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心気症(心気障害)

 心気症とは、何かしら重篤な病気にかかっているのではないかと思い込み、強い不安が生じ、そのような思い込みが6か月以上続いている状態を言います。
 さまざまな検査を行っても、特に異常はなく、病気にかかっているかもといった不安は募ります。不安に駆られて日常生活に影響が及ぶこともあり、日常生活や仕事を続けることが難しくなることもあります。 さらに心身の不調からくる不安を身近な人に訴え、医師の保証でさえ聞き入れない場合があります。検査を受けても異常や病気が見つからないため、次々と病院を替えて受診する(ドクターショッピング)場合が少なくありません。心気症ではこのような症状によって、通常の日常生活を送ることが難しくなります。会話の内容も病気と関連付けられるものに終始し、症状の少しの変化から何度も自分の身体を調べるようになります。
 不安が強くなると日常生活や仕事に支障が出ることもあります。DSM-5という診断基準では「病気不安症」と呼ばれています。
はっきりとした原因は不明ですが、ストレスや過労、過去に実際にあった病気、身近な人の病気体験などが原因になっていることがあります。本人の性格や生活環境、転校・転居といった環境の変化などをきっかけに起こる場合もあります。その他、別の問題に直面している際、それから目を背けようと意識を「重篤な病気」に向けることから心気症の症状が出現することもあります。心気症がつづくことで、不安障害やうつ病を合併することがあります。

西洋医学的な治療

 治療は、精神療法が中心となります。認知療法、行動療法、認知行動療法、支持的精神療法、集団療法といった行動療法や精神療法が行われます。
 身体症状として現れている場合には、その原因となっている症状の改善に効果が期待できる内科的療法・外科的治療が施されます。
 また、心気症は不安障害やうつ病に関連することがあるため、強い症状がある場合は抗うつ薬が使用されることがあります。

漢方と鍼灸

 ストレスの反応穴、脾や胃、小腸、大腸の反応穴から漢方食養生ツボを選択し治療していきます。香りも効き目を左右しますので煎じ薬をおすすめいたしております。補助剤として食養生食品も併用していただくとバランスが整います。

・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
咽喉部に炙った肉片がくっついているように感じる方に使います。厚朴は緊張を緩め、半夏は鎮静作用があります。紫蘇葉は気分を晴れやかにします。
・桂枝竜骨牡蛎湯(桂枝・芍薬・生姜・甘草・大棗・竜骨・牡蛎)『金匱要略』
桂枝湯に竜骨と牡蛎が加わった方剤です。竜骨・牡蛎には鎮静作用・抗不安作用があります。
・香蘇散(紫蘇葉・香附子・陳皮・甘草)『和剤局方』
感情の抑うつ、精神的な緊張を緩めます。紫蘇葉と香附子は気鬱を散じ、気を快くする作用があります。
・梔子厚朴湯(山梔子・厚朴・枳実)『傷寒論』
・梔子豉湯(山梔子・香豉)『傷寒論』
・清心温胆湯(陳皮・半夏・茯苓・甘草・枳実・竹茹・麦門冬・白朮・川芎・石菖蒲・遠志・人参・黄連・香附子・当帰・芍薬)『古今医鑑』
・茯苓補心湯(茯苓・人参・白朮・当帰・地黄・酸棗仁・麦門冬・芍薬・陳皮・黄連・甘草・辰砂・大棗・鳥梅・浮麦)『万病回春』
など(薬局製剤以外も含む)