過多月経
過多月経とは、出血量が異常に多いものを言います。一般的には140ml以上の出血で、コアグラ(レバーのような血のかたまり)を認めます。また過長月経といって生理の日数が8日以上のものを意味する表現もあります。目安としては、日中でも夜用ナプキンをつけていることなどが挙げられます。そのナプキンが2時間もすれば飽和状態になり漏れてしまう、といった場合は、過多月経の可能性が高くなります。いずれも貧血をきたしてしまうような生理の量が多い状態を表しています。
この診断を受けるのは女性の7~8%といわれています。実際はさらに多くの人が過多月経であり、決して珍しい病気ではありません。なぜかというと、経血量は人と比べる機会がないため自己判断が難しく、自覚がない人もたくさんいるからです。過多月経は、子宮やホルモンの不調が出やすい40代以降に多い病気です。そのため、こうした症状は、加齢や更年期などに起こるものだと誤解して見過ごされやすくなります。
過多月経の原因としては、子宮やホルモンの異常が考えられます。
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となって過多月経や過長月経を引き起こしている可能性があります。
また稀に血液凝固異常によるケースもあります。それは子宮内膜における止血作用がうまく働かないことが考えられます。経血は剥がれ落ちた子宮内膜と子宮内腔からの出血が合わさったものです。子宮内腔からの出血への止血作用が不十分な場合にも、過多月経になります。
症状としては、経血にコアグラ(レバーのような血のかたまり)をみられます。そして経血の中にはプロスタグランジンなどの痛みを誘発する物質が含まれますので、経血の量が多いことにより通常の方と比べ、強い子宮の過収縮・血管の攣縮・子宮筋の虚血などが起こり、ひどい生理痛となってしまいます。そのため、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、悪心、頭痛などが強く、日常生活に支障をきたしてしまうケースがあります。
検査は、超音波検査や血液検査が行われます。超音波検査では、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などがないかを観察します。血液検査では、過多月経の原因となる子宮やホルモンの病気が見つかる場合があります。
西洋医学での治療
検査によって子宮やホルモンなどの病気が見つかった場合は、その治療が行われます。過多月経には原因がはっきりとしないケースも多くみられるため、その場合は経血量をコントロールする治療が行われます。低用量ピルの内服や黄体ホルモン製剤(ミレーナあるいは内服)が使われます。
漢方と鍼灸
不妊症の反応穴、黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、抗体の反応穴、甲状腺、乳頭、子宮、頸管、卵巣、卵管、精索静脈、精巣、自律神経・更年期の反応穴、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方、食養生、ツボを導き出します。