認知症(総論)
認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。認知症にはいくつかの種類があります。アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行します。
次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症です。障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状はゆっくり進行することもあれば、階段状に急速に進む場合もあります。また、血管性認知症にアルツハイマー型認知症が合併している患者さんも多くみられます。
その他に、現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり歩幅が小刻みになって転びやすくなる症状(パーキンソン症状)があらわれるレビー小体型認知症、スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる前頭側頭型認知症といったものがあります。
認知症には、根本的な治療が困難な認知症と治療可能な認知症とがあります。
根本的な治療が困難な認知症としては、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などの変性性認知症が挙げられます。
治療可能な認知症としては、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、ビタミンB1欠乏症・ビタミンB12欠乏症・葉酸欠乏症などの欠乏性疾患・代謝性疾患、自己免疫性疾患、呼吸器・肝臓・腎臓疾患、神経感染症など内科的疾患によって起きる認知症があります。処方薬などの薬剤によっても、認知症のような症状があらわれることがあります。(厚生省HPより抜粋)
漢方薬や鍼灸治療
抑肝散を中心に組み立てることが多いですが望聞問切で証をとって、脳の異常波長と照らし合わせて漢方薬、ツボを選んでいきます。養生としては睡眠の質をあげる、舌の運動、体の筋肉を鍛えたり、新しいことをやったり、指の体操や刺激など楽しくやれることから取り組んでいけたらいいですね。食養生としては抗酸化力の豊富なもの、DHA.EPA,フレッシュなオリーブオイル、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂りましょう。
タンパク質の変性と蓄積が起こる原因はまだ解明されていません。タンパク質の変性を止めることと蓄積したものを溶かすまたは流すことがポイントになってきます。
※症例は個人情報を特定できないよう年齢・性別と主訴も書いてあります
【症例】78歳男性 畑仕事に急に行かなくなりご家族からご相談。漢方を送って飲み始めて3週間後、自分で農作業に行き始める。また以前に脳梗塞で少し呂律が回りにくいしゃべりだったのが元に戻った。びっくりして奥様も飲みたいと言ってご夫婦で継続中。