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打撲・骨折と予後神経痛

 皮膚やその下の軟部組織(筋、脂肪、血管など)が損傷をうけるため、筋肉組織のあいだに出血や炎症がおこります。「打ち身」と呼称されることもあります。打撲したときの内出血がひどい場合、患部周辺の血管や神経が圧迫されて、しびれを感じることがあります。神経が損傷すると痺れが残る場合があります。強い痛み、しびれ、腫れなどの症状がどんどん悪化していく場合は、打撲ではなく、骨折している恐れがあります。骨折を見逃すと、治療が遅れ、治癒に時間がかかってしまうことがありますので注意しましょう。痛みが続いているのに放置していると、骨挫傷(強い衝撃により、骨内側に傷が生じている状態)を見逃してしまうことがあります。それにより、痛みが長期間続く場合があります。打撲によって筋肉が損傷を受けて、内出血や腫れが重症化すると、血管が圧迫されて血行障害が起こります。すると、筋肉が壊死する、神経障害が生じるなどの症状があらわれる「コンパートメント症候群」を併発する場合があります。首や背中を強打した場合、打撲による衝撃で首や背中にある神経を損傷することがあります。その状態を治療しないまま放置すると、手足の麻痺、しびれ、呼吸障害等の症状が残ってしまう恐れがあります。

 打撲したところには、皮膚の変色が現れます。これは内出血がおきているためです。最初は青紫色であることが多いですが、時間が経つにつれて茶色、黄色、緑色などに変化していきます。打撲は体のどこにでも起こる可能性があり、受傷したときの対処法も部位によって違います。特に頭や目といったところに衝撃をうけると、より重症な症状になる可能性もあるため注意が必要です。打撲は以下のような状況で起こりやすいといえます。転倒したとき、ものにぶつかったとき、スポーツをおこなうとき、けんかやふざけ合いのとき、暴力をうけたときなどが挙げられます。スポーツを行うときには、転んだり、地面に体を打ち付けたり、ほかの選手とぶつかったり、ボールなど競技で使用する用具が体にぶつかることがあります。また、子どものふざけ合いや、けんかなどのときには顔面に衝撃をうけやすいといえます。こうした場面でなんらかの衝撃をうけると、打撲が起こることがあります。

 目の打撲、目の痛み、目がかすむ、見えにくい、視力の低下、目からの出血、液体の流出などが挙げられます。目に打撲を負った場合には、眼球自体に損傷を受けている可能性が高まります。危険な状態になりやすいため、専門医のもとで診察をうけることが望ましいです。直接ではないものの、目の周りに衝撃を受けた場合も注意が必要です。目の周りには眼窩とよばれる骨の部分があります。この部分が衝撃を受けると、その奥の眼神経管という薄い骨が骨折するケースがあります。眼神経管が骨折すると、その破片で目の神経が傷つき、視力に影響をおよぼすこともあります。またあたまの打撲(頭部打撲)、あたまの痛み(頭痛)意識障害、記憶がはっきりしない(健忘・記憶障害)、めまいやふらつき、麻痺・しびれ、脳震盪(頭への衝撃で脳内に小さな出血やむくみなどをおこした状態)、頭蓋内出血、頭の打撲では、致命的な事態につながってしまうケースもあるため注意が必要です。1分以上、意識が戻らないときには重度の衝撃を受けたと捉えられます。いったん意識が戻っても、十分に回復していないことがあります。明らかな意識障害があるときには専門医の診察を受けましょう。また、頭部に衝撃を受けたときには脳震盪をおこすことがあります。一度だけの場合には症状を残さずに回復することが一般的ですが、何度もくりかえす認知障害などがあらわれると、回復しにくくなります。症状だけから脳の損傷の度合いを推測することはむずかしいので、症状が強く、長引き、いつもと違うと感じる場合には病院への受診が望ましいです。目の打撲は、腫れや、軽い痛みといった症状であれば、冷却パックなどで冷やします。ただし、目を圧迫しすぎないように注意が必要です。また充血や出血がある、ものがふたつに見える、飛蚊症(ものを見ているときに黒い虫のようなものや、薄い雲のようなものが見える症状)があらわれる、視力の低下がみられるなどがあります。特に眼球破裂(眼球から血液や液体の滲出がみられるとき)には、目を圧迫しないようにしながらすぐに眼科専門医のもとを受診してください。頭を打っても、症状がすぐに回復するときはそのまま経過をみることもあります。一方で、以下のような症状があるときには重症だと考えられます。意識障害が治らない、悪化するとき、手足に麻痺がみられるとき、ことばを流暢に話せないとき、けいれんがあるとき、何度も繰り返す吐き気や嘔吐があるとき、瞳の大きさが左右で違う(瞳孔不同)、呼吸障害などの症状があるとき、症状の確認をおこなうときには、決してすぐには立たせずに寝かせた状態でチェックします。受傷直後は症状がみられなくても、しばらくして悪化することもあるので、様子をみているあいだにこのような症状みられたら、すぐに救急搬送する必要があります。

漢方と鍼灸

 上記のような危険な症状がないことを確認したら、腫れと痛み、しびれ、内出血の状態を早く改善できます。患部から最適な漢方食養生サプリツボを選択し改善へと促します。
残った神経痛にも対応できます。

むち打ち(外傷性頚部症候群)

 外傷性頸部症候群とは、交通事故や転倒などをきっかけとして生じる症候群を指します。肩こりや首の痛みなどが生じ、いわゆる「むち打ち」として認識されます。発症した場合には、2~4週間安静にし、その後は通常通りに生活します。痛みに対して鎮痛薬が用いられることもあります。必要に応じて運動療法や心理療法なども行われます。交通事故や転倒などの際に、首に踏ん張ろうとする力がかかり、突発的に大きな力が加わることがあります。このような場合に、首周囲に存在する組織に傷が加わることで、外傷性頸部症候群が発症すると考えられています。また、外傷によって脳での痛みの感じ方や、姿勢や眼球の調節状況などが変化することも、発症に関与していると考えられています。外傷直後から症状が生じることもありますが、数時間から数日の間をおいてから症状が明らかになることもあります。具体的には、首の痛みや肩の痛み、頭痛など、首を中心としてその周囲に痛みが生じます。痛みのために首の運動が制限されることもあります。痛み以外にもめまいや手のしびれ、吐き気、手足の脱力などが出現することもあります。その他にも、耳の聴こえの低下や耳鳴り、気分の変調や不安、抑うつ気分、疲労感、集中力の低下、睡眠障害などを生じることもあります。基本的には自然治癒が期待できますが、慢性化することもあります。また、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)の発症につながることもあります。外傷性頸部症候群では、問診にて、首や肩の痛みなどの症状や、交通事故に遭遇した、首を強打した、といった発症時の状況を確認します。また、首に対するレントゲン検査やCT検査、MRI検査といった画像検査を行います。こうした画像検査により、骨折や脱臼、ヘルニアなどが生じていないかどうかを確認することで、診断を確定します。首の固定などを行い、2~4週間安静にします。痛みに対しては鎮痛薬の使用も検討します。運動療法や心理療法などを行うこともあります。外傷性頸部症候群は、基本的には自然治癒が期待できる疾患です。安静にする期間が長すぎると、逆に症状が遷延することも懸念されるため、一定期間が過ぎた後は、通常通りの生活に戻ることが大切であると考えられています。

漢方と鍼灸

 後遺症が残らないようにしておくことが大事です。まず痛みを早くとることが大切です。頚椎の異常箇所と症状から最適な漢方食養生サプリツボを選択し改善して行きます。

悪性関節リウマチ

 関節リウマチは自分自身の体に免疫反応が起こることにより、関節の内面を覆っている滑膜に炎症が起こる自己免疫疾患です。滑膜に炎症が起こると、滑膜が増殖して周囲の軟骨や骨を溶かし関節に長期間にわたって炎症が起こるため、結果として関節が破壊され関節の変形、脱臼、癒合など体の機能に障害が現れることがあります。日本では人口の0.5〜1%がかかる比較的頻度の高い全身性免疫疾患で、男女比は1:3〜4であり女性の患者が多い病気です。関節リウマチでは、本来細菌やウイルスなどから自分を守るはずの免疫機能が、何らかの異常により自分の体の一部である関節に対してはたらき、痛みや炎症を引き起こすと考えられています。発症にいたる詳しい原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって発症するものと考えられています。近年の研究では、関節リウマチの発症に遺伝的要因が10〜15%関与していると考えられています。遺伝的要因としては、リウマチになりやすい遺伝子が100種類程度あると考えられており、その代表例として白血球の遺伝子であるHLA-DRB1などが挙げられます。一方、環境的要因として確実視されているのは喫煙です。また、可能性のある要因として、歯周病、腸内細菌の乱れ、慢性の呼吸器感染症など免疫系が活性化される要因が挙げられています。関節リウマチの主な症状は、関節のこわばりや関節の痛み・腫れです。関節のこわばりとは、関節が思ったように動かないことを指し、更年期の人やほかの病気の人でもみられることがありますが、関節リウマチでは通常1時間以上と長時間続くことが特徴です。痛みは全身のどの関節の部位にも生じる可能性があります。特に手首や手指の関節に起こることが多く、ほとんどの場合、1つの関節にとどまりません。関節の炎症が長期間続くと関節の軟骨・骨が少しずつ破壊され、関節の変形や脱臼、関節が硬くこわばる強直、関節の曲げ伸ばしが難しくなる拘縮を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたします。また、炎症が強ければ発熱、全身倦怠感、体重減少、食欲不振といった全身症状を伴うこともあるほか、間質性肺炎や血管炎などを合併するケースもあります。特に間質性肺炎はレントゲンで7〜10%、CT検査で20〜30%みられる頻度の高い合併症です。関節リウマチの血液検査では、自己抗体の様子と炎症反応の様子を調べます。自己抗体ではリウマトイド因子や抗CCP抗体の検査が行われます。保険診療の場合、先にリウマトイド因子を調べ、これが陰性の場合でも関節リウマチが疑わしい場合に抗CCP抗体の検査を行うことが一般的です。一方、炎症反応では赤血球沈降速度(赤沈CRP〈C反応性たんぱく〉)の検査が行われます。しかし、血液検査が陽性でも必ず関節リウマチというわけではありません。特にリウマトイド因子は健康な方でも陽性になることが多いため、注意が必要です。また、リウマトイド因子や抗CCP抗体が陰性の関節リウマチもあります。症状や経過から総合的に診断する必要があります。画像検査は単純レントゲンを中心に行われ、追加で関節超音波検査やMRI検査が行われることがあります。単純レントゲン検査では手足を撮影し、骨の表面がかけた状態である骨びらんの有無や軟骨が障害された場合に起きる骨と骨との隙間が小さくなる状態がないかどうかを確かめます。関節超音波が行える医療機関では、関節の腫れや炎症を確認するために関節超音波検査が行われることもあります。また、より詳しく調べる必要がある場合に、MRI検査によって滑膜の腫れや骨びらんを確認します。関節リウマチの治療の原則は基礎療法・薬物療法・リハビリテーション・手術療法です。治療の選択は、病気の重症度・合併症・日常生活の不自由さなどを総合的に判断して行います。関節リウマチの関節の破壊は、発症して2年以内に急速に進行することが分かっています。一度破壊された軟骨・骨・関節は元に戻すことができないので、早期診断・早期治療が重要になります。基礎療法は関節リウマチという病気を理解し、適度な運動と安静、食生活など規則正しい生活を送ることです。そのほか、喫煙や歯周病が関節リウマチの活動性に関与していると考えられているため、禁煙などの指導が行われることもあります。薬物療法は治療の中心的存在であり、リウマチによる関節の炎症や破壊を抑え、寛解を目指す目的で行われます。治療薬としてはまず抗リウマチ薬が検討され、薬の効果が不十分な場合に生物学的製剤やJAK(ジャック)阻害薬の使用が検討されます。第一選択薬は抗リウマチ薬のメトトレキサートですが、間質性肺炎を合併している人などには使用できないため、その場合には別の抗リウマチ薬が処方されたり、抗リウマチ薬を使用せずに生物学的製剤やJAK阻害薬が処方されたりすることもあります。生物学的製剤とは生物が産生するたんぱく質などの物質を改良して作られた比較的新しい薬のことです。現在、関節リウマチの治療薬として使用できる生物学的製剤は8剤あります。また、JAK阻害薬とは炎症に関わるヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素のはたらきを阻害することで関節リウマチの炎症を抑える治療薬です。現在、関節リウマチの治療薬として使用できるものは5種類あります。また、関節の痛みを和らげる目的で非ステロイド性抗炎症薬による補助療法が行われることもあります。関節の機能(関節の動く範囲と筋力)を保つためのリハビリテーションも有用です。関節の変形や保護、日常動作の助けのために頸椎カラーや足底版などの装具を使用することもあります。また、薬物療法やリハビリテーションによる治療を行っても、変形等による関節の障害が残ってしまう場合、手術療法が選択されることもあります。具体的には、人工関節置換術、滑膜切除術、関節固定術、腱断裂・手指・足趾の手術、頸椎の固定術などが行われます。

漢方と鍼灸

 本治は慢性炎症を止めるために免疫の亢進を緩めていきます。標治は各症状に対して行います。まず痛みを緩和することです。ステロイドや痛み止めの長期連用は胃にも体にも負担がかかります。関節ばかりに目が向けられますが免疫の異常を引き起こした原因にも注意を図るべきです。冷え症、お血、睡眠など発症する直前の身体の状況について考えて改善することも大切ですね。自己免疫の反応穴、関節の反応、脊髄の異常箇所、副腎、上咽頭などから最適な漢方食養生サプリを選択し改善していきます。

変形性膝関節症

 変形性膝関節症とは、体重や加齢などの影響から膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じるようになる病気です。女性に発生することが多く加齢、肥満、外傷なども変形性膝関節症の発症に関与していると考えられています。

【変形性膝関節症の分類と症状】

・初期:歩き始めや椅子から立ち上がるとき、または階段の上り下りで痛みを感じる。
・中期:膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時に常に痛みを感じる。膝に水がたまる、腫れるなどの症状が現れる場合がある。
・進行期:膝を動かす度に強い痛みが生じる。立ち上がることができなくなる、正座ができなくなる。

膝は体重負担が大きくかかる部位であり、変形性膝関節症の発症を防ぐためには体重を増やしすぎないようにコントロールすることが重要です。体重60kgの方でも、歩行時は瞬間的に体重の3倍の180kgもの圧力が膝にかかるといわれています。さらに、膝周囲の筋力をしっかりと保持することも、膝への負担を軽減させるためには有効だと考えられています。また、病状が進行すると歩行が困難になることもあり、そのような場合には手術が検討されます。膝関節とは、太ももにあたる大腿骨と脛にあたる脛骨の継ぎ目にある関節で、歩くときに重要な役割を果たします。膝の前方には膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨しつがいこつがあり、これら3つの骨から成り立っています。これらの骨同士が互いに直接接触すると、大きな摩擦が生じ骨の摩耗につながってしまいます。膝関節内の骨の表面を覆う軟骨は、この摩擦を防ぎ、スムーズな関節の動きを実現しています。さらに、大腿骨と脛骨の関節面の間には半月板があり、主にクッションの役割を果たします。この半月板は、アワビの刺身のような硬さで、コラーゲン繊維からできています。膝を曲げ伸ばしすると半月板が動き、そのおかげでスムーズに膝を曲げることできます。加齢や肥満、若いころの膝への外傷などが原因となります。日本人はO脚の人が多く、膝の内側に負担がかかります。日本人のO脚は、世界のなかでもかなり独特であるといわれています。脚のすねにあたる脛骨は、ヨーロッパやアメリカなど海外の方は真っすぐであることがほとんどなのですが、日本人は膝から下で曲がっていることが多く、そこには日本人の生活習慣や食生活が関係していると私は考えています。まず、日本人は、畳や床の生活によりふとんの上げ下ろしや、あぐらをかいたり正座をしたりなど膝を大きく曲げることが多く、膝に負担がかかった結果、この病気になりやすいという背景があります。また、これはまだ推測の域を出ませんが、水にも注目しています。日本は島国ということもあり、水道水は主に軟水です。軟水は、カルシウムやマグネシウムの量が少ないといわれています。日頃から軟水を飲んで生活しているために、日本人の骨は軟らかく曲がりやすく、O脚になりやすいのではと思います。半月板も徐々に質が変化して、少しのストレスで切れてしまうこともあります。半月板が切れるとその位置がずれてクッションの役目を果たさなくなり、軟骨が減ってゆく原因ともなります。変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることにより慢性炎症や変形が生じ、膝に痛みが現れる病気です。膝の痛みは、加齢や体重によって徐々に進行します。膝関節には体重がかかるので、過度な体重増加は軟骨損傷を進行させる大きな危険因子といえます。膝の軟骨や半月板そのものには感覚神経はないのですが、関節包や滑膜など、主に神経が集中しているところから痛みが発生します。症状としては、膝を動かしたときに生じる膝の痛みがあります。特に、歩行時の最初の数歩や椅子から立ち上がるときに痛むことが多いです。変形性膝関節症の方には、ラテラルスラストという現象が起こることがあります。これは、体重がかかったときに瞬間的に膝がガクッと外側に動く現象をいいます。膝を包んでいる関節包には神経が集まっているので、ラテラルスラストにより関節包が繰り返し引っ張られた結果、さらに痛みが出るという状態になります。病気が進行すると痛みは強くなる傾向にあります。痛みが生じることで自然と関節の可動域も狭くなり、結果、日常生活に大きな影響を及ぼすようになります。変形性膝関節症では炎症反応が生じ、膝に水がたまる(関節水腫)こともあります。通常、人は立ち上がると膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨の形がみえますが、関節水腫になると、たまった水のせいで膝のお皿が見えなくなります。また、関節水腫は膝の曲げ伸ばしにも影響します。変形性膝関節症では、病気に関連した膝の痛みなどの症状や、膝のO脚所見、滑膜の炎症反応である関節水腫がみられるかなどを確認します。まずはレントゲン写真で判断します。その後、必要に応じてMRIといった画像検査を行うこともあります。最新の画像検査を行うことによって、軟骨や半月板、靱帯などの損傷具合や骨の変形具合などをより詳細に評価できるようになります。変形性膝関節症で発症した軟骨や半月板の損傷は、2020年現在の医療技術をもってしても完全には元に戻せません。そのため、治療は大きく以下3つのアプローチになります。痛みに対しての対症療法(痛み止めの内服、ヒアルロン酸の関節内注入など)、残された膝関節の機能を最大限活用させるための手術、人工関節に置き換える手術があります。対症療法としては、筋力保持のためのトレーニングやリハビリテーション、適切な装具を利用するといったアプローチも重要です。また外科的な治療法には、主に3つの手術があります。膝に与える影響が小さいものから順番に並べると、以下のようになります。

関節鏡とは、膝の周囲に小さな傷をつけて内視鏡を膝に入れ、膝の内部をきれいにする手術です。これは、膝の内部の掃除と半月板の修復を目的としています。

膝周囲骨切り術は、膝の上または下で骨の形を矯正することで膝の一部に偏ったストレスを改善しようとするものです。変形性膝関節症はO脚があることで症状が増悪しやすいので、骨を矯正することで膝周囲の骨の荷重を調整します。

人工関節に置き換える手術は、合併症や置換後の日常生活やスポーツ活動などへの制限も生じることがあるため、病気がかなり進行している人に対して実施されます。膝関節はなくなってしまう手術であるため、実施には十分な検討が必要でしょう。

漢方と鍼灸

 関節包や滑膜の炎症や関節に溜まった水腫を取ることがまず大事ですね。軟骨の再生は難しいと言われていますが、相性のいいものは完全に戻らないですが痛みも取れ、歩けるようになる可能性があります。また靱帯の弾力強化にエラスチンペプチドがあります。日々膝周りの筋力をつけることも大事です。女性は閉経してから女性ホルモン減少により骨粗しょう症や骨の変形が顕著になってきます。そのケアも大切です。悪くなった膝関節から最適な漢方食養生サプリツボを選択し治療していきます。

【症例】56歳 階段を降りるとき痛みがでるご相談漢方をお出しして1か月、痛みが減ってきて3か月後痛くなくなったそうです。
【症例】70歳 長時間歩くと膝が痛くてつらいというご相談漢方を飲み始めて1週間。痛みが大分軽減。継続中。
【症例】83歳 膝に水が溜まって抜くけれどまた溜まってしまう。漢方を3種類飲んでもらう。水は溜まらなくなり痛みも軽減し喜ばれる。
※症例多数

四十肩・五十肩・六十肩(肩関節周囲炎)

 五十肩とは、肩関節の運動障害と痛みが現れることです。ちなみに、五十肩という名前で呼ばれるようになったことのルーツは江戸時代の中期にあります。その頃から巷では「人生五十にして肩など痛くなるものなり」と言われており、加齢と共に肩に起こる変化を「五十肩」と言っていたようです。ただし、現在の整形外科医は基本的に五十肩という呼びかたはせず、医学的には”肩関節周囲炎”と呼びます。五十肩は、50歳代を中心とする40〜60歳代に多くみられ、特別な原因がなく発症するとされています。主な症状は片側の肩のみに痛みや運動障害がなどで、ときに日常生活に支障が生じるほどの強い痛みが現れることがあります。多くの場合は運動療法や薬物療法などの保存療法によって改善することができます。自然に治ることもありますが、進行すると肩関節の動きが悪くなる肩関節拘縮や凍結肩といわれる状態になることがあります。五十肩の明らかな原因は分かっていませんが、加齢に伴い骨・軟骨・靱帯・腱など関節の組織に炎症が起こることによって生じると考えられています。そのほか、運動不足や寒さによって血液の循環が悪くなると、五十肩が発症しやすくなると考えられています。五十肩の症状は、五十肩の進行に応じて急性期、慢性期、回復期の症状に分かれます。五十肩が発症してから約2週間までを急性期といいます。急性期では、運動時だけでなく、安静時や夜間でも肩に痛みが現れます。このとき、肩の痛みを気にしてあまり動かさないようにすると、肩の動く範囲が徐々に狭くなる原因になります。急性期を経て慢性期には、肩の痛みは徐々に軽減します。しかし、この時期はまだ肩の動く範囲が狭いままで、この状態は約6か月続くといいます。慢性期が約半年ほど経過すると、回復期に入ります。回復期に入ると、関節の痛みや動きが徐々に軽快していきます。自然治癒の場合、この3つの段階を経て回復するまでには、通常約1年前後かかるといわれています。しかし、半数の患者は、痛みや可動範囲が制限されることが平均して7年も続くといった報告もあります。五十肩の診断では、問診のほか、X線検査やMRI、超音波検査といった画像検査を実施します。これらの検査によって、ほかの病気の可能性がないことを確認したうえで最終的に診断します。五十肩の治療には、保存療法と手術があります。保存療法は関節の痛みを和らげ、可動範囲を広げることを目的に行われます。薬物療法・運動療法・理学療法が一般的で、薬物療法では消炎鎮痛剤やテープ状の外用薬などが検討されることが一般的ですが、痛みが強い場合にはステロイド剤と局所麻酔剤を混ぜた薬、高分子ヒアルロン酸ナトリウムなどの注射が検討されることもあります。また運動療法や理学療法では、痛みを和らげるための生活習慣を指導するほか、可動範囲を広げられるようリハビリテーションなどが検討されます。これらによって改善しない場合は、手術が検討されることもあります。肩の血液の循環をよくするために、肩を温め、適度に動かすことが大切です。具体的には、入浴時などに肩をしっかり温めることを心がけるほか、肩掛けを使うなどして日常的に肩を冷やさないよう工夫しましょう。また、腕を振ってウォーキングをしたり、ストレッチを行ったりすることも効果的です。ただし、すでに痛みが強く生じている場合は無理に動かさず、病院の受診を検討しましょう。

漢方と鍼灸

 痛みの部分から波長をとって経絡に落とし込んで最適な漢方食養生サプリツボを選択し治療していきます。

【症例】48歳 左側の腕があがりにくくなり来院。肝経のツボに置鍼をし、その後患部に一本さして終了。大分上がるようになりました。5回の治療で終了。
【症例】40歳 右腕をあげると痛みが出て本来のところまで上がらないという相談。小腸経のつぼに置鍼しながら腕をあげていくと少しずつ上がり始め、その後ロックする箇所に一本打って終了。4回で治療終了。
【症例】55歳 腕があがりにくい相談漢方鍼灸を希望。2週間で治療終了。

痛風・高尿酸血症

痛風

 痛風とは、血液中に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、関節などの組織に炎症を引き起こす病気のことです。結晶化した尿酸が関節にたまって炎症が起こると、急激な痛みや腫れを伴う痛風発作を引き起こします。足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなることが多く、風が吹いただけで痛みが生じるほど激烈な痛みを生じます。痛風発作は足の親指の付け根だけでなく、足・膝・手などのさまざまな関節にも生じます。また、痛みや腫れの症状以外にも、関節や耳にこぶのようなものができる痛風結節腎臓のはたらきが悪くなる痛風腎や尿管結石を起こすこともあります。痛風は、血液中の尿酸の濃度が高い状態が続く高尿酸血症に起因する病気です。尿酸は、プリン体(プリン環の構造を持つものの総称。核酸の代謝によってつくられるもの)が分解されることでできる物質です。プリン体を多く含む食べ物を取り過ぎたり、代謝経路のどこかに異常ができたりすると、体内のプリン体は少しずつたまっていきます尿酸は、腎臓や腸管から排出されます。血液中の尿酸値は、体内でつくられた量と排泄された量のバランスによって決まります。血液中の尿酸値が上昇(7.0以上)すると、高尿酸血症が現れます。痛風発作の痛みは耐え難いほどの激痛で、日常生活が困難になる人もいるほどです。通常、24時間以内に痛みのピークを迎えますが、強い痛みが数日間続き、7~10日間で症状は治まります。さらに、高尿酸血症を放置しておくと、手足の関節や耳たぶの皮膚の下にも尿酸塩の結晶が沈着してこぶのようになります。これを痛風結節といいます。痛風結節は、痛風発作と違い痛みが生じることはありません。しかし、進行すると関節が変形したり、骨の破壊が起こったりして日常生活に影響が出ます。痛風の検査では、はじめに痛風関節炎(痛風で生じる関節の炎症)や痛風結節の有無が診察で確認されます。また、血液検査や尿検査を行うことで、血清尿酸値や尿中尿酸排泄量といった数値も調べるのが一般的です。診断が困難なケースでは、関節滑液中の尿酸塩結晶を調べることがあります。また、骨の状態を確認するためにX線撮影による検査が行われることもあります。尿酸結晶の沈着状態を超音波検査や特殊なCT検査(dual energy CT)で調べることもあります。治療では、高尿酸血症の改善が重要です。痛風発作の急激な痛みに対しては、消炎鎮痛薬を使って速やかに痛みを和らげます。痛風発作が治まったら、血中の尿酸値を下げるために尿酸降下薬の服用を開始します。薬物療法のほかに大切なのが、生活習慣の改善です。尿酸値が高い高尿酸血症の状態が続くと、痛風発作を繰り返す原因となります。尿酸を増やさないためには、尿酸の元となるプリン体が多く含まれる食品(肉や魚の内臓など)やアルコールを控えるとよいでしょう。肥満の解消も尿酸の低下につながります。

高尿酸血症

 高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態のことです。尿酸*が過剰になると、体内で析出して結晶を作り、痛風と呼ばれる病気を発症することがあります。尿酸の結晶は足の親指の付け根に形成されることが多く、激烈な痛みや発赤、腫れなどの痛風関節炎(痛風発作)を引き起こします。そのほか、腎臓にも結晶を作ることもあり、腎臓結石の原因にもなります。高尿酸血症は、アルコールや肉を多く摂取する、といった生活習慣と密接に関連していると考えられています。こうした生活スタイルは、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満などとも関連しており、動脈硬化を進行させないという観点からも治療を行う必要があります。日本人の原因としてもっとも多いタイプです。尿酸を腎臓から十分に排出できないために高尿酸血症を生じます。腎疾患により腎臓の機能が低下していたり、尿酸の排出に関与する利尿薬などの薬剤を使用していたりする場合には、尿酸の排出が低下するために血中の尿酸値が上昇しやすくなります。肥満のひとつである内臓脂肪型肥満ではインスリン抵抗性を介して腎臓からの尿酸排泄が低下するため血清尿酸値が上昇しやすくなります。内臓脂肪型肥満では尿酸の産生も高まるといわれています。乳酸が体内に過剰に存在すると尿酸の排出を阻害することが知られています。アルコールを摂取すると肝臓でのプリン代謝が増進されますが、乳酸はその過程において産生されます。アルコールは尿酸を増加させ、排出も低下させるため、過剰摂取には注意が必要です。尿酸が通常よりも過剰に産生されることで高尿酸血症を生じます。溶血性貧血、白血病、リンパ腫といった血液系の病気や乾癬などの炎症性疾患が原因となります。これらの病気では核酸の代謝が活発となり、老廃物としての尿酸を大量に産生する傾向があります。尿酸のもととなるプリン体を大量に摂取することも、高尿酸血症の原因になりえます。プリン体は、ビールやレバー類などに多く含まれています。したがって、こうしたものを多く摂取する生活習慣スタイルは高尿酸血症の原因となりえます。最近の研究では、遺伝的要因として尿酸の排出に関わるABCG2遺伝子の変異が発症リスクを上昇させることも報告されています。ABCG2の機能が低下すると腸管からの尿酸の排泄が低下するため血清尿酸値が上昇しやすくなります。高尿酸血症そのもので症状が生じることはありません。しかし、高尿酸血症に関連して、痛風や腎臓・尿管結石を発症すると症状を自覚するようになります。痛風関節炎は足の親指の付け根など小さい関節に生じることが多く、激烈な痛みや発赤、熱感、腫脹といった炎症反応をみることがあります。そのほか、くるぶし、膝、アキレス腱などにも起こります。通常は数日で治まりますが、背景に存在する高尿酸血症に対して適切な治療が行われないまま放置されると、何度も発作を繰り返すことがあります。さらに関節の変形や運動制限などにつながることもあります。また、痛風結節と呼ばれる、黄色っぽく固いできものをみることもあります。好発部位は指、手、アキレス腱周囲などですが、腎臓など内臓に形成されることもあります。通常、痛みなどはありませんが、関節の変形につながったりすることもあります。高尿酸血症では、腎臓に結石を作ることもあります。この場合は、背部痛の原因となることもありますし、腎障害が進行することもあります。さらに、高血圧や脂質異常症、肥満、糖尿病などの生活習慣病を合併することもまれではありません。高尿酸血症の診断は、血液検査で尿酸の値が高いことからなされます。一般的には尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。痛風では尿酸の結晶が形成されていることを確認するために、関節穿刺(関節内に注射針を刺し、関節液の一部を採取すること)や関節超音波検査、特殊なCT検査(dual energy CT)などを行うことがあります。腎臓・尿管結石の確認のために、尿検査や超音波検査、CTなどといった画像検査が行われることもあります。また、痛風に類似した症状をきたす病気との鑑別を行うために、血液検査や画像検査などが併用されることもあります。感染性関節炎や偽痛風、関節リウマチ、骨折など、多くの病気において痛風関節炎に類似した痛みをきたす可能性があります。高尿酸血症の治療は、大きく生活習慣の改善と薬物療法の2つに分けることができます。痛風関節炎に対しては非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が使われます。プリン体を多く含む食品(動物の内臓など)やアルコールの摂取を控えることが重要です。また、肥満を併発していることも多いため減量を行うことも求められます。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化のリスク因子があれば、それらに対しての治療も必要です。尿酸が産生されにくくする薬や体外への排泄を促す薬などの尿酸降下薬を使用することになります。尿酸降下薬の開始時には痛風発作が生じることもあります。その場合においては、NSAIDsが併用されます。予防には、尿酸のもとなるプリン体の摂取を減らすことが大切です。プリン体を多く含む食品にはビール、レバー、肉、魚などが挙げられます。また、アルコールは尿酸値を上昇させるため、アルコール自体の摂取を控えることも有効です。

漢方と鍼灸

 プリン体を多く食べても痛風にならない人もいます。またお酒を沢山飲まない人でも尿酸値が高い人がいます。なぜでしょう。肝臓の代謝が落ちていると考えられます。肝臓の代謝が落ちる理由は、アルコールだけでなくストレスや偏食、目の使い過ぎなども関係してきます。次に腎臓の排泄能力の低下、消化能力の低下による腸からの排出低下が考えられます。これらは血液検査であまりひっかかりません。疲れている状態ですので元気にしてあげましょう。また食べ過ぎ、飲みすぎは、やはりいけませんので食事も見直しましょう。痛みや結節の場所、肝臓、脾、胃、腎臓などから最適な漢方食養生サプリツボを選択し治療していきます。

【症例】40歳 尿酸値7.8でご相談。脾が弱っていたので1か月飲んで頂きました。結果6.9まで下がり終了。
【症例】56歳 尿酸値8.5でご相談。肝臓の代謝と腎臓の排泄能力が低下していたので2種類の漢方をお出しして2か月で7.0まで下がり継続中。
【症例】55歳 尿酸値8.0でご相談。肝臓の代謝と膵臓の代謝が落ちていて3種類の漢方を4か月飲んで頂き6.8まで改善
※症例多数

ぎっくり腰(急性腰痛)

 急性腰痛症は、腰痛が発症してから4週間以内のものを指します。一般に“ぎっくり腰”と呼ばれている状態はこれに含まれ、重いものを持ち上げたときや腰をひねったりしたときなどに突然生じます。痛みの原因は、主に腰の関節やその周りの筋膜や靱帯にあると考えられていますが、原因がはっきりとしないこともあります。安静にしていると自然に治ることも多く、必要に応じて鎮痛薬などの薬物療法や、痛みを和らげるための神経ブロック療法などが行われます。急性腰痛症の中には、骨折や感染症、腫瘍などほかの病気が原因となっていることもあり、この場合はそれぞれに対応した治療が必要となります。厚生労働省による自覚症状の調査(平成28年度)によれば、腰痛は男性で1位、女性で2位と高く、日本人にとってもっとも一般的な症状であるといえます。急性腰痛症の予防のためには日常生活から姿勢に気を付け腰回りの筋肉を鍛えることが大切です。急性腰痛症の痛みの原因はさまざまで、原因がはっきりしない場合もあります。老化、姿勢の悪さ、無理な力がかかることなどによる腰の関節のずれ、椎間板という腰の軟骨の損傷、腰を支える筋肉や腱、靱帯の損傷などが原因として多いと考えられています。そのほか、特別な病気として椎間板ヘルニア、脊椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症などが原因となっていることもあります。また、ときに圧迫骨折やがんによる背骨の病的骨折、感染症による背骨や椎間板の化膿などが原因となって腰痛を引き起こす場合があるため、自己判断せず専門家の診断を受けることが重要です。腰に強い痛みが生じ、腰を前後に曲げることが難しくなります。症状が重い場合は痛みで動けなくなることがあります。臀部や下肢に放散するような痛みやしびれを伴う場合もあります。安静にしていると痛みは和らぎますが、過度な運動制限は筋力低下を招き腰痛を悪化させる可能性があるため注意が必要です。症状は、重いものを持とうとしたときだけでなく、起き上がろうとしたときや咳・くしゃみをしたときなどに生じる可能性もあります。痛みは1日以上続き、1か月以内に治まる場合を急性腰痛症と呼びます。いわゆる“ぎっくり腰”とは異なり、感染症や腫瘍などが原因となっている場合は発熱や腰以外の痛みなど、ほかの症状が出る場合があります。腰痛にはさまざまな原因があり、また原因によって治療法が異なるため、必要な検査を行い正確に診断することが重要です。診断で重要となるのは問診・身体診察と画像診断です。診断では、まず問診と身体検査によって、痛みの範囲、悪性度、慢性化の可能性、進行性かどうかなどを注意深く評価し、腫瘍や感染症、骨折などの重要な病気が隠れている可能性を慎重に検討します。必要に応じて、腰椎(背骨のうち腰の部分にある骨)の状態を調べるために、画像診断も行われます。もっとも多く行われるのはX線検査(レントゲン検査)です。より詳しい情報を得るために、MRI検査やCT検査が行われることもあります。また、ほかの原因が隠れていないか探すために、血液検査、尿検査、骨密度検査、筋電図検査、骨シンチグラフィー検査、PET検査などが行われる場合もあります。急性腰痛症は安静にしていると数日から数週間で自然に治ることもあります。治療としては、薬物療法、神経ブロック療法、装具療法などがあります。腰痛の背景に骨折や腫瘍、感染症など特別な病気が関わっている場合には、それぞれに対応した治療を行うことが重要となります。腰の痛みや炎症に対しては通常、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が処方されます。痛みによる筋肉の緊張や精神的な緊張を和らげる目的で筋弛緩薬や抗不安薬を使用することもあります。神経症状がある場合は、神経障害性疼痛薬を用いることが多いです。また、心因性の腰痛が疑われる場合は、抗うつ剤などの薬剤が用いられることもあります。脊髄(背骨の中を通る神経の束)を囲む硬膜という膜と骨の間の空間に局所麻酔薬を注射し、一部の神経を遮断(ブロック)することで痛みを軽減する方法です。痛みを感じる神経のブロックと、運動神経や交感神経の遮断で筋肉が緩み血行がよくなる効果によって腰痛が緩和されることが期待できます。コルセットなどを用いて痛みの出ている部分を安静に保つことで、痛みの軽減や早期の回復を目指す方法です。急性腰痛では、安静を続けるよりも無理のない範囲で日常生活を維持したほうが早く回復するという報告もあり、どの程度運動を制限すべきかについては医師との相談が必要となります。急性腰痛症を予防するには、普段から腰に無理な負担がかからないよう姿勢に注意するとともに、腰回りの筋肉を鍛えることが大切です。また、日頃から腰の筋肉のバランスを整えることは腰痛の再発予防にもつながります。精神的な落ち込みは腰痛を悪化させ、急性腰痛から慢性腰痛へと移行するリスクを高めることが分かっています。

漢方と鍼灸

 まず痛みを和らげることが大切です。鍼灸では痛いところに針を打つと悪化することが多いので手や足、腹部、頭部で痛みをとることもできます。漢方でも早く痛みをとるものがありますのでご紹介いたします。患部から痛みの波長を取って最適な漢方食養生サプリツボを選択して治療していきます。漢方鍼灸の組み合わせもできます。
【症例】50歳 急にぎっくり腰になり歩けなくなる。ご家族に連れられて来院。鍼灸治療をして帰る頃には大分楽になり次の日には仕事に行けたそうです。3回通院で終了。
【症例】68歳 重たいものを持ってから腰が痛くてつらい。病院の痛み止めが効かないと言って来院。1回の治療で楽になり2回で終了。
【症例】71歳 年末31日に電話で往診に来て欲しいと言われ、元旦に病院にお見舞いに行きました。痛み止めが効かないらしい。当然治療はできないので手を握ってツボを刺激して40分。すると楽になったからまた来てと頼まれ2日3日と通い、その後電話をもらい、あれから腰の痛みが楽になりリハビリができるようになりすぐ退院が出来ましたと感謝されました。
※症例多数

【皮膚】の対策と漢方

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【皮膚】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状として肌荒れ湿疹などの増加が問題となっています。年を重ねることで、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛・ハント症候群などの方が増えています。成人・高齢化社会においても、皮膚の健康は非常に重要です。

 当院の【皮膚】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

【皮膚】の病気と漢方東洋医学

肌荒れ湿疹蕁麻疹手湿疹(主婦湿疹)アトピー性皮膚炎接触性皮膚炎ニキビ酒査(鼻の赤み)皮膚搔痒症レイノー病いぼ(疣贅)円形脱毛症帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛・ハント症候群多汗症手掌多汗症尋常性乾癬白斑掌蹠膿疱症やけど、、乾皮症(乾燥肌)脂漏性皮膚炎爪甲剥離症光線過敏症(日光過敏症)単純ヘルペスウイルス感染症手足口病ヘルパンギーナとびひ(伝染性膿痂疹)白癬血管性浮腫(クインケ浮腫)

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「皮膚」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら

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腰痛

 腰(脊柱)に由来するものは、先天異常側弯症腰椎分離症など主に成長に伴っておこるもの、変形性脊椎症椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症、変性すべり症など主に加齢により生ずるもの、腰椎骨折脱臼などの外傷カリエス化膿性脊椎炎などの感染や炎症によるもの、転移癌などの腫瘍によるものなどがあります。また腰以外に由来するものは、解離性大動脈瘤などの血管の病気、尿管結石などの泌尿器の病気、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気、胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気、変形性股関節症などの腰以外の整形外科の病気によるものがあります。加えて身体表現性障害統合失調などの精神疾患精神的なストレスによる心理的な原因による場合もあります。診断はいろいろな原因があり、また病態により治療法が異なるため、正確な診断が重要です。必要に応じてX線(レントゲン)検査、MRI検査、骨シンチ、筋電図検査、血液・尿検査などを行います。特に安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがするなどの症状を伴っている場合は、放置したり自分で管理することは禁物です。予防と治療は、内服薬、ブロック注射療法、コルセットなどの装具療法、牽引などの理学療法、運動器リハビリテーション、手術治療があります。腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰え、また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛がおきやすくなります。悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど日常的姿勢に注意し、また腰の支持性を高めるための運動や体操を継続されるとよいでしょう。

漢方と鍼灸

 腰痛の原因は様々、胃が疲れていても腰痛が出ることもあります。まずは問診で原因を把握することが大事です。また痛みの箇所から経絡に落とし込んで把握することもできます。腰痛の箇所から、ストレスの箇所から、各疾患の反応穴から最適な漢方食養生サプリツボなどを選択し治療していきます。寝ぬ前の全身のストレッチも有効です。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

 「クインケ浮腫」とは皮膚や粘膜に起こる急な腫れ・むくみを示す言葉で、ドイツ人医師クインケが最初に報告したことにちなんで名付けられ、「血管性浮腫」と同義の言葉となります。血管性浮腫(クインケ浮腫)はさまざまな原因で起こり、生まれつきの「遺伝性」と、それ以外の「後天性」の2つに大きく分けられます。
 血管浮腫(または血管性浮腫、クインケ浮腫と呼ばれています)の特徴的な症状は、まぶたや口唇の「腫れ」です。夕方から夜間にかけて生じることが多く、朝起きたら目が腫れていた、などの症状がよくみられます。血管浮腫は、蕁麻疹の1種と言われています。蕁麻疹との違いは、蕁麻疹は皮膚の浅い部分で生じる反応である一方、血管浮腫は皮膚の深い部位で起こる反応を言います。血管浮腫は、蕁麻疹のようなボコッとした皮疹などの皮膚の変化やかゆみも伴わないことが多く、単なる「腫れ(浮腫)」の症状だけが現れることが多いです。まぶたや口唇のように、粘膜に近い部位に症状が生じた場合、皮膚だけではなく粘膜の浮腫が生じることもあります。目が充血したり、口腔内が腫れることもあります。蕁麻疹は数時間で消えてしまうことが多いですが、皮膚の深い部位で生じる血管浮腫は、改善までに数日かかることがあります。血管浮腫の原因は、特定できないことが多く、それらを特発性の血管浮腫と言います。特発性の血管浮腫の場合は、誘因がなく突然症状がでますが、疲れやストレスなどが発症要因となりやすいです。特定の薬剤や食物を摂取した後に症状が出る場合は、それらが原因となっている可能性が高いです。薬剤については、特に降圧剤であるACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)や、ARB(アンジオテンシンII 受容体拮抗薬)が原因となることが多いと言われています。新しい薬を飲み始めてから、まぶたや口唇が腫れるようになった場合は、薬剤性の血管浮腫を考える必要があります。血管浮腫に特徴的な原因として、C1-INH(C1-inhibitor:補体第1成分阻害因子)の機能不全があります。C1-INHと言う血液中の1つの成分の機能が低下し、ブラジキニンという物質が過剰に産生されることにより、血管浮腫が生じます。これには、先天性のものと後天性のものがあります。先天性の疾患を遺伝性血管浮腫といい、皮膚症状だけではなく、腹部症状を伴うことがあります。採血を行うことで、診断は可能なので、まぶたや口唇の腫れを繰り返すような場合は、採血検査が必要です。血管浮腫の治療は、基本的には蕁麻疹と同様に、抗ヒスタミン剤の飲み薬が中心になります慢性的に(数週間程度)繰り返してしまう場合は、抗ヒスタミン剤を症状が出ていない時を含めて長期的に内服する必要があります。抗ヒスタミン剤だけでは症状が治らない場合は、補助的な薬としてトラネキサム酸が有効とされています。その他に、抗ロイコトリエン拮抗薬、H2-blocker、症状が強い場合は一時的にステロイドの飲み薬を併用する場合もあります。先ほど説明したC1-INHが関与している場合、抗ヒスタミン薬が無効な場合が多いです。血管浮腫の原因として、血液検査でC1-INHの機能不全が関与していることがわかった場合、症状が出現した時には、C1-INH製剤(ベリナートP)の投与を行うことで症状が改善します。発作が頻回に起こる場合は、トラネキサム酸を予防的に服用する場合もあります。また、原因物質であるブラジキニンの受容体を阻害する薬(注射製剤)を自己注射することで、症状を抑える治療もあります。原因が分かっていませんが、リンパ腫などの他の病気に伴って起こったり、薬を服用していて起こったり、食物アレルギーによって起こったりします。
 また、生まれつきの体質が関係していて、“遺伝性血管性浮腫(HAE)”という病気のために、血管性浮腫(クインケ浮腫)をくり返すこともあります。血管性浮腫(クインケ浮腫)の対処法や治療法は、原因によって異なります。例えば、薬が原因の場合は、薬の服用を止めることで症状の改善が期待できます。また、遺伝性血管性浮腫(HAE)にはアレルギーに対する薬は効果がありません。したがってクインケ浮腫と言われた場合には、さらに検査し、腫れ・むくみ、痛みの原因が「遺伝性」のものなのか、「後天性」のものなのかについて、特定してもらうように心がけてください。遺伝性血管性浮腫(HAE)とは、腫れやむくみが全身のさまざまな部位に繰り返し発生する病気です。主に遺伝子の異常によって、C1インヒビターと呼ばれるタンパク質が減少したり、機能異常をきたしたりすることで、最終的にブラジキニンの産生を亢進させることにより発症します。症状は手足やまぶたなどの皮膚に現れることが多く、粘膜にみられることもあります。まれに腫れが喉に発生する場合があり、気道を塞ぐと命に危険を及ぼすこともあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症率は5万人に1人との報告が多く、遺伝子の病気ではあるものの全体の約25%は家族に同じ病気の人がいない孤発例であるといわれています。発作が発生したときの治療に加え、発作が起こるきっかけに対する発作予防による症状のコントロールが重要となります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の原因はC1インヒビターの減少や機能異常です。C1インヒビターの遺伝子の異常によるものであることが多く、まれに遺伝子異常によらないものもあります。C1インヒビターはC1と呼ばれる補体*のはたらきを抑える効果がありますが、C1インヒビターの機能が不十分だとC1が過度に活性化してしまい、発作的な腫れやむくみが起こるようになります。発作はきっかけなく突然現れる場合もありますが、けがや抜歯、外科手術などの何らかのストレスがきっかけとなることが多いといわれています。遺伝性血管性浮腫(HAE)の症状は、発作的に繰り返し生じる腫れ、むくみです。赤みやかゆみはなく、突然現れて通常は1~3日程で治まります。腫れが生じる部位は手、足、腕、脚、まぶた、くちびる、口の中、舌、喉など全身に及び、人によって異なります。腫れが喉に生じた場合は気道が塞がるため息ができなくなり、命に危険を及ぼすこともあります。また、消化管に腫れが生じた場合、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れることもあります。発作の頻度は個人差があり、多くの人が1か月に1回以上の発作が起こります。なかには週に1~2回と高い頻度で起こる人もいます。遺伝性血管性浮腫(HAE)の診断は、自覚症状、家族歴、血液検査、遺伝子検査などに基づいて行われます。腫れやむくみなどの実際の症状は重要な診断材料となりますが、診断時に症状が現れていないと判断が難しいため、写真を撮って記録しておくことも有用です。遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者の多くは血縁者にも同じ病気の人がいるといわれているため、家族歴の確認も行われます。血液検査では、病気の発生に関わるC1インヒビターの活性やC4タンパク質量などを調べます。また、病型の判断のため、C1インヒビターの量や第XII因子と呼ばれる物質の状態を調べることもあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療には、発作時の治療、短期予防、長期予防の3つの目的があります。腫れやむくみなどの症状が現れているときに症状を抑えるための治療です。保険診療では、C1インヒビター製剤、ブラジキニン受容体拮抗薬と呼ばれる治療薬が主に用いられます。C1インヒビター製剤は点滴・注射によって投与する必要があるため、治療には医療機関の受診が必要です。一方、ブラジキニン受容体拮抗薬は皮下注射する治療薬で、事前に医療機関でのトレーニングを受けていれば、自身で注射を打つこともできます。発作の部位によっては経過観察を行うこともあります。喉に発作が現れた場合は呼吸困難をきたすことがあるため、ICUで気管内挿管、気管切開などの緊急治療が必要になることもあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作は歯科治療や外科手術などのストレスがきっかけで発生することが多いため、ストレスの原因となる予定がある場合は、あらかじめC1インヒビターを補充する治療が行われることがあります。発作の頻度が高い場合(1か月に1回以上など)、1回あたりの発作の期間が長い場合(1か月に5日以上など)、発作が喉に発生したことがある場合などは、発作を予防するために長期的な治療を行うことがあります。長期予防としては、トラネキサム酸、ダナゾール、ラナデルマブといった薬の継続的な投与が検討されます。ただし、トラネキサム酸、ダナゾールは保険適用ではなく、トラネキサム酸では効果が限定的であること、ダナゾールでは肝障害や高血糖などさまざまな副作用がみられることにも注意が必要です。

漢方と鍼灸

 蕁麻疹は三陰三陽で判断します。特に表面と奥から起こることから太陽病、少陽病合病が考えられます。標治は血管性浮腫ということで血管からリンパ液などの物質が漏れるので漏れを防ぐ漢方も使います。また浮腫をとる漢方などを合わせていきます。本治としてはストレスによる発症も多いのでストレスの反応穴で確認しておきます。別の相談で来ていた方が、以前クインケ浮腫と診断され色々新薬を飲んだけどどれも効かないので一切やめてストレス発散をしたら治ってしまった過去がありますと教えてくれました。自律神経と関係があるかもしれませんね。ストレスの反応穴、皮膚病の反応穴、一番ひどい箇所から最適な漢方食養生サプリツボを選択し治療していきます。