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腎臓癌

 腎臓がんとは、腎臓にできる悪性腫瘍です。腎臓は肋骨の下あたりの背中側に左右1つずつある臓器で、血液中の老廃物をろ過して尿を作り出す“腎実質”と腎実質で作られた尿を集める“腎盂”と呼ばれる部位に分けられます。腎臓がんは通常、この腎実質の細胞から発生する“腎細胞がん”のことを指します。腎臓がんは進行するまで症状が現れないことも少なくなく、進行すると肺や肝臓、骨などに転移を起こすこともあります。喫煙習慣と肥満は腎臓がんの発症リスクを高めることが分かっています。また、遺伝的な要因であるフォン・ヒッペル・リンドウ病などによって引き起こされるものもあります。腎臓がんは症状が乏しく、健康診断などの超音波検査により腫瘍を発見されることが増えてきました。進行すると血尿、背中の痛みなどが生じたり、お腹からしこりを触れたりするようになります。用を足す際に血の混じった真っ赤な尿(血尿)が出たり、腹部や腰を触るとボコっとした腫瘤に触れたりするなどの症状が現れます。なお、膀胱炎*などで血尿が出る場合は痛みや違和感を感じますが、腎がんの血尿で痛みを感じることはあまりないといわれています。また、食欲不振、むくみなどの全身症状を伴うこともあります。さらに、肺、肝臓、骨、脳などに転移すると、呼吸器症状、肝機能異常、病的な骨折、神経症状などが生じることもあります。腎臓に腫瘍があるか確認し、大きさや位置などを評価するために画像検査が必要です。もっとも簡便に行えるのは腹部超音波検査ですが、造影剤を用いたCT検査が有用です。MRI検査を行うこともあるほか、転移・再発を確認するためにPET-CT検査を行うこともあります。腎臓がんの確定診断をすることはできませんが、腎機能や全身の状態を把握するために血液検査を行うのが一般的です。初期の腎がんでは画像だけでなく、血液検査の値にも異常がみられます。血小板数が低下し、LDH(酵素の1種)CRP(タンパク質の1種)カルシウムが上昇している場合は、何らかの異常で腎臓がダメージを受けているというサインです。また、長期的に夕方になると原因のわからない熱(不明熱*)が出る場合や、食欲不振などから体重が減少するといった症状がある場合は、何らかの悪性腫瘍がある可能性が疑われます。なるべく早期に病院を受診し、画像検査(エコー*やCT*など)などの精密検査を受けることをお勧めします。尿中に赤血球やがん細胞が含まれているか調べるために尿検査が行われます。また腎盂尿管がんとの鑑別に尿細胞診を提出することがあります。がんの病変部位にめがけて針を刺して組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。超音波やCTのガイド下で行われます。腫瘍が小さく良性腫瘍と鑑別が困難な場合や、今後の治療のために病理診断が必要な場合に検討されます。腎臓がんの根本的な治療は、手術によってがんを取り除くことです。がんの進行度によって手術方法は異なります。がんがある方の腎臓全てを摘出する“腎摘出術”が標準的な手術ですが、早期に発見できればがんの部分のみを切除する“腎部分切除術”を行える場合もあります。また、腹腔鏡下手術、ロボット支援手術、開腹手術などが病状によって選択されます。なお、2つある腎臓のうち1つを摘出したとしても、残ったほうの腎臓の機能が正常なら支障なく生活を送ることができます。手術ができない場合や転移が進行している場合分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法が検討されます。薬の種類によって多様な副作用が起こるため、不安がある場合は治療前に医師に相談するとよいでしょう。骨転移や脳転移がある場合、痛みの緩和や進行抑制などを目的として放射線療法が行われることがあります。ただし、腎臓がん自体には放射線療法は効きづらいとされています。がんが小さく、患者の年齢や合併症などで手術が難しい場合、定期的な画像検査で経過を見ていく“監視療法”や、がんに特殊な針を刺しがんを凍らせ壊死させる“凍結療法”が行われることがあります。

漢方と鍼灸

 抗がん剤の副作用を軽くすることも患者さんの体力、免疫力を落とさないために重要です。腎臓癌の箇所、癌の反応穴から相性のいい最適な漢方食養生サプリツボを選択しお伝えいたします。

甲状腺癌

 甲状腺がんとは、喉仏の前を覆おおっている楯のような形の長さ約4cm・幅約4cmの臓器“甲状腺”に悪性の腫瘍ができる病気です。甲状腺は基礎代謝を上げるはたらきがあるほか、脳や骨の成長や脂質や糖の代謝を促す“甲状腺ホルモン” を分泌しています。少数のC細胞がカルシトニンを分泌します。甲状腺は柔らかいので、通常は触ってもどこにあるのか分かりません。しかし、甲状腺がんになって甲状腺が大きくなる、硬くなる、あるいはしこりができた場合は、触ると分かるようになります。また初期の甲状腺がんは症状が現れないことが一般的で、検診や別の病気で診察を受けた際に偶然見つかることも少なくありません。治療は手術が行われることが一般的ですが、甲状腺がんの種類や患者の年齢、がんの状態などによって選択される治療法は異なります。甲状腺がんは主に5種類に分けられます。①乳頭がん甲状腺濾胞細胞(甲状腺の99%を占める細胞)由来のがんで、甲状腺がんの90%近くを占めます。10歳代から高齢者まで幅広い年代で発症しますが、比較的若い女性によくみられます。進行は緩やかで、10年生存率は約98%です。予後は一般に良好ですが、55歳以上では再発を繰り返したり、肺などに転移したりして死に至ることもあるほか、まれに悪性度の高い未分化がんに転化することもあります。②濾胞がんは、甲状腺濾胞細胞由来のがんです。甲状腺がんの中では2番目に多く30歳代から高齢者にまで発症します。進行は穏やかですが、10年生存率は乳頭がんよりもやや低い傾向にあります。予後は乳頭がんと同様に、高齢者のほうが若年者よりやや不良です。なお、乳頭がんと濾胞がんは、比較的悪性度の低い“高分化がん”に分類されます。③低分化がんは甲状腺がんの約1%を占め、高分化がんと未分化がん(後述)の間のような特徴を示すがんです。高分化がんと比較すると進行はやや早く、周囲の組織に浸潤したり、肺や骨などのほかの臓器へ遠隔転移したりしやすい特徴もあります。低分化がんは高分化がんと共存することもあれば、低分化がんであったものが未分化がんに進行することもあります。④未分化がんは甲状腺濾胞細胞由来のがんで、非常に悪性度が高いことが特徴です。甲状腺がんの約1~2%を占め、60歳以上に多く、乳頭がんや濾胞がんと比較して明らかな男女差がないことが特徴です。進行は極めて急速で、診断されてから1年以上生存する確率は20%以下とされています。⑤髄様がんは、血中のカルシウム濃度を低下させるホルモンである“カルシトニン”を作るC細胞由来のがんであり、甲状腺がんの約1~2%を占めます。30歳代以降の人が発症しやすく、高分化がんと比較すると進行がやや速いことが特徴です。髄様がんには遺伝性のものとそうでないもの(散発性)があり、約30%が遺伝性です。遺伝性髄様がん患者では褐色細胞腫などの異常を伴うことがあります。また、遺伝性髄様がん患者ではRETという遺伝子に変異があり、このような患者の子どもには50%の確率でこの変異が受け継がれ、高率かつ若年齢で発症します。そのため、早期に “発症前甲状腺全摘”が行われています。現段階で特に甲状腺がんの発症のリスクが高まる要因としては、放射線の被曝、体重増加、遺伝子異常などが挙げられます。
 放射線の被曝では、特に若年期に被曝することによって甲状腺がんが発症しやすくなることが分かっています。また体重増加に関しては、正常な体重の人と比べて体重が増加している人や肥満の人のほうが、甲状腺がんを発症しやすいとの報告があります。遺伝子異常については上に述べた髄様がんにおけるRET遺伝子変異のほか、いろいろな遺伝子の異常が甲状腺がんの発症に関連していると考えられ、研究により徐々に解明されているところです。
 甲状腺がんは首の周辺にしこりを感じることがありますが、それ以外には症状がみられない自覚症状の乏しいがんです。しかし、がんが周囲の臓器に浸潤(周囲に広がる)すると、その部位によってさまざまな症状がみられることもあります。たとえば、がんが反回神経(声帯の動きに関係する神経)に浸潤した場合は嗄声(声のかすれ)がみられることがあるほか、気管に浸潤した場合には血痰呼吸困難などの症状がみられることがあります。また、血管に浸潤した場合は顔面のむくみ食道に浸潤した場合には嚥下障害(食事の際に喉につかえる)などの症状が現れることもあります。そのほか、未分化がんではしこりが急激に大きくなるほかに、痛みや炎症反応に伴う発熱を生じることがあります。
 診察では、まず症状や病歴、放射線被曝歴、家族歴について確認した後、甲状腺周辺を観察したうえで直接触り、甲状腺の大きさや腫瘍の有無、硬さ、リンパ節腫大の有無などについて確認します。次に、甲状腺の大きさやしこりの状態、リンパ節への転移などを調べる超音波検査、その結果に応じてしこりが悪性であるかなどを調べる穿刺吸引細胞診を行います。 穿刺吸引細胞診は、超音波でしこりの場所を確認しながら針を刺し、しこりの細胞を吸い取って顕微鏡で調べる検査です。このとき、腫瘍の種類によっては必要に応じてサイログロブリンやカルシトニンなどの数値を調べることもあります。そのほかの補助的検査としては、血液検査による甲状腺機能検査があります。また、髄様がんに対しては、腫瘍マーカーである血中カルシトニン、CEA値の測定や、遺伝性髄様がんの確認や否定のためにRET遺伝子の検査が行われることもあります。さらに必要に応じてがんの広がりや転移を確認するためのCT検査やMRI検査、PET/CT検査などの画像検査、バセドウ病など別の病気にかかっているか確認するために放射性ヨウ素を用いた甲状腺シンチグラフィが行われることもあります。甲状腺がんの主な治療方法として手術、放射性ヨウ素内用療法、放射線外照射療法、甲状腺ホルモン剤によるTSH抑制療法などさまざまな薬物療法が挙げられます。乳頭がん・濾胞がん・低分化がんでは手術が標準治療であり、甲状腺の切除やリンパ節郭清(がんの周りにあるリンパ節を切除すること)が検討されます。甲状腺の切除範囲は病気の状態によっても異なり、甲状腺の半分を切除する“甲状腺片葉切除”、甲状腺を全て取ってしまう“甲状腺全摘”などがあります。リンパ節郭清では、甲状腺がんの種類や検査結果を踏まえて、必要に応じたリンパ節を切除します。がんの性質と進行度に応じて術式が決定されます。乳頭がんと濾胞がんで甲状腺を全摘した場合の術後補助療法として、または遠隔転移の治療として、放射性ヨウ素内用療法が検討されることがあります。放射性ヨウ素内用療法とは、甲状腺がんがヨウ素を取り込む性質を利用した治療法です。放射性ヨウ素が含まれたカプセルを内服して甲状腺分化がんに取り込まれると、そこから放出される放射線によってがんの病巣が破壊されます。甲状腺分化がんにヨウ素を取り込む性質がどれだけあるかによって治療効果は異なります。ほかの治療では効果が期待できないと推測される未分化がんの治療の1つとして、化学療法が行われることがあります。化学療法では抗がん剤を体内に直接注入して、がんの増殖を抑えます。ただし、乳頭がん、濾胞がん、髄様がんに対しては有効な化学療法はありません。甲状腺ホルモンによるTSH抑制療法は、乳頭がんや濾胞がんの術後などでは、甲状腺ホルモンによるTSH抑制療法が行われることがあります。甲状腺刺激ホルモン(TSH)は甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの産生を促すホルモンですが、甲状腺分化がん細胞も刺激し、その増殖を早めることが知られています。そのため、TSHの分泌を抑えて再発を予防するために甲状腺ホルモン薬を服用し、がんの再発進行のリスクに応じて血清TSH値を正常範囲の下半、軽度抑制、あるいは完全抑制とする場合があります。甲状腺がんが再発・転移して手術が難しく、放射線外照射や放射性ヨウ素内用療法では効果が期待できない場合には分子標的薬の使用が検討されます。分子標的薬とは、がん細胞の増殖に関与している物質の産生、あるいはその機能を選択的に阻害する、いわばピンポイントで攻撃する薬です。がんの種類によって用いられる薬は異なりますが、甲状腺がんに対しては現在、レンバチニブ、ソラフェニブ、およびバンデタニブが用いられます。
 超音波検査などの画像検査の普及によって非常に多くの微小乳頭がんが発見されるようになりました。これは世界的な現象であり、過剰診断・過剰治療ではないかと指摘されています。このような微小がんの大部分は転移・浸潤がなく、また増大進行しないものが大部分であることが分かってきました。そこで、低リスクの甲状腺微小がんに対しては定期的に超音波検査をして、進行がなければ経過観察を続ける積極的経過観察が治療の選択肢となってきました。日本内分泌外科学会、日本甲状腺学会、アメリカ甲状腺学会でもこのような取り扱いが承認、あるいは推奨されています。

漢方と鍼灸

 増殖スピードが速いのは未分化がん、髄様がんです。速度を抑える漢方、甲状腺癌から最適な漢方食養生サプリツボを導き出してお伝えいたします。

膵臓癌

 膵臓がんとは、胃の後ろに位置する膵臓と呼ばれる臓器に生じるがんです。60歳代以降の人に生じることが多く、患者の男女比は男性にやや多いといわれています。膵臓がんは初期症状がなく自覚症状が出る頃には進行していることが一般的で、難治のがんといわれます。しかし、近年はさまざまな検査・治療方法などが研究・実施され、これらの開発によって早期発見や治療成績の向上が期待できるとされています。膵臓がんが難治性のがんである理由の1つに、症状が現れにくく、発見された頃には進行してしまっていることが挙げられます。膵臓がんは初期症状がほとんどありません。進行すると、がんのできる部位によって症状が現れることがあります。膵臓の頭部(丸まった先端部分)にがんが生じる場合、比較的早い段階で目や皮膚が黄色くなる黄疸という症状が見られることがあるため、ほかの膵臓がんと比較して発見が早いことがあります。一方、膵臓の体部(中心部分)や尾部(すぼまった先端部分)にがんができると、黄疸の症状が出ることはほとんどなく、自覚できる症状は痛みのみであることが一般的です。また、膵臓は胃に近く、背中側にある臓器のため、たとえ痛みが生じても“胃の痛み”や“背中の痛み”と勘違いしてしまう方もいます。このような理由から、膵臓に原因があると思い浮かべることが難しく、膵臓がんはかなり進行するまで見過ごされてしまいがちです。黄疸が生じたときはもちろんですが、胃や背中に原因不明の痛みを感じたときにも膵臓がんの可能性を疑い、病院を受診することが望ましいです。
 たとえば継続的に胃が痛み、かかりつけ医を受診しても原因が分からないときや、背中の痛みから整形外科を受診したけれど原因がよく分からず改善が見られないときなどには、一度膵臓がんの検査を受けることを検討しましょう。さらに、中高年になってから糖尿病にかかった方や糖尿病の患者さんで急に血糖コントロールがうまくいかなくなった方なども、膵臓がんにかかっている可能性があります。膵臓の役割の1つに血糖値を調節するホルモンの産生があります。膵臓がんにかかると、この機能がうまくはたらかなくなることにより、糖尿病にかかったり悪化したりすることがあります。そのため、糖尿病の患者さんは膵臓がんの可能性を考え、必要に応じて検査を受けることが大切です。膵臓がんは早期発見・治療が難しいがんで、残念ながら生存率が全てのがんの中でもっとも低いといわれています。発見されたときには進行していることが多いので、手術治療のできる患者さんは一握りで、それ以外の進行がんの患者さんに対しては化学放射線療法や化学療法による治療が行われます。また、ステージによって異なりますが、手術ができた患者さんであっても5年生存率は20~40%といわれています。現状膵臓がんの検査では血液検査と画像検査が行われますが、近年はこれに加えて “リキッド・バイオプシー(体液を用いた低侵襲検査)”という観点から尿、唾液、血液などを用いて、より高い精度でがんを発見できる腫瘍マーカー検査の研究が進められています。実際2021年3月には、血液から検査が行える遺伝子プロファイリング検査が薬事承認されました。この検査により、血液から300を超える遺伝子を一度に解析することができるほか、腫瘍変位量(TMB)やマイクロサテライト不安定性(MSI)なども解析できるため、膵臓がんの薬物治療の選択肢を絞ることに役立ちます。また、一部大学と共同で尿検査によって行う新たな腫瘍マーカー検査の研究も実施しています。このようにさまざまな機関で検査の研究が進められており、今後も膵臓がんの早期発見・治療に役立つとされる新しい検査が出てくると思います。画像検査の一環として超音波内視鏡検査を行うことも、膵臓がんの早期発見に役立つと考えます。超音波内視鏡検査とは、超音波装置を伴った内視鏡を使って行う検査のことです。通常の内視鏡と比較すると組織の内部の観察などができるため、病巣の深さや表面には見えない腫瘍などを見つけやすいという特徴があります。実際に一部医療機関では一部地域において、膵臓がんを疑う症状が見られる方、超音波検査や造影CT検査など一般的な膵臓がんの画像検査で異常が発見された方などを対象に超音波内視鏡検査を行っているところもあります。この検査は従来の超音波検査や造影CT検査では見つけることのできなかった、いわゆるステージ0といわれるような浸潤のないごく早期の膵臓がんを発見できることもあり、救命できる確率を高めるとされています。近年の膵臓がんの治療に関する最新トピックとしては、術前化学療法を用いた手術治療や新しい術式を用いた手術治療が挙げられます。膵臓がん治療は抗がん剤の発展によって大きく進歩しつつあり、近年は抗がん剤による術前化学療法と手術治療を併用した“コンバージョンサージェリー”という治療方法が用いられることがあります。膵臓がんにおけるコンバージョンサージェリーとは、がんが主要動脈に浸潤しており従来であれば手術の適応がない患者さんに対し、手術前に抗がん剤治療を行ってがんを小さくしてから手術治療を行うことをいいます。この治療方法が確立されたことにより、手術ができる患者さんが増えるほか、手術後の予後がよりよくなることが期待できます。手術そのものの術式についても進歩が見られます。以前の膵臓がん手術は手術中にがんのある部分に触れ、牽引けんいんしたうえで摘出していました。しかし、最近の手術では手術中にがんを触らず、膵臓に通ずる血管を遮断したうえでがんを摘出する治療が行われ始めています。術式が変化した理由は、手術中にがんに触れることにより、がんが揉み出され周囲の血管などに流入してしまうことが懸念されたためです。このように、がんに触れず周囲の血管を遮断して行う手術は“ノンタッチアイソレーション法”と呼ばれ、この術式を行うことで治療中にがん細胞が血管に流出することを防ぎ、転移や再発を予防することが期待されます。現在、日本全国のおよそ20施設で前述の腫瘍マーカー検査(リキッド・バイオプシー)によって治療効果の測定を行っています(2021年7月時点)。これまでお話ししたように、膵臓がんは早期では自覚症状が現れにくいといった理由から、早期発見が難しいといわれるがんです。しかし、近年の検査や治療に対するさまざまな研究や取り組み、薬物治療の大きな進歩などから、より根治につながる可能性が高くなってきているといえるでしょう。そのため、患者さんには膵臓がんの治療実績への理解とともに、いずれは膵臓がんでも治療によって予後の改善が期待できるということを知っていただきたいです。
がんはその進行度合いや広がり、リンパ節やほかの臓器への転移などの状態によって、ステージ(病期)と呼ばれる分類がされ、その後の治療方針の決定に役立てます。膵臓がんのステージ分類は、主に血液検査や造影CT検査・超音波内視鏡検査などの画像検査の結果から判断されます。造影CT検査ではがんの状態や広がり、ほかの臓器への転移の有無などが確認できます。また、超音波内視鏡検査は口から内視鏡(いわゆる胃カメラ)を入れ、胃や十二指腸から膵臓に超音波を当てて病変を詳しく見ることができます。さらに、細い針で膵臓の腫瘍細胞を採取することができるため、その細胞を顕微鏡で見て検査する細胞診にも役立ちます。膵臓がん全体の5年生存率*は、9.3~10.2%といわれています。ステージ別に見ると、I期では42.4~48.6%、II期では17.3~19.5%、III期では5.6~7.3%、IV期では1.2~1.7%となっており、ステージが進行するごとに生存率は低くなります。
また手術を行った場合でも再発をしてしまう可能性が高く、手術後の5年生存率は20~40%といわれています。

漢方と鍼灸

 手術・抗がん剤の進歩はすごいと思います。それでも難しい癌には変わりないですね。お酒の飲みすぎ、ストレス、糖尿病など養生しないといけません。抗がん剤を使うにしても副作用は強く体力、免疫力を奪っていきます。ただ副作用を軽減し体のダメージが少なければ抗がん剤が劇的に効いた例がいくつもあります。癌もいくつものアンテナを持っています。いろんな波長を出しています。相性のいい波長の合う漢方をお勧めいたします。膵臓癌の反応穴、癌の反応穴から漢方食養生サプリツボを選択しお伝えいたします。

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胆管癌

 胆管がんとは、脂肪の分解と吸収に必要な“胆汁”という液体の通り道である“胆管”から発生するがんのことです。胆汁は肝臓で作られ、胆管を通って肝臓を出ると胆嚢に蓄えられて凝縮された後に再び胆管を通って十二指腸に排出されます。肝臓内の胆管を“肝内胆管”と呼び、肝臓から十二指腸までの胆管を“肝外胆管”と呼びます。肝外胆管はさらに、肝臓に近い側の“肝門部領域胆管”と十二指腸に近い側の“遠位胆管”に分けられます。胆管がんはどの部位にも発生する可能性があります。胆管がんを発症すると、胆汁の流れが滞るため胆汁中のビリルビンと呼ばれる物質が体内にたまって目や皮膚が黄色くなる“黄疸という症状がみられるようになります。また、進行すると腹痛、食欲不振、体重減少、発熱などの症状が現れますが、がんが発生した部位によっては進行するまで目立った症状が現れないことも少なくありません。基本的な治療は手術ですが、進行して手術が不可能な場合には薬物療法や放射線療法が選択されます。また、胆汁の流れが滞っている場合には、胆汁の排出を促す治療が必要になります。胆管がんの原因ははっきり分かっていない部分もありますが、胆管に慢性的な炎症が引き起こされる原発性硬化性胆管炎や肝内結石、B型肝炎・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎などの病気、生まれつきの病気である先天性胆道拡張症などが発症リスクを高めるとの指摘があります。また、近年では印刷工場などで使用されるジクロロメタンやジクロロプロパンなどに長期間暴露されることで胆管がんのリスクが高まるとの報告があり、職業性がんの1つとして注目されています。胆管がんは発生した部位によって症状の現れ方が異なります。肝外胆管に発生した場合は、比較的早い段階から胆汁がうっ滞することによって“黄疸”と呼ばれる症状が現れるようになります。黄疸は胆汁中のビリルビンという物質が体内にたまることによって引き起こされ、目や皮膚が黄色くなるほか、皮膚のかゆみ、尿の黄染(黄色くなる)、白色便などの症状がみられるのが特徴です。また、胆汁がうっ滞することで胆管炎を発症し、発熱、腹痛、倦怠感、吐き気などの症状がみられることもあります。また、進行すると食欲低下、体重減少、腹痛などの症状が現れるようになります。一方、肝内胆管がんは早期段階では黄疸などの症状が現れないことも多く、進行した段階で発見されることも少なくありません。がんの有無を確認し、大きさや位置、転移の有無を確認するために画像検査が必要になります。もっとも簡便に行うことができる検査は超音波検査ですが、詳細な評価をするにはCTやMRI、PETなどの検査が必要になります。十二指腸まで内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に装着した小さな超音波プローブで胆管の断面を超音波で観察する“超音波内視鏡検査”や胆管の出口から造影剤を注入して胆管の狭窄の有無などを調べる“内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査”などが行われることもあります。ビリルビン値や肝機能の状態を評価するために血液検査を行うのが一般的です。また、胆管がんでは“CA19-9”“CEA”などの腫瘍マーカーが上昇するため、診断の手がかりの1つとして調べることがあります。

漢方と鍼灸

 手術できれいにとれればいいですね。手術のあと、抗がん剤、放射線が多いですが、体力、免疫力が奪われないようにしていたいですね。脂ものは極力控えた生活になります。胆嚢摘出前なら胆嚢癌から、摘出後なら転移先から、散っているなら癌の反応穴と免疫の反応穴から最適な漢方食養生サプリツボを選択しお伝えいたします。

【男性の悩み】の対策と漢方

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【男性の悩み】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状として、不妊症(子宝相談)ED(勃起障害)などの増加が問題となっています。年を重ねることで、男性更年期障害(痛み・体のほてり・冷え・疲れ・頻尿・肥満・うつ・不眠・EDなど)前立腺肥大症前立腺炎の方が増えています。成人・高齢化社会においても、【男性の悩み】の解消は非常に重要です。

 当院の【男性の悩み】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

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【男性の悩み】の病気と漢方東洋医学

前立腺肥大症前立腺炎ED(勃起障害)不妊症(子宝相談)男性更年期障害(痛み・体のほてり・冷え・疲れ・頻尿・肥満・うつ・不眠・EDなど)

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「男性の悩み」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

ED(勃起障害)

 勃起障害(Erectile Dysfunction:ED)とは、性行為において十分な勃起が得られない、または維持できないために満足な性行為を行えない状態のことです。以前はインポテンスと呼ばれましたが、差別的であることから勃起障害(ED)と呼ばれるようになりました。日本での勃起障害患者数は約1,000万人以上いると推計されており、約30%の夫婦において「勃起障害(ED)の経験がある」と回答しています。また勃起障害(ED)が男性不妊の1つであることも判明してきました。勃起障害(ED)は大きく分けて、下記3つに分けられます。心理状態によって勃起できるときと勃起できないときがある何らかの病気が原因となって勃起できなくなる2つの特徴を合わせ持つものに分けられます。自慰行為における勃起は可能であっても、性行為のパートナーとなる女性との関係がうまく作れないような場合、また極度の緊張に陥ってしまうために勃起不全となるようなケースです。この障害に陥る原因としては、過去に性行為において失敗した経験がトラウマとなって性交に対する不安が生じたり、パートナーとのトラブルが生じたり、妊娠と子作りのためにかかるプレッシャーが生じたり、といったことが挙げられます。勃起に至るまでの一連の流れのどこかに何らかの病気が生じることによる勃起障害です。①脳が性的刺激を受けて活発になる→②脊髄を通る副交感神経を経て陰茎の血管が拡がる→③陰茎の血流が増えて勃起する。
 具体的には、脊髄損傷や脳血管障害などの神経の損傷、糖尿病や外傷などによる血管の損傷、包茎や尿道の奇形(陰茎の異常)などが挙げられます。器質性勃起障害で述べたような何らかの病気が原因となって勃起障害が生じるだけでなく、勃起障害が原因となり性交に関する不安やトラウマが生まれてしまうことで、さらに勃起障害が助長されるようになります。
 勃起障害(ED)に対する最初の治療として用いるのは、シルデナフィルに代表されるED治療薬です。心因性、器質性、および混合性のいずれに対しても一定の効果があることがわかっています。ほかにも、陰茎が固くなるために重要な陰茎の血管の拡張を促す効果のある、プロスタグランジンという薬を陰茎に注入する方法があります。ただし同薬剤は、診断薬としては保険診療可能ですが治療薬としては認可されておらず、専門医のもと慎重に用いられる必要があります。また、ほかの治療が無効であった場合、プロステーシスという勃起補助器具を陰茎に埋め込む手術を行うこともあります。

漢方と鍼灸

 上記の①で脳の刺激がうまく伝わらいために陰茎の血管が広がらない。これはストレスで脳の疲労を起こしている場合、うつ病や男性更年期、仕事に打ち込みすぎていつも交感神経が興奮している場合、上がり症のように気が上りやすい体質の場合、またAVの見過ぎで興奮に慣れてしまった場合など考えられます。脳を落ち着かせるため自律神経の反応穴からあなたに最適な漢方食養生サプリツボをお伝えいたします。②脊髄損傷の場合は少し難しくなってきます。損傷した箇所から波長を取れればそれに合わせて漢方食養生サプリツボを導き出せるかもしれません。③陰茎の血流を良くするものは駆お血剤ですが、あなたに合った最適なお血剤をお選びいたします。

男性更年期障害(痛み・体のほてり・冷え・疲れ・頻尿・肥満・うつ・不眠・EDなど)

 男性更年期障害とは、年齢とともに男性ホルモン(テストステロン)が減少したり、ホルモンのバランスが乱れたりすることにより、身体面・精神面・性機能面などにさまざまな症状がみられることをいいます。男性ホルモンの分泌量は一般的に20歳代でピークに達し、徐々に減少するといわれています。そして男性では、40歳を過ぎると生涯にわたって、いつでも男性更年期障害が起こる可能性があります。男性更年期障害は女性更年期障害と比べると、症状が現れるタイミングや期間、症状の内容などに個人差があることが特徴です。
 テストステロンが減少する主な原因は加齢です。しかし、近年は生活習慣や環境によっても、その分泌量が左右されることが分かっています。糖尿病や肥満症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病との関連も報告されており、テストステロンの少ない人はこれらの病気にかかりやすいともいわれています。また、男性更年期障害の中には、まれに男性ホルモンの減少を伴わないものもあります。男性更年期障害の症状は人によって大きく異なりますが、主に体の痛みなどの“身体症状”、イライラしやすいなどの“精神症状”、性欲が低下するなどの“性機能症状”の3つに区分されます。身体症状では、関節の痛みや筋肉痛を感じやすくなる、筋肉量の減少、頭痛、疲れやすい、汗をかきやすい、体のほてりが生じやすい、手足が冷えやすい、太りやすい(肥満、メタボリックシンドローム)、トイレが近くなる(頻尿)、骨が脆もろくなる、精神的な症状は、イライラしやすい、不安やパニック状態になる、気分が落ち込む(うつ状態)、眠れなくなったり、夜中に起きてしまったりする(不眠)、以前よりも興味や意欲が湧きにくい、仕事などでパフォーマンスの低下がみられる、集中力や記憶力が衰えている、性機能の低下による症状は、勃起障害(ED)、性欲が低下してきた、朝の勃起がなくなったなどです。男性更年期障害を疑う症状がみられた場合、血液検査や質問票を用いた問診、胸部X線検査、心電図検査、尿検査、身長・体重測定、BMI*の確認などが行われます。多様な症状がみられるため、男性更年期障害以外の病気の可能性も考慮して診断されることが一般的です。血液検査で男性ホルモンの“テストステロン”が250 ng/DL未満の人は性腺機能低下症と診断され、ホルモン療法などの積極的な治療が検討されます。ホルモン治療の適応を決定するため、泌尿器科系臨床検査を行うこともあります。問診では、症状の内容や程度を評価するために“AMSスコア”と呼ばれる質問票を使用することが一般的です。心理的因子・身体的因子・性機能因子を含めた計17項目の質問に答えて点数をつけ、症状の程度を評価します。

AMSスコア

1.総合的に調子が思わしくない。 2. 関節や筋肉の痛み(腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み)。 3 ひどい発汗(思いがけず突然汗が出る。緊張や運動とは関係なくほてる)。 4 睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、寝起きが早く疲れが取れない、浅い睡眠、眠れない)。 5 よく眠くなる、しばしば疲れを感じる。6 いらいらする(当り散らす、些細なことにすぐ腹を立てる、不機嫌になる)。7 神経質になった(緊張しやすい、精神的に落ち着かない、じっとしていられない)。8 不安感(パニック状態になる)。 9 からだの疲労や行動力の減退(全般的な行動力の低下、活動の減少、余暇活動に興味がない、達成感がない、自分をせかさないと何もしない)。10 能力の低下。 11 憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がわかない、気分のむら、無用感)。12 「人生の山は通り過ぎた」と感じる。 13 力尽きた、どん底にいると感じる。 14 ひげの伸びが遅くなった。 15 性的能力の衰え。 16 早朝勃起(朝立ち)の回数の減少。 17 性欲の低下(セックスが楽しくない、性交の欲求がおきない)。
※すべて5点満点訴えの程度 17~26 点:なし、27~36 点:軽度、37~49 点:中程度、50 点以上:重度

 そのほか、骨粗鬆症の診断に用いられる“骨塩定量”の検査や体脂肪率の検査、精巣や外陰部、前立腺の触診、体毛の状態の確認などを検討される場合もあります。男性更年期障害は、症状の程度や血中テストステロンの値によって治療方法が異なります。まず生活習慣の改善が検討され、それでも改善がみられない場合に薬物療法やホルモン療法が検討されることが一般的です。特にビタミンDや亜鉛が不足しているとテストステロンの低下を招きます。規則正しい生活、十分な睡眠時間の確保、テストステロンの産生を増やす食べ物(にんにくや玉ねぎなど)を取る、たんぱく質(肉や卵、乳製品など)を取る、適度な運動をすること
、ストレスをため込まないこと、ビタミンD、亜鉛を含むサプリメントの摂取を推奨。
 たとえば、性機能の低下に悩んでいる人の場合、EDの治療薬が処方されることもあるほか、不安症状に対する抗うつ薬抗不安薬の処方や、骨粗鬆症を予防するための治療薬などが処方されます。また、元気がなく疲れやすい人に処方されることのある補中益気湯などの漢方薬の処方が検討されることもあります。男性更年期障害に対するホルモン療法は“アンドロゲン補充療法(ART)”といいます。日本では、テストステロン製剤と呼ばれる治療薬を定期的に筋肉に注射する方法が保険適用となっています。ARTは症状があり、この治療を望んだ方などに対して検討されます。ただし現在かかっている別の病気がある場合などには治療が受けられない可能性もあるため、詳しくは医師の説明を聞きましょう。

漢方と鍼灸

 男性ホルモンの低下と生活習慣病の関係が多いように感じます。男性ホルモンを補充する前に動脈硬化・心臓病・糖尿病・高血圧・前立腺肥大・肝臓・胃腸の疲れなどの管理をしっかりすることも大事です。漢方に腎虚・血虚というホルモンを衰えを含む言葉があります。腎虚は骨、耳、冷え、精力低下、腎機能低下、膀胱・前立腺、脳機能低下、気力の衰えなどを含みます。そしてそれを補う漢方食養生が色々あります。睾丸、腎臓、脳の反応穴、各疾患の反応穴からあなたに最適な漢方食養生とサプリ、ツボをお伝えいたします。直接反応をとってお勧めするので安心です。高麗人参も誰でもいいわけではなく血圧が高い方は要注意です。

【症例】55歳男性 体調不良で仕事をやめてしまった、気力がない、降圧剤で下がらない、頭が痛い・耳鳴りなど症状多数。漢方とサプリで約1年、降圧剤を飲まずに下がり始め、やる気も出てきて症状が減ってきました 月3万円位
【症例】60歳男性 耳がほてってしょうがない 漢方だけお出しして1か月で消失。約1万円
【症例】54歳男性 勃起しない、中折れ 漢方とサプリで1か月で調子いいですと。約2万円
過去の症例多数

胆嚢癌

 肝外胆管がんと同様に、胆道拡張症や膵胆管合流異常がある場合には15パーセントから40パーセント程度と高率に胆嚢がんを生じやすいと言われています。また、胆石と胆嚢がんの因果関係は証明されていませんが、胆嚢がんの患者さんの50パーセントから60パーセント程度は胆石を合併しています。はじめは胆石や胆嚢炎の診断で腹腔鏡下胆嚢摘出術を行い、術後の検査で胆嚢がんと診断されることもあります(偶発胆嚢がん)。偶発胆嚢がんには追加切除が必要となることがあります。胆嚢がんは早期の場合、胆管を閉塞させることがないためほとんどが無症状です。検診や胆石発作の際に偶然発見されたり、胆石症の手術をした際に顕微鏡検査で偶然発見されたりすることが多くあります。一方、高度に進行すると胆管閉塞により黄疸を生じたり、十二指腸や大腸の狭窄により腹痛や嘔吐などを起こしたりすることがあります。肝外胆管がんと同様に、超音波、CT、MRI、そして超音波内視鏡などの精密検査によって診断します。進行がんでは隣接する胆管、肝臓、十二指腸、結腸などに容易に広がっていくため、がんの範囲を正確に診断することが重要です。胆石や胆嚢炎といった術前診断で腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた後、病理検査(顕微鏡で細胞を診断する検査)によって1パーセント前後の割合で胆嚢がんと診断されることがあるとされています。胆石や胆嚢炎が原因となり胆嚢が炎症を起こしていると、手術前に胆嚢がんと正確に診断することは非常に難しくなるためです。このような手術後に判明した偶発胆嚢がんは早期がんで特に追加治療を必要としない場合もあれば、進行がんで追加切除が必要と判断される場合もあります。追加切除は2度目の手術となるため癒着剥離など難しい手術となることもあります。また判明した偶発胆嚢がんの進行度に応じて切除範囲を考慮します。第一選択の治療は手術です。手術が根治の可能性(がんが治る可能性のこと)のある唯一の治療法となります。早期がんでは、多くの場合胆嚢を切除するだけで済みます。胆嚢がんが疑われるものの確定診断ができない場合は、診断と治療を兼ねて腹腔鏡を用いて胆嚢を切除することもあります。一方、進行癌では隣接する肝臓と肝外胆管を合併切除します。また高度に進行している場合、がんの広がりに応じて取り残しがないように、拡大肝葉切除術や膵頭十二指腸切除術、肝膵同時切除術、結腸切除術などを適宜組み合わせて行います。いずれの場合も数週間の入院を要し患者さんの負担が大きな治療となりますが、手術で胆嚢がんを取り除くことができれば、根治の可能性(がんが治る可能性のこと)が高くなります。一方、がんの進行度やお体の状態により手術が不可能と判断される場合は、全身化学療法(抗がん剤)を行います。起こりうる術後合併症は胆汁漏、膵液漏、腹腔内膿瘍、胆管炎、吻合部狭窄です。退院後は通常3か月毎に採血と造影CT検査を行い、再発やその他の不具合がないか確認します。再発予防のための抗がん剤投与をお勧めする場合があります。食生活は、脂肪分の消化吸収が弱くなり下痢を起こす可能性がありますので、下痢をする場合には脂肪分を減らします。アルコール摂取は肝臓の負担となりますので、控えた方が良いでしょう。また、特に注意すべき点は胆管炎による発熱です。胆管炎を放置すると肝臓に膿がたまってしまい、ドレナージが必要となる可能性があります。

漢方と鍼灸

 胆石がある方は放置しないでできるだけ脂ものを控えて石を溶かすお茶と漢方の併用ををおすすめいたします。お茶には金銭草やウラジロガシなどありますが、これも個々の相性と量がありまして、合わないと下痢したりします。また胆石・胆砂がある方はお酒を飲んだ翌日下痢や軟便になりやすいので注意しましょう。胆嚢癌を中心に、膵臓、肝臓、脾臓、胃の反応穴をみて漢方食養生ツボを選択します。手術、抗がん剤などの副作用で体力、免疫力が落ちないような漢方食養生をおすすめいたします。

大腸癌

 大腸の主な役割は、水分を吸収することです。大腸には栄養素の消化吸収作用はほとんどありません。小腸で消化吸収された食物の残りは、大腸で水分を吸い取られ、肛門に至るまでにだんだんと固形の便になっていきます。大腸での水分の吸収が不十分だと、軟便になったり、下痢を起こしたりします。口から食べたものは消化管を通り消化、吸収されます。大腸は消化管の最後尾にある1.5mから2mの長さの臓器です。主な仕事は水分を吸収して便の形を作ることであり、最大で1日6Lの水分を吸収できるとされています。大腸は大きく結腸と直腸に分けられ、結腸は更に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。大腸がんとは大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称です。進行するとがんは粘膜表面から大腸壁の奥深くまで進展し、腫瘍のサイズも大きくなるため症状が起こりやすくなります。
 大腸がんは大腸にできるがんのことで、1年間で15万人程度が罹患する、男女共にかかる人が多いがんの1つです。大腸は部位によって結腸および直腸と呼ばれることもあり、がんができる部位によって結腸がんや直腸がんに分けられます。主な自覚症状は血便、下痢、便秘、便が細くなるなどの消化器の症状が中心です。ただし、早期の大腸がんでは自覚症状がほとんどなく、がんが進行してから何らかの症状が現れることが多いです。治療の基本は内視鏡治療または手術によるがんの切除で、切除が難しい場合は薬物治療や放射線治療などが考慮されます。大腸がんの治療法は、大きく分けて内視鏡治療、手術、放射線治療、薬物治療などがあり、これらの中の1つか、複数の方法を組み合わせて治療が行われます。どのような治療を行うかは患者の症状、年齢、生活スタイル、希望などを踏まえて決められますが、治療ガイドラインで参考とされる基準が大腸がんの病期(ステージ)です。大腸がんのステージはがんの深さやリンパ節、多臓器への転移の有無によって決まり、0期~IV期まであります。精密検査によってがんの詳しい部位や広がりの程度を調べ、がんのステージを決定し治療法を検討します。一般的に、III期までの大腸がんではがんの切除を目指し、内視鏡治療又は外科治療が考慮され、必要に応じて薬物療法(補助化学療法)を行います。IV期の大腸がんや、III期までであっても切除が難しい場合は薬物療法を中心に行い、必要に応じて症状を和らげるための放射線治療や対症療法を行います。ただし、上記の治療法はあくまで目安であり、患者ごとの症状や年齢、ほかの合併症、希望、生活スタイルに応じて治療法が選ばれます。内視鏡と呼ばれる細い器具を使ってがんを切除する治療法で、0期~I期の早期の大腸がんで考慮される治療法です。手術と比べて体の負担が少ないことがメリットです。大腸がんで用いられる内視鏡治療には“内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)”、“内視鏡的粘膜切除術(EMR)”、“内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)”と呼ばれる方法があります。I期の中でもがんの広がりが大きい場合や、II期以上の場合、すなわちがんがある程度進行しており、内視鏡治療ではがんが取り切れない場合やリンパ節転移の可能性がある場合などに考慮されます。手術の場合は通常周りのリンパ節も含めて切除を行いますが、ほかの臓器に広がっている場合は周りの臓器も切除することがあります。手術法には、開腹だけでなくお腹に数か所の穴を開けて行う腹腔鏡下手術や、手術支援ロボットを使って行うロボット支援下手術もあります。お腹を切り開くよりも患者の負担が少なく済みますが、病気の状態などによって難易度が変わるため、医師とよく相談するとよいでしょう。がんがある部位に放射線を照射する治療で大腸がんで行われる放射線治療には“補助放射線治療”と“緩和的放射線治療”の2つがあります。補助放射線治療は、切除が可能ながんに対して再発を予防したり、がんの切除範囲を小さくしたりするために行われます。緩和的放射線治療では、がんによる痛みや出血などの症状を和らげるために行われます。現時点では放射線だけで治療することは難しいですが、将来的には抗がん剤との組み合わせで治癒を目指すことができるようになる可能性があると考えられています。大腸がんの薬物治療(抗がん剤、分子標的薬など)には、切除治療が行われた場合にがんの再発を防ぐ目的で行われる“補助化学療法”と、手術が難しい場合にがんを小さくしたり、がんの進行を抑えたりすることを目的に行われる“緩和的化学療法”があります。薬物治療に用いられる薬は多数あり、がんや合併症の状態などに応じて用いられる薬が決められます。がんの治療に用いられる薬は何らかの副作用が起こることが多いですが、副作用を和らげる薬も用いながら治療を進めることができます。

漢方と鍼灸

 抗がん剤の副作用を消しながら体力や免疫力をつけると体の負担が減り抗がん剤がもっと効く場合があります。また癌との相性がいいものを飲めば癌の縮小または共存が可能になるかもしれません。必ず効くという抗がん剤は今のところありませんが、体力、免疫力を損なわないようにしたいですね。癌の反応穴、大腸の癌の箇所から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。

食道癌

 食道がんとは、食道の内部を覆う粘膜の細胞から発生するがんのことです。食道は約25cm(成人の場合)の管状の臓器であり、口から摂取した飲食物を胃へ送り届けるはたらきを担います。食道がんは食道のどの部位にも発生する可能性がありますが、多くは中央付近に発生するとされています。食べ物を飲み込んだときに胸の奥がちくちくと痛んだり、熱いものを飲み込んだときにしみるように感じる、といった症状は、がんの初期のことにみられます。発症すると早期段階では自覚症状がないケースも多々ありますが、徐々に進行してがんが大きくなると食道が狭くなるため、喉のつかえ感や痛みなどの症状が現れるようになります。また、食道の壁は比較的薄い構造であるため、食道がんは周囲の肺や心臓、大動脈、気管などの重要な臓器を巻き込みながら成長していきます。そのため、食道がんは早期段階で発見できれば内視鏡治療や手術などによって治る見込みは高いとされていますが、進行した状態で発見された場合は極めて予後が悪いがんの1つでもあります。また、食道がんは女性よりも男性のほうが5倍ほども発症しやすく60~70歳で発症しやすいのも特徴の1つです。一番壁の内側にある粘膜は「重層扁平上皮」という組織で覆われています。食道がんはこの一番内側の粘膜から発生します。日本人の食道がんの90%以上がこのタイプの「扁平上皮癌」です。食道がんの主な原因は過度な飲酒喫煙習慣だと考えられています。特に飲酒と喫煙の両方の習慣があるケースでは、食道がんにかかるリスクがより高くなることが報告されています。たばこの煙には多くの発がん性物質が含まれ、また飲酒によって体内で生じるアセトアルデヒドにも発がん性があるため、それらの物質にさらされやすい食道にがんが生じやすくなるのです。また、食道がんは温度の高い飲食物逆流性食道炎などによる慢性的な食道粘膜への刺激によっても発症リスクが高まると考えられています。食道がんは早期段階ではほとんど症状がないとされています。しかし、徐々にがんが進行して大きくなると、食道の内部が細くなるため飲食物が通りにくくなり、飲食時に胸や喉のつかえ感、違和感などを覚えるようになります。そのため、食事量の減少による体重減少が目立つようになるケースもあります。また、食道は壁が薄いため、進行してがんがどんどん広がっていくと、肺・心臓・大動脈・気管・神経などの重要な器官に及ぶことで背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が現れることも少なくありません。さらに、食道がんは肺・肝臓・骨などに転移しやすく肝機能低下による黄疸やむくみ、腹水貯留、呼吸困難感、骨の痛み、些細な刺激による骨折などの症状がみられることもあります。まず食道内に内視鏡を挿入して内部を詳しく観察するための検査です。食道がんの診断に必須の検査であり、食道がんが疑われた場合は第一に行われる検査でもあります。また、近年では内視鏡の先端に超音波装置が内蔵された機器も普及しており、微細な粘膜の変化やがんの広がり、周辺のリンパ節転移の有無などを詳しく調べるために用いられることがあります。貧血や炎症の有無など全身の状態を評価するために血液検査が行われます。また、食道がんを発症すると、SCCCEAなどの腫瘍マーカー(がんを発症すると体内で多く産生されるようになる物質)が高値となるため、診断の手がかりの1つとしてこれらの腫瘍マーカー値の測定が行われることがあります。病理検査では、食道がんの確定診断に必須の検査です。内視鏡検査などの際に採取したがんの組織の一部を顕微鏡で詳しく観察し、がんの細胞の有無やがんの細胞の種類などを確定することができます。がんの広がりや転移の有無を調べるため、CTやMRIなどを用いた画像検査が行われます。また、近年では微小な転移の有無を調べるために、PET検査が行われることも少なくありません。さらに、食道の狭窄の程度や飲食物の通過性の評価を行うため、造影剤(レントゲンに描出されやすくなる薬剤)を飲んで撮影する上部消化管造影検査を行うケースもあります。食道がんの治療方法は、がんの進行度や全身の状態によって大きく異なります。がんが食道の粘膜層のみにとどまっている場合は内視鏡を用いた切除を行うことができます。しかし、このような早期の段階でもがんが食道の全周に広がっているような場合やがんが筋肉の層にまで及んでいるような場合は全身の状態を考慮し、手術による切除、放射線治療、抗がん剤治療などが行われます。
また、さらにがんが進行している場合は、手術前に抗がん剤治療を行ってがんを縮小させたうえで手術を行うことが多く、全身の状態が悪く手術が困難な場合には放射線療法や抗がん剤治療が行われます。そのほか、食道がんは進行すると食道を狭窄するため飲食物を摂取することが困難になることも少なくありません。そのため、全身の状態が悪く手術などの積極的な治療ができない場合でも、食道内に金属製のステントを挿入して食道の狭窄を広げる治療が行われることもあります。上でも述べたように、食道がんの主な原因は喫煙や飲酒習慣です。喫煙習慣はほかのがんの発症率も大きく上昇させるため、現在喫煙されている人は禁煙外来などを利用して禁煙を目指すことがすすめられます。また、近年の研究では、飲酒によって体内で発生するアセトアルデヒドを分解する酵素が少ない人ほど食道がんの発症率が上昇することが分かっています。飲酒すると顔が赤くなりやすい人やお酒が弱い人は過度な飲酒を控えるようにしましょう。さらに、食道がんは逆流性食道炎によって発症率が上がることも分かっています。逆流性食道炎は内臓肥満やコルセット、円背などによる腹圧の亢進こうしん、食道胃接合部にある筋肉の弛緩、食道裂孔ヘルニア、などが複合的に作用して胃内容物が逆流することで発症すると考えられています。そのため、肥満を予防するような食生活や運動習慣を心がけることも食道がんの予防につながります。

漢方と鍼灸

 逆流性食道炎の方が多く、まさか食道に癌ができやすいと考えもしないでしょう。喫煙や過度の飲酒やアルコール度数の高いお酒などにも注意が必要です。食道の異常箇所、癌の反応穴から最適な漢方食養生サプリツボを選択してお伝えいたします。予防相談も行っております。