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肝臓癌

 肝臓がんは、肝臓にできるがんの総称で、「肝がん」といわれることもあります。このうち、肝臓の主な細胞である肝細胞ががん化したものを肝細胞がんと呼びます。同じ肝臓にできたがんでも、肝臓の中を通る胆管ががん化したものは「肝内胆管がん(胆管細胞がん)」と呼ばれ、治療法が異なることから区別されています。なお、日本で発生する肝臓がんの90%以上は肝細胞がんであるため、一般的には「肝臓がん」とは「肝細胞がん」のことを意味します。このページでは、肝細胞がんについて解説します。肝内胆管がんについては、「胆道がん」のページをご覧ください。肝細胞がんの発生には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などによる、肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。脂肪肝炎とは、脂肪が過剰にたまった肝臓(脂肪肝)が炎症を起こしている状態です。また、肝硬変とは、肝炎ウイルスや脂肪肝などによる炎症が長期間にわたって続いた結果、肝臓が硬くなった状態をいいます。肝細胞がんは、多くの場合、肝臓内で再発します。また、肺やリンパ節、副腎、脳、骨などに転移することがあります。肝臓以外の臓器にできたがんが、肝臓に転移したものを転移性肝がんといいます。転移性肝がんは肝細胞がんとは区別し、原発巣(最初にがんができた臓器)に準じた治療を行います。転移性肝がんは、肝転移といわれることもあります。肝細胞がんの人は、B型肝炎やC型肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患を伴っていることが多くあります。慢性肝疾患により肝機能が低下すると、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、むくみ、かゆみ、だるさや倦怠感などの症状があらわれることがあります。また、肝細胞がんが進行した場合は、腹部にしこりや圧迫感、痛みがあらわれることがあります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、炎症やがんがあっても初期には自覚症状がほとんどないため、医療機関での定期的な検診や、ほかの病気の検査のときなどに、異常を指摘されることも少なくありません。肝細胞がんの発生には、ウイルスなどによる肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。そのため、健康診断などで肝機能の異常や肝炎ウイルスの感染などを指摘されたときには、まずは内科や消化器内科、または身近な医療機関を受診するようにしましょう。

漢方と鍼灸

 癌を抑える免疫力の漢方、脂肪肝や線維化した肝細胞を柔らかくする漢方、慢性炎症を抑える漢方を免疫反応穴、肝臓の癌部位から漢方食養生ツボを選択していきます。

腎硬化症

 腎硬化症は、高血圧が原因で腎臓の血管に動脈硬化を起こし、腎臓の障害をもたらす疾患です。高血圧が長く続くと、腎臓の糸球体へ血液を送る細動脈に圧力がかかるため、血管内の細胞がそれに反応して増殖し、血管の内腔が狭くなります(細動脈硬化)。豊富な血流が必要な糸球体で、血液の流れが悪くなると、徐々に糸球体は硬化し、腎機能が低下し、慢性腎不全に至ります。腎硬化症で慢性腎不全になった患者さんは、同時に腎臓以外の動脈硬化も進行しているため、生命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などの危険性が高いと考えられます。従来は高齢者の疾患でしたが、メタボリック症候群に代表されるように、働き盛りからもっと若い30代でも血管に硬化がきている患者さんも最近は多くなってきました。ほとんど症状はなく、血圧も降圧治療により落ち着いている場合も少なくありません。眼底検査では、高血圧ならびに動脈硬化の程度がある程度判定できます。尿検査では、多くの場合、尿蛋白を軽度認めますが、尿蛋白が陰性の場合も少なくありません。血尿は認めません。高血圧あるいは血圧が高かった方は(特に高齢者)、腎機能検査として血液検査でクレアチニンを測定することが奨められます。推定糸球体濾過値(eGFR)が60未満の場合は、腎硬化症による慢性腎臓病である可能性があります。血圧の変動、特に脱水などにより、腎臓への血流が急激に低下すると、クレアチニン値も急に上昇しやすく、逆にその改善に伴い、腎機能も回復するのが特徴です。そのため、急に腎機能が悪化した場合には、その原因を究明し、適切な治療を受けることが大切です。

漢方と鍼灸

 漢方には血管を柔らかくするものがあります。完全にもとには戻りませんが時間をかければ良くなります。血の流れ、血液の量、血液の質と血管の弾力、抗酸化力が大切です。
血圧の反応穴、腎臓の糸球体部分から漢方食養生ツボを選択していきます。

糖尿病性腎症

 糖尿病性腎症とは、糖尿病三大合併症の一つとされている疾患です。糖尿病によって高血糖状態が持続し、腎臓の内部に張り巡らされている細小血管が障害を受けることで発症します。悪化すると腎不全に移行し、血液透析などが必要となることもあります。平成22年度において、全国の新規透析導入患者の43.5%を糖尿病性腎症が占めており、その数は上昇傾向にあります。糖尿病性腎症は、ある程度進行するまで自覚症状がありません。しかし、糖尿病性腎症を発症すると、尿の中に本来は含まれないはずの尿蛋白(アルブミン)が含まれるようになります。この状態でさらに放置してしまうと、腎臓のろ過機能は低下し続け、血液内に余分な水分や不純物が残りやすくなり、全身のむくみやだるさ、貧血といった症状が現れるようになります。最終的には腎臓ではほぼ尿を作り出すことができなくなり、機械によって血液を浄化する「血液透析療法」が必要となってしまいます。尿蛋白(アルブミン)とは、文字通り尿に含まれる蛋白質のことです。尿中に尿蛋白が含まれているかどうかは、早期腎症の発見に最も重要な指標となっています。本来、蛋白質は腎臓のろ過機能によって再吸収されるため、本来は尿中に排泄されることはありません。しかし、腎症が進行し、ろ過機能が低下してくると、尿中の蛋白質を再吸収しきれず、微量が尿の中に残ったままとなってしまいます。血中クレアチニンとは、血液の中にふくまれているクレアチニンという成分を見る検査値です。クレアチニンは不純物の一つで、腎臓機能が低下して不純物を取り除けなくなると血液の中に残るため、腎機能を見るときに利用する検査値です。この血中クレアチニンの数値を年齢や性別によって計算し、腎臓のろ過機能がどれほど保たれているかを見る「GFR(糸球体ろ過値)」という数値もあります。糖尿病と診断された時点で、今後放置してしまうと腎機能が悪化してしまう恐れがあるということ、そして初期段階では症状が出ないからこそ、定期的に受診し、腎機能が悪化していないかどうかを確認していくことの大切さを指導していくことが、大切です。

漢方と鍼灸

 まず血糖値、HbA1c値の改善をしましょう。また微小血管の血流改善、腎機能の改善をしていきましょう。微小血管があるところは目もそうです。糖尿の反応穴、膵臓、腎臓、出ている症状から漢方食養生ツボを選択していきます。

血尿

 尿が赤いなど、目に見えて血が混じっている血尿を肉眼的血尿と呼びます。尿の色はいつもと変わりないのに、尿検査で初めて分かる血尿を顕微鏡的血尿と呼びます。いずれにせよ、血尿には大きな病気が隠れていることがあります。尿路とは、尿を作り外に排泄するまでの通り道を指し、ふつう尿路は無菌状態で保たれていますが、しかし何らかの原因で尿路に細菌などが侵入し、炎症を起こすことがあります。これを尿路感染症と呼び、膀胱炎や腎盂腎炎などが代表的です。尿路感染症では、血尿に加え、トイレに行く回数が増える、尿が残っている感じがする(残尿感)、尿が出るときに痛みを伴う、下腹部痛などの症状が見られます。腎盂腎炎の場合には、高熱や腰部の痛み、悪寒などを伴います。腎盂腎炎が疑われる場合には、夜間や休日であっても受診しましょう。結石の位置によって腎結石、尿管結石など呼び方が変わります。腎臓から膀胱への尿の通り道を結石がふさぐと、腰や脇腹の激しい痛みが出現します。結石の場所によっては下腹部に痛みが出現したり、時に陰部にまで痛みがひびくこともあります。このように激しい痛みが急激に出現することが特徴ですが、反対に全く無症状のまま慢性的に経過する場合もあります。急激な痛みと共に血尿、排尿時の痛み、頻尿、残尿感が出現することがあります、吐き気や嘔吐を伴うことも多くあります。高熱を伴う場合には、尿管結石によって滞った尿に感染を起こしていることが考えられるため、夜間や休日であっても早めに受診する必要があります。腰などを強くぶつけたなどにより、血尿が生じることもあります。また、激しい運動のあとに血尿のような症状が出るものに横紋筋融解症があります。横紋筋融解とは、激しい運動により筋肉が壊れ、血液中にミオグロビンという筋肉の成分が流出する病気です。ミオグロビンが大量に尿に含まれると、血尿のような赤褐色の尿が出ます。横紋筋融解症の場合には手足の筋肉痛や痺れ、脱力、筋力の低下などの症状が見られます。横紋筋融解症は、急性腎不全を併発することも多い危険な疾患であるため、激しい運動の後に血尿に見えるような尿があった場合には、すぐに受診しましょう。血尿のなかには、腎臓や膀胱など尿路の悪性腫瘍によるものもあります。早期には特徴的な症状があまりないことも多いですが、尿の色がおかしい、長く続く、膀胱炎のような症状がいつまでも治らないなどのような場合には一度病院で相談してみましょう。腎炎とは、腎臓に様々な原因により炎症が起き、血尿やたんぱく尿と共に、腎臓の機能が障害される病気のことで、急性の経過をたどるものから慢性経過のものまで様々です。慢性の経過では、初期は無症状で進行し、血尿も肉眼で確認できるほどではないことが多いとされています。そのため、健康診断などで血尿やタンパク尿を指摘されて病気が発覚することが多いといわれています。急性の経過では、慢性経過の場合と同様目立った症状を認めない場合も多いですが、血尿やたんぱく尿に加え、顔面や脚のむくみ、血圧上昇、倦怠感、腹痛や吐き気など、様々な症状が出現することがあります。風邪などの感染症をきっかけにして発症することがあります。前立腺は男性だけが持つ生殖器官で、膀胱と尿道に隣接しています。
血尿の原因になる代表的な前立腺の病気には、前立腺炎、前立腺肥大症、前立腺がんなどが挙げられます。

漢方と鍼灸

 尿に血が混じっていたらどこかで出血してるので止めなくてはいけません。そのためには原因を探り少しでも改善しなければなりませんね。外傷なら止血漢方、感染症なら漢方の抗菌剤、腎炎なら炎症を抑える漢方、結石なら石を溶かす漢方、癌なら西洋医学的、手術、放射線、東洋医学的には免疫力、抗酸化力、食養生など、前立腺肥大症なら駆お血薬。

頻脈

 脈が不規則に打つ不整脈のうち、正常よりも脈が速くなることを頻脈と言います。脈が速くなる病気はいくつかあります。脈が規則正しく速いものと、脈が乱れてしまうものがあります。一番大切なのはご自身で脈を診ていただくこと(検脈)です。方法はいたって簡単です。手のひら側の手首、首筋にもう片側の3本の指を脈の触れる箇所に当ててみます。脈がどれくらいの速さなのか、規則正しいのか、乱れているか、脈が触れにくいなどを見ていただけると診療の参考となります。脈が規則正しく速いものの多くは、発作性上室性頻拍症と呼ばれるものです。その他には心房粗動と呼ばれるものや心室頻拍と呼ばれるものがあります。これらの多くはカテーテルの治療を行っていただくと完全に治すことができます。
脈が乱れているものの多くは、心房細動という不整脈です。この心房細動は厄介な不整脈です。脈が速くなり心不全を生じることがあります。また心臓の中に大きな血の塊(血栓)を作ってしまうことがあります。この血栓が血管を通じて飛んでしまうと、脳梗塞などを起こすことがあります。心房細動に関しても近年カテーテルの治療で予防できるようになっております。正常な脈拍は1分間に60~100回程度とされていますが、1分間の脈拍が100回以上の場合に頻脈とみなされて、これが120回以上の時には病気が原因で起こっていることが疑われるため、精密検査が必要になります。120回以上の頻脈では、全身に血液を効率的に送ることができなくなるので注意が必要です。もし脈拍を測られて100~120回以上の心拍数である場合、頻脈である可能性が高いと言えますので、精密検査を受けましょう。症状として動悸、息切れ、胸痛、めまい、立ちくらみ、失神、痙攣をともなう失神、心房細動(心房の痙攣)があります。心臓は微弱な電気信号により規則正しい脈拍を保っていますが、狭心症や心筋梗塞、心不全、虚血性心疾患などが原因で電気信号に異常が起こると頻脈などの不整脈が発生します。 心疾患以外にも、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患などで起こるほか、疲労の蓄積やストレス、飲酒・喫煙、睡眠不足などが原因で起こることもあります。頻脈を診断する検査として、心電図検査(12誘導心電図・ホルター心電図)や超音波エコー検査(心エコー)などがあります。

漢方と鍼灸

 まず病院での検査は大事です。また脈が規則正しいか不規則かは自分でも確かめられます。そして症状、血圧測定、現病歴、疲れ、ストレスなどと心臓のツボ、自律神経のツボ、血圧のツボなど関係のある個所から漢方食養生ツボを選択します。

夜尿症

 夜尿症とは、いわゆる“おねしょ”のことで、夜間睡眠中に無意識のうちに尿が漏れてしまう病気のことです。ヒトは排尿習慣が身につくようになる2~3歳ごろまでは、睡眠中でも無意識のうちに排尿します。このように排尿習慣が未熟なために生じるおねしょを夜尿症とは呼びません。また、排尿習慣が整った後も就寝前に飲み物を多く取ったなど、些細なことが原因でたまにおねしょをするのはよくあることです。しかし、5歳を過ぎても1か月に1回以上の頻度でおねしょをする状態が3か月以上続く場合は“夜尿症”と診断されます。7歳のころは約15%が夜尿症であると考えられていますが、年齢を重ねるごとに有病率は減少していきます。その一方で、成人になっても夜尿症が改善しないケースもあり、夜尿症に気付いた段階で適切な生活指導や治療を開始することが望ましいと考えられているのが現状です。夜尿症の根本的な原因は、膀胱内にたまった尿の量が膀胱の許容量を超えてしまうことです。当然ながら、睡眠中も日中と同じく腎臓では尿が産生されますが、脳下垂体から“抗利尿ホルモン”と呼ばれる尿の産生を抑制するホルモンが睡眠中により多く分泌されるようになるため、尿量は日中よりも減少します。しかし、多くの尿がたまって膀胱の壁が刺激されると、就寝中でも尿意を感じるようになります。通常は睡眠中であっても尿意を感じると目が覚めるものですが、小児は眠りが深いため尿意を感じても覚醒することができず、結果として尿失禁を引き起こすと考えられています。さらに、小児は膀胱の大きさや機能が未熟なため、多くの尿を蓄えられず、尿意を感じる前に膀胱が収縮して尿失禁を引き起こしやすいのも1つの要因です。そのほか、精神的なストレスや環境の急激な変化なども夜尿症の原因となることがありますが、現時点では夜尿症とそれらの要因との関連は解明されていません。また、夜尿症は“おねしょ”以外の症状は見られず、睡眠中に無意識に尿失禁を引き起こすため痛みなどの苦痛はないと考えられています。しかし、年齢が上がっても夜尿症が続く場合は、宿泊を伴う学校行事を極端に嫌がったり、自己否定感が強くなって親や友人とうまくコミュニケーションが取れなくなったりするといった精神的な問題を生じることも少なくありません。夜尿症が疑われるときは尿に細菌などが混入していないかを調べる検査を行うことがあります。これは、頻尿を引き起こす膀胱炎などを鑑別するための検査であり、そのほかにも尿たんぱくの有無や尿の濃さなどで腎機能を簡易的に評価することも可能です。夜尿症を改善するためには生活改善を行うことが必要です。具体的には、夕方以降は水分の摂取を控えめにする、就寝前に排尿を済ませる、利尿効果のあるカフェインを含んだ飲料を控えることなどが挙げられます。生活指導を行っても症状が改善しない場合は、尿の産生を抑える抗利尿ホルモン剤や膀胱の筋肉を緩めて容積を大きくする抗コリン薬などを用いた薬物療法が行われます。下着やオムツに尿漏れを感知するセンサーを装着し、尿失禁が生じる前にアラームが鳴って排尿行動を促す治療法です。尿意が生じても目が覚めずに尿失禁をしてしまうタイプの夜尿症の治療によいとされており、訓練を繰り返すことで自然に尿失禁がなくなっていくケースも多いことが分かっています。夜尿症は前述のとおり、深い睡眠や膀胱の未熟さなどによって引き起こされるものです。これは小児の身体的な特徴でもあるため、夜尿症を高い確率で予防する方法は残念ながらないのが現状です。

漢方と鍼灸

 脳、胃腸、腎、膀胱、冷えが原因。小さい子はまだ成長過程で、深い眠りに入りやすく、そのため脳からの指令がうまくいかずホルモンが分泌できない状態です。また胃腸が虚弱で冷えやすく、疲れやすい、気の巡りが悪い状態の場合もあります。自律神経のツボ、脳下垂体、腎臓、膀胱、脾胃から漢方食養生つぼを選択します。

尿道炎

 尿道炎とは、病原体が尿道口から侵入して尿道の粘膜に感染し炎症を引き起こす病気です。尿道炎は性感染症に含まれ、主に性行為によって淋菌やクラミジアなどに感染することで生じます。発症すると男女ともに、排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状がみられ、尿道口から膿が出ることもあります。尿道炎では病原体に対する薬を用いて治療を行いますが、病原体によって効果的な薬が異なるため、症状がある場合には泌尿器科を受診して検査・治療を受けることが大切です。また、尿道炎の多くは性行為によって起こることから、セックスパートナーも一緒に検査と治療を受ける必要があります。尿道炎のもっとも一般的な原因は、淋菌感染症(淋病)の原因菌である“淋菌”と、クラミジア感染症の原因菌である“クラミジア・トラコマチス”です。これら2つの細菌に同時感染する例も多くあります。そのほか、マイコプラズマ・ウレアプラズマなどによって尿道炎を引き起こすことがあり、このような細菌・ウイルスは通常、性行為によって尿道から入り込んで感染します。感染は普通の膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)によっても起こります。この場合、セックスパートナーの咽頭に病原体が潜んでいると考えられます。尿道炎を起こしても無症状の場合もありますが、通常は男女ともに排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状が現れます。淋菌やクラミジアが原因の場合、尿道口から透明~黄緑色の膿が出ることもあり、特に男性で多くみられます。淋菌性尿道炎は潜伏期間3~7日、クラミジア性尿道炎では潜伏期間1~3週と比較的長いです。また、淋菌性尿道炎は発症が急激です。一般的に淋菌では黄緑色の粘々とした膿が大量に出て排尿痛が強く、淋菌以外の病原体では透明の薄い膿が少量出て排尿痛が軽い傾向があります。薬としては、主に淋病にはセフトリアキソン(静脈注射1回のみ)、クラミジアにはアジスロマイシン(経口投与1回のみ)などが用いられます。淋菌とクラミジアの2つの細菌に感染する例も多いため、混合感染を考慮して淋病とクラミジアの治療を同時に行うこともあります。自己判断で治療を中止すると再発する場合があるほか、最初の薬が効かずほかの薬に変更する必要が生じる場合もあることから、医師の指示にしたがって治療を行うことが大切です。また、尿道炎の多くは性行為によって感染するため、ピンポン感染(男女間で互いに感染させる)を防ぐために、セックスパートナーも一緒に検査・治療を受け、完全に治癒するまで性行為を控えるようにしましょう。尿道炎を防ぐために、コンドームを常に正しく使用するようにしましょう。また、膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)でも感染するということを十分に理解し、感染が疑われる相手との性行為を避けることが大切です。

漢方と鍼灸

 抗生物質が飲めない、飲んでも効かないなどで悩んでいる場合、漢方の抗菌剤の中から同定してお出しします。また炎症を取りながら洗い流す作用のものも必要です。

腎嚢胞

 腎嚢胞というのは腎臓にある液体の塊です。この液体の塊は基本的には無害です。液体の塊が単発でできる方が多いですが、なかには二つ三つ持っている患者さんもおられます。もちろん腎嚢胞がない患者さんの方がほとんどです。腎臓の表面に液体の塊がポンとついていて、それが一つから数個腎臓にあるのが腎嚢胞と呼ばれるものです。腎嚢胞は特に治療は必要ありません。基本的には放置します。ただしあまりにも腎嚢胞が大きくなってきてお腹に圧迫感を出したり、何か症状が出てくる場合や嚢胞性腎がんといって腎臓の嚢胞にガンを合併している時があります。お腹に圧迫感がある場合は嚢胞の中の液体を抜きます。また腎嚢胞が多発することで腎機能が悪化するタイプがあります。腎嚢胞の原因はよくわかっておらず、年齢とともに多くの人に発生し、エコー検査やCT検査の際に偶然に発見されます。腎嚢胞が多発するタイプのものでは、遺伝が関係しているものもあり家族性に発生します。まれに腎嚢胞に感染を起こし熱が出る場合があります。抗生剤の投与だけで治る場合もありますが、時に腎嚢胞を穿刺して、感染した中の液体を排出する必要がある場合があります。まれに腎嚢胞内に出血を起こす場合があります。出血に伴って、腎嚢胞のある側の腰痛を認めます。腎嚢胞内に出血を認める場合、その原因となりうる悪性腫瘍の発生を疑う必要があります。非常にまれですが大きな腎嚢胞で破裂する場合があります。まれに腎嚢胞が腎の中心部に発生し、尿路を圧迫し尿の流出の抵抗となる場合があり、そのため腎盂が腫れ、いわゆる水腎症と呼ばれる状態になる場合があります。水腎症がある場合、腰部の痛みの原因となる場合があります。腎嚢胞の中に隔壁が存在したり、石灰化していたりする場合は、前述の出血した場合も含めて、腎嚢胞内の悪性腫瘍の存在を疑います。CT検査やMRI検査などの画像検査で精査します。腎嚢胞が多発する疾患があり、多発性嚢胞腎という疾患があります。遺伝する病気で家族性に発生します。腎嚢胞が多発することによって、腎機能が低下し腎不全になる場合があります(難病指定)。

漢方と鍼灸

 まずは癌かどうかの鑑別が大事ですね。腎臓と癌の反応穴で確認し漢方食養生ツボを選択します。液体の塊ができることから水毒、血尿がある場合はお血を考えます。また癌の場合は免疫力の低下で気虚も考えます。

遊走腎(下垂腎)

 腎臓というのは、立ち上がる際に数cm反動で動いたり、呼吸に応じてちょっと上下に動いたりします。一般的に、腎臓は一時的に動いても元のところにすぐに戻ります。しかし、自然なこのような動く範囲をオーバーしてずっと下の方に腎臓が動いた状態を、遊走腎あるいは腎下垂と言います。極端な場合は、腎臓が骨盤の中にまで動いて下がることもあります。特に、遊走腎は、右の腎臓のみによく発症する傾向があります。ほとんどの場合は、腎臓の機能が遊走腎によって悪くなることはありません。しかし、腎臓が下がることによって、膀胱と腎臓を結んでいる尿管が曲がって尿がよく流れなくなれば、腰痛やわき腹痛が起きる場合があります。また、腎臓に繋がっている血管の動脈や静脈などが曲がると、むかつき、食欲不振、嘔吐などの消化器症状、タンパク尿、血尿、高血圧が起きる場合もあります。腎臓は脂肪で周りがサポートされていますが、発育が良くなくて脂肪量が多くなかったり、背筋・腹筋が強くなったりすれば、腎臓をサポートする力が弱くなってよく遊走腎が起きるようになります。そのため、遊走腎が多く現れるのは瘦せた女性の場合です。同じような理由で、遊走腎の場合は、同時に腸下垂、胃下垂が現れることも多くあります。また、腎臓に繋がっている血管や尿管がもともと異常に長い場合は、血管や尿管がねじれたり曲がったりしやすいため、遊走腎が起きやすくなります。遊走腎の症状としては、腰痛、鋭いわき腹や腰の痛みがある(横になれば軽くなる)、むかつき、食欲不振、吐き気がする、たんぱく尿、血尿が出る、あまり尿が出ない、尿が出にくいなどがあります。遊走腎の場合でも、実際には自覚症状が全くない場合がほとんどです。遊走腎の場合は、歩いていたり立っていたりする際には、下に腎臓が動いて腰痛などが悪くなります。しかし、横になっていれば元のところに腎臓が戻って、症状が軽くなります。また、わき腹に触れると腎臓があるところは確認できるので、腎臓があるところが寝ている場合と立っている場合で違っていると遊走腎の可能性があります。尿検査を、たんぱく尿や血尿があるかどうかを調査するために行う場合もあります。診断を正確に行うために、造影剤を静脈に注射してレントゲン撮影をします。
体の中の画像が造影剤によって詳しくはっきりと映るため、遊走腎の状態が分かります。西洋医学の治療法は、保存療法を遊走腎で行う場合は、痩せていれば、腎臓の周りの脂肪を増やして、腎臓を補強したり支えたりします。理学療法というのは、十分に運動機能がない場合に、筋肉などを強くするものです。遊走腎の理学療法は、脂肪組織として腎臓の周囲にあるものを強くするために、背筋や腹筋を強くします。脂肪を付けることが、遊走腎を予防する方法としては大切です。また、いいバランスの食事を摂ることによって、腎臓の周りにある脂肪も多くなります。そのため、ダイエットを過剰にしないで、普段の食事にも注意すると遊走腎を予防することができます。いいバランスの食事を摂っていればそれほど太らなく、食事が偏ると瘦せたり太ったりするため、可能な限りいいバランスの食事になるようにすることが大切です。また、長い時間立ったままの場合はひどい症状になるため、立ったままの姿勢を可能な限り短い時間にすることも一つの予防法になります。仕事などで立ったままの姿勢がどうしても長くなる場合は、できるだけ座るようにして症状が悪くならないようにしましょう。

漢方と鍼灸

 下垂を治すのは漢方の得意分野です。代表的な漢方は補中益気湯ですがもっと効かせるものがあります。証に合わせて選択します。腎臓、おなかの状態、舌診、全身状態をよく見て
最後糸錬功を使って漢方食養生ツボを選択します。運動や食養生もオーダーメイドです。
食後は少し横になりましょう。

腎盂腎炎

 腎盂腎炎とは、腎盂・腎杯さらに腎実質が細菌性によって炎症を起こしている状態で、細菌が膀胱から尿の流れとは逆行性に侵入することによって生じる感染症です。腎盂とは、腎臓と尿管の接続部分のことです。腎臓で作られた尿は腎杯を経由して腎盂に集まり、さらに尿管から膀胱へと流れていきますが、通常は無菌状態です。腎盂腎炎は膀胱炎の後に起こることが多く、多くは左右対にある腎臓のうち、片方に起こります。急激に発症し、臨床症状や炎症所見が強いものを急性腎盂腎炎、比較的症状が軽く微熱や食欲不振などが主症状であるため経過が長く続くものを慢性腎盂腎炎と呼びます。慢性腎盂腎炎は目立った症状がないことも多く、進行すると慢性腎不全に移行することもあるため注意が必要です。腎盂腎炎は細菌感染によるものであり、もっとも多い病原菌は大腸菌です。通常は膀胱炎を起こした後、細菌による炎症が尿管を通して腎盂に波及することで生じます。しかし、膀胱炎を発症すると必ず腎盂腎炎になるわけではありません。腎盂腎炎を併発する場合には、さまざまな要因があります。その要因として、性周期(生理)や性行為などによる陰部の不衛生、結石、腫瘍、前立腺肥大 尿道カテーテル留置、妊娠、糖尿病、ステロイド治療、抗がん剤治療、馬蹄腎、膀胱尿管逆流症 など急性腎盂腎炎はどの誘因でも起こり得ますが、慢性腎盂腎炎は主に解剖学的異常が要因となります。急性腎盂腎炎の症状は、非常に強い炎症反応が生じ、高熱(弛張熱)や悪寒戦慄、強い腰痛(罹患側の腎部痛)などが生じます。早期に適切な治療を行わなければ敗血症に至ることもまれではありません。また、結石や腫瘍が誘因となっている場合には、尿の量が少なくなったり血尿がみられたりすることもあります。多くは適切な治療で治り、急性腎不全にならないことも特徴の1つです。それに対して慢性腎盂腎炎は、一般的に自覚症状が少ないことが特徴です。長引く食欲不振や倦怠感があり、徐々に腎臓の機能が低下することで尿を濃縮する能力が低下し、夜間の多尿や尿の色が薄くなるなどの症状が現れます。自覚症状が少ないため気付かれないことも多く、治療せずにいると慢性腎不全に移行することがあります。腎盂腎炎の治療の主体は抗菌薬の投与です。原因菌に適した抗菌薬の使用が必要ですが、尿路感染症に効きやすいペニシリン系やセフェム系、ニューキノロン系などが多く使用されます。通常は発症時のみに使用されますが、乳幼児の繰り返す腎盂腎炎には予防的に抗菌薬を長く服用することもあります。慢性腎盂腎炎の場合には長期の抗菌薬療法が基本となります。

漢方と鍼灸

 菌をたたき炎症を止めることが大切です。抗生物質が合わない方は漢方の抗菌作用の生薬がありますのでご相談ください。抗生物質の長期連用は耐性の問題があります。慢性腎不全にならないよう早めの治療をお勧めいたします。腎臓、菌の反応を中心に経絡から漢方食養生ツボを選択できます。