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尿道腫瘍(尿道カルンクル)

 尿道腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。比較的よくみられる尿道腫瘍には、良性腫瘍の尿道カルンクルがあります。尿道カルンクルは外尿道口(尿の出口)の6時方向にできる腫瘍です。閉経後の女性に多く、男性が発症することはほとんどありません。尿道の出口のお尻側にできることが多く、大きさは大豆くらいです。血流が豊富なため、色調は朱色~赤色になっています。尿道からの出血や血尿が多く、「排尿後に拭くと血が付いた」と言われて受診されるケースが多いです。腫瘤が小さいと、無症状の場合が多く、患者さまが発症に気づかないまま過ごされることも多いです。腫瘍が大きくなると、尿道をふさいで排尿しにくくなることがあります。明らかな原因は分かりませんが、閉経後の女性に多いことから、更年期障害の1つと考えられています。女性ホルモン(エストロゲン)が加齢とともに減ることで、膣や尿道の粘膜に萎縮や変形を認め、尿道カルンケルが生じるということです。また、女性は尿道が短いため、尿道の炎症を繰り返すと尿道カルンクルが形成されるということもいわれています。また、便秘や妊娠、多産と関係するかもしれないともいわれています。視診が基本で、比較的すぐに診断できます。婦人科健診で見つかる場合もあります。尿道カルンクルは、基本的には軟膏を塗って経過をみます。腫瘍が大きくなり痛みや排尿困難などの症状が出る、症状が強くて気になる、出血を繰り返す場合は、手術も考えます。保存的治療としては、腫れや炎症をおさえる作用があるステロイド系の軟膏を使用します。ステロイド軟膏によって腫れや炎症がおさまれば、そのまま経過観察になります。尿道カルンクルの治療中や治療後は、排尿後強く拭いたりせず、なるべく患部を刺激しないよう注意してください。出血や痛みがひどい場合や、保存的治療法で改善しない場合は、尿道カルンクルを摘出する手術を行います。手術としては、局所麻酔をして、電気メスなどで腫瘍を切り取ります。手術時間1時間ほどの日帰り手術で済む場合が多いです。

 尿道の悪性腫瘍(尿道がん)は男性より女性に多くみられますが、頻度は非常に稀で、女性の全悪性腫瘍のうち0.02%未満とされます。尿道がんは、大きく、移行上皮がん、腺がん、扁平上皮がんといった組織型に分類されます。尿道がんの原因は解明されていません。発症する危険性が高まる因子としては、高齢であること、脂肪や糖分の多い食生活などがあるといわれています。排尿障害や血尿、尿道からの不正出血、疼痛などがあります。しかし、高齢女性の排尿障害は正常な場合でも認められることが多いため、早期発見が難しいと言われています。尿検査を行います。血尿があれば、尿細胞診検査により尿中のがん細胞の有無を調べます。ほかにも膀胱鏡尿道鏡検査(外尿道口からカメラを挿入し、尿道や膀胱を観察する検査)やMRI検査・CT検査などを行います。がんが疑われる場合には尿道腫瘍と思われる部分を一部針で採取して検査を行い、悪性の有無を確認することもあります。限局がんであれば、手術療法がや化学療法などを実施ます。手術は腫瘍切除および尿路変更術が必要となります。その後は再発の有無を確認するために、尿検査や画像検査(CTやMRI)などを行います。進行がんであれば手術療法は行えないため、化学療法を行い、同じように画像検査で経過を見ます。化学療法とともに放射線療法を併用する場合もあります。

漢方と鍼灸

 良性か悪性かを判断することがまず大切です。良性でも小さくする方向や、悪性化しないように生活改善など見直しましょう。患部(患部の写真)から漢方食養生ツボを選択していきます。女性スタッフによる相談ができますのでお伝えください。