本文へ

 

admin@fuji-kampo

麻杏薏甘湯

〔成分・分量〕
麻黄 4、杏仁 3、薏苡仁 10、甘草 2

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕
体力中等度なものの次の諸症:関節痛、神経痛、筋肉痛、いぼ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)

麻杏甘石湯

〔成分・分量〕
麻黄 4、杏仁 4、甘草 2、石膏 10

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕
体力中等度以上で、せきが出て、ときにのどが渇くものの次の諸症:せき、小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、感冒、痔の痛み

麻黄附子細辛湯

〔成分・分量〕
麻黄 2-4、細辛 2-3、加工ブシ 0.3-1

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕
体力虚弱で、手足に冷えがあり、ときに悪寒があるものの次の諸症:感冒、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気管支ぜんそく、神経痛

麻黄湯

〔成分・分量〕
麻黄 3-5、桂皮 2-4、杏仁 4-5、甘草 1-1.5

〔用法・用量〕

〔効能・効果〕
体力充実して、かぜのひきはじめで、さむけがして発熱、頭痛があり、せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり

味麦地黄丸

〔成分・分量〕
地黄 8、山茱萸 4、山薬 4、沢瀉 3、茯苓 3、牡丹皮 3、麦門冬 6、五味子 2

〔用法・用量〕
(1)散:1 回 2g 1 日 3 回
(2)湯

〔効能・効果〕
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、ときにせき、口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、息切れ、からぜき

萎縮性胃炎

 胃に炎症が起こった状態が続くと、胃液や胃酸を分泌する組織が減少して胃の粘膜が萎縮してしまいます。 この状態になると萎縮性胃炎といいます。 萎縮性胃炎は、慢性胃炎の80%を占めており、一般的に慢性胃炎といわれる場合、萎縮性胃炎のことをいいます。慢性胃炎の原因には、ピロリ菌(Helicobacter pylori)以外に自己免疫性胃炎、放射線による胃炎、ハイルマニ菌(Helicobacter heilmannii)などがあります。胃の萎縮が進行すると、腸上皮化生といって、胃の粘膜が腸の粘膜のようになってしまいます。 この一部が胃がん化すると考えられているので注意が必要です。
 萎縮性胃炎は、ピロリ菌感染が原因となります。ピロリ菌から起こる萎縮性胃炎は胃の前庭部(十二指腸に近い方)から萎縮が進み、B型胃炎と分類されています。
慢性的にお腹が張る、胃もたれ、胃の不快感、胃痛が続いたり、食欲不振が持続したりします。慢性的な吐き気、胸焼けを訴える方もいらっしゃいます。しかし、すべての方に症状が出る訳ではなく、萎縮性胃炎があっても無症状の方も多くおられます。
 普段の生活では、胃粘膜の炎症リスクがある過度な飲酒、喫煙、そして唐辛子などの過剰摂取を控えることがおすすめです。また、カフェイン、特にブラックコーヒーもできるだけ避けてください。暴飲暴食や不規則な時間の食事を控え、睡眠や休息もしっかりとりましょう。

漢方と鍼灸

 ピロリ菌を殺菌する漢方を使います。抗生物質の耐性を起こしている方、副作用が出て飲めない方、抗生物質2種類に抵抗のある方はおすすめです。まず菌の反応をとらえるツボから相性のいい漢方を選択します。食生活の改善も一緒に見直していきましょう。自己免疫、自律神経、胃の調子、ストレスなどの反応穴から経絡に落とし込んで漢方ツボなどを探していきます。 

煎じ

六君子湯(人参・白朮・茯苓・炙甘草・半夏・陳皮・生姜・大棗)『世医得効方』
四君子湯合二陳湯で、四君子湯を用いる気虚の状態(消化吸収機能の減退)で、胃カタルを合併し、悪心、嘔吐、食欲不振のある場合に使われます。
など(薬局製剤以外も含む)

年末・年始(12月,1月)のお休みと営業時間

【12月お休み】
12月9日(月)
12月22日(日)・23日(月)
12月31日(火)

【1月お休み】
1月1日(水)・2日(木)・3日(金)・4日(土)・5日(日)
1月13日(月)
1月20日(月)
1月26日(日)・27日(月)

火~金曜日:10時~19時
土・日・月・祝祭日:10時~17時(来店前に要確認)

ご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。

皆様も、冬の季節と年末年始をリラックスしてお過ごしください。


低胃酸症

 胃酸は胃壁から分泌される消化液で、主成分は塩酸と消化酵素のペプシノゲンからできています。胃酸の主な働きは食物の消化です。
 胃酸の働きは、消化以外にも食品や、口、喉に付着している細菌、ウィルス、カビ、寄生虫などを消毒して食中毒や感染症を予防してくれます。
 この消化にも感染症予防にも必要な胃酸の分泌が不足している状態を低胃酸症と呼びます。
最新の研究では人口の30%程度が胃酸不足と推測され、年齢とともに胃酸の分泌は低下する傾向にあります。
適切な胃酸は食事の消化に欠かせません。特にタンパク質、ビタミンB12、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルの消化には胃酸が欠かせません。胃酸の分泌が低下すると、これらの栄養素を吸収することができなくなります。タンパク質は分解されてアミノ酸になり、筋肉、毛髪、つめ等の様々な部品に使われ、気分や感情などを制御している物質の原料にもなります。ビタミンB12不足は疲労や麻痺、ミネラル不足は骨粗しょう症、貧血、疲労など様々な病気の原因になります。
 胃酸は消化に必要なだけでなく殺菌効果としても重要で、雑菌やカビの繁殖を抑える働きがあります。胃酸が少ない方は細菌による感染症や異常繁殖により下痢やガスが溜まりやすいのが特徴です。
食後の胸焼け、膨満感、ゲップもしくは胃酸逆流症などの症状から胃酸過多と診断されている方でも、胃酸の分泌量を測ると実際は低胃酸症の方がおられます。このような症状は胃酸の分泌量が少ないため消化能力が落ち、胃の中に食べ物が長く停滞するために起こります。酸の分泌量が少ない胃では、消化に時間がかかり食物は胃に長時間留まることになります。そして食道と胃の間の弁(下部食道括約筋)が時間の経過と共に緩んだ時に胃の内容物が食道へ逆流する事になります。胃酸過多に比べて胃酸の量は少なく、食物を消化するには十分な濃度の酸ではありませんが、本来胃酸に晒されることのない食道にダメージを与えるには十分な濃度の酸です。このような方は、レモン水などを食事と一緒に摂ると胸焼けを起こしにくくなります。
 低胃酸症の症状のなかで勘違いされているのが、胸焼けです。胸焼けは胃酸過多と思われることが多いのですが、実際には胃酸不足で消化ができず、胃もたれから胸焼けになることがあります。
 胃酸が不足すると有害な細菌が腸内で繁殖しやすくなり、下痢や、腸内毒素症と呼ばれる腸内細菌バランスの乱れによる体全体への不調、カンジタ菌の繁殖などにつながります。
胃酸は大きな塊のタンパク質を、より小さいペプチドと呼ばれるアミノ酸の集合体に分解してくれます。このペプチドは更に小さく消化されるか、ペプチドのまま腸から吸収されます。胃酸とペプシンが不足すると大きな塊のタンパク質は消化、吸収されないので栄養不足、筋肉の萎縮などを引き起こします。また消化できなかったタンパク質は、食品アレルギーや食品不耐性を引き起こすこともあります。
 原因には様々が考えられますが、ストレス、更年期、薬、ピロリ菌は胃酸の分泌を低下させる原因の一つです。

漢方と鍼灸

 問診は、ストレス、食事内容、夕食の時間、嗜好品(コーヒー、辛い物など)、睡眠、鎮痛剤有無、などを聞いていきます。胃の状態は腹部の緊張具合、背部の状態・ストレスのツボ・胃経のライン・癌のツボなどを確認して漢方薬食養生食品を選択、希望があれば鍼灸治療も致します。どんな種類の胃薬も飲むと反応して痛くなる場合、鍼灸治療がいい場合もあります。ご相談ください。

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、座ったり横になったりすると、主に脚(人によっては脚だけではなく腰や背中、腕や手に症状が現れる場合もあります)にむずむずする、ぴりぴりする、かゆみ、痛みなどの強い不快感が現れる症状です。特に夕方から夜間にかけて症状があらわれるケースが多く、睡眠障害の原因にもなりやすい病気です。また、足が周期的にピクッピクッと勝手に動き続けていることが多く(周期性四肢運動障害)、これも睡眠を浅くします。
 日常の座ったままやじっとした姿勢の活動を阻害されるため放置していると日常生活に大きな影響を及ぼします。足を動かすとこの異常感覚はすぐに消えるのですが、じっとしていると再び出現してきます。
 レストレスレッグス症候群は主に40歳以上の中高年の方に多く、男性に比べて女性の患者さんの割合が多いと報告されています。鉄欠乏性貧血や、腎不全による人工透析を受けている人に多いことが知られています。
 レストレスレッグス脚症候群の原因はまだ明らかにはなっていませんが、有力な説として脳内の神経伝達物質の1つであるドパミンの機能障害や鉄が関与していると言われています。ドパミンは、さまざまな運動機能を潤滑にする働きをします。また鉄はドパミンを作る過程で欠かすことのできない物質です。その鉄の不足によりドパミンがうまく合成されないことで症状を引き起こすのではないか、と考えられています。
 レストレスレッグス症候群は、原因がはっきりわからないもの(一次性)と、他の病気や薬などが原因となって起こるもの(二次性)に分けられます。二次性の原因としては、慢性腎不全(特に透析中)、鉄欠乏性貧血、妊娠、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなどが挙げられます。

漢方と鍼灸

 緊張しやすい方、血流が普段から良くない方がなりやすいので自律神経、血流の反応穴からあなたに最適な漢方食養生サプリツボをお選びしお伝えいたします。

・抑肝散(柴胡・甘草・川芎・当帰・白朮・茯苓・釣藤)『保嬰撮要』
この薬方の主薬は釣藤散で、中枢性の鎮静、鎮痙作用と催眠作用があります。
・抑肝散加陳皮半夏(柴胡・茯苓・白朮・甘草・当帰・川芎・釣藤鈎・陳皮・半夏)『本朝経験方』
この薬方の主薬は釣藤散で、中枢性の鎮静、鎮痙作用と催眠作用があります。
・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
咽喉部に炙った肉片がくっついているように感じる方に使います。厚朴は緊張を緩め、半夏は鎮静作用があります。紫蘇葉は気分を晴れやかにします。
・四逆散(甘草・枳実・柴胡・芍薬)『傷寒論』
・逍遥散(甘草・芍薬・当帰・茯苓・白朮・柴胡・生姜・薄荷葉)『太平恵民和剤局方』
・加減逍遥散(茯苓・白朮・当帰・芍薬・柴胡・甘草・生姜・麦門冬・遠志・桃仁・蘇木・紅花)『世医得効方』
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(当帰・芍薬・甘草・木通・桂枝・細辛・生姜・呉茱萸・大棗)『傷寒論』
・当帰芍薬散(当帰・芍薬・茯苓・白朮・沢瀉・川芎)『金匱要略』
など(薬局製剤以外も含む)

ウィルス性難聴

 難聴は先天性、遺伝性、感染性、炎症性、薬剤性など様々な原因で生じます。この原因の一つにウィルスがあり、ウィルスによって生じる難聴をウィルス性難聴といいます。
 また、難聴を障害部位によって分けると伝音難聴、感音難聴、混合難聴に分けられます。感音難聴はさらに内耳性難聴と後迷路性難聴に分けられます。ウィルスによる難聴はこれらのどのタイプの難聴も起こしえますが、最も多いのは感音難聴、とりわけ内耳性難聴になります。感音難聴を生じるウィルスとして日常で起こりやすいのはムンプスウィルス、麻疹ウィルス、水痘・単純疱疹ウィルス、サイトメガロウィルス、風疹ウィルスなどによる感音難聴です。
 ムンプスとは流行性耳下腺炎の事で、一般的にはおたふく風邪と呼ばれています。原因となるウィルスはムンプスウィルスと呼ばれ、RNAウィルスの中のパラミクソウィルスに属します。
 突発性難聴は原因不明の急性感音難聴をきたす疾患です。難聴は急性に突然起こり、耳鳴、めまいを伴うことも伴わないこともあります。難聴の程度は様々です。中枢には病変がなく、蝸牛神経も含めた末梢性の疾患です。現在のところ、内耳膜迷路のウィルス感染によるという説と内耳の循環障害によるという説が有力です。

漢方と鍼灸

 発症当時の聞き取りは大事です。ウィルスによる感染、めまいを伴うもの、ストレスと関係するもの、老化によるものなどの関係性を探るのと異常個所を特定することも大切です。聴神経の伝達なのか蝸牛の問題なのかを探っていきます。
 患者様の望聞問切から全身をくまなくみて臓腑経絡、経筋から漢方食養生食品鍼灸治療ツボを選択し、治療していきます。