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適応障害

 適応障害は、ストレスの原因が明確で、原因から離れると回復するのが特徴です。
適応障害はうつ病と似た症状もあらわれますが、異なる病気です。適応障害は6ヶ月以内で症状が改善する場合が多く、うつ病の一歩手前と考えられます。
 適応障害とは、「就職や転職・転勤、結婚など新しい環境にうまく適応できないなどして、さまざまな心身の症状があらわれてくることにより、社会生活に支障をきたす『心の病』のこと」をいいます。適応障害は、原因となるものがはっきりしているというのが特徴です。適応障害の原因になるストレスは、PTSDと異なり、職場環境、学校での出来事や人間関係など日常生活で起こることがあります。
 適応障害は、性格が真面目でストレスに弱い人がかかりやすいといわれています。私たちは生活のなかで多少の苦労は伴いつつも、必要に迫られることで新しい環境に順応していきます。

適応障害の症状

・身体症状;全身倦怠感、不眠、頭痛、動悸、めまい、肩こり、食欲不振、ストレス性胃炎、腹痛など。
・精神症状;意欲や集中力の低下、注意力散漫、不安、絶望感、イライラ感、神経過敏、抑うつ気分、涙もろさ、興味・喜びの喪失、マイナス思考、自責的な考え方など。
・行動面の障害;対人関係への過敏性・攻撃性、気力低下、思考力・集中力低下など。
 ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。アメリカ精神医学会の基準(DSM-5)では「ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続しない」とされています。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。
 症状が出てきたら心の健康状態が低下しつつあるサインです。もし症状が軽くても、適応障害からうつ病に移行することが少なくありません。
 適応障害は、うつ病と似た症状が現れることがあります。適応障害はストレス要因となる空間や場所、そして人間関係などから離れることによって普通に過ごすことができます。うつ病の場合は、四六時中その症状が消えないという点で、大きく異なります。

 適応障害は、環境要因からの心理社会的ストレスにより、心身のバランスを崩した時に症状が現れます。そのため日常生活上での心掛けとして、適度の休養を確保したり、気分転換を図ったりして、日頃からストレスをためないように工夫することがおすすめです。一人でくよくよ考えないことや、周りの方とコミュニケーションを無理せずとっていくことが大切です。

漢方と鍼灸

 四診に時間をかけ、証を捕え、反応が出ているツボ、ストレスの状態をみるツボから経絡に落とし込んで漢方鍼灸治療をしていきます。漢方は体を丈夫にしながら精神も整えていく効果があります。香りも効き目を左右しますので煎じ薬をおすすめいたしております。補助剤として食養生食品も併用していただくとバランスが整います。