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尿崩症

 尿崩症とは、” 1日に3L以上の尿が排出されるようになる“多尿を引き起こす病気の1つです。尿崩症は、①水を体内に保つ作用を持つ抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が欠乏することによる“中枢性尿崩症”と、②ADHの効きが低下することによって尿量が増える“腎性尿崩症”の2つのタイプに分けられます。いずれのタイプも発症すると、多尿の結果として、脱水となり、強い喉の渇きを感じたり、失った水分を補うために多量の水分摂取につながったりします。また、体内から尿と共に水分がどんどん排出されていくため、十分な水分を補わないと脱水や電解質異常に陥りやすく、血圧低下などを引き起こすこともあります。低血圧やショック状態によりめまい、動悸などの症状を引き起こすことがあります。また、多尿が継続することで、水腎症や巨大膀胱など尿の排泄経路の異常を引き起こすことも報告されています。特に中枢性尿崩症・腎性尿崩症ともに遺伝性のものは、胎児期から母体の羊水の増加など出生前から徴候がみられます。また、新生児期には嘔吐、便秘、発熱、成長の遅れなどがみられ、体から水分が失われることで体内の電解質(ナトリウム)の濃度が高くなり、けいれんを生じることもあります。適切な治療の開始が遅れると知的障害などの後遺症を残すことも少なくありません。尿崩症の原因は遺伝子の異常や自己免疫的な機序、電解質異常、脳の病気・外傷、薬の副作用などさまざまであるため、治療方法も原因によって異なります。また、それ以外に妊娠中にまれに起こる一過性の尿崩症もあります。①抗利尿ホルモン(ADH)は脳下垂体後葉と呼ばれる部位から分泌されるホルモンですが、欠乏する原因としては、頭部外傷、腫瘍、脳梗塞、脳出血、脳炎、髄膜炎などによる視床下部~下垂体の損傷が考えられます。一方で、遺伝的要因による発症が疑われるケースや原因がはっきり分からないケース(特発性)もあります。特発性中枢性尿崩症では自己免疫的な機序の関与が想定されています。②主な原因は、遺伝子の異常によるものでX連鎖性潜性遺伝形式を示すタイプが先天性の腎性尿崩症の約90%を占めます。また、電解質異常(高カルシウム血症・低カリウム血症)も後天性の腎性尿崩症を引き起こす大きな要素です。一部の薬剤は抗利尿ホルモン(ADH)の腎臓へのはたらきかけを減弱させる作用を持つものもあり、副作用として腎性尿崩症を発症することがあります。特に、リチウムは長期内服することで高頻度に腎性尿崩症を引き起こします。リチウムによる腎性尿崩症はリチウムの内服を中止しても腎性尿崩症は治らない(非可逆性)場合があります。尿崩症では体内に必要な水分がどんどん排出されていくため、血液中のナトリウムなどの濃度が高くなります。一方で尿は濃縮が起きず、薄くなるのが特徴です。尿崩症の治療法は発症原因によって異なります。中枢性尿崩症の場合は、欠乏した抗利尿ホルモン(ADH)を補うため、 ADHと同様に水を体の中に保つ作用のあるデスモプレシンと呼ばれる薬の投与が行われます。一方、遺伝子変異による腎性尿崩症は、厳格な減塩に加えて一部の利尿薬や非ステロイド系抗炎症薬を用いることで水分の排出を抑える治療が行われていますが、十分な有効性は立証されていません。根本的な治療はなく、脱水を予防するための十分な水分補給を継続していく必要があります。また尿崩症の明確な予防法は確立されていません。

漢方と鍼灸

 遺伝子の異常の場合は難しいかもしれませんが、視床下部~脳下垂体の損傷、自己免疫なら漢方の可能性はありそうです。損傷部位、脳の病気の箇所から反応をとって経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

10月のお休みについて

[お休み]
10月1日(日)・2日(月)
10月8日(日)・9日(月)
10月15日(日)・16日(月)
10月22日(日)・23日(月)
10月29日(日)・30日(月)

ご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。

どうか皆様も、秋の夜長をリラックスしてお過ごしください。

腎不全(急性・慢性)

 腎不全とは、腎臓の機能が低下する状態のことを指します。腎臓は血液をろ過して体内の老廃物を取り除き、尿を生成する器官です。そのため、腎不全に陥ると不要な老廃物や水分が体内にたまっていくため、全身にさまざまな症状が現れます。また、腎臓は血液を作るためのホルモンやカルシウムの吸収に必要な活性型ビタミンDを作り出す器官でもあるため、腎不全が進行すると貧血や骨粗鬆症を発症するようになります。腎不全は、急激に腎機能が悪化する“急性腎不全”と、徐々に腎機能が悪化していく“慢性腎不全”の2つに大きく分類されます。いずれも適切な対処が遅れると腎機能が著しく低下し、最終的には人工透析や腎移植などが必要になることもあるため注意が必要です。

 急性腎不全は、急激に腎機能が悪化する腎不全を指します。さらに脱水や心不全、大量出血、血圧低下、腎梗塞など、腎臓への血流が低下することによって引き起こされる“腎前性腎不全”、急性腎炎や薬剤性腎障害など腎臓自体に何らかの異常が引き起こされることが原因の“腎性腎不全”、前立腺肥大症や尿管結石、膀胱がんなど尿が排出される経路の異常が原因である“腎後性腎不全”に分類されます。なお正確には“急性腎障害”という単語が用いられますが、“腎前性”“腎性”“腎後性”という表現を用いる際に、慣習的に“急性腎不全”という単語も用いられています。急性腎不全の治療は、原因となっている病気の治療と腎不全による症状を改善する治療を並行して行っていくのが基本です。原因となる病気の治療としては、脱水に対する点滴治療、腎炎に対する薬物療法、詰まった尿の通路を開通させるためのカテーテル挿入などが挙げられます。一方、腎不全の症状を改善するための治療としては、むくみを予防するための塩分・タンパク質制限を主体として食事療法や水分制限、尿量を増やすための利尿剤などを用いた薬物療法が行われます。また、腎機能が著しく低下している場合には、体内の過剰な水分や老廃物を除去するための血液浄化療法が一時的に行われることもあります。ただし、これらの治療により腎臓が改善する、あるいは改善しても元どおりの機能まで改善するとは限らず、慢性腎不全に至ることがあります。血液浄化療法が永続的に必要となることもあります。

 慢性腎不全は、長い時をかけて徐々に腎機能が悪化していく腎不全のことを指します。原因はさまざまですが、もっとも多いのは糖尿病による動脈硬化に起因する糖尿病性腎臓病とされています。そのほか、慢性糸球体腎炎や腎硬化症なども慢性腎不全の原因となります。なお現在は“慢性腎臓病”という単語が用いられ、その進行度によってステージ1から5まで分類がされています。慢性腎不全の治療は、腎機能のさらなる低下を防ぐことが主な目的となります。そのためには、腎炎に対するステロイドなどの薬物療法、血圧の管理や塩分やタンパク質、カリウムやリンなどの電解質と水分を制限する食事療法が行われます。また腎不全の進行によりむくみがある場合は尿量を増やす利尿剤を用いたり、カリウムやリンなどの異常がある場合はそれらを下げる薬を使ったりします。貧血が起こっている場合はエリスロポエチン製剤の注射が必要でしたが、HIF-PH阻害薬という新たな飲み薬が使用できるようになりました。一方で、腎機能が著しく低下して改善が見込めない場合には、人工透析や腎移植などの腎代替療法が必須となります。

腎不全に陥ると体に不要な水分や老廃物が十分に排出されなくなります。その結果、むくみ、体重増加、血圧の上昇などが生じ、さらに進行すると動悸や息切れが現れるようになります。尿量は減少することが多いですが、腎臓には尿を濃縮するはたらきもあるため、そのはたらきが損なわれると一時的に1日に2,500ml以上の大量の尿が排出されるようになるケースも少なくありません。

 また、慢性腎不全では体内に老廃物がたまり続ける状態になるため、だるさや皮膚のかゆみなどの症状が現れることもあります。そして、腎臓は血液を作り出すエリスロポエチンと呼ばれるホルモンやカルシウムの吸収に必要な活性型ビタミンDを作り出す器官でもあるため、腎機能の低下が進行すると貧血や骨粗鬆症などが引き起こされます。ミネラルの一種であるカリウムが排出されなくなってたまるようになると、致死性の不整脈を起こすことがあります。カルシウムやリンの代謝の調節が困難となり血管などの異所性石灰化が引き起こされ、酸・アルカリの調整が困難となることで体内が酸性に傾きます(代謝性アシドーシス)。血液検査は血清クレアチニン、尿素窒素、eGFRなど腎臓の機能を示す検査項目、またカリウムやリンなどのミネラルの値を調べるため血液検査が行われます。慢性腎不全による貧血が疑われる際は、エリスロポエチン値の測定が行われることもあります。

漢方と鍼灸

 腎臓の機能を回復する漢方食養生ツボがあります。透析になる前に是非漢方を試してください。気をつけたい漢方に桂皮などがあります。とくに桂皮など粘膜刺激のものは避ける方がいいでしょう。またカリウムが多くなった場合、漢方で下げることができます。腎臓は細い血管が沢山並んでいます。血流もとても大事です。どの血流を良くするものを使うかは非常に大事です。ろ過しているところなのでフィルターのお掃除も大事、損傷個所の修復もしていきます。まずは炎症を抑えることですね。腎臓、浮腫部分などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。GFRが49の場合、49%が働いていると解釈するとわかりやすいですね。クレアチン10ぐらいが透析導入のボーダーラインです。

IgA腎症

 慢性糸球体腎炎のうち、糸球体メサンギウム細胞と基質の増殖性変化とメサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物とを認めるものをいう。同義語としてIgA腎炎、ベルジェ(Berger)病などがある。慢性糸球体腎炎の一病型として確立しているが、日本においては1970年代初期から活発な研究が行われ、慢性糸球体腎炎のうち成人では30%以上、小児でも20%以上を占めていることが明らかになった。日本と同じように本症が多発する国としては、アジア太平洋地域の諸国が知られており、北欧や北米では比較的少ない。このような地域差の原因は不明であり、一部では腎生検施行の頻度と比例するともいわれ、北米においては白人には多いが、黒人ではまれであることも知られているため、何らかの人種的・遺伝的背景も想定されている。成人・小児共に男性にやや多く、発見時の年齢は成人では20歳代、小児では10歳代が多いが、患者層は全ての年齢にわたっている。本症は、流血中の糖鎖修飾異常IgAならびにそれに関連した免疫複合体の糸球体内沈着によって引き起こされるとする説が最も有カである。その根拠は、糸球体内に糖鎖修飾異常IgAが沈着していることや、そこにIgGが共に沈着し、C3などの補体成分沈着も認めること、移植時にIgA腎症が再発する場合、糸球体に短期間のうちに高率にIgAの沈着を認めること、逆に少数報告ではあるが本症に罹患した腎臓を他の疾患患者に移植すると糸球体内IgA沈着が消失することなどである。最近では、遺伝的素因粘膜免疫の異常等が本症の病態との関係で研究が進展しつつある。しかし、免疫複合体を形成している抗原の同定は未だ十分には成功していないが、糖鎖異常IgA自体が免疫複合体形成の原因となっている可能性がある。その他、糸球体硬化に至る本症の進展については本症以外の多くの糸球体疾患と共通した機序が存在することが明らかになりつつある。本症発見時の症状は、日本では偶然の機会に蛋白尿・血尿が発見されるものが大多数を占めるが、諸外国ではこの比率が低く、肉眼的血尿や浮腫などの症候性所見の比率が本邦よりも高い。この差異は、日本では検尿が発達していることや、腎生検施行対象症例の選択方針が内外で異なるためと考えられており、ヨーロッパ諸国の中でも腎生検を比較的活発に行っている地域では本症の発現頻度が高いこととともに、無症候性蛋白尿・血尿の比率が高くなっている。本症の治療については根本的な治療法が得られていないために、対症療法が行われている。レニンアンギオテンシン系阻害薬、副腎皮質ステロイド薬(パルス療法を含む。)、免疫抑制薬、口蓋扁桃摘出術(+ステロイドパルス併用療法)などで治療を行う。進行抑制を目的とした成人IgA腎症の治療の適応は、腎機能と尿蛋白に加えて、年齢や腎病理組織像も含めて総合的に判断される。また、症例に即して血圧管理、減塩、脂質管理、血糖管理、体重管理、禁煙などを行う。診断時の腎機能や症状により予後が異なる。成人発症のIgA腎症では10年間で透析や移植が必要な末期腎不全に至る確率は15~20%、20年間で約40%弱である。降圧薬(特にレニンアンギオテンシン系阻害薬)や副腎皮質ステロイド薬の積極的な使用により、1996年以降、予後が改善しているとの報告もある。また、小児では、成人よりも腎予後は良好である。予後判定については、腎生検光顕標本における組織障害度が重要であるということは異論がなく、その他の臨床指標の中で腎生検時の高血圧、腎機能低下、高度蛋白尿、患者の高年齢などが予後判定上有用であることも共通した認識である。

漢方と鍼灸

 ゆっくり進行していくので怖い病気の一つですね。免疫異常が関与していることから腎臓、免疫反応のツボから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。また上咽頭や咽頭扁桃当たりの反応もみることにしています。免疫異常を改善(本治)、腎臓の症状改善(標治)を基本に良くしていきます。

糸球体腎炎(急性・慢性)

 糸球体の炎症によって、タンパク尿や血尿が出る病気を総称して糸球体腎炎と呼びます。急性糸球体腎炎(急性腎炎)は、一般的に4歳~10歳くらいまでの子どもで、晩秋から寒冷期に多く発症する病気ですが、成人や高齢者でもときどき見られます。ほかの腎臓病と異なって、ほとんどの場合完全に治ります。この病気の特徴は、タンパク尿、血尿、むくみ、高血圧が出現し、こうした急性期が過ぎると、一般的によくなるのも早い点です。一般に急性期を過ぎると、むくみ(浮腫)が軽快するとともに血圧が正常に回復し、通常1~3か月後にはタンパク尿や血尿が消失します。しかし、4~5か月後に腎生検(腎臓の組織検査)を行うと、まだ糸球体に病変が残っていることが多く、約6か月は医師の診療を受け、十分に経過を観察する必要があります。その後6か月くらいは無理のない生活をしましょう。可能であればもう一度、腎生検で病気の程度を確認するのが最も確実です。原因は、溶血性連鎖球菌などの細菌による扁桃や皮膚の炎症などがきっかけです。症状は扁桃やのどの炎症(多くは発熱)が治ってから、1~2週間後に血尿(目では分からないことも多い)やタンパク尿、むくみ(浮腫)、高血圧などが出現。全身倦怠などの症状が出る場合もあります。体重を量ると、急に太っていることが分かります。高血圧の影響で頭痛を訴えたり、吐いたりすることもあります。重症の場合は、尿量が少なくなり、むくみ(浮腫)が強くなって肺までむくみがおよび(肺水腫)、呼吸困難となり一時的に透析が必要なこともあります。治療は保存的治療が中心です。安静、保温のほか、水、塩分、タンパク質の食事制限が行われます。急性期には溶連菌感染に対する抗生物質の使用と、高血圧に対して降圧薬と利尿薬が使われることもあります。これらの治療は、発病初期の数日から数週間に限られ、検尿の異常以外の症状がなくなったら普通の生活に戻し、通常は薬を服用する必要もありません。

 慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、タンパク尿や血尿が長期間(少なくとも1年以上)持続するものをいいます。腎臓病の中でも最も多いものとして知られています。慢性糸球体腎炎は1つの病気ではなく、さまざまな病気の総称です。最近の研究によって、慢性糸球体腎炎の中にもいくつかタイプがあり、症状が進行しにくいものもあることが分かっています。原因は免疫反応の異常によるものが多いと考えられています。症状は血尿、タンパク尿、高血圧、めまい、肩こり、むくみ(浮腫)、頭痛、倦怠感です。治療の基本は食事療養や薬物療法です。むくみが強い場合は、利尿薬を使用して血液中の塩分、水分の排泄を促します。血圧の維持に努め、症状の悪化を防ぎます。生活の上では、激しい運動や過労を避けます。

漢方と鍼灸

 急性のものは風邪をひいて喉が腫れ、そこから腎臓に移行し炎症を起こすことが多いです。ほとんど場合、抗生物質で菌は抑えられます。ですが慢性期に移行した場合、免疫反応の異常からなかなか良くならない方がご相談に来られるようです。腎臓、免疫反応、症状の場所から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを吟味していきます。腎臓を休ませるため長時間の立位を控えたり、食後の横臥なども大切です。

足の浮腫

 誰しも経験したことがあるむくみとは余分な体液が溜まり、指で押すとへこんだようになったり、いつもよりも腫れぼったくなったように感じられる状態です。特に足は浮腫みやすく、夕方になると足がむくんで辛い、最近足がむくみやすいし、なんだか疲れやすい気がする、靴がきつく感じるくらい足がむくんでよくならないなど病気ではないけどあると思います。ですが病気が原因で足がむくんでいることもあります。すぐによくなり他の症状を伴わないむくみであれば、さほど心配はいらない場合がほとんどですが、いつまでもむくみが引かない、痛みや熱を持っている、体全体の症状があるなどの場合には早めに受診した方がよいでしょう。特に片足だけがむくんでいるような場合にはより早めの受診がすすめられます。足のむくみの原因となる、主な病気は以下の通りです。

 深部静脈血栓症は、長時間同じ姿勢でいることで足の静脈に血の塊(血栓)ができる病気です。むくみ、ずきずきとした痛み、脚が片方だけ腫れるなどの症状が主です。血栓がはがれ、血流にのって肺や脳などの血管につまると命に関わることもあるため注意が必要です。心不全は、全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能がさまざまな原因により低下している状態です。主な症状としては、足のむくみ、疲れやすい、歩くなどのちょっとした動作で息切れがする、呼吸が苦しいなどがあげられます。足がむくむだけでなく、呼吸が苦しい、心臓の病気をしたことがあるなどの場合には早めに受診しましょう。腎不全は、さまざまな原因で腎臓の機能が低下し、本来尿として排泄されるべき不要な水分や老廃物などが体に溜まってしまう状態です。主な症状は、全身のむくみ、吐き気、食欲不振、高血圧などで、重症になるとけいれんや意識障害を起こすこともあります。肝不全は、肝炎ウイルスへの感染やアルコールの多飲など、長期に渡って肝臓がダメージを受けることで肝臓のはたらきが悪くなってしまった状態です。初期には自覚症状が薄いことも多いですが、むくみや白目や皮膚が黄色くなる黄疸、体のだるさなどが現れることがあります。甲状腺機能低下症は、甲状腺の機能が低下することで「やる気ホルモン」とも呼ばれる甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気です。主な症状には、むくみ、体がだるくなる、疲れやすい、体重増加、気分の落ち込みなどがあります。蜂窩織炎とは、皮膚の深い部分から、皮下脂肪のある比較的浅い部分にかけて細菌が感染する病気です。いわゆる水分が過剰になって起こるむくみとは異なりますが、手や足が腫れるためむくんでいるように感じられる場合もあります。主な症状には、皮膚が赤くなる、腫れる、熱を持つ、痛みなどがあげられます。場合によっては発熱など全身の症状を伴うこともあります。月経前症候群とは、月経の3~10日前(高温期)から現れる心身の不快な症状のことです。月経の開始とともに症状が消えることがほとんどです。精神的な症状は、イライラ、眠気、不眠、集中力の低下、憂鬱、不安感、情緒不安定などがあげられます。身体的な症状は、下腹部の痛みや張り、乳房の張りや痛み、頭痛、腰痛、肩こり顔や手足のむくみなどが挙げられます。薬の副作用のひとつとして足のむくみが現れることがあります。飲んだ事のない薬・新しく処方された薬を飲み始めたときに足のむくみが現れた際には、まず処方された病院で相談しましょう。リンパ浮腫とは、リンパ管の機能が低下して腕や足にむくみが出る状態です。感染や、生まれつきなどさまざまな原因で起こりますが、多くは手術やがんの放射線治療後などに起こることが多いといわれています。

漢方と鍼灸

 足の浮腫といっても原因は様々ですね。まず緊急性のものかそうでないかを見極めることが大事です。浮腫みのツボ、原因となる臓器のツボ、実際浮腫んでいる箇所から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを決定していきます。またマッサージ、筋肉をつける、運動する、水の摂取量、塩分、薬の副作用などお話していきます。長く放置するのは良くないです。

日中頻尿・夜間頻尿

日中頻尿

 「尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。しかし、1日の排尿回数は人によって様々ですので、一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも自分自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえます。頻尿の原因は様々ですが、①過活動膀胱、②残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、③多尿(尿量が多いこと)、④尿路感染・炎症、⑤腫瘍、⑥心因性に分けることができます。

 過活動膀胱は膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮するという病気で、急に尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります。過活動膀胱は日本で1000万人以上の男女が罹患する頻度の多い病気です。脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄の病気のために、膀胱のコントロールが効かなくなる、前立腺肥大症による排尿障害のために膀胱が過敏になる、などの原因で発生しますが、加齢による老化現象として起こったり、原因が不明(明らかな基礎疾患がない)であったりすることも少なくありません。また、尿が間に合わずにもれてしまうこともあります(切迫性尿失禁)。1回の排尿量は少なく、何回もトイレに行くようになります。
 残尿とは、排尿後も膀胱内に尿が残る状態をいいます。前立腺肥大症などによる排尿障害(尿排出障害)が進行すると残尿が発生します。また、糖尿病、腰部椎間板ヘルニア、子宮がん・直腸がんの手術などで、膀胱を収縮させる神経が障害されると、膀胱がうまく収縮できなくなって排尿障害(尿排出障害)を引き起こし残尿が発生します。膀胱内に残尿があると、結果的に尿を溜められる膀胱のスペースが減少するために、1回の排尿量は少なく、何回もトイレに行くようになります。
 多尿とは、1日の尿量が著しく増えた状態をいいます。膀胱や尿道に問題がなくても、糖尿病などの内分泌疾患、水分の多量摂取、薬剤(利尿剤)による尿量の増加が頻尿の原因となります。この場合には、1回の排尿量は正常(150~200ml以上)であるにも関わらず、何回もトイレに行くことになります。膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染が起こると、膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になります。
 間質性膀胱炎は原因不明で、膀胱に慢性の炎症を起こす病気ですが、長期間続く頻尿、膀胱充満時の下腹痛が特徴的です。
 膀胱がんの重要な症状は血尿ですが、まれに膀胱がんによる膀胱刺激症状として頻尿がみられることがあります。
 心因性の頻尿は、膀胱・尿道の病気もなく、また尿量も問題ないにも関わらず、トイレのことが気になって何回もトイレに行ってしまう状態です。心因性なので、夜寝てしまえば排尿のことを気にすることはないので、通常夜間の頻尿はないことが多く、また朝起床時の排尿量は正常です。

夜間頻尿

 夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。加齢とともに頻度が高くなります。夜間頻尿は、日常⽣活において支障度の高い(困る)症状です。夜間頻尿の原因は、大きく分けて1)多尿・夜間多尿、2)膀胱容量の減少、3)睡眠障害に分けられます。これらの3つの原因によって治療法が異なるので夜間頻尿の原因をまずはっきりさせることがとても重要です。尿量が多いため夜間頻尿がおきることがあります。特に内科の病気が隠れている場合は、その病気に対する治療が優先されるため、注意が必要です。多尿による夜間頻尿は1日24時間の尿量が多くなるために、夜間トイレに何度も起きるものです。1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合(例えば60kgの体重の人は40ml/kg x 60kg =2,400ml)がこれに当たります。水分の過剰摂取、尿量を増加させる薬剤を内服しているため、糖尿病などの内科の病気によるものがあります。夜間多尿は、夜間のみ尿量が多くなり、夜間トイレに何度も起きるものです。一つの目安として、65歳以上の方では、24時間の尿量に対する夜間尿量の割合が33%を超える場合は、夜間頻尿と考えられます。寝る前の水分の過剰摂取、薬剤性のもの、ホルモンバランスの乱れ、高血圧や心不全、腎機能障害などの内科の病気によるもの、睡眠時無呼吸症候群(睡眠時に呼吸が一時的に止まる病気で、いびきをかく人によくみられます)があります。膀胱容量の減少は、少量の尿しか膀胱に貯められなくなるもので、膀胱が過敏になるために起こります。一般的には、昼にも頻尿になることが多いです。過活動膀胱は膀胱に尿が少量しか溜まっていないのにも関わらず尿意を感じてしまったり、膀胱が勝手に収縮してしまう病気で、トイレに急いで駆け込む症状(尿意切迫感)があるものです。脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄の病気で引き起こされる場合もあります。前立腺肥大症は男性特有の疾患で、前立腺が大きくなることで排尿がしにくくなり、結果として膀胱が過敏になることがあります。間質性膀胱炎や骨盤臓器脱などで夜間頻尿になることがあります。睡眠障害は眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまうために、目が覚めるごとに気になってトイレに行くものです。以上のように、夜間頻尿の原因は様々ですので、適切な対処をするためには原因を明らかにすることが必要です。夜間の排尿の際に、毎回十分な尿量を排尿する場合(おおよその目安として200-300ml)は多尿もしくは夜間多尿による夜間頻尿、十分な尿量を排尿しない場合(おおよその目安として100ml以下)は膀胱容量の減少による夜間頻尿と考えられます。排尿習慣を知るために、排尿日誌を用いて、ご自身でも正確にチェックすることが可能です。朝起きてから翌日の朝まで、排尿した時刻とメモリ付コップなどで測定した排尿量を日記のように記録するものです。1回の排尿量(膀胱に溜めることができる膀胱容量)と排尿回数を知ることができ、おおよその原因を知ることができます。

漢方と鍼灸

 東洋医学ではこれ以外に冷えによる頻尿があります。原因をしっかり押さえて取り組みます。腎臓、膀胱、各疾患、自律神経から波長を経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。

【循環器】の症状でお悩みの方に

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【循環器】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
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 当院の【循環器】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

【循環器】の病気と漢方東洋医学

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 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「循環器」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

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心房中隔欠損症・心室中隔欠損症

心房中隔欠損症

 心房中隔欠損症(Atrial septal defect :ASD)とは、心房中隔(右心房と左心房を2つの空間に分けている壁)に穴が開いている状態を指します。心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋から構成されています。右心房と左心房は、それぞれ全身と肺からの血液が戻ってくる部屋です。この両者の部屋は心房中隔と呼ばれる壁により隔てられています。心房中隔欠損症は、先天性心疾患(産まれつきの心臓の病気の総称)の1つであり、その中でも一定の割合を占めています。また、心房中隔欠損症は女児に多いことが知られています。先天性心疾患ではあるものの、無症状であることが多いため、新生児や乳児期に発見されることは少なく、就学時検診やそのほかの理由で小児科を受診した際などに発見されることが多いです。大きな穴では自然閉鎖は期待できず、年齢を経てから心不全による症状が徐々に現れることもあります。心臓や肺への負担状況を判断しながら、治療が行われる病気です。胎児期、左右の心房を隔てる心房中隔には、卵円孔と呼ばれる生理的な穴が存在しています。胎児は胎盤を介して酸素を取り入れるため、肺で酸素を取り入れる必要がありません。そのため、胎児の右心房に返ってきた血液は肺へ流れることは少なく、卵円孔を介して左心房へと移動します。出生後、赤ちゃんは自分自身の肺で酸素を取り込まなければならなくなるため、右心房に帰ってきた血液が肺に流れるようになり、卵円孔は不要になります。そのため生後、卵円孔は自然閉鎖します。心房中隔欠損の多くは卵円孔の部位に認めますが、タイプによって穴が生じる場所は異なります。それぞれのタイプに応じて、症状の現れ方や自然閉鎖するかどうかの傾向、治療法も異なってきます。原因として特定の遺伝子異常は分かっておらず、複数の遺伝的要因環境的要因が考えらえています。また染色体異常や胎児期における風疹による感染母体のアルコールの過剰摂取なども心房中隔欠損症の発症に関与するリスク因子であると考えられています。お子さんに症状がない場合でも、聴診所見から心房中隔欠損の疑いを指摘されることがあります。胸部X線、心電図、心エコー検査をもとに診断されます。心房中隔欠損が大きく、心臓や肺に負担が大きい場合には、治療が必要です。また、心臓にほかの先天性心疾患を伴うことがあります。そのため、治療方針の決定や合併症の判断をより正確にするために、心臓カテーテル検査を行うこともあります。(手術や内服薬の処方など)を行うかについては、心房中隔欠損に伴う症状や合併心疾患の有無などによって判断します。心房中隔欠損が小さく、合併する心疾患もないお子さんの場合は、無治療で経過観察します。一方、欠損が大きく、心不全症状が現れた場合には、利尿剤などで心不全症状のコントロールを行い、次に述べる閉鎖術を検討します。また、不整脈が見られる場合には、抗不整脈薬を用いることも検討されます。心房中隔欠損症は、心室中隔欠損症と比べて自然閉鎖は期待しにくい病気です。そのため、経過を見ながら、心房中隔欠損の閉鎖術を検討します。閉鎖術には大きく2つの方法があります。1つはカテーテルにより閉鎖する方法(カテーテルインターベンション)、もう1つは心臓の穴を直接閉じる方法(パッチ閉鎖や直接縫合など)です。カテーテルインターベンションのメリットは、胸にメスを入れる必要がなく、太ももの血管から穴を防ぐ栓を挿入して閉鎖する方法であり、侵襲性が低い点です。しかし、心房中隔欠損の位置や大きさによっては適応にならない場合もあります。穴の位置やそのほかの合併症(たとえば弁の逆流)の関係から、手術が選択されることもあります。

心室中隔欠損症

 心室中隔欠損症は、心臓の左右下部に存在する心室を隔てる壁(心室中隔)に穴が開いている病気です。穴が開く位置により模様部欠損型や筋性部欠損型、流入部型、流出部型などに分けられ、このうち模様部欠損型がもっとも多く認められます。心室中隔欠損症は先天性の病気であり、約1,000人に3人の割合で確認されます。小児の先天性疾患としてはもっとも多い病気とされ、全体の約20%を占めます。しかし、小児で発見された場合、その約半数は出生後1年以内に心室中隔の穴が自然に閉じるといわれています。一方、成人で発見される先天性疾患全体の約15%を占めており、比較的発症頻度の高い先天性疾患であるといわれています。心室中隔欠損症は、先天的な異常が原因であるといわれています。心室中隔は通常妊娠4週から8週頃に形成されますが、何らかの異常により正常に形成されず、穴が残ることにより発症するとされています。心室中隔欠損症では、“肺高血圧症”や“心拡大”、“アイゼンメンジャー症候群”などをきたし、さまざまな症状を認めます。本来、心臓はポンプのようなはたらきをし、全身に血液を循環させる役割があります。しかし、心室中隔欠損症の場合には、心室中隔に穴が空き左心室と右心室がつながることで、本来直接血液が流れ込むことがない左心室から右心室へ血流が生じます。大動脈へ送られる体に必要な分の血液に加えて、心室中隔を通して左心室から右心室へ血液が送られるようになるため、通常の心臓としての機能に加えて余分な血液を送る負荷が心臓にかかるようになり、その負荷に対応すべく左心房と左心室は本来よりも大きくなり、心拡大を起こすことがあります。加えて、通常より多くの血液が肺へと送られるため肺の血管の圧が上昇し、肺高血圧症を引き起こすこともあります。
 穴の大きさや場所によって異なりますが、症状の程度はさまざまで、中には命に関わるケースがあります。軽度の場合には無症状のこともありますが、中等大の穴が開いている場合には生後1〜2か月程度から呼吸や脈拍が速くなったり、授乳が困難だったりするケースがあるほか、手足の冷感や寝汗などの症状を認めることがあります。重症の場合には、肺高血圧の状態をきたした結果、手足や唇などが青紫色になるチアノーゼを生じることもあります。さらに肺高血圧症が重症化すると、チアノーゼに加え胸の痛みや疲れやすさ、失神などを生じることもあります(アイゼンメンジャー症候群)。
 このほか、症状の程度にかかわらず“感染性心内膜炎”を引き起こすことがあります。これは心室中隔欠損症によって血流が乱れ、心臓の壁を傷付けることで細菌が付着しやすくなるためです。それらの細菌は、歯科治療や外科的処置などによって体内に侵入し、感染性心内膜炎を発症する原因になることがあります。心室中隔欠損症は、新生児検診や乳児検診で発見されることがあります。検診で心臓の雑音が聴取されるなどの異常がある場合には、心電図や胸部X線検査、心エコー検査などを行い診断します。心室中隔欠損症の検査所見では、心電図で心室の肥大が確認されるほか、胸部X線検査では心拡大肺血管陰影の増強などが確認されます。しかし、軽症の場合にはこのような検査を行っても異常を示さないケースもあります。いずれも心エコー検査で穴の大きさ部位心室の圧血流などを確認することで診断されます。すでに心臓に負荷がかかっている場合には、心不全症状の改善を目的として利尿剤等を用いた薬物療法が行われます。薬物療法によって改善がみられる場合には、時期をみて心臓カテーテル検査を行い、2歳頃までに手術が行われます。一方、薬物療法を行っても呼吸症状が改善しない場合や症状の進行が疑われる場合には、早期に手術が行われることもあります。軽症の場合には薬物療法や手術をせず経過観察を行うこともありますが、この場合でも歯科治療や何らかの外科的処置を受ける際には感染性心内膜炎の予防のために抗生剤の内服を検討する必要があります。心室中隔の欠損部にパッチを当て、穴をふさぐ手術が行われます。手術では心臓を一時的に止めて治療を行うため、心臓の機能を代わって担う人工心肺という装置を用いて全身麻酔下にて行います。人工心肺が使用できない場合や穴をふさぐことが困難な場合には、肺に流れる血液量を制限する肺動脈絞扼術という手術を行うこともあります。海外では、手術ではなくカテーテルを用いて穴を塞ぐ治療を行うこともあり、将来的に日本でも可能になる可能性があります。心室中隔欠損症は先天性疾患であるため、予防することは困難です。しかし、小児発症の多くは出生後の検診で発見されるため、定期的に検診を受けることが早期発見につながります。また、小児で重症の場合には呼吸の荒さや授乳量の低下、体重減少などの異常から発見される場合があり、成人の場合にも呼吸困難やむくみ、原因不明の発熱がきっかけで診断に至るケースもあります。そのため、何らかの異常に気付いたら早めに医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

漢方と鍼灸

 東洋医学の神髄は自然治癒力です。西洋医学では無理と言われてもびっくりすることが起こることがあります。漢方薬が治したのではなく、その人に眠る自然治癒力に働きかけたからです。必ずと断言はできませんが試してみる価値はあります。その方の自然治癒力を高めれば穴が塞がる可能性はあります。特にお子さんは陽の塊です。全身生きようとする力が一番強いです。塞がらない場合、今の症状(肺高血圧、不整脈、心不全など)を軽くすることを考えましょう。また抗生物質と漢方の抗菌作用のものとの併用もできます。漢方は体全体を丈夫にできる力があります。木をみて森もみよ 心臓をみつつ全体もみよでしょうか。

拡張型心筋症

 拡張型心筋症とは、心臓が通常よりも大きくなってしまい、血液を適切に全身に送ることができなくなってしまう病気です。発症すると、少しの運動での疲れ・手足の冷え・むくみなどを自覚するようになり、重症になると日常生活を送ることもままならなくなります。拡張型心筋症は遺伝子異常に関連したものや、ウイルス疾患に関連したものなどさまざまです。同じ拡張型心筋症であっても原因や病気の進行度は異なり、治療方法もそれに伴って変わります。心臓移植といった大きな治療を要することもあれば、内服薬ペースメーカーの使用などでコントロールすることが可能な場合もあります。拡張型心筋症の原因は、分かっていない部分が多々あります。現時点では、遺伝子の異常・ウイルス感染・自己免疫性疾患などが関与していると考えられています。特に、小児期に発症する拡張型心筋症は、遺伝子の異常が原因となっているケースが多いと考えられており、一般的に予後は不良といわれています。このような背景もあるため、特に小児の拡張型心筋症の場合は、専門家の指導のもとで早期に対応することが望ましいといわれています。ごく初期の場合には自覚症状がないこともあります。しかし、病状が進行すると、倦怠感や動悸、少しの歩行や階段の上り下りでの息切れ、むくみや食欲低下などを自覚します。そのほか、夜間就寝中に症状が悪くなる傾向があり、夜間に呼吸困難や咳などがでます。さらに、全身の臓器障害によって、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)や尿量の減少といった症状が出ることもあります。心臓の中に血栓(血液の塊)が形成されてしまい、それに関連した脳梗塞を起こすこともあります。

漢方と鍼灸

 移植などの場合やドクターの治療以外に心臓を丈夫にするということができる可能性があるのが漢方です。免疫、心臓、肺、ウイルスなどのツボからの反応を読み取って経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。少しでも症状がとれて楽になれればいいですね。