血糖値 75g 経口負荷試験(OGTT)2 時間値≧200mg/dl
③ 随時血糖値 ≧200mg/dl 以上
④ HbA1c≧6.5%

●糖尿病の診断
1. 上記の血糖値(➀②③のいずれか)と④HbA1c が同一採血で“糖尿病型”を示せば、初回検査だけで「糖尿病」と診断。血糖値と HbA1c の同時測定を推奨。
2. 血糖値の➀②③いずれかが“糖尿病型”を示し、かつ以下のいずれかを満たす場合には、初回検査だけで「糖尿病」と診断。血糖値が“糖尿病型”に加えて、糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)または確実な糖尿病網膜症。
3. ➀~④のいずれかが“糖尿病型”と認められた場合、別の日(なるべく 1 ヶ月以内)の再検査で再び血糖値➀から③の“糖尿病型”が確認されれば「糖尿病」と診断。HbA1c のみ反復検査では糖尿病と診断できない。
4. “糖尿病型”のいずれかを認めるが「糖尿病」と確定できない場合は、「糖尿病疑い」として 3-6 か月以内に「血糖値と HbA1c と同時に測定」して再判定する。

 私たちは食事をすると血糖値が上がります。そして、血糖値の上昇が感知されると膵臓から“インスリン”と呼ばれるホルモンが分泌され、肝臓や筋肉ではブドウ糖を“グリコーゲン”と呼ばれるエネルギー源に換え、脂肪組織では“脂肪”として、蓄える仕組みが作動します。この仕組みが備わっているため、私たちの血糖値は飲食しても一定に保たれているのです。一方、糖尿病ではインスリンの分泌量が減少したり、インスリンのはたらきが弱くなったりするため、血糖値が高い状態が続くようになります。この状態が長期間に及ぶと全身の血管に障害が起こるようになり、重症化すると失明・腎不全・足の切断などQOL(生活の質)を大きく低減させるような合併症や心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こすことがあります。日本では1,000万人ほどが糖尿病に罹患していると推定されており、注意すべき病気のひとつです。しかし、昨今の糖尿病の負の面を強調した情報が社会における糖尿病に対する偏見を助長してしまった面は否めません。誤った情報により糖尿病に対する負のイメージが定着してしまったことから、周囲に病気のことを話せない、幼稚園や保育園の入園を断られる、生活に必要なサービスが受けられないといった事例も報告されています。このような、社会の糖尿病に対するスティグマ(負の烙印)に多くの患者がストレスを感じています。この現状を受けて日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は、糖尿病をもつ人が病気を隠したりせずに安心して生活を送れる社会の実現を目指す活動(アドボカシー活動)を始めました。アドボカシー活動では、一般の人に向けて糖尿病に関する正しい知識を広めるために、新聞へ意見広告を掲載するなど偏見や差別をなくすための活動を行っています。糖尿病は、治療の継続により良好な血糖コントロールができていれば普通の人と変わらない健康な生活を送ることができます。糖尿病の治療には周囲の病気や治療への正しい理解やサポートが得られる環境づくりも大切です。糖尿病の原因は、血糖値を降下させる作用のある“インスリン”と呼ばれるホルモンの分泌量が低下したり、はたらきが悪くなったりすることです。インスリンの分泌量やはたらきに異常が生じる原因としてもっとも多いのは、高脂肪・高カロリー・食物繊維不足などの食生活や、運動不足、ストレス、睡眠不足、喫煙習慣などの生活習慣の乱れが挙げられます。このような生活習慣の乱れによる糖尿病を“2型糖尿病”と呼び、全ての糖尿病患者の9割以上を占めるとされています。一方、糖尿病の中には免疫のはたらきの異常により、インスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されることで発症するタイプのものもあります。このようなタイプの糖尿病は“1型糖尿病”と呼ばれ、生活習慣の乱れなどは発症に関与しないものの、明確な発症メカニズムは解明されていません。そのほか、妊娠をきっかけに発症する糖尿病、膵炎・膵がんなど膵臓の病気で発症する糖尿病などもあります。糖尿病の根本的な病態は“慢性的に高血糖が続く”ことです。そのため、中には糖尿病を発症すると、喉の渇き、尿量の増加、倦怠感、体重減少などが現れるケースもありますが、多くは自覚症状がないとされています。一方、血糖値が高い状態が続くと、血液中に多量に存在するブドウ糖が血管を傷つけることが分かっています。その結果、目や腎臓、神経などにも十分な血液が流れにくくなることで網膜症、腎不全、末梢神経障害などいわゆる“三大合併症”を引き起こすことも多々あります。そして最終的には、失明、人工透析、足の切断など、日常生活に極めて大きな支障をきたす状態に陥る可能性も生じます。また、心筋梗塞や脳卒中などの病気の発症リスクも高くなります。そのほかにも糖尿病を発症すると免疫力が低下していくため、風邪をはじめとした感染症にかかりやすくなり、高齢者では肺炎や尿路感染症などが重症化して命に関わる状態に陥るケースも少なくありません。血液検査では血糖値や過去1~2か月の血糖値の状態を反映するHbA1c値を調べるほか、インスリンの分泌能力などを評価することも可能です。また、1型糖尿病が疑われる場合は、GAD抗体などの“抗体”と呼ばれるたんぱく質の有無を調べる検査も行われます。経口ブドウ糖負荷試験では、早朝の空腹時に一定量の糖分が含まれた飲料を摂取し、摂取前後の血糖値の変化を調べる検査です。糖尿病を発症すると空腹時の血糖値が高くなったり、摂取後の血糖値の下がりが悪くなったりするといった特徴的な結果が見られるため、糖尿病の確定診断に用いられる検査のひとつとなっています。糖尿病が疑われるときや糖尿病と診断された場合は、網膜の状態を調べる眼底検査、腎機能検査、腱反射、動脈硬化の程度を調べる検査などが必要に応じて行われます。糖尿病と診断された場合は次のような治療が行われます。
 生活習慣の乱れが発症に大きく関与している2型糖尿病では、第一に原因となる食生活や運動習慣の乱れを正す生活指導が行われます。発見された時点で早急な治療を要する重症な場合を除き、1~2か月ほど生活改善を行ったうえで薬物療法など次のステップの治療に進むか否かを判断するのが一般的です。生活改善などを行っても血糖値が十分に下がらない場合は、血糖値を下げる薬による薬物療法が行われます。血糖値を下げる薬にはいくつかの種類の飲み薬や注射薬(GLP-1受容体作動薬)があり、自身に合うタイプや量を決めていきます。薬物療法の効果が十分にない2型糖尿病、インスリンの分泌量が大幅に低下している1型糖尿病、胎児への影響により血糖値を下げる薬を使用できない妊娠糖尿病では、人工的にインスリンを補う“インスリン治療”が行われます。インスリンの投与は“自己注射”によって行われ、治療のほかにも厳密な食事管理なども必要です。上でも述べたとおり糖尿病にはいくつかのタイプがあり、免疫の異常による1型糖尿病を予防する方法は現時点ではないとされています。一方、生活習慣が関わる2型糖尿病や妊娠糖尿病は問題となる生活を改善することで発症や悪化をある程度予防することが可能です。規則正しい食生活、運動を心がけ、ストレスや喫煙習慣など生活上の習慣に注意するようにしましょう。

漢方と鍼灸

 美味しい物が好きな方が多いですね。遺伝性もありますがなかなか食養生がうまくいきません。口渇が激しい、頻尿、体重減少、免疫低下による感染症になりやすい、神経障害に痛みや神経痛、血流障害による循環器疾患、眼科疾患など多岐に及ぶので気を付けていきたいですね。食事は朝多目、夕は軽めが基本。アルカリ性食品、根菜類、種子類、海産物をバランスよく食べましょう。膵臓、糖尿病の反応穴、症状が出ている箇所から最適な漢方食養生サプリツボを選択し治療していきます。

【症例】HbA1c8.3 漢方食養生を6か月、5.9まで改善 手の痺れも消失
【症例】HbA1c7.8 漢方食養生を3か月、6.2まで改善 後頭部の痛み消失
【症例】HbA1c8.0 漢方食養生を3か月、6.0まで改善 血圧も下がる
【症例】HbA1c7.5 漢方食養生を5か月、5.9まで改善 眼圧も下がる
※症例多数