本文へ

 

admin@fuji-kampo

突発性血小板減少性紫斑病

 本疾患は、血小板膜蛋白に対する自己抗体が発現し、血小板に結合する結果、主として脾臓における網内系細胞での血小板の破壊が亢進し、血小板減少を来す自己免疫性疾患である。最近、欧米において本症は、一次性免疫性血小板減少症(primary immune thrombocytopenia)と呼ばれることが多い。種々の出血症状を呈する。通常、赤血球、白血球系に異常を認めず、骨髄での巨核球産生能の低下も見られない。ITPの診断は今でも除外診断が主体であり、血小板減少をもたらす基礎疾患や、薬剤の関与を除外する必要がある。血小板減少とは、血小板数10万/µL未満をさす。最近では、ITPにおいては血小板破壊亢進のみならず、血小板産生も抑制されていることが明らかにされている。血小板自己抗体が骨髄巨核球にも結合し、血小板の産生障害を引き起こしていると考えられる。病因は不明であり、抗体産生機序は明らかにされていない。小児ITPではウイルス感染や予防接種を先行事象として有する場合がある。小児ITPでは、ウイルス感染が多くの場合先行し、急激に発症し数週から数か月の経過にて自然治癒することが多い。急激に血小板が減少する場合には、出血症状も高度であることが多い。一方、血小板数が徐々に減少し、推定発病から6か月以上、年余にわたって慢性的に持続する場合は、発症時期が不明なことが多い。臨床症状は出血症状であり、主として皮下出血(点状出血又は紫斑)を認める。歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多、頭蓋内出血なども起こり得る。これらの出血症状は何ら誘因がなく起こることが多く、軽微な外力によって出血しやすい。一般的に出血傾向が明らかになるのは、血小板数5万/µL以下である。血小板数が1万~2万/µL以下に低下すると、口腔内出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血などの重篤な出血症状が出現する。これらの症状を呈した場合は入院の上、副腎皮質ステロイドやガンマクロブリン大量療法に加え、血小板輸血も考慮する。一方、患者によっては血小板3万/µL以下であっても、軽度の出血傾向しか呈さない症例もあり、この場合は外来での観察で充分である。ピロリ菌が陽性の場合、まず除菌療法を行うことを推奨している。一方、除菌療法の効果のない場合やピロリ菌陰性患者では、第一選択薬は副腎皮質ステロイドとなる。副腎皮質ステロイドは網内系における血小板の貪食および血小板自己抗体の産生を抑制する。
発症後6か月以上経過し、ステロイドの維持量にて血小板を維持できない症例、ステロイドの副作用が顕著な症例は積極的に脾摘を行う。脾摘が無効の時、ステロイド抵抗性で脾摘が医学上困難である場合にはトロンボポエチン受容体作動薬の適応となる。
その他の治療としては、ガンマグロブリン大量静注療法は一過性ではあるが高率に血小板数の増加が期待され、外科的手術時、分娩時、重篤な出血時など緊急に血小板増加が必要時には有用である。重篤な出血が認められる場合には血小板輸血も考慮される。
さらに、ITPの治療を行う上における治療の目標は、危険な出血を防ぐことにある。薬の副作用の観点から、血小板数を3万/µL以上に維持するのに必要な最小限の薬剤量の使用に留めるべきであることを成人ITP治療の参照ガイドでは推奨している。小児ITPでは、大部分が6か月以内に自然に血小板数が正常に戻ることが多く、慢性化するものは10%程度。成人慢性ITPでは、約20%は副腎皮質ステロイドで治癒が期待されるが、多くは副腎皮質ステロイド依存性であり、ステロイドを減量すると血小板数が減少してしまうため長期のステロイド治療が必要となる。脾摘により、ITPの約60%がステロイドなしでも血小板数10万/µL以上を維持できるようになる。ただし、それでも残りの約5~20%は治療に抵抗性(あるいは難治性)で、出血に対する厳重な管理が必要。血小板数が3万/µL以上を維持できれば、致命的な出血を来して死亡する例はまれであり、重篤な出血は血小板数3万/µL未満の症例に見られることがある(多くは1万/µL未満の症例)。

漢方と鍼灸

 ステロイド治療をしても3万まで減少してきてご相談に来られた方がいます。漢方と食養生で10万以上となり回復されました。副腎皮質ステロイドは様々な副作用がでますので、長期服用は別の病気を発症する可能性があります。証より漢方と免疫で良くなりました。脾臓、自己免疫疾患の反応穴、小腸の反応穴、出血部位、ピロリ菌の反応穴などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

乳癌

 日本では、乳がんは1996年以降、女性の悪性腫瘍の部位別罹患数で1位となっています。毎年3万5千人から4万人が乳がんに罹患すると推定されており、日本女性の約25人に1人が乳がんに罹患する計算になります。発症のピークは45歳から49歳です。乳がんと診断された方の30%が乳がんを原因として死亡しており、毎年約1万人の方が亡くなられています。また65歳未満の比較的若い世代で女性の癌死亡の第1位となっています。 乳がんは診断時の病期によって生存率が大きく異なり、0-1期の場合であれば5年生存率は90%を超えますが、4期であればわずかに約10%です。早期発見・早期治療が乳がん患者さんには大切なのです。 乳がんのリスク因子(乳がんに罹りやすくする危険な要因)には腫瘍抑制遺伝子の欠損12歳未満での初潮55歳を超えての閉経高年齢での出産妊娠経験や授乳経験のないこと若年期または多数回の放射線暴露長期間のホルモン補充療法乳房密度の増加社会経済上の地位が高いこと閉経後の肥満、食事とくに動物性脂肪や蛋白質の摂取量が増加し、炭水化物と線維の摂取量の減少などです。

 乳房は乳頭を中心に乳腺がぶどうの房のようにひとつの腺葉をつくって、放射線状に約15個並んでいます。その腺葉の細かい乳管の上皮細胞からほとんどの乳がん(90%)は発生します。ごく一部の乳がんは小葉の上皮細胞から発生します。乳管は乳管上皮細胞とその外側の筋上皮細胞の2層構造になっています。乳癌は乳管上皮細胞の異常(癌化)で発生します。この癌細胞が乳管内にある、言い換えれば筋上皮細胞で被われている場合は非浸潤癌、一方、筋上皮細胞が消失している場合は浸潤癌と定義されます。非浸潤癌は転移する力を持っておりませんので、非浸潤癌で発見されることが理想です。一方、浸潤癌になると転移する危険性が生じます。女性ホルモン(エストロゲン)にさらされている期間、つまり、月経を多く経験するほど乳癌になりやすいと考えられます。乳癌になりやすい因子の中には自ら変えることができない因子と変えることができる因子があります。自ら変えることができない因子としては、当然ですが性別(女性は男性の100倍乳癌になりやすい)です。さらに年齢も乳癌の危険因子です。初潮から閉経を迎えるおよそ50歳代まで乳癌の危険性は増加すると考えられます。ただし、閉経後も組織内にあるエストロゲンやその他の原因により乳癌が減るわけではありません。早い初潮年齢と遅い閉経年齢も乳癌の危険因子です。これは月経を経験する回数が増えるからです。遺伝的因子としては、第1親等(母、娘、姉妹)に乳癌になった方がいると、約2倍乳癌になりやすいと言われています。また、癌抑制遺伝子であるBRCA1またはBRCA2に異常があると、乳癌や卵巣癌になりやすいことがわかっています。良性病変、例えば線維腺腫などの腫瘤の摘出術の既往がある方もなりやすいといわれています。また、ホジキン病などの疾患で若いときに胸部への放射線治療の既往があると乳癌になりやすいと考えられます。自ら変えることができる因子として、妊娠、出産は乳癌の予防効果があります。若い年齢で経験すると予防効果が強いといわれています。妊娠中は月経がないため、月経の回数が減ること、また、胎盤からのホルモン分泌の影響で乳腺細胞が授乳のために変化することもその理由と考えられます。経口避妊薬はわずかですが乳癌になりやすいといわれています。閉経後にホルモン補充療法としてエストロゲンが投与されると、乳癌の危険性が増加します。アルコール摂取は種類ではなくアルコール自体の量によって乳癌になりやすくなります。閉経後の肥満は組織内のエストロゲンの濃度が増加し、乳癌になりやすいと考えられます。運動も乳癌の予防効果があるとされていますが、これは肥満にならないという結果との関連性もあるのではないかと思われます。食事では味噌汁などの大豆製品を多くとることで乳癌になりにくくなり、特に閉経後でその予防効果が高いといわれています。また、緑茶も乳癌の予防効果があるのではないかといわれています。

 現在までの研究で、乳癌の患者さんの約40%が脇の下のリンパ節に転移していることが明らかになっています。したがって残りの60%の患者さんではリンパ節に転移がないことになります。しかし現在の検査では手術する前に転移していないことを正しく診断することはできませんので、患者さんの脇の下のリンパ節を広い範囲で取り除くことが標準的な手術となっていました。最近の研究ではセンチネルリンパ節というものを数個とって調べることで脇の下のリンパ節に転移があるかどうかを診断できるとの報告が多く発表されてきています。この報告が正しいとすれば転移のない約60%の患者さんは不要な脇の下のリンパ節を取り除く手術を避けられる可能性があります。これらの研究は現在、日本をふくむ世界中の施設で行われつつあります。センチネルリンパ節:癌が一番最初に転移するリンパ節のことです。このリンパ節を調べることで他のリンパ節の転移の有無を推測することができます。センチネルリンパ節をみつける方法:手術前に乳房のしこりの周囲にアイソトープ室で診療用放射性同位元素(アイソトープ)を注射し、シンチカメラで写真を撮ります。手術時に、ガンマプローブ(放射線を検出する装置)で位置を確認してセンチネルリンパ節を切除します。この際にリンパ節の発見をより容易にするために色素を手術直前に、やはりしこりの周囲に注射します。切除したセンチネルリンパ節は顕微鏡検査で癌の転移を調べます。もしこのリンパ節に転移がないことが解れば、それ以上のリンパ節を取らず手術を終了することも可能です。リンパ節に転移があった場合にのみ広くリンパ節を切除すれば良いのです。乳房に注射する放射性同位元素の放射線量は通常の検査で使用する放射線量の10-20分の1程度であり、人体への安全性には問題がありません。色素も人体にはほとんど問題がないといわれています。

 乳がんの治療は手術、薬物および放射線を組み合わせる、いわゆる集学的治療が基本です。乳がんは他臓器のがんと比較して、サブタイプによって治療の選択法が大きく異なります。そのため、ステージ(病期)だけではなくサブタイプを理解して治療を考えることが大切です。乳がんは、女性ホルモン*および上皮細胞増殖因子の2つの受容体の有無によって、4つのサブタイプに分類されます。女性ホルモンには、“エストロゲン”と“プロゲステロン”があります。70%程度の乳がんはこれらのホルモン受容体があります。ホルモン受容体陽性のがんは一般的にゆっくり進行することが多く、ホルモン療法を行い、女性ホルモンを抑制することでその増殖を抑制できます。一方、ホルモン受容体陰性のがんは女性ホルモンの抑制では歯止めがきかず、進行が早いことが多いため注意を要します。HER2(ハーツー)とは上皮細胞増殖因子の受容体です。HER2は細胞増殖に関わっているので、HER2が過剰に発現している乳がんでは増殖が速くなります。HER2陽性の乳がんは全体の20%程度です。以上の2つの受容体(ホルモン受容体とHER2)の有無で2×2=4つのサブタイプに分類されます。ルミナルタイプは、女性ホルモン受容体陽性かつHER2陰性のサブタイプで、乳がんの大半の70%程度を占めます。このタイプの乳がんの多くはゆっくり増殖しますが、一部には増殖が速く悪性度が高い乳がんもあり、前者をルミナルA(ゆっくり)、後者をルミナルB(速い)と区別します。ルミナルAタイプでは女性ホルモンを抑制するホルモン療法が治療の中心になりますが、ルミナルBタイプでは抗がん剤が必要になることもあります。HER2タイプは、女性ホルモン受容体陰性かつHER2陽性のサブタイプで、全体の10%程度を占めます。増殖は速いもののHER2を発現している細胞を特異的に抑制する分子標的薬“抗HER2薬”が効果的です。トラスツズマブの開発以来、たくさんの効果的な抗HER2薬が開発されています。ルミナルHER2はホルモン受容体もHER2も陽性のサブタイプで、全体の10%程度を占めます。ホルモン療法と抗HER2療法のどちらにも効果が期待できます。トリプルネガティブは、上記以外で、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2のどの受容体も陰性のサブタイプで、全体の10%程度を占めます。多くの症例は増殖が速く悪性度が高い特徴がありますが、いろいろなタイプの乳がんが混ざっているため、さらにサブタイプ化するための研究が盛んに行われています。増殖が速い反面、抗がん剤が効果的な症例が多く、最近では免疫チェックポイント阻害剤のような新しい治療薬の効果も期待されています。がん細胞は、免疫系から逃避し生き延びるために、免疫チェックポイント分子による免疫抑制機能を活用しています。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫チェックポイント分子もしくはそのリガンドに結合して免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで、免疫チェックポイント分子によるT細胞の活性化抑制を解除します。

 その他のがんと同様に、ステージ分類とはがんの進行の程度を示し、がんの広がり、リンパ節やほかの臓器への転移などによって0〜IV期に分類され、数字が大きくなるごとに病状が進行していることを示します。0期の乳がんは乳管内にとどまっている非浸潤がんといわれる状態であり、ごく早期のがんです。触診では分からないことが多く、ほとんどはマンモグラフィで発見され、手術だけで根治できます。一方、IV期は乳がんが骨・肺・肝臓・脳など乳房から離れた臓器に転移がみられる状態です。この場合は手術ではなく、薬物療法によって病状の悪化を遅らせる治療を行います。0〜III期までのがんであれば手術が行われることが一般的です。0期は手術のみで完治が期待できますが、I〜III期の場合にはサブタイプを考慮して、手術の前後に抗がん剤の必要性が検討され、術後には放射線治療を組み合わせることもあります。
ルミナルタイプでは術後に行うホルモン治療は非常に重要です。手術には切除する範囲によって乳房部分切除術(乳房温存手術)と乳房全切除術があります。術前の抗がん剤治療によって部分切除が可能になることもあり、また最近は、形成外科的な技術が進歩しているため、手術の方法を選択する場合、再建術も含めて希望に応じて術式を選択することができるようになってきました。IV期では他の臓器へ転移した状態であるため、手術ではなく薬物療法や放射線治療を中心に治療することが一般的です。乳がんではサブタイプによって効果のある治療薬が異なり、治療方針を決定するためにはサブタイプは非常に重要です。一般に増殖が遅いルミナルタイプでは抗がん剤の効果は限定的で、女性ホルモン受容体を標的にしたホルモン療法が重要な役割を果たします。ホルモン療法は長期にわたりますが、ルミナルタイプが乳がんの70%を占めるため、乳がんにとってもっとも重要な治療と言えます。さまざまなホルモン治療薬やその効果を増強する分子標的薬が開発されて、その治療薬の選択は症例ごとに考える必要があります。一方、ホルモン受容体陰性のサブタイプでは、増殖が速く抗がん剤や抗HER2薬などの分子標的薬が効果的です。現在、手術後に補助的に行われていた抗がん剤を手術前に使うことが増えてきました。効果的な薬物によって乳がんを縮小させるだけではなく、完全に消失させることができるようになり、そして完全に消失した場合には、ほとんど再発しないことが分かってきたため、ホルモン受容体陰性の症例やステージが進行している症例など、手術後に抗がん剤が必要になる場合は、あわてて手術を行うよりも、手術前に抗がん剤治療を行うことがすすめられます。手術前に抗がん剤治療を行うことによって、乳がんを縮小させ、整容性の高い温存手術が可能になること、さらに抗がん剤の効果を確認して、その後の治療戦略を立てることができることの2つの大きな利点があるためです。

漢方と鍼灸

 西洋医学では現在のところホルモン受容体とHER2受容体の組み合わせで4パターンを解析しています。癌が放つ波長は何種類もあります。その波長ごとに漢方食養生ツボがあるようです。一番強い波長を中心に考えていきます。乳癌箇所、リンパ節の反応穴、癌の反応穴、小腸の反応穴などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。また生活の見直しなども大切ですね。

【症例】左乳房に癌が見つかり少しずつ大きくなってきているということでご相談を受ける。漢方食養生をお出しして癌の増殖は止まった。手術をすると癌の周りに膜ができていてそれ以上周りに転移しないようになっていたそうです。ドクターも不思議だと言っていましたとご報告を受ける。

白血病

 血液の細胞には、大きく分けて白血球、赤血球、血小板の3つがあり、いずれも骨の中にある骨髄という部分で作られています。骨髄には、どの血液の細胞にも成長でき、血液のもととなる「造血幹細胞」という細胞があります。白血病は、この造血幹細胞がさまざまな血液細胞になる途中の段階で腫瘍化した、血液のがんです。白血病はいわゆる血液のがんで、白血球系細胞が無限に増加する病気です。白血球は主に血液中に存在し、体内に侵入した病原微生物を排除することによって感染症を防いでくれています。しかし白血球は単一の細胞ではなく、骨髄球系細胞(好中球、単球など)やリンパ球系細胞(Bリンパ球、Tリンパ球等)など形態や機能の異なる細胞の集合体です。ですからがん化した細胞の種類により、骨髄性白血病、リンパ性白血病などに分類されます。また白血病細胞の増殖が非常に速い急性白血病と増殖が遅い慢性白血病に分類されます。これらの分類法を用いると、白血病は①:急性骨髄性白血病、②:慢性骨髄性白血病、③:急性リンパ性白血病、④:慢性リンパ性白血病の4種類の病型があることになります。この病気は放置すれば致死的になることが多いため、多くの場合、抗がん剤による治療が必要となります。血液の病気なので、手術でがんを摘出するという選択肢はありません。また、白血病細胞は最初から血液にのって全身に広がりますので、早期がんという概念はなく、発症した時点ですべて進行がんとして扱われます。他の悪性腫瘍と同様、白血病も遺伝子の変異をきっかけに起こります。近年、白血病の原因となるいくつかの遺伝子が明らかになり、そのうちの複数の遺伝子に変異が起こるとで白血病を発症することがわかりました。遺伝子の変異自体は、老化や化学物質・紫外線の暴露などで起こりますが、白血病の原因となる遺伝子に変異が起こるかはまったくの偶然であり、「何をしたから白血病になった」などと思い悩む必要はありません。また、子孫への遺伝性も今のところ明らかになっていません。白血病は骨髄の中で激しく腫瘍細胞が増加するため、骨髄からあふれた白血病細胞によって、白血球数が増加します。それ自体に症状はありませんが、骨髄の中では正常な血液の細胞を作れなくなっていきます。正常な白血球が減少すると感染を起こしやすくなり、熱が出たり肺炎になったりします。また、赤血球が減少すると貧血症状が起こり、息切れや立ちくらみがみられます。血小板が減少すると血が止まりにくくなり、あざができたり、鼻血が出たりします。白血病の細胞は、骨髄と呼ばれる骨の中で増えています。治療前の診断や治療の効果判定をするためには、この骨髄の検査をすることが重要です。具体的には、ベッドにうつぶせになっていただき、腸骨という腰(骨盤)の骨を鉛筆の芯くらいの太さの針で刺します。最初に、皮膚の表面と骨の表面にしっかりと局所麻酔をするので、麻酔が効いてしまえば針を刺してもそれほど痛みません。しかし、骨の中までは麻酔ができませんので、骨髄液を抜く瞬間(ほんの数秒)は痛みがあります。この検査を骨髄穿刺(マルクと呼ぶこともあります)といいます。また必要に応じて、中が空洞の針を骨髄に刺し、中に入った組織をそのまま採る骨髄生検という方法も行います。いずれも検査自体は10分程で終了します。その後、30分から1時間程度、止血のために安静にしていただきます。検査の日の夜は、お風呂は控えていただきますが、その他は自由にしていただいて大丈夫です。慢性白血病の大部分は慢性骨髄性白血病であり、最近では内服の分子標的薬を続けることで、限りなく治癒に近い状態を長く維持することができます。慢性リンパ性白血病は日本人には少ない病気ですが、多くの場合はゆっくり進行するので、外来で症状の進行度に合わせて治療の開始時期を決めます。これに対して、急性白血病は数日で進行していく緊急性の高い疾患であり、直ちに入院して強力な抗がん剤治療(寛解導入療法)を行うことが必要です。白血病細胞は抗がん剤がよく効くので、80%ぐらいの方で検査上は白血病細胞が検出されない状態(寛解)になります。
 寛解という言葉には、「治ったように見えるけど、その後再発する」という含みがあります。再発を防ぐために、引き続き抗がん剤治療(地固め療法・維持強化療法)を繰り返します。しかし、成人の白血病では一時寛解になった人の半数以上で再発を経験します。そのためさらに強力な治療として、「同種造血幹細胞移植」が行われることも多いです。同種移植とは、自分以外の人から造血幹細胞を移植することを意味します。血縁者だけでなく、骨髄バンク・臍帯血バンクに登録したボランティアの方もドナー候補となります。また、今では骨髄だけではなく、末梢血や臍帯血からも移植が可能となり、総称して「造血幹細胞移植」と呼んでいます。移植は白血病に対する最も強力な治療ですが、一方で最も毒性の強い治療でもあり、移植そのものによる死亡も残念ながら数十%起こりえます。それゆえ、移植が適応になるかどうかの判断は慎重に行う必要があります。移植の効果と毒性は、各個人が2本ずつ保有するHLAというものの適合度に大きく影響され、通常このHLAが合致したドナーから移植をするのが一般的です。また近年では分子標的治療や免疫療法(CAR-T)の進歩が著しく、これらを組み合わせた先進的な治療を行っています。
 急性白血病の初期症状に特徴的なものはなく、一言で表すと“かぜに似た症状”と表現されることもあります。そのため、「ただのかぜ」と勘違いされてしまうことも少なくありません。具体的な症状は白血病の種類によってもやや異なりますが、赤血球・血小板・白血球などの正常な血液細胞が減少したり、白血病細胞が増加したりします。具体的には、体のだるさや息切れ、動悸、めまいなど貧血による症状が現れます。血を止めるはたらきが弱まり、点状の出血が出たり、あざができやすくなったり、鼻血や歯茎からの出血が増えたりします。感染症にかかりやすくなり、発熱や喉の腫れなどの症状が現れます。白血病では、白血病細胞が肝臓や脾臓ひぞうなどの臓器に入り込み、お腹の腫れや圧迫感などの症状が現れます。また、骨髄で白血病細胞が増えると骨や関節に痛みが生じることがあります。さらに、脳など中枢神経系で白血病細胞が増えると、頭痛や吐き気を引き起こすこともあります。慢性白血病は白血病細胞がゆっくり増加するため進行スピードが遅く、初期症状はほとんどありません。多くの場合、健康診断やほかの病気の検査として血液検査を行った際に、白血球の数などに異常がみられて発見されることが一般的です。

漢方と鍼灸

 血液の癌というべきですね。赤血球、血小板、白血球は減少していくので血を増やす漢方、白血病細胞は癌細胞なので免疫の漢方、増殖が速ければ遅くする漢方が必要です。まず腸骨の反応穴からがんの波長をとって経絡に落とし込んで漢方食養生、有効なツボを導き出します。急性期には対応できませんが、慢性もしくは緩解期には対応できるのではないでしょうか。病院の治療でうまくいかなければご相談ください。

乳腺炎

 乳腺炎とは乳腺に炎症が起こり、乳房の一部に圧痛、熱感、腫れなどの病変がみられる病気です。乳房の症状以外にも、38.5℃以上の発熱や悪寒、インフルエンザ様の体の痛みなどの全身症状がみられることもあります。乳腺炎は授乳中の女性であれば誰にでも起こる症状です。発生頻度には幅があり、約2~33%程度といわれています。産後6週間以内に起こることが多く、特に産後2~3週間にもっとも起こりやすいといわれていますが、授乳中のどの期間にもみられることがあります。乳腺炎は主に乳汁(母乳)のうっ滞と感染によって起こります。乳腺炎は乳腺の炎症ですが、必ずしも感染を伴うとは限りません。乳腺炎が起こるきっかけとしては、乳頭に傷がある、授乳回数が少ない、授乳の間隔が開いている、赤ちゃんが上手く飲めていない(吸いつきが弱い、うまく吸えていないなど)、母親や赤ちゃんに病気がある、乳汁の分泌が多い、授乳を急にやめた、ブラジャーなどで乳房が圧迫されている、乳頭に白斑がある、乳管口や乳管の詰まりがある、母親のストレス、疲労などがあります。乳腺炎にはさまざま症状があり、症状や乳房の状態などによって複数の分類があります。主に用いられる分類の1つにうっ滞性乳腺炎と感染性乳腺炎があり、それぞれ以下の症状があります。乳管の閉塞や乳汁のうっ滞が長引くことで起こる乳腺炎で、細菌感染は認められません。片側の乳房の一部が赤くなったり、しこり、腫れ、圧痛、熱感などが認められたりします。軽い発熱がみられることもあります。うっ滞性乳腺炎の症状がみられて12~24時間経過しても状態が改善しない場合に疑われる乳腺炎で、細菌感染を伴ったものです。うっ滞性乳腺炎と同様の乳房の症状に加えて、発熱や悪寒、体の痛みなどの全身症状がみられます。また、乳汁中のナトリウム濃度が上昇するため乳汁がしょっぱくなり、赤ちゃんが母乳を嫌がることもあります。乳腺炎のケアは助産師が中心となることが多いため、母親が乳房の痛みなどを自覚して助産所を訪れることが多いです。乳腺炎は時間の経過とともに状態が変化し、状態によって処置が異なります。うっ滞性乳腺炎の段階ではセルフケア(効果的な授乳)と助産師によるケアで症状が改善することが多いですが、感染性乳腺炎や、それに続く膿瘍の形成がみられる場合には、専門医による投薬治療や外科的処置が必要になることもあります。うっ滞した乳汁を排出するために、頻繁に授乳を行います。また、適切な授乳方法(姿勢やくわえ方など)ができているかを確認することも大切です。必要に応じて、助産師からの指導を受けます。乳腺炎の症状が現れてから24時間以上継続しても症状が改善しない場合は、医師による治療が必要になることがあります。医師による治療では、治療薬(解熱鎮痛薬や抗菌薬)の処方や、膿瘍が形成されている場合は切開による排膿処置が行われます。

漢方と鍼灸

 半日から1日経つと細菌感染の乳腺炎が疑われます。菌を叩き排膿する漢方、一種の風邪とみなし葛根湯がよくでますが効き目が弱く追加して出す漢方があります。ほぼそれでよくなってしまいますが中には別の漢方をお出しする場合がございます。ご相談ください。

不妊症(子宝相談)

 不妊症とは健康な男女が一定期間(約1年)避妊をせず性交しているにもかかわらず、妊娠に至らない状態のことをいいます。一般的に排卵日付近に避妊せず性交をして妊娠する確率は約20%で、理論上は3か月で約50%、6か月で約70%、1年以内には約90%の人が妊娠に至ります。男女共に年齢が上がるにつれて妊娠する・させる力が低下し、女性では35歳を過ぎると妊娠率が大きく低下しますが、30歳代の人でも多くの場合1年以内に妊娠します。そのため一般的に1年以内に妊娠に至らなければ不妊症が疑われ、女性側または男性側、あるいは両方に何らかの原因が隠れている可能性があります。以前は約10組に1組のカップルが不妊であるといわれていましたが、近年では妊娠を考える年齢が高くなっていることもあり、不妊症の割合はさらに高くなってきていると考えられています。国立社会保障・人口問題研究所が2015年に出した報告によると、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は18.2%となっており、カップルの5.5組に1組が不妊症と考えられます。世界保健機構(WHO)によると男女別の不妊原因は、女性のみの場合が41%、男性のみの場合が24%、男女両方の場合が24%、原因不明の場合が11%となっています。つまり不妊の原因はどちらも考えられ、約半数は男性側にも原因があります。そのため、不妊症の検査や治療を受けるうえでは、どちらに原因があると考えるのではなくお互いが協力して検査や治療に臨むことが大切です。
 女性側の原因として、妊娠が成立するうえで、子宮や子宮頸管、卵管、卵巣、などの妊娠に関わる器官が正常であることと、視床下部―脳下垂体、甲状腺などのホルモン分泌が正常で排卵が行われることが必要であり、これらに障害が起こると妊娠しにくくなります。考えられるものとしては、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜の増殖不全、クラミジア感染などによる卵管炎、卵管の狭窄・閉塞、黄体機能不全、卵巣機能低下、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺機能の異常、抗精子抗体などが挙げられます。女性では、月経の間隔が極端に長い・短い、月経量が極端に多い・少ない、生理痛が強い、性交痛があるなどの症状がみられることがあります。性感染症を発症すると、下腹部痛や排尿痛、おりものの増加などが起こる場合があります。しかし、クラミジア感染は無症状の場合も多く、検査して初めて見つかることもあります。
男性側の原因としてもっとも多いのが、精巣内で精子をつくる機能が低下する造精機能障害です。造精機能が低下する原因の多くは不明ですが、精索静脈瘤、染色体異常、内分泌異常などが原因になることがあります。また精路通過障害、前立腺炎、精巣上体炎、勃起障害、射精障害なども男性不妊の原因に挙げられます。男性不妊の原因としてもっとも多い造精機能障害では、睾丸が小さい・柔らかい、陰嚢に複数の血管のコブ(精索静脈瘤)がある・痛みを感じるなどの症状があります。勃起不全(ED)では、十分に勃起を維持できない、射精障害では精液量が減少する、射出されないといった症状を自覚します。

 女性の場合には、主に内診、経腟超音波検査、子宮卵管造影検査、ホルモン検査、フーナー検査が行われます。内診や経腟超音波検査では子宮内膜症、子宮筋腫などの有無を確認し、子宮卵管造影検査では子宮の形態や卵管の通過性などを調べます。ホルモン検査では、甲状腺機能や脳下垂体や卵巣からバランスよく十分なホルモン分泌がされているかを調べます。
フーナー検査は性交後に実施する検査で、もっとも妊娠しやすい排卵日近くに性交し、翌日女性の子宮頸管粘液を採取して粘液中に精子が侵入できているかを確認します。検査内容として、まずは問診や超音波検査を行います。超音波検査では、卵巣の形状、子宮筋腫や卵巣嚢腫の有無などを確認します。また、卵胞がどれくらい育っているかをみて、いつ頃排卵するかの予測も超音波検査で行います。

検査の流れまとめ

 女性の主な検査としては、まずは甲状腺ホルモン検査を行います。甲状腺機能異常は、早産や流産、胎児発育遅延、知能発育遅延と関連するためです。また、糖尿病があると、赤ちゃんに奇形が生じることがあるため、妊娠前に血糖値検査を行います。そのほか、風疹抗体検査も行います。妊娠中に風疹にかかると、赤ちゃんが風疹ウイルスに感染して先天性風疹症候群を引き起こす危険性があります。すると、心臓疾患、難聴、白内障などの疾患を持って生まれてくることがあるため、風疹抗体価が十分でない場合には、妊娠前に風疹ワクチンを打っていただいています。
 月経3〜5日目には、排卵を司るホルモンが適切に分泌されているかどうかをみる採血検査を行います。
 月経終了後から排卵までの間には、卵管がきちんと開通しているかどうかを調べる子宮卵管造影検査を行います。
 また、排卵時期に行う検査としては、排卵時に多く分泌される頸管粘液の量や質などを調べる頸管粘液検査、フーナーテストがあります。
 フーナーテスト(性交後試験)では、排卵日近くに夫婦生活を行っていただき、その翌日病院で頸管粘液内にきちんと精子が入っているかどうかを確認します。
 排卵後5〜7日目には、着床を助ける黄体ホルモンが十分に分泌されているかどうかをみるために、採血によるホルモン検査を行います。また、自費診療ではありますが、採血によって抗精子抗体の有無も調べます。

 男性の場合、主に問診、精液検査、超音波検査、採血を行います。精液検査では、精液所見(精子の量、濃度、運動率、形態、感染の有無など)を確認します。

超音波検査では、精索静脈瘤の有無や精巣の大きさを調べます。無精子症(射精された精液の中に精子がいない状態)の方の場合には、陰嚢の中に、きちんと精管が通っているかどうかも超音波検査で確認します。
 採血検査では、主に血液中の亜鉛の量を調べます。亜鉛は精子形成や発育にかかわっているため、亜鉛の量が少ない場合には、亜鉛製剤を処方することもあります。
 男性不妊に対しては精液検査が行われます。一般的には2~7日間禁欲した後にマスターベーションで精液を採取し、その精液から精子の数や運動率などを調べます。原因によって治療法が異なりますが、女性側の原因として、たとえば排卵障害に対しては排卵誘発法(排卵誘発剤の内服または注射)によって排卵を促します。子宮内膜症や卵管の通過性が悪い、卵管周囲に癒着がある場合などには手術や体外受精などが検討されます。クラミジア感染が見つかった場合は、まずカップルで抗生剤により治療します。頸管粘液に問題があるなどフーナー検査が不良であれば、人工授精が実施されます。子宮内膜ポリープや子宮筋腫が原因の場合は、手術が選択されることもあります。甲状腺ホルモン異常がある場合や高プロラクチン血症の場合は、薬剤により適切なホルモンレベルにしていきます。
男性側の原因として、勃起不全には勃起不全治療薬で約8割が改善するとされています。このような治療に加え、タイミング法(医師の指導のもと妊娠に最適な日時に性交する)を行います。また精液の状態が不良の場合、その程度が比較的軽い人は人工授精、程度が重い人は体外受精・顕微授精が選択されます。造精機能障害とは、精巣で精子を造る機能が低下しているために、精液中の精子の数が少なかったり、精子の動きが低下したりしている状態を指します。男性不妊症の約82.4%は造精機能障害が原因であるといわれています。造精機能障害の発症原因は、約半数が不明です。また、造精機能障害の約30%を占めている原因としては、精索静脈瘤(精巣から出てくる静脈の一部がこぶ状に膨らむ病気)があります。精索静脈瘤があると、精巣の血流が滞ったり、精巣の温度が上昇したりすることで、精子の量や動きが悪くなる原因となります。造精機能障害に対しては、精索静脈瘤が原因と考えられれば手術が検討されることもあります。

 一般的には自然の妊娠に近いタイミング法から開始し、妊娠に至らない場合に排卵誘発法が行われます。それでも妊娠が成立しない場合に、人工授精→体外受精→顕微授精というようにステップアップしていきます。
 ただし女性の年齢が30歳代後半以降、特に40歳代の場合は、最初から体外受精・顕微授精を実施することで染色体異常の確率がより低くなるほか、少しでも若い卵子を使用することによって時間と費用のロスを最小限にして早期の妊娠に結び付けることができるといわれています。不妊症と関連する生活習慣として、不規則な生活、睡眠不足、肥満・痩せ、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが挙げられます。生活習慣を改善することで妊娠しやすい体を作ることにつながるため、まずは生活習慣を見直してみましょう。
一方、男性では精巣を温めすぎると精子をつくる機能が低下します。サウナや長風呂、きつい下着、長時間の自転車やバイクの運転、パソコンの膝上での使用は避けるようにしましょう。

漢方と鍼灸

当院の不妊症のポイント

望診①頬の赤身、眼瞼裏の色を見る②のどぼとけ下の左右③胸の大きさ④小指の長さ
・問診①年齢②生理痛の強さ③妊娠経験・流産歴・不育症④病院での診断結果・治療歴⑤排卵痛⑥ストレスの程度⑦食事内容・生活習慣⑧サプリの相性チェック
基礎体温表①低温期から高温期の駆け上がり②生理前の下がり方③高温期の期間・高さ・途中で下がってまた上がるか④低温期の高さ、期間④全周期・期間・ギザギザしているか。

・基礎体温表のタイプ別ポイント
A.低温期が長いタイプ(高温期が短い)
B.高温期が不安定なタイプ
C.高温期が低い・短いタイプ
D.高温期への移行が長いタイプ(普通1~2日)
E.ギザギザタイプ
F.高温期が長すぎる・高すぎるタイプ
G.低温期が短い・高すぎるタイプ
H.高温期がないタイプ

・検査数値のポイント
生理3日目の血液検査E2・FSH・LH値と黄体期のP4・PRL値から卵巣機能を予測する
卵巣年齢はAMHを確認
・ツボ
不妊症の反応穴、黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、抗体の反応穴、甲状腺、乳頭、子宮、頸管、卵巣、卵管、精索静脈、精巣、自律神経・更年期の反応穴、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを導き出します。妊娠したかどうかは脈診や帯脈からもわかります。病院の漢方・健康食品とは違った見方でお出しします。

・症例※個人情報をできるだけさけるため年齢・性別だけとさせていただきます
【症例1】・・・41歳女性から当院で漢方鍼灸治療を受けて頂いて43歳で妊娠、無事出産のご連絡を受けました。月4万円位
【症例2】・・・36歳女性から漢方だけを始めて、半年で出産いたしました。月3万円位
【症例3】・・・32歳男性精索静脈瘤と診断を受け、当院の漢方1か月で良くなりその後妊娠出産。
月1万円
※過去の症例多数。順次載せていきます。

肺癌

 肺がんの最大の原因はタバコといわれています。「タバコを吸ったことがない人」のがんにかかるリスクを1.0とすると、現在吸っている人のリスクは、吸っていない人と比べて男性で4.5倍、女性で4.2倍になると報告されています。また、タバコを吸わない人でも、周囲に流れるタバコの煙(副流煙)を吸うことにより、リスクが高まることもわかっています。しかし、タバコ以外の原因も存在することがわかっています。これまでの調査で、肺がんの家族歴がある人は、ない人に比べて肺がんになるリスクが2倍ほど高く、肺がんになりやすい傾向があることがわかっています。性別で比べると男性よりも女性のほうがこの傾向が高まります。この理由は解明されていませんが、家族に同じがんになった人がいるということから、体質的に肺がんになりやすい遺伝的な共通点があると考えられています。がんや卵巣がんでは、がんの発生に深くかかわる遺伝子が発見されており、このような遺伝子異常のある人が多発する家系があることがわかっています。同様に肺がんでも関係のある遺伝子の候補があり、複数の遺伝子が関係しているのではないかと考えられています。大気汚染物質には、発がん性や変異原性を示す種々の複雑な化合物が存在します。なかでも、ディーゼル排ガスの黒煙などに含まれる粒径2.5μm以下の微小浮遊粒子(PM2.5)は、粒子の大きさが非常に小さいため(髪の毛の太さの30分の1)、肺の奥深くまで入りやすく、強い発がん性を示します。アスベスト(石綿)は、直径0.1〜1μmの微細な繊維が合わさって軽い綿状になった鉱物で、建材、電気製品、自動車、家庭製品などさまざまな用途に用いられてきました。簡単に飛散し、肺に吸入されても分解されず、消化しようとする肺の白血球も死滅させられてしまい、この繊維を吸入してから15〜40年後に肺がんが発生することが明らかになっています。また工場や建設現場、鉱山などでアスベストにさらされた経験がある人がタバコを吸っていると、肺がんの発生リスクが相乗的に高くなることが知られています。アスベストのほかには、ヒ素やクロロメチルエーテル、マスタードガス、クロム、ニッケルを扱う工場の労働者や、ウラニウム鉱山の労働者に、肺がんが多発することが報告されています。男性に比べてタバコを吸う女性は少ないものの肺がんは発生していることから、女性ホルモンが何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えられています。実際に、初経から閉経までの期間が短い人に比べて、この期間が長い人で肺がんの発生率が2倍以上高かったことが報告されています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、肺のがん化やがん細胞の増殖を促進することで、肺がんの発生にかかわると考えられており、詳しいメカニズムの解明に向けて現在も研究が進められています。肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れなどにのって転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節や、肺の中のほかの部位、骨、脳、肝臓、副腎です。肺がんの主な組織型(がんの種類)は、腺がん、扁平へんぺい上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4つです。腺がんが最も多く半数以上を占め、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんの順に続きます。なお、腺がんは肺腺がんと呼ばれることもあります。肺の入り口付近(肺門型肺がん)に癌が出来た場合、初期の段階から咳、痰や血痰などが発現します。肺の奥(肺野型肺がん)に癌が出来た場合、初期に自覚症状はなく、進行して肺周囲の臓器に浸潤すると症状が現れます。早期には症状が見られないことも多く、進行して初めて症状が出ることもあります。主な症状としては、咳や痰、血痰(痰に血が混じる)、声がれ、胸の痛み、肩の痛みやコリ、動いたときの息苦しさや動悸、しゃっくり、発熱などがあげられます。しかし、いずれも肺炎や気管支炎などの呼吸器の病気にも共通する症状で、「この症状があれば必ず肺がん」という症状はありません。また、このような症状がないまま進男性に比べてタバコを吸う女性は少ないものの肺がんは発生していることから、女性ホルモンが何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えられています。実際に、初経から閉経までの期間が短い人に比べて、この期間が長い人で肺がんの発生率が2倍以上高かったことが報告されています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、肺のがん化やがん細胞の増殖を促進することで、肺がんの発生にかかわると考えられており、詳しいメカニズムの解明に向けて現在も研究が進められています。行し、医療機関での定期的な検診や、ほかの病気の検査で偶然見つかることもあります。なお、脳や骨などに転移すると、頭痛やふらつき、背中や肩の痛みなどの症状が出ることもあります。肋骨では胸の痛み、反回神経(発声にかかわる神経)だと声のかすれ、食道だと食べ物や唾液がうまく飲み込めない、上大静脈(肺の近くを通る太い静脈)ですと顔や腕の腫れ、むくみ(上大静脈症候群)、リンパ節転移(ステージⅡ以上)は咳、声のかすれ、上大静脈症候群 、脳転移(ステージⅣ)では声のかすれ、骨転移(ステージⅣ)は転移部位での痛み(腰の痛み、背中の痛み など)、肝転移(ステージⅣ)は全身のだるさ、黄疸 などの症状があらわれます。最も多い症状は咳と痰です。原因が分からない咳や痰が2週間以上続く場合や、血痰が出る場合、発熱が5日以上続く場合には、早めに身近な医療機関を受診しましょう。肺がんの治療法は、組織型が小細胞がんの場合とそれ以外の場合とで大きく異なります。このため、肺がんを「小細胞肺がん」「非小細胞肺がん」に大きく分けて扱います。「非小細胞肺がん」には、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんなどの組織型の肺がんが含まれます。肺がんの治療には、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法、緩和ケアがあります。

非小細胞がん(次の3つ)

腺がんは、唾液の出る唾液腺や胃液の出る胃腺などの腺組織とよく似た形をしているがんのことです。腺がんは、多くの場合、肺の奥のほう(肺の上部)の細かく枝分かれした先にできます。女性やタバコを吸わない人にできる肺がんの多くがこの腺がんで、肺がん全体の半数程度を占めます。
扁平上皮がんは、皮膚や粘膜など体の大部分をおおっている組織である扁平上皮によく似た形をしているがんのことです。扁平上皮がんはタバコとの関係がきわめて濃厚で、大部分は肺の入り口に近い肺門部にでき、肺がん全体の25〜30%を占めます。
大細胞がんは、扁平上皮や腺など、体の正常な組織に似たところがないがんのうち、細胞の大きなものを大細胞がんといいます。増殖は速い。主に肺の奥のほう(肺野上部)の細かく枝分かれした先にできます。大細胞がんは、肺がんのうち数%を占めるくらいです。

・手術による治療が中心
・再発予防のために術後に抗がん剤による治療を行うこともある
・手術が難しい場合は放射線治療を行い、さらに進行すると薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤)が中心になる。

小細胞がん

小細胞がんは、扁平上皮や腺など、体の正常な組織に似たところがないがんのうち、細胞の小さなものを小細胞がんといいます。小細胞がんは、他の組織型に比べて、発育成長(増殖)が早く、転移もしやすいのが特徴です。多くは肺の入り口に近い肺門部にでき、肺がん全体の10〜15%を占めます。
・手術が可能な早期に発見されることが少ないため、手術と抗がん剤の併用または薬物(抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬)による治療が中心となる
・放射線治療を併用することもある
※大細胞内分泌神経がんの治療は、小細胞がんに準じた治療法が選択されることが多い。

漢方と鍼灸

 肺癌は増殖する過程で肺胞の入り口をつぶす。空気の入らなくなった肺胞は風船のように潰され縮みます。これを繰り返し増殖するため、5㎜の癌は3cm以上の肺胞が潰されてできた癌だと言われています。そして血痰・呼吸困難の症状が出る時は、太い気管支まで進行し侵された結果だと言えます。また血液は肺を通して全身に送られるため、血行性の転移が起こりやすですね。血液を介した転移を血行性転移,リンパの流れを介した転移をリンパ行性転移といいます。これとは別に,もともと発生した場所でそのまま増大し,近隣の臓器に病変がひろがることがありますが,転移ではなく浸潤といいます。血行性転移の頻度が高いのは,反対側の肺,骨,脳,肝臓,副腎(腎臓の上に左右1つずつある)などです。リンパ行性転移では,肺がんは最初に近くのリンパ管に侵入し,リンパの流れに乗って,次のリンパ節に転移します。つまり病変の一番近いリンパ節,肺門リンパ節,縦隔リンパ節,反対側のリンパ節の順にひろがります。逆に肺へ転移してくる原発性の癌は、肝臓癌、胃癌、膵臓癌、造血性癌、食道癌などです。

 ですが、無症状の場合、定期検診が早期発見の助けになりますね。増殖の速い大細胞がん、小細胞がんはスピードを抑える漢方を使い、それ以外は癌の箇所から波長をみて経絡に落とし込んで漢方、免疫、食養生ツボを選択します。また放射線や抗がん剤の強い副作用を和らげるだけでも治療効果はあがります。ご相談ください。

【症例】70歳男性 肺癌治療のため抗がん剤、放射線をしているが副作用がきついと相談漢方食養生で副作用もでず、見事癌は無くなった。

PMS(月経前症候群)

 PMSとは、月経前症候群と呼ばれるもので、月経が開始する3~10日ほど前から身体的、精神的に現れる不快なさまざまな症状のことです。これらの症状は月経が開始すると同時に改善するのが特徴です。月経のある女性の70~80%は月経前に何らかの不快症状を感じるといわれていますが、症状の程度は軽度なものから重度なものまでさまざまです。日常生活に支障を来す場合はPMSとされます。軽度な場合には、生活習慣の改善などで症状がよくなることも多いですが、著しい気分変調を来すものは月経前不快気分障害と呼ばれる精神疾患のひとつとして考えられることもあり、抗うつ薬などの使用が必要となることも少なくありません。女性には25〜38日間の性周期があり、月経の始まりから次の月経までが1つのサイクルとなります。性周期前半は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが多く分泌され、卵巣内の卵胞が成熟する「卵胞期」という時期になります。そして、性周期のちょうど14日目頃に成熟した卵胞から卵子が排出され、これを排卵と呼びます。排卵後は妊娠に備えて黄体からもうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されるようになります。この時期は「黄体期」と呼ばれ、二週間ほどして妊娠が成立しなければ、妊娠のために準備された子宮内膜が剥がれ落ちて月経が生じ、次の性周期に移行します。PMSの原因はよくわかっていませんが、女性ホルモンの変化が関与していると考えられています。排卵から月経までの間(黄体期)はエストロゲン・プロゲステロンが多く分泌されますが、黄体期後期に入るとそれらが急激に低下することにより脳のホルモンや神経伝達物質の異常(変化?)が生じ、PMSの症状が現れると考えられています。ただし、脳のホルモンや神経伝達物質は女性ホルモンだけでなく、ストレスなどの影響を受けることもあります。そのため、実際は女性ホルモンの変動だけが原因ではなく、さまざまな要因が関わっていると考えられます。症状も様々で下腹部痛、頭痛、、腰痛、乳房痛、動悸、悪心、めまい、脚のむくみや体重増加、イライラ感、抑うつ不安・緊張感、易疲労感、不眠、無気力、判断力の低下、攻撃的、引きこもりなど。PMSは、検査で診断がつくものではありませんが、貧血や栄養不足などPMSと似たような症状を引き起こす他の原因がないか確認する必要があります。しかし、PMSを診断するうえでもっとも重要なものは詳細な問診です。問診では症状や発症時期、月経周期、妊娠・出産歴、生活環境などさまざまな項目がチェックされます。子宮や卵巣などに異常がないか調べるために超音波検査が行われることもあります。さらに、重症なケースではうつ病などの他の精神疾患との鑑別を行うために、精神科や心療内科などの専門医を紹介されることもあります。

漢方と鍼灸

 漢方が良く効く分野ですが、工夫をしないと良くならない場合が増えています。加味逍遙散、温経湯、桂枝茯苓丸など単独で良くならない場合、組み合わせや食養生と併用して証に合わせましょう。自律神経の漢方、ホルモンを安定させる漢方、めまいの漢方など複数の漢方の合方や併用することが多いです。分量比も細かくみたほうがいい場合もあります。証が合わないと効かないので「漢方は長く飲むもの、直ぐには効かない」など長く飲んでいるのに効果があまり実感できない方は合っていない場合があります。よく見直してみましょう。更年期の反応穴、黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、女性ホルモンの反応穴など丁寧にみていき漢方食養生ツボを選択しお勧めいたします。

【腎臓、泌尿器】の症状でお悩みの方に

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【腎臓、泌尿器】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状として日中頻尿・夜間頻尿足の浮腫尿失禁などの増加が問題となっています。年を重ねることで、尿道炎前立腺炎間質性膀胱炎なの方が増えています。成人・高齢化社会においても、腎臓、泌尿器の健康は非常に重要です。

 当院の【腎臓、泌尿器】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

腎臓、泌尿器】の病気と漢方東洋医学

日中頻尿・夜間頻尿足の浮腫糸球体腎炎(急性・慢性)腎不全(急性・慢性)IgA腎症尿崩症腎盂腎炎遊走腎(下垂腎)腎嚢胞尿道炎夜尿症血尿ループス腎炎糖尿病性腎症腎硬化症ネフローゼ症候群前立腺肥大症前立腺炎腎臓結石・尿路結石間質性膀胱炎尿失禁過活動膀胱膀胱炎

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「腎臓、泌尿器」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

舌癌

 舌がんは舌にできるがんで、口腔がんの1つです。男女比は約3:2と男性に多く発症年齢は60代に多いとされていますが、20~30代の若年者にも時々見られますので、注意が必要です。口腔がんの患者数はわが国において増加傾向にあり、毎年3000人を超える方が口腔がんによって命を落としています。2015年における口腔がんの患者数は7800人にも上ります。口腔がんは、舌のほか、歯茎や、上あご、頬の粘膜などにできるがんです。なお、舌根の部分にできたがんは、がんの分類上、舌がんではなく中咽頭がんに該当します。舌がんの多くは、扁平上皮細胞という、舌の表面を覆う細胞から発生します。がん細胞は、腫瘍が大きくなるにつれて、舌の組織の深い場所にまで広がっていきます。舌がんは、鏡を使って、患部を自分で見ることができるがんです。舌の両脇の部分にできることが多く、舌の先端や表面の中央部分ではあまりみられません。舌の裏側などの見えにくい場所にできることもあります。自覚症状には、舌の硬いしこりやただれがありますが、痛みや出血があるとは限りません。舌の動きに対する違和感や舌のしびれがある、舌の粘膜に赤い斑点(紅板症)や白い斑点(白板症)ができている、口内炎が治りにくいなどの症状がみられることもあります。また、がんが進行した場合の症状としては、痛みや出血が持続する、口臭が強くなるなどがあります。現在のところ、舌がんのはっきりとした原因は明らかではありませんが、危険因子として喫煙や飲酒による化学的な慢性刺激に加えて、虫歯や合わない詰め物極端に傾いた歯などによる機械的な慢性刺激、さらには口の中の不衛生な状態などが挙げられます。また口の中にできる粘膜病変が経年により癌化することもあります。特に、白板症や紅板症は10%程度の癌化率を有しているとされ、潜在的悪性疾患として慎重な経過観察が推奨されています。

漢方と鍼灸

 口腔内のケアは大事ですね。特に歯周病などは菌が体にまで降りていき悪さをします。また合わない詰め物などの接触痛も治してもらった方がいいですね。早期に発見できると生存率もいいので気になったらすぐ受診しましょう。残念ながらなってしまった場合、手術や抗がん剤など副作用で継続できないなど順調にいかない場合はご相談ください。

更年期障害(女性)

 更年期とは“生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期のことで、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期”をいいます。更年期の年齢は、一般的に閉経前後の5年間、合計で10年間をいいます。閉経*の年齢は個人差が大きく、40歳代前半に迎える女性もいれば、50歳代後半になっても迎えない女性もいるため更年期の年齢は個人差があります。 閉経とは子宮摘出や薬剤などの治療を行っていないにもかかわらず、月経が永久に停止することです。40歳以降で最後の月経から1年間月経がないことを確認して、初めて閉経を迎えたということになります。そのため、閉経年齢とは最後の月経があった時の年齢をいいます。のぼせ・ほてり(いわゆるホットフラッシュ)・めまい・頭痛・全身倦怠感・不眠、気持ちの落ち込み・やる気のなさ・不安・憂鬱・腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、かゆみ、排尿障害、頻尿などほかの検査を行っても特に異常がないものを更年期症状といいます。これらの症状がひどくなり、日常生活に支障をきたす状態を更年期障害といいます。
 更年期障害の主な原因は、エストロゲンの血中濃度が大きく変動しながら低下していくことです。エストロゲンは卵巣から分泌されている女性ホルモンで、更年期になると卵巣機能が低下することに伴い、エストロゲンの分泌量も減少します。これを脳が感知すると自律神経バランスに乱れが生じ、それに加えて身体的(加齢など)、心理的(性格など)、社会的(職場や家庭の人間関係など)な要因などが関与することで、更年期障害を引き起こすと考えられています。更年期によく起こる病気である甲状腺疾患は、更年期障害とよく似た症状がみられることから、しっかりと鑑別する必要があります。治療としては、ホルモン補充療法(HRT)は、女性ホルモンを補うことで更年期障害の症状を改善させる方法です。さらに、長期的には骨粗しょう症や認知症の予防にも効果があることが分かっています。女性ホルモンの代表である、2種類のホルモン(エストラジオールとプロゲストーゲン)を組み合わせて行います。薬剤には、飲み薬や貼り薬、塗り薬があります。副作用が生じるリスクも異なるとされるため、症状や状況を医師と相談しながら選択することが大切です。HRTの方法には、さまざまなものがあります。開始年齢や実際の症状、子宮の有無、持病などによって使用する薬剤や量が選択されます。また、子宮体がんや乳がんを治療中の人、過去に乳がんの加療を受けた人、心筋梗塞、脳卒中、肝臓に重症な病気を患った人など、一部の人はHRTを実施できない場合があります。HRTの開始時期や継続期間、終了時期なども症状に合わせて医師と相談のうえで決めるのがよいでしょう。治療を開始する場合や長期間継続する場合は、定期的に子宮がん検査や超音波検査などを受ける必要があります。かかりつけの医師と相談しながら行いましょう。漢方薬は体全体のバランスを整え、心と体を健康にすることを目的とした治療法です。ほてりやのぼせといったホットフラッシュがあり、症状が多岐にわたっている人に適しています。副作用も少なく、比較的長期間服用することができます。抗うつ薬は、うつ病を治療する際に薬物療法として使われることがある薬です。抑うつ気分は多くの人が更年期に経験する症状です。抗うつ薬は、精神的な変化だけでなくホットフラッシュといった身体的症状にも効果が期待できます。ストレスの要因から離れて休息を取るなど、心身ともにリラックスできる生活を心がけましょう。

漢方と鍼灸

 病院で出してもらう漢方で良くならない場合、ご来店いただくことが多いですね。まず証が合っているのか確認いたします。また更年期障害の反応穴から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択しお出しします。