萎縮性膣炎
萎縮性膣炎とは、閉経前後に女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、膣の壁が乾いてただれる疾患です。 萎縮性腟炎の主な症状として、黄色い不快なおりものが出たり、性交痛があります。 尿意切迫感・頻尿などの下部尿路の萎縮症状や尿道炎・膀胱炎などの下部尿路の感染症状の原因にもなります。これらの症状は閉経後性器尿路症候群(Genitourinary syndrome of menopause;GSM)とよばれます。
閉経後は、膣の内壁が乾燥しやすくなります。これは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することで、それを餌にしていた乳酸桿菌(デーデルライン桿菌 )という乳酸菌の一種がなくなって、常在菌のバランスが崩れることで生じます。健康な膣には主に6種類の常在菌が活動しています。その中でも乳酸桿菌(デーデルライン桿菌 )は、膣上皮のグリコーゲンを乳酸に変えて、膣をpH4.0前後の酸性に保ち、病原細菌の増殖を防ぐ役割を果たしています。これを膣の自浄作用といいます。
ところが、主に閉経後に女性ホルモンのエストロゲン量が低下すると、乳酸桿菌(デーデルライン桿菌 )が減少して膣のpHが上昇するため、自浄作用が弱くなり、病原細菌が繁殖しやすい環境となります。また、エストロゲンの低下によって膣壁が薄くなるため、膣が乾燥するとともに、コラーゲンの減少により柔軟性が低下し、傷つきやすい状態となります。
また、コラーゲンの減少により、膣の弾力やハリも失われます。
西洋医学的治療
症状により、ホルモン補充療法(膣錠、内服薬、貼付剤)などの治療が行われます。
漢方と鍼灸
漢方では、まずは潤いを増やすことをしていきます。また、根本治療は女性ホルモン様作用の漢方薬を合わせます。膣が潤うことでその前後にある尿道や肛門の保湿力も高まり、免疫力アップにもつながります。
女性ホルモンの反応穴から経絡に落とし込んで漢方、食養生、ツボを選択しお出しします。