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聴覚過敏

 聴覚過敏は,聴覚異常感の中でも耳鳴に次ぐ頻度で生じています。原因疾患を治療できれば改善しますが,原因を確定できないものがあります。
 聴覚過敏とは何か 「響く」,「割れる」,「エコーがかかる」などと表現され,ときに耳痛を伴います。多くが不快感,恐怖,苛立ちなどの感情を伴う場合があります。これは、聞こえ方の変調だけでなく,誘発される耳痛,頭痛,めまい,頸部の違 和感や疼痛,共感覚で生じることもあります。きっかけになる音声は限定される場合もそうでない場合もあります。音量もさまざまになります。
 聴覚過敏の原因は一つだけでなく、耳の機能的な問題や脳機能の影響、ストレスの影響などさまざまなことが考えられています。人によって何が原因となるかは異なります。
 聴覚過敏の原因として耳の機能の問題が考えられます。人間の耳には外部から入ってきた音を調節する内耳という器官があります。普段は大きすぎる音が耳に入ったとしてもうまく調整しているのですが、メニエール病などにより内耳の働きに異常が出て、音の調節などがうまくいかないと、聴覚過敏が生じる可能性があります。
 脳機能の影響も聴覚過敏の原因の一つと言われています。生まれつきの脳機能の偏りで生じると言われる発達障害のある方の中には聴覚過敏などの感覚過敏がある方も多くいると言われています。また、同じ脳機能の影響として、てんかんがある方にも聴覚過敏が見られることがあると言われています。
 さまざまなストレスも聴覚過敏の原因になると考えられています。大きなストレスを感じると神経が過敏になることがあり、普段は気にならない音でも不快感を伴って聞こえる聴覚過敏と同じような状態になることがあります。
 また、もともと聴覚過敏がある方もストレスや体調不良が重なるとより不快な音として感じるということもよくあると言われています。
 聴覚過敏は多くの方は気にしないような音でも、不快に感じて集中力が低下したり、心身に不調が出たりすることもある状態のことです。
 聴覚過敏があることで、日常生活や職場では「些細な音が気になって仕事に集中できない」「急に声を掛けられると混乱してしまう」「客先などで人がたくさんいるとひどく疲れてしまう」などの困りごとが考えられます。
 聴覚過敏の対策としては、イヤーマフなどの音を減らすツールの使用や、席の変更など自分でできること、周りに協力してもらうことなどがあげられます。

漢方と鍼灸

 患者様の望聞問切から精神的ストレスのツボ、耳がなっている部位、頸動脈辺りのツボ、上咽頭、全身をくまなくみて臓腑経絡、経筋から漢方食養生食品、鍼灸治療のツボを選択し、治療していきます。

煎じ

香蘇散(香附子・陳皮・蘇葉・甘草・生姜)『和剤局方』
気の流れを良くします。
桂枝竜骨牡蛎湯(桂枝・芍薬・生姜・甘草・大棗・竜骨・牡蛎)『金匱要略』
苓桂朮甘湯(茯苓・桂枝・甘草・白朮)『傷寒論』
半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
など(薬局製剤以外も含む)

心因性嘔吐(神経性嘔吐)

 心因性嘔吐は、原因となる疾患がなく、心理的なストレスが原因で慢性的に何度も嘔吐することをいいます。嘔吐はなくても吐き気があればこの病名が使われます。
 心因性嘔吐は、自律神経失調症(身体表現性障害)や機能性ディスペプシア(FD)の一症状とされることもあります。また吐き気は過食症や対人緊張などでもよく見られます。
心因性嘔吐の吐き気は、緊張する会食など、場面が限定されていたり、午前中だけなど特定の時間帯に偏っていたり、逆に終日症状が続くといったものがあります。
 吐き気の原因を本人が自覚しているとは限りません。このため吐き気以外の症状の有無や、症状の特徴、吐き気が出やすい状況などから原因を探します。
 ストレスは、精神的な負担だけでなく、身体的にも不調を引き起こすことがあります。
特に胃腸の働きは、自律神経のバランスが密接にかかわっているため、ストレスによる不安や緊張などが続くと、胃の粘膜を刺激し吐き気やおう吐を引き起こすことがあります。
吐き気は、脳のおう吐中枢が刺激されることで起こります。ストレスにより胃腸の状態が悪くなっている時に、迷走神経やおう吐中枢が刺激されると吐き気やおう吐につながることがあります。
ストレスが原因の場合は、意図せずに条件反射で吐き気が引き起こされるため、病院などで検査してもその原因をはっきりと特定できない場合がほとんどです。
ストレスがかかって吐き気が起こることは病気ではありません。しかし、ストレスが原因で吐き気を伴う疾患を発症することがあります。ストレスが原因で吐き気以外にも、腹痛や胸やけ、下痢、胃痛などを引き起こすことがあります。
ひどい場合は、過敏性腸症候群、急性胃腸炎、慢性胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった疾患を引き起こすことがあります。

漢方と鍼灸

 脳と胃腸の関係から起こる病気ですので、自律神経のツボ、胃のツボ、腸のツボ、腹痛箇所から経絡に落とし込んで漢方ツボ食養生を選択します。 

11月のお休みと営業時間

【お休み】
11月11日(月)・16日(土)・17日(日)・18日(月)・20日(水)

【営業時間】
火~金曜日:10時~19時
土・日・月・祝祭日:10時~17時(来店前に要確認)
※2日(土)・3日(日)・4日(月)・9日(土)・10日(日)・23日(土)・24日(日)・25日(月)・30日(土)

ご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。

リラックスして、秋の収穫をお楽しみください。

自己免疫性胃炎(A型胃炎)

 自己免疫性胃炎(A型胃炎)は、自己免疫的機序により胃底腺領域の高度粘膜萎縮を認め,ビタミンB12や鉄などの吸収障害が起こり,神経内分泌腫瘍や胃癌を合併することがあります。胃底腺領域の萎縮が内視鏡や生検組織などで認められ,抗壁細胞抗体や抗内因子抗体が陽性となり,ガストリン値が高値,ビタミンB12が低値となります。
 慢性胃炎はA型胃炎とB型胃炎の二つに分けられています。A型胃炎の特徴は,胃幽門前庭部の粘膜が正常で、抗壁細胞抗体が陽性になります。胃体部にびまん性炎症がみられること,胃酸分泌が高度に障害されます。B型胃炎の特徴は,胃幽門前庭部にも炎症を認めること,抗壁細胞抗体が陰性であること,胃体部に巣状の炎症がみられること,胃酸分泌が中等度に障害されます。現在,A型胃炎は自己免疫性胃炎(A型胃炎)に,B型胃炎は,Helicobacter pylori(ピロリ菌)感染による慢性胃炎になります。
 自己免疫性胃炎は,無症状のまま緩徐な進行を示し,病後期に出現する症状も非特異的なため,診断されていない症例が多いようです。以前は,北欧の高齢女性に多い疾患と考えられていましたが,人種差や年齢差はないと考えられています。他の自己免疫疾患と同じように,女性の頻度が高いです。また,1型糖尿病や自己免疫性甲状腺疾患では,自己免疫性胃炎発生率は5-10倍高くなるなど,他の自己免疫疾患との合併が多いです。
 H+/K+-ATPaseに対する自己免疫反応が起こり,壁細胞が破壊されて酸分泌粘膜の機能が低下します。壁細胞が存在する胃底腺領域の高度萎縮および腸上皮化生が起こりますが,幽門腺領域の萎縮は起こらないことが特徴です。
 壁細胞の破壊により胃酸および内因子の分泌が低下します。胃酸分泌の低下により,胃幽門前庭部に存在するG細胞からガストリン分泌が増加します。鉄吸収には胃酸が重要ですが,胃酸分泌が低下することにより,鉄吸収が障害され,鉄欠乏性貧血を呈します。高ガストリン血症によりECL細胞が刺激され,その過形成から神経内分泌腫瘍が発生します。内因子分泌低下および抗内因子抗体によりビタミンB12の吸収が阻害され,ビタミンB12欠乏症状になります。ビタミンB12欠乏により,巨赤芽球性貧血などの血液学的および神経学的な異常がおこりやすくなります。また,慢性炎症により胃癌の危険度は約3倍となります。
自己免疫性胃炎自体の自覚症状はなく,胃粘膜萎縮が高度になり,胃酸分泌低下やビタミンB12などの吸収障害による症状をきたすまで,長期間にわたり無症状なことが多いです。

漢方と鍼灸

 免疫が深く関係していることから、ストレス、自律神経のバランスも影響していると考えられます。自己免疫、自律神経、胃の調子、ストレスなどの反応穴から経絡に落とし込んで漢方ツボなどを探していきます。

アデノイド肥大

 アデノイドは鼻の奥の上咽頭に位置するリンパ組織のひとつで、 5~6歳頃をピークに肥大(生理的肥大)して、その後10歳頃までに自然に退縮していきます。
 鼻の突き当たりの部分であり、鼻からのどに移行する部分でもある上咽頭にあるリンパ組織のかたまりをアデノイドといいます。このアデノイドが色々な原因で大きくなり、鼻や耳に様々な症状を引き起こす場合をアデノイド肥大と呼びます。
 小さい子どもは骨格や筋肉が十分発育していないので、相対的にアデノイドや口蓋扁桃ののどに占める割合は大きくなります。アデノイド肥大は子ども特有の病気で、何が原因で病的に大きくなるのか、症状が現れるのかははっきりとしていません。
 アデノイドの肥大によって耳とのどをつなぐ管が閉塞すると、 耳の閉塞感や難聴など耳の症状があらわれます。鼻からのどにつながる部位が閉塞すると、 鼻づまりや鼻声など鼻の症状に加えて、口呼吸やいびきなどの呼吸器症状がみられます。 進行すると中耳炎や副鼻腔炎、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす場合もあります。
 軽症な場合や3歳未満の乳幼児では、保存療法が基本です。保存療法とは、 経過観察して自然に退縮するのを待ちながら、慢性的な炎症に対して、 点鼻薬や抗菌薬など必要な薬を使う治療法です。保存療法で効果が無い場合や重症の場合には、 アデノイドを切除する手術が行われます。

漢方と鍼灸

 体質を確認し、アデノイドや風毒塊(細菌やウイルスの反応がでるツボ)の波長から臓腑経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

煎じ

葛根湯(葛根・麻黄・桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗)『傷寒論』
鼻閉塞を主症状とし、頭重・頭痛がある時に使われます。
小柴胡湯(柴胡・黄芩・半夏・人参・大棗・生姜・甘草)『傷寒論』
頸部リンパ節が腫れたり、神経過敏がある時に使われます。
小建中湯(柴胡・黄芩・人参・半夏・甘草・生姜・大棗)『傷寒論』
体質虚弱で風邪をひきやすく、疲れやすい方に使われます。
荊芥連翹湯(荊芥・連翹・防風・当帰・川芎・芍薬・柴胡・枳実・黄芩・山梔子・白芷・桔梗・甘草)『万病回春』
慢性鼻炎や慢性中耳炎などの合併症のある方に使われます。
・黄柏煎
など(薬局製剤以外も含む)

卵管閉塞(卵管狭窄)

 卵管とは子宮の左右両側にある長さ約10cmの細い管です。この卵管が詰まったり、狭くなる状態を卵管閉塞(卵管狭窄)といいます。これにより精子と卵子が受精できなくなります。
 卵管は、卵巣から出てきた卵子を卵管采でキャッチし、子宮に運ぶ重要な役割をしています。子宮から泳いできた精子と卵子が出合い、受精する場所でもあります。そのため、卵管が閉塞してしまうと受精できなくなります。また、狭窄があると、受精はできても、受精卵が子宮までたどり着けず着床できない、卵管の途中で着床して卵管妊娠となる場合があります。
 自覚症状がなく、不妊検査ではじめてわかることが多いです。完全にはわかっていませんが、感染症や子宮内膜症などが原因と考えられています。

卵管閉塞(卵管狭窄)の検査・診断

 子宮卵管造影では、子宮の位置、形態、卵管の通過性や走行、腹腔内で卵管采が腹膜や子宮、直腸などに癒着しているかどうかなどを調べます。卵管に軽度の通過障害がある場合、この検査をすることによって卵管の通過性がよくなることがあります。そのほか、卵管通気法・通水法、子宮鏡検査や卵管鏡検査などがあります。

西洋医学での治療法

 卵管鏡下卵管形成術があります。卵管鏡を用いて卵管内にバルーンカテーテルを挿入し、閉塞(狭窄)がある部分をバルーンで膨らませることにより、広げて開通させる手術です。

基礎体温の傾向

 低温期から高温期に徐々に上がるという傾向があります。

漢方と鍼灸

 おもな原因はお血(血の滞り)と水毒(水の滞り)を考えます。血液の流れを良くして、余分な水を取り除くことを考えます。黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、子宮、頸管、卵巣、卵管、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを導き出します。

・桂枝茯苓丸(桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬)『金匱要略』
桃仁・牡丹皮に駆お血作用があり内出血や腫瘤を除きます。
・六君子湯(人参・白朮・茯苓・半夏・陳皮・大棗・甘草・乾姜)『得効方』
体質が虚弱で、皮膚や筋肉の緊張が悪く、弛緩体質の方に使われます。
・桃核承気湯(桃仁・大黄・甘草・芒硝・桂枝)『傷寒論』
・温経湯(呉茱萸・当帰・川芎・芍薬・人参・桂枝・阿膠・生姜・牡丹皮・甘草・半夏・麦門冬)『金匱要略』
・折衝飲(芍薬・桃仁・桂枝・紅花・当帰・川芎・牛膝・牡丹皮・延胡索)『産論』
・紅花当帰散(当帰・川芎・芍薬・熟地黄・香附子・枳殻・延胡索・厚朴・茴香・柴胡・陳皮・三稜・莪朮・牛膝・紅花・甘草・生姜)『寿世保元』
など(薬局製剤以外も含む)

過多月経

 過多月経とは、出血量が異常に多いものを言います。一般的には140ml以上の出血で、コアグラ(レバーのような血のかたまり)を認めます。また過長月経といって生理の日数が8日以上のものを意味する表現もあります。目安としては、日中でも夜用ナプキンをつけていることなどが挙げられます。そのナプキンが2時間もすれば飽和状態になり漏れてしまう、といった場合は、過多月経の可能性が高くなります。いずれも貧血をきたしてしまうような生理の量が多い状態を表しています。
 この診断を受けるのは女性の7~8%といわれています。実際はさらに多くの人が過多月経であり、決して珍しい病気ではありません。なぜかというと、経血量は人と比べる機会がないため自己判断が難しく、自覚がない人もたくさんいるからです。過多月経は、子宮やホルモンの不調が出やすい40代以降に多い病気です。そのため、こうした症状は、加齢や更年期などに起こるものだと誤解して見過ごされやすくなります。
 過多月経の原因としては、子宮やホルモンの異常が考えられます。
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となって過多月経や過長月経を引き起こしている可能性があります。
 また稀に血液凝固異常によるケースもあります。それは子宮内膜における止血作用がうまく働かないことが考えられます。経血は剥がれ落ちた子宮内膜と子宮内腔からの出血が合わさったものです。子宮内腔からの出血への止血作用が不十分な場合にも、過多月経になります。
 症状としては、経血にコアグラ(レバーのような血のかたまり)をみられます。そして経血の中にはプロスタグランジンなどの痛みを誘発する物質が含まれますので、経血の量が多いことにより通常の方と比べ、強い子宮の過収縮・血管の攣縮・子宮筋の虚血などが起こり、ひどい生理痛となってしまいます。そのため、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、悪心、頭痛などが強く、日常生活に支障をきたしてしまうケースがあります。
 検査は、超音波検査や血液検査が行われます。超音波検査では、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などがないかを観察します。血液検査では、過多月経の原因となる子宮やホルモンの病気が見つかる場合があります。

西洋医学での治療

 検査によって子宮やホルモンなどの病気が見つかった場合は、その治療が行われます。過多月経には原因がはっきりとしないケースも多くみられるため、その場合は経血量をコントロールする治療が行われます。低用量ピルの内服や黄体ホルモン製剤(ミレーナあるいは内服)が使われます。

漢方と鍼灸

 不妊症の反応穴、黄体ホルモンの反応穴、卵胞ホルモンの反応穴、抗体の反応穴、甲状腺、乳頭、子宮、頸管、卵巣、卵管、精索静脈、精巣、自律神経・更年期の反応穴、衝脈、帯脈などから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを導き出します。

煎じ

桂枝茯苓丸(桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬)『金匱要略』
桃仁・牡丹皮に駆お血作用があり内出血や腫瘤を除きます。
桃核承気湯(桃仁・大黄・甘草・芒硝・桂枝)『傷寒論』
黄連解毒湯(黄連・黄芩・黄柏・山梔子)『外台秘要』
温清飲(当帰・芍薬・地黄・川芎・黄連・黄芩・黄柏・山梔子)『万病回春』
芎帰膠艾湯(川芎・阿膠・甘草・艾葉・当帰・芍薬・地黄)『金匱要略』
・医王湯(黄耆・甘草・人参・当帰・陳皮・升麻・柴胡・白朮・生姜・大棗)『脾胃論』
・紅花当帰散(当帰・川芎・芍薬・地黄・香附子・枳殻・延胡索・厚朴・茴香・柴胡・陳皮・三稜・我朮・牛膝・紅花・甘草・生姜)『寿世保元』
・柴胡疎肝湯(当帰・川芎・芍薬・地黄・桃仁・牡丹皮・柴胡・桂枝・枳殻・紅花・青皮・甘草・大黄・芒硝)『一貫堂』
・大膠艾湯(阿膠・艾葉・甘草・当帰・川芎・乾姜)『備急千金要方』
・秘蔵益胃升陽湯(柴胡・升麻・甘草・当帰・陳皮・人参・神麴・黄耆・白朮・黄芩)『蘭室秘蔵』
・伏龍肝湯(伏龍肝・地黄・生姜・甘草・艾葉・赤石脂・桂枝)『備急千金要方』
・茯苓保身湯(当帰・川芎・芍薬・熟地黄・陳皮・半夏・茯苓・桔梗・枳殻・前胡・葛根・紫蘇葉・人参・木香・甘草・生姜・大棗)『医塁元戒』
・補中益気湯(黄耆・甘草・人参・升麻・柴胡・陳皮・当帰・白朮・生姜)『内外傷弁惑論』
など(薬局製剤以外も含む)

基礎体温から見る漢方と養生

 漢方理論の①気虚、②血虚、③腎虚、④気滞、⑤お血、⑥熱証の6つの体質と基礎体温には深い関係があります。体質チェックしてみませんか。

①気虚タイプ(疲れやすく、胃腸が弱い)

 気虚はエネルギー不足で身体の機能が低下した状態です。疲れやすい、元気がない、気力がない、息切れや動悸がする、ちょっと動くと汗をかく、風邪をひきやすく治りにくいといった特徴があります。また、食が細く、食欲不振、食べたいと思ってもあまり食べられない、軟便、下痢をしやすいといった胃腸の弱さも気虚の体質をあらわします。見た目は色白でやせ型か、ぽっちゃりとした水太りで汗かきの方が多いです。病院では黄体機能不全といわれることもありますが、特に問題なしといわれることも多いです。

◎気虚の基礎体温

 気虚の女性は、高温期が短くなる場合、高温期の基礎体温が低くなる場合と、高温期の途中で基礎体温が下がる場合があります。また、低温期の基礎体温が低くなったり、低温期が短くなったりする方もいます。

◎気虚に用いる代表的な漢方薬

 気虚の体質改善には、体を元気にするような漢方薬や、胃腸の働きを高める漢方薬を用いることが基本になります。

◎気虚の方の体質チェック



◎気虚の養生法

 気虚はエネルギー不足で、体の機能が低下した状態です。オーバーワークや、食べ物から「気」を作り出す「脾」の機能(胃腸の働きに近い機能)が弱まっていること、汗のかきすぎなどが原因の事が多いです。

 そのため、やりすぎに気をつけて適度に運動する、適度に休息をとる、夜更かしをせず早寝早起きを心がけて十分な睡眠をとる、といったエネルギーを消耗しないで体力を補う習慣がおすすめです。
食事に関しては、気を作り出す「脾」の働きを高めることが基本です。「脾」の働きを高める食べ物は、噛むと甘くなる食べ物(穀物、イモ類)です。穀物を中心にバランスよく食べるようにしてください。穀物が甘く感じるまで、よく噛んで食べることがポイントです。そして、食べすぎない事も大切です。油っこいものや冷たいもの、生ものの食べすぎは「脾」の働きを低下させるので、できるだけ控えてください。

②血虚タイプ(女性ホルモン不足で貧血)

 血虚は、女性ホルモン不足と貧血が混ざったような状態です。 動悸、息切れ、疲れやすい、立ちくらみなどの貧血状態や、ドライアイ、筋肉がつりやすい、色が広く、髪の毛に白髪が混ざる、皮膚がカサカサしている、といった症状や特徴があらわれやすいです。

 生理の状態については、生理不順(次の生理がくるまで間が空)、経血の量が少ない、月経周期が短い、生理痛、不正出血、更年期障害のような症状などがあげられます。病院で黄体機能不全や貧血といわれる方もいますが、とくに病名がつかないことも多いです。

◎血虚の基礎体温

 気虚の体質改善には、体を元気にするような漢方薬や、胃腸の働きを高める漢方薬を用いることが基本になります。

◎血虚に用いる代表的な漢方薬

 血虚は漢方的には血が不足した状態ですので、血を補う漢方薬を用います。

◎血虚の方の体質チェック



◎血虚の養生法

 血虚は、おもに女性ホルモンの不足や働きの低下、貧血、栄養不足などをあらわしています。血虚は食養生が中心になりますので、毎日の食事が大切です。納豆や豆腐、味噌など、昔から日本人が食べてきた大豆製品をとることが効果的で安全です。また、鶏卵もよいです。貧血がある場合は、赤身のお肉やレバー、ハツ(心臓)などの鉄分を含む食べ物、赤身の魚(マグロ、カツオ)、プルーン、干しブドウなどがおすすめです。

③腎虚タイプ(加齢に伴って生じる機能低下や血虚)

 腎虚は、加齢に伴って体の機能が低下した状態です。具体的には、老化に伴う症状思い浮かべてみてもらうとわかりやすいです。生殖能力の低下、耳鳴り、眼が見えにくくなる、歯がもろくなる、記憶力の低下、足腰が弱くなる、骨粗しょう症、病気にかかりやすくなる、夜間頻尿などが一般的な腎虚の状態です。

 30~40代の女性にはここまでの症状があらわれることはほとんどありません。実際には経血の量が減る、月経周期が短くなる、生理が不定期になる(1周期飛んでしまうなど)、早発閉経、卵胞刺激ホルモン(FSH)の値の上昇、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の減少、卵胞期短縮症、更年期障害などを目安にされるとよいと思います。

◎腎虚の基礎体温

 不妊治療に関しては、腎虚は血虚の延長線上にあると考えると理解しやすいと思います。そのため、基礎体温は血虚に似ており、高温期が短く、高温期の基礎体温が低くなる、または高温期が不安定で途中で下がる形になります。低温期が短くなる場合、基礎体温が全体的に下がってくる場合がある事が、血虚と異なる点です。

◎腎虚に用いる代表的な漢方薬

 腎虚は加齢に伴う症状があるため、プラセンタ(馬や豚の胎盤から抽出したエキス)や、鹿茸と呼ばれる鹿の角など、腎を補う作用の強い動物生薬を選んだ漢方薬を用いることが多いです。

◎腎虚の方の体質チェック



◎腎虚の養生法

 漢方では、老化にともなう体の機能低下を腎虚といいます。腎虚の方は、よく噛んで食べる、ゆっくりでもいいので毎日歩く(適度な運動をする)、適度に休息をとるといったことがおすすめです。「バランスのとれた食事を摂る」「できるだけ鮮度の良い物を食べる」という食養生が大切になります。カップラーメンなどのインスタント食品や揚げ物、時間が経った(酸化した)総菜などは極力控えてください。

④気滞

 気滞は気(エネルギー)のめぐっていない状態です。多くの場合、そのめぐりの悪さが喉のつまりや違和感という症状として出てきます。また、気滞が強くなると、過度なストレスにさらされた状態や自律神経が乱れた状態の事を示します。それがイライラや情緒不安定、気分のムラといった状態で現れることがあります。

 気滞の女性は月経周期がバラバラで早くなったり、遅くなったりします。ひどければ無月経になることもあります。生理前になると体調がおかしくなる人や、生理前に乳房が張りやすい人もいます。 産婦人科ではとくに問題がないと言われることが多いですが、なかには高プロラクチン血症の人もいます。

◎気滞の基礎体温

 気滞が不妊症に影響しているときは、基礎体温がギザギザした形になります

◎気滞に用いる代表的な漢方薬

 気滞の体質改善には、気のめぐりを良くしたり、滞りを改善する漢方薬が使われます。

◎気滞の方の体質チェック



⑤お血タイプ(血液が滞り、女性ホルモンが乱れる)

 お血は血液が滞り、血流が悪くなった状態です。

 頭痛、肩こり、体のどこかに持続的で固定的な痛みがある、手足は冷えるのに頭がのぼせる、物忘れがひどい、痔、冷え性(足先の冷え)などの自覚症状があります。舌をみると、紫色をしていたり、黒い点々があったり、舌の裏の静脈が浮き上がっていたりします。高血圧や動脈硬化、心臓疾患や脳血流疾患などを起こしたことがある人にも多いようです。

 月経に関しては、生理痛がひどい、血の塊が出る、経血がどす黒い、経血の量が多い、生理不順(生理が遅れがち)、無月経などがあります。 病院で子宮筋腫や子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された方に多いです。

◎お血の基礎体温

 お血の基礎体温には大きく2パターンあり、高温期が長く、高温期の基礎体温が高い(低温期と高温期の温度差が大きくなる)ケースと、低温期が短く低温期の基礎体温が高くなるケースがあります。

◎お血に用いる代表的な漢方薬

 お血を改善し、血流を促す漢方薬が使われます。

◎お血の方の体質チェック



◎お血の養生法

 お血は血液が滞り、血の流れが悪くなった状態です。お血の方にとっては、ウオーキングは大事な養生です。できれば1日に20分以上、何も持たず休まず歩くことを週4回以上続けることが血行改善のためにおすすめです。また、湯船につかるという習慣も血行改善になります。食事では、基本的に油ものを控え、小松菜やほうれん草など緑の濃い葉物野菜、海藻類を積極的に摂ることは大切です。ただし、甲状腺機能に問題がある方は、海藻類の摂取はなるべく避けてください。

⑥熱証タイプ(体が熱をもち興奮しやすい)

 熱証は、その名の通り体に熱がある状態です。

 熱証は、体の炎症、体の機能や新陳代謝の亢進、感染症にともなう発熱や精神的な興奮なども含む概念です。症状としては、喉が渇く、のぼせる、便がかたくなる、便秘になる、尿の色が黄色くなる、怒りっぽい、イライラしやすい、赤ら顔、火照りなどがあります。女性の場合は、熱が血に入ることで不正出血といった症状があらわれます。

 ただし、熱証タイプの不妊の方の中には、自覚症状がまったくない方も多くいます。病院でもとくに問題がないと言われることが多いです。

◎熱証の基礎体温

 熱証の基礎体温は、高温期が長く、高温期の基礎体温が高くなる、または低温期が短く、低温期の基礎体温が高くなるなどがあります。

 実際には、不妊治療のために長期にわたってホルモン剤を使用することで基礎体温が上がっている場合や、もともと平熱が高いためこのような基礎体温になるケースもあるので治療する必要のない場合も多いです。

◎熱証に用いる代表的な漢方薬

 熱証の体質改善には、体を冷やす作用がある漢方薬を用います。黄連や黄ゴンの入る漢方薬です。

◎熱証の方の体質チェック



◎熱証の方の養生法

 熱証は体に熱が過剰にある状態です。興奮しやすい人はとくに、ゆっくり食事をとる、ゆっくりお風呂に入るなど、ゆったりといた生活を送ることが養生になります。

 熱証は体に熱がある状態ですから、緑の濃い葉物野菜や夏野菜などの体を冷やす食べ物や、緑茶などの苦みのある飲みものを多めにとり、体の熱を増やすものを控えることがおすすめです。油っこい物や辛い物、お酒の飲みすぎは、体の熱がこもりやすくなるので控えてください。

 養生法をコツコツと続けて、毎日の習慣になっていくと体調も自然を良くなっていくことが多いようです。

心肥大

 心肥大とは、心臓の壁が厚くなって通常よりも大きくなった状態のことを指します。心肥大を引き起こすもっとも多い原因は高血圧とされていますが、そのほかにも心臓弁膜症、先天性心奇形、肥大型心筋症、サルコイドーシスなどの病気も心肥大の原因となります。また、病気ではないものの、持久力を要するスポーツを続けることで“スポーツ心臓”と呼ばれる心肥大を引き起こすことも知られています。心肥大は放っておくと心臓の機能低下を招くこともあるため、原因を鑑別してそれぞれに合った治療を行っていくことが大切です。心肥大の多くは自覚症状がなく、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。異常を指摘された場合は軽く考えず、医師の診察を受けることが大切です。心肥大は、心臓の壁が厚くなって心臓のサイズが大きくなった状態のことです。心臓の壁は筋肉でできており、1日に十万回の拍動を繰り返して血液を全身に送り出しています。そのため、心臓の壁を形成する筋肉には大きな負担がかかっていますが、何らかの原因でさらに負担がかかると筋肉の細胞が大きく変性していきます。その結果、心臓の壁自体が大きくなるのです。心臓の壁に負担をかけて心肥大を引き起こすもっとも多い原因は高血圧とされています。また、心臓弁膜症や心室中隔欠損などの先天性心疾患といった心臓に負担がかかる病気も心肥大の原因となります。一方で、心臓に病気がなくても甲状腺機能亢進症や脚気など動悸を引き起こす病気も心臓に負担をかけるため、心肥大を引き起こすことがあります。また、心臓に負担がかかる病気がない場合でも心肥大が生じることも少なくありません。代表的な原因としては、マラソンなど持久力が必要な運動を続けることで、少ない心拍数で多くの血液を送り出すことができるように順応し、心臓の筋肉が発達する“スポーツ心臓”があります。さらに、遺伝子の変異によって心臓に負担がかかっている状態ではないにもかかわらず心肥大が生じる“肥大型心筋症”という病気も知られています。また、心臓の筋肉に異常な成分がたまる状態で、心臓が肥大するサルコイドーシス、アミロイドーシスなどもあります。心肥大は自覚症状がないことが多いとされています。しかし、進行すると心臓の機能が低下するため全身に十分な血液が送り出せなくなることで、息切れや動悸、胸の圧迫感、むくみなどの症状が現れるようになります。また、種々の不整脈の発症リスクも高くなり、心房細動が生じると血栓(血の塊)が形成されやすくなって脳梗塞などの発症リスクが高くなります。心肥大が疑われるときは次のような検査が行われます。心臓の大きさを確認するために画像検査を行います。一般的には胸部X線検査が行われ、心臓が大きくなっているかを確認します。心臓の筋肉が肥大しているのか、 心臓の内腔が大きくなっているか、心臓の機能が低下していないかを評価するために心臓超音波検査で詳しい検査を行います。MRIや心筋シンチで、心筋症やサルコイドーシスやアミロイドーシスの異常を見つけることが可能になってきています。心肥大は重症化すると不整脈の発症リスクが高くなるため、心電図検査を行うのが一般的です。また、不整脈の有無を詳しく調べるには、24時間心電図を記録するホルター心電図検査を行うことも少なくありません。心臓の筋肉のダメージや心不全の有無を調べるために血液検査を行う必要があります。診断のためだけではなく、経過観察にも役立つ検査です。根本は、原因治療が大切です。心肥大は高血圧など原因となっている病気の治療を継続して行うことが大切です。特に高血圧が原因の心肥大は、血圧を下げる薬の種類によっては心肥大を改善する効果も認められているため、それらを使用した治療が行われます。また、すでに心臓の機能が低下して何らかの症状がある場合は、利尿薬や血管拡張薬などによる薬物療法が行われます。心房細動などの不整脈を併発している場合は、抗不整脈薬や抗凝固薬などが必要です。心肥大の原因はさまざまですが、もっとも多いとされているのは高血圧です。日ごろから食事や運動、ストレス、喫煙などの生活習慣を見直して高血圧を予防するのはもちろん、健康診断などで血圧が高いことを指摘された場合は軽く考えずに医師の診察を受けるようにしましょう。また、心肥大は高血圧以外にも心臓に負担がかかりやすい病気によって引き起こされることがありますし、サルコイドーシス、アミロイドーシス、甲状腺機能亢進症などがある方は医師の指示にしたがって治療や経過観察をしていくことが大切です。

漢方と鍼灸

 心肥大の原因を追究し負担を減らすことと、心臓の反応穴から最適な漢方食養生ツボを選択していきます。日々の養生が重要になってきます。

適応障害

 適応障害は、ストレスの原因が明確で、原因から離れると回復するのが特徴です。
適応障害はうつ病と似た症状もあらわれますが、異なる病気です。適応障害は6ヶ月以内で症状が改善する場合が多く、うつ病の一歩手前と考えられます。
 適応障害とは、「就職や転職・転勤、結婚など新しい環境にうまく適応できないなどして、さまざまな心身の症状があらわれてくることにより、社会生活に支障をきたす『心の病』のこと」をいいます。適応障害は、原因となるものがはっきりしているというのが特徴です。適応障害の原因になるストレスは、PTSDと異なり、職場環境、学校での出来事や人間関係など日常生活で起こることがあります。
 適応障害は、性格が真面目でストレスに弱い人がかかりやすいといわれています。私たちは生活のなかで多少の苦労は伴いつつも、必要に迫られることで新しい環境に順応していきます。

適応障害の症状

・身体症状;全身倦怠感、不眠、頭痛、動悸、めまい、肩こり、食欲不振、ストレス性胃炎、腹痛など。
・精神症状;意欲や集中力の低下、注意力散漫、不安、絶望感、イライラ感、神経過敏、抑うつ気分、涙もろさ、興味・喜びの喪失、マイナス思考、自責的な考え方など。
・行動面の障害;対人関係への過敏性・攻撃性、気力低下、思考力・集中力低下など。
 ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。アメリカ精神医学会の基準(DSM-5)では「ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続しない」とされています。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。
 症状が出てきたら心の健康状態が低下しつつあるサインです。もし症状が軽くても、適応障害からうつ病に移行することが少なくありません。
 適応障害は、うつ病と似た症状が現れることがあります。適応障害はストレス要因となる空間や場所、そして人間関係などから離れることによって普通に過ごすことができます。うつ病の場合は、四六時中その症状が消えないという点で、大きく異なります。

 適応障害は、環境要因からの心理社会的ストレスにより、心身のバランスを崩した時に症状が現れます。そのため日常生活上での心掛けとして、適度の休養を確保したり、気分転換を図ったりして、日頃からストレスをためないように工夫することがおすすめです。一人でくよくよ考えないことや、周りの方とコミュニケーションを無理せずとっていくことが大切です。

漢方と鍼灸

 四診に時間をかけ、証を捕え、反応が出ているツボ、ストレスの状態をみるツボから経絡に落とし込んで漢方鍼灸治療をしていきます。漢方は体を丈夫にしながら精神も整えていく効果があります。香りも効き目を左右しますので煎じ薬をおすすめいたしております。補助剤として食養生食品も併用していただくとバランスが整います。

・桂枝竜骨牡蛎湯(桂枝・芍薬・生姜・甘草・大棗・竜骨・牡蛎)『金匱要略』
桂枝湯に竜骨と牡蛎が加わった方剤です。竜骨・牡蛎には鎮静作用・抗不安作用があります。
・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
咽喉部に炙った肉片がくっついているように感じる方に使います。厚朴は緊張を緩め、半夏は鎮静作用があります。紫蘇葉は気分を晴れやかにします。
・抑肝散加陳皮半夏(柴胡・茯苓・白朮・甘草・当帰・川芎・釣藤鈎・陳皮・半夏)『本朝経験方』
この薬方の主薬は釣藤散で、中枢性の鎮静、鎮痙作用と催眠作用があります。
・逍遥散(当帰・芍薬・柴胡・黄芩・川芎・熟地黄・半夏・人参・麦門冬・甘草・生姜)『寿世保元』
・加味逍遥散(甘草・当帰・芍薬・茯苓・白朮・柴胡・牡丹皮・山梔子・生姜・薄荷葉)『女科撮要』
・茯苓補心湯(茯苓・人参・白朮・当帰・地黄・酸棗仁・麦門冬・芍薬・陳皮・黄連・甘草・辰砂・大棗・鳥梅・浮麦)『万病回春』
・龍骨湯(竜骨・茯苓・桂枝・遠志・麦門冬・牡蛎・甘草・生姜)『外台秘要』
など(薬局製剤以外も含む)