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腹水

 腹水はおなかに水がたまった状態です。もともとお腹の中には腸がスムーズに動くために50ml程度の腹水が存在しています。しかしこの腹水が検査で目に見えるようになると腹水貯留といいます。通常、腹水は腹膜などで産生され、同じく腹膜や血管で吸収されてバランスを取っています。 腹水は少量であれば自覚症状はあまりみられません。大量になるとお腹が膨らんで蛙腹になったり、おへそが飛び出ることもあります。胃が圧迫されて食事がとれなくなったり吐き気が出ることもあります。腸が圧迫されると便秘になります。肺との境界である横隔膜を押し上げて肺が膨らみにくくなり息切れを感じることもあります。足に行った血液が心臓に戻りにくくなるため足首がむくむこともあります。腹水は「腹水が過剰に産生」されたり「腹水の排出が妨げ」られて発生します。特に腹水が増加するときに関係しているのは血管内圧の上昇(門脈圧亢進)とアルブミンです。

 血管内圧とは普段皆さんが腕で測定する血圧ではなく、特にお腹の中の血管の圧を意味します。不要になった腹水は血管に引き込んで排出されていますが、お腹の中の血管の内圧が高いとそれ以上の液体を引き込めなくなり、腹水の吸収ができなくなります。さらに圧が高いことで逆に血管から水がしみ出て腹水が増える原因にもなります。

 腹水の排出がうまくできないもう1つの原因がアルブミンの減少です。アルブミンはたんぱく質の1つです。アルブミンは血管の中の水分量を保ったり、余分な水分を血管に取り込む役割をしています。このアルブミンが不足すると腹水を血管内に取り込めなくなり、場合によっては血管内の水分が血管の外にしみだして腹水になるのです。アルブミンの基準値は3.9g/dL以上とされています。 また、3.7〜3.8g/dLは要注意、3.6g/dL以下は異常値とされます。

 この両方の原因がおきる代表の疾患が肝硬変です。肝硬変自体は大量飲酒、 脂肪肝、またはウイルス性肝炎に起因することが最も一般的です。肝臓は全身の血液を集めて栄養を蓄えたり解毒したりしていますが、肝臓が硬く変化してしまうと血液が肝臓に入りにくくなり、滞った血液がしみ出る形で腹水になります。さらに肝硬変の場合は肝臓で作られるアルブミンの量が減るため血管内に水分がとどまりにくくなり、水分が血管からお腹にしみ出やすくなります。また腹水を作ったり排出したりして調節している腹膜に炎症が起きるとこの調節が崩れて腹水が増加することがあります。腹水はたんぱく質がどれくらい含まれているかによって滲出液と漏出液に分類されます。非炎症性のものでは0.1~2.0g/dL、癌性では2.0~4.0g/dL、炎症性では4.0g/dL以上とされ、総蛋白量によりある程度原因疾患の鑑別が可能です。

 滲出性腹水は、腹膜の血管透過性亢進やリンパ流の鬱滞等により、蛋白質や細胞成分を多く含んだ血漿成分が腹腔内に滲出したものである。 癌性腹膜炎によるものが最も多いようです。滲出液は主に炎症が原因細菌性腹膜炎、癌性腹膜炎(大腸・肝・胆道・膵臓・胃・卵巣・子宮)、急性膵炎などで多くなります。

 漏出性腹水は、腹膜自体に病変がなく、低蛋白血症や門脈圧亢進症により血中の水分が腹腔内に漏出したものである。肝硬変によるものが最も多いようです。非炎症性で、主に血管内圧の上昇やアルブミン不足が原因で肝硬変、門脈圧亢進、うっ血性心不全、腎不全、ネフローゼ、卵巣刺激症候群などで多くなります。

腹水の合併症

 特発性細菌性腹膜炎(はっきりとした理由がないのに生じる腹水の感染)が起こることがあります。この病態は、腹水と 肝硬変がみられる患者によく起こり、アルコール依存症があると、さらに発生頻度が高まります。特発性細菌性腹膜炎を発症すると、通常は腹部に不快感が現れ、腹部に圧痛を感じることもあります。発熱や体調不良がみられるほか、錯乱や見当識障害に陥ったり、眠気を覚えたりすることもあります。治療しないと死に至ることがあります。生存の見込みは、適切な抗菌薬による早期の治療を行えるかどうかにかかっています。

 腹水の治療は安静と塩分制限、腹水を尿として排出するための利尿剤を使用します。低ナトリウム食と利尿薬によって、過剰な体液の排出を促します。安静にして横になっている時間を増やすことで、肝硬変の人の場合は肝臓に血液が入り込みやすくなり腹水の産生が減ります。また腎臓に血液が届きやすくなり余分な水分を尿として排出しやすくなります。塩分は体に水分をためやすくなり、利尿剤を使用していても効きにくくなってしまうため制限が必要です。病状によっては摂取する水分量も制限されることがあります。症状が強く、急いで腹水を減らす必要があるときにはお腹に針を刺してある程度の腹水を排出します。腹水には水だけでなく体に必要な栄養分も含まれているため、場合によっては抜いた腹水から水分を取り除いて点滴として体に戻す、腹水濾過濃縮再静注法とよばれる治療が行われることもあります。アルブミンの不足が腹水の原因である場合は、血液製剤であるアルブミンの点滴を行うこともあります。アルブミンの点滴は使用日数に制限があります。

漢方と鍼灸

 本治と標治にわけて漢方を選択します。例えば漏出性の肝硬変を良くする漢方、食養生は本治。門脈圧亢進、アミノ酸補充、腎機能改善、心機能改善などは標治。滲出性では癌に対して免疫力をあげる方法は本治。炎症を抑える、随伴症状をとる、抗菌漢方などは標治。
癌のツボ、腹水箇所、細菌やウイルスのツボ、門脈、心臓、腎臓など関係するところから波長をとって経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。いい結果が出ないようでしたらご相談ください。

腹鳴

 お腹がぐるぐる鳴る現象は「腹鳴」と呼ばれており、消化管中の空気が腸の蠕動運動によって狭窄した管腔を通るときに生じる音と考えられています。特に空腹時は、消化管の蠕動運動が強くなります。これらの現象は、胃腸の働きを調整している「モチリン」(十二指腸から分泌されるホルモン)の血中濃度が上昇することで、胃が収縮するためと考えられています。お腹がぐるぐる鳴りやすい人の特徴は次の通りです。長時間座って作業する人は、胃腸が圧迫されている状態が長く、体内の空気が滞りやすい状態です。また、冷え症の人は、腸内にガスが溜まりやすくなり、お腹が鳴る場合があります。水を沢山取る人または水の代謝が悪い人早食い(食べ物を良く噛まずに早く食べてしまう人)、脂質の多い食生活を送っている人、アルコールを過剰に摂取している人、香辛料等の刺激物を好む人運動不足の人便秘の人は腹鳴になりやすいですね。食後、空腹、牛乳やヨーグルトの摂取、冷たい飲み物・刺激の強い香辛料の摂取、生理、妊娠中という場合は、心配する必要はありません。食後の胃は、食べた物を消化するためにモゾモゾと動き続けます。消化が行われて胃内が空の状態になると、次は強い収縮が起こり、お腹が鳴る場合があります。(食後期収縮)空腹時にお腹が鳴る原因は、胃が強く収縮するためです。(空腹時収縮)空腹時収縮が起こると、胃内の水分、空気、食品の残りカス等が拡販されて音が出る場合があります。発泡性のある炭酸飲料や小麦を使った食品(パン、麺 等)はガスが発生しやすいとも言われています。また、調理の過程で重曹を使ったものも、ガスが発生しやすいです。さらに、空気と食べた物が混合したものが小腸を通過する際にも音が出る場合もあります。牛乳やヨーグルトを摂取するとお腹がぐるぐる、ごろごろする場合、乳糖不耐の可能性があります。“乳糖不耐”とは、乳糖を分解するラクターゼという酵素が減少し、機能が低下するため、乳糖が消化されない状態をいいます。そのため、腸から吸収されずにガスが発生し、お腹が鳴ると考えられています。乳糖不耐は、先天的なものと後天的なもの両者あります。冷たい飲み物や刺激の強い香辛料を摂取した場合、腸に刺激が加わり活動が活性化されて、お腹が鳴る場合があります。
また、アルコールも腸に刺激を与え、お腹が鳴ることもありますが、どちらかというとアルコールの場合は、腸に刺激を与えすぎて下したり、ガス(おなら)が多くなったりします。生理が始まるとプロスタグランジンの分泌により子宮が収縮を起こし、下腹部痛を伴う下痢が起こりやすい状態になります。下痢を起こすと、体内の有害物質をいち早く排泄しようとすごい速さで収縮するため、お腹が鳴る場合があるようです。腸内ガスの動きや脈動によるものと考えられています。妊娠すると、血液循環が良好になるため、妊娠前よりも脈動を感じる場合が多いようです。また、腸の蠕動運動が低下している場合、ガスを体外へと排泄できずに溜まってしまい、お腹が鳴るケースもあります。

 次のような症状が出る場合は、注意が必要です。下痢や便秘を伴う、吐き気がある・気持ち悪い、おならの臭いが気になる場合は検査をしてもらいましょう。ストレスが溜まっている通常の下痢、便秘と区別するポイントはストレスが原因、腹部症状が現れる(下痢、便秘、お腹が鳴る、お腹が張る、腹痛、おならが多い等)、排便すると症状が軽減するまた、食中毒等の細菌性腸炎やノロウイル感染症等の場合には吐き気や嘔吐を伴う場合があります。腸が動き出す際に、お腹がぐるぐる鳴るような痛みが生じて、下痢症状やガスが出る等が起こる場合もあります。消化吸収時にお腹が鳴る場合、腸内でガスが生じている可能性があります。腸内にガス(空気)が生じていると、消化された物が腸を通過する際に音が鳴ります。また、食事等と一緒に空気も飲み込んでしまうとゲップやお腹の中のガスも増えてしまいます(呑気症)。胃腸は自律神経により機能しています。そのため、疲労過多や精神的・身体的ストレス過多、生活習慣の乱れ等があると腸の動きも乱れ、腹部に悪影響が生じる場合があります。お腹がぐるぐるしているときは、腹持ちが良い食品を食べる、お腹をマッサージするといった対処法を試してみましょう。腹持ちが良い食品(脂質が多いものや食物繊維が多いもの)を食べると消化管の中に長く留まるため、管腔が狭くなりにくくなり、腹鳴を抑制できる場合があります。手を握ってグーにして、おへそ周りに円を描くようにゆっくりマッサージするのもいいでしょう。

漢方と鍼灸

 気血水の物差しから気虚は蠕動運動の低下、気滞はガスの発生、お血は血行不良による蠕動運動不足、血虚は腸の潤い不足、水の過剰は腹鳴の発生、軟便や下痢、水の不足は便秘となります。また自律神経の乱れは腸の動きの乱れに連動しやすいのです。便秘や下痢のツボ、自律神経のツボ、既往の病気のツボの波長から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

腹部膨満感

 おなかが張って苦しい、痛いなどの症状を腹部膨満感といいます。主に腸内にガスがたまったり、腸がむくんだりして起こります。稀ですが、腹水といっておなかに水がたまる場合もあります。ガスがたまる原因としては、口から飲み込んだ空気による場合と腸内細菌が産生するガスによる場合があります。また、ストレスや運動不足、特定の食べ物(小麦やキシリトール、清涼飲料水などの糖類)の摂りすぎが原因のこともあります。ストレスや自律神経が関与する機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群も代表的な疾患でしょう。しかし、大腸がんや腸閉塞などの病気や、心不全などでも腹部膨満感として自覚することもあります。また十二指腸と小腸の繋がる部分にある血管を上腸間膜動脈といいます。上腸間膜には、通常脂肪がありますが、急激に痩せると脂肪がなくなり、十二指腸が血管から圧迫を受けて腹部膨満感を起こします。その他、食後の胃もたれや腹痛などの症状も見られます。上腸間膜動脈症候群といい、特に仰向けの姿勢になると圧迫が強くなり、症状が強くなるため、うつ伏せ寝の状態になることで症状を軽減できます。腹部膨満感は身近な症状ですが重大な病気が関係していることもあります。
考えられる疾患は便秘、機能性ディスペプシア、呑気症、上腸間膜動脈症候群、過敏性腸症候群、慢性胃炎(ピロリ胃炎)、逆流性食道炎、感染性胃腸炎、胆石症、慢性肝炎、胃がん、大腸がん、腹水、腸閉塞、心不全などの心血管病変などがあります。

漢方と鍼灸

 まずどんな時にお腹が張るのか、持続しているのか随伴症状は何か、どんどんひどくなっているのかなど問診していきます。上記の疾患の中には検査が必要なものもあるのでまずは病院に行って原因を突き止めましょう。食事内容も見直さないといけない場合があります。腸を温めて動きを良くする漢方、腸の周りの血流を改善する漢方、腸内環境、ストレス対応漢方などを複数のツボから選択していきます。

腹痛・急性胃腸炎・急性虫垂炎・憩室炎・腸閉塞・虚血性腸炎

 急性胃腸炎とは、胃腸の粘膜が炎症を起こす病気です。急性胃腸炎になる原因で多いものは、ウイルスや細菌などによる感染とされています。主な症状は、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱、お腹の張り、食欲不振などです。
 急性虫垂炎は虫垂に炎症が起きる病気で、いわゆる「盲腸」のことです。時間の経過とともに症状が変わることがあり、最初の自覚症状は食欲不振や吐き気、みぞおちの痛みなどが多いといわれています。次第に痛みの場所がみぞおちから右下腹部へ移動し、腹膜炎の状態になると高熱を伴うことがあります。
 下腹部が痛くなるその他の腸の病気には、憩室炎、腸閉塞、虚血性腸炎、過敏性腸症候群などがあります。憩室炎とは、大腸にできた憩室という袋が細菌に感染することで炎症を起こす病気です。主な症状は腹痛や発熱です。
腸閉塞とは、腸がふさがってしまい消化された食べ物などが肛門へと移動できない状態です。主な症状は、腹痛、お腹の張り、便通がない、嘔吐などですが、嘔吐以外の症状は出ないこともあります。以前おなかの手術をうけたことのある人はリスクが高く、他には大腸がんなどがしばしば原因となります。
虚血性腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気です。主な症状は、左下腹部の痛み、下痢、血便ですが、嘔吐や発熱が出ることもあります。しばしば便秘が原因となります。
尿管結石や腎盂腎炎ではわき腹や背中、腰の痛み、血尿がみられ、腎盂腎炎では高熱が出ることもあります。
 膀胱炎や前立腺炎では下腹の痛みがみられ、なかでも前立腺炎では高熱が出ることもあります。
卵巣炎、卵管炎、卵巣嚢腫茎捻転、子宮外妊娠、生理痛など、婦人科の病気が原因で下腹部が痛くなることもあります。
卵巣炎、卵管炎は、感染症が原因で卵巣や卵管に炎症が起きる病気、卵巣嚢腫茎捻転は、卵巣にできた腫瘍がお腹の中でねじれてしまった状態のことです。子宮外妊娠は、卵管や卵巣、腹膜など、子宮以外の場所で着床して胎児が育っている状態で、大量出血の原因となり命に関わる危険性もあります。女性が激しい下腹部痛を感じた場合には注意が必要です。
まれにお腹が痛くなる原因として、腹部大動脈瘤破裂や腹部大動脈解離、上腸間膜動脈血栓症など命にかかわる病気があります。突然にお腹の強い痛みがおこり、腹部大動脈瘤破裂や腹部大動脈解離では背中や腰が痛んだり、ショック状態になることもあります。上腸間膜動脈血栓症では血便がみられることもあります。

漢方と鍼灸

 腹痛の原因は様々です。上記以外にもストレスや腸が冷えたことによって腹痛を起こすこともあります。腹痛は下腹部が中心なのでお血の漢方や血虚の漢方、温める漢方、炎症を鎮める漢方、殺菌作用のある漢方などを腹痛箇所、大腸のツボから選択していきます。。

ピロリ菌感染症

 Helicobacter pylori、ヘリコバクターピロリ、通称ピロリ菌に感染している状態を指します。ヘリコとは「らせん」とか「旋回」という意味。ヘリコプターのヘリコと同じです。ひげの部分も回転させて移動します。バクターとはバクテリア(細菌)。ピロリとは胃の出口(幽門)をさす「ピロルス」からきています。この菌は胃の幽門部から初めて見つかりました。ピロリ菌の最も大きな特徴は、酸素の存在する大気中では発育しないことで、酸素にさらされると徐々に死滅します。乾燥にも弱く、グラム陰性桿菌に分類されます。大きさは0.5 × 2.5~4.0μmで、数本のべん毛を持ち、胃の中を移動します。ピロリ菌が強酸性下の胃の中で生育できるのは、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで酸を中和することにより、自分の身の周りの酸を和らげて生きています。ピロリ菌は胃の表層を覆う粘液の中に住みつく菌で、感染したまま放置しておくと慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍かいよう、胃がんなどが引き起こされることがあります。1982年、オーストラリアの研究者であるBarry MarshallとRobin Warrenがピロリ菌の単離、培養にはじめて成功し、2005年にはこの功績によりノーベル医学生理学賞を受賞しています。ピロリ菌の感染率には衛生環境が関連するといわれており、日本では中高年に多く、若年層では近年減少傾向にあります。ピロリ菌は1~2週間の治療で除菌することが可能です。これまでに、胃・十二指腸潰瘍やMALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病などに対してピロリ菌除菌が有効であることがわかっています。また、ピロリ菌感染と胃がん発症の因果関係が報告されています。日本において胃がんは患者数が多いがんであり、胃がんを予防するという意味でもピロリ菌除菌の有用性が示されています。具体的には、ピロリ菌に感染している大人から赤ちゃんに口移しで食べ物を与える、糞便に汚染された食物・水の摂取などが考えられます。また、衛生環境がピロリ菌感染に関係していることがわかっています。そのため、発展途上国においてピロリ菌感染者が多く認められます。日本においては60歳以上の80%が感染しているとされていますが、衛生環境の改善に伴い若年層の感染率は減少傾向にあり、10代以下の感染率は10%以下といわれています。また、ピロリ菌に感染する時期としては、ほとんどの場合、免疫機構が十分に発達していない乳幼児、特に4歳以下であるといわれています。ピロリ菌に感染しても、初期のうちは特徴的な自覚症状がないことがほとんどです。しかし、感染したまま放置しておくと、機能性ディスペプシア、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮いしゅく性胃炎、さらには胃がんなどを引き起こします。これらの病気が起きると、胃のむかつき、胃の痛み、吐き気などの自覚症状が認められるようになります。この他にも、MALTリンパ腫といった血液の病気を引き起こしてしまうこともあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍は、ピロリ菌感染者の10~15%程度が発症するといわれています。また、ピロリ菌に感染し数十年の経過を経ると、3~5%程度が胃がんを発症するといわれています。
 検査方法は、内視鏡により胃の粘膜を採取 (生検) し、その検体を用いて迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法といった方法と内視鏡を使わない尿素呼気試験法、抗体測定、糞便中抗原測定があります。ピロリ菌の除菌治療には、プロトンポンプ阻害剤 (ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、ボノプラゾンのいずれか) と「アモキシシリン」「クラリスロマイシン」という2種類の抗生物質を組み合わせた多剤併用療法が行われます。これら3種類の薬を1日2回7日間続けて服用します。この1次除菌治療で70%以上の方が除菌に成功し、治癒します。以前は80%以上の成功率といわれていましたが、近年クラリスロマイシンへの耐性菌が増加し、若干の低下傾向にあります。2015年に発売されたボノプラザンを用いた除菌療法が、現在主流となっており、ボノプラザンを用いた場合、90%以上の成功率となっています。1次除菌治療終了後、4週以上期間をあけてから再度検査を行い、除菌できているかを調べます。治療に使用するプロトンポンプ阻害剤は、薬の服用を中止してからも4週程度ピロリ菌に対する静菌作用が続くとされています。そのため現在の指針では、1次除菌治療終了後4週間あけてから検査を実施することになっています。1次除菌で効果が認められない場合には、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更し、同様に1日2回7日間続けて服用、2次除菌を行います。2次除菌まで行った場合には、全体の90%の方が治癒できます。

漢方と鍼灸

 ピロリ菌を殺菌する漢方を使います。抗生物質の耐性を起こしている方、副作用が出て飲めない方、抗生物質2種類に抵抗のある方はおすすめです。まず菌の反応をとらえるツボから相性のいい漢方を選択します。また食養生も大切ですね。食生活の改善も一緒に見直していきましょう。

胃下垂

 胃下垂とは、胃が正常の位置よりも垂れ下がっている状態のことを指します。成人でも小児でも生じることがありますが、原因は両者で異なります。また、原因が特定できないことも少なくありません。実際に何も症状がないにもかかわらず、偶発的に胃下垂が見つかることもあります。そのため、胃下垂そのものが必ずしも病的な意味を持つとは限りません。病的な原因としては、糖尿病に関連した胃下垂が多いです。そのほかにも、以下のようなさまざまな病気が原因となりえます。胆嚢疾患、膵炎、ウイルス感染症、神経性食思不振症、胃食道逆流症、胃がん、アミロイドーシス、パーキンソン病、甲状腺機能低下症などです。また、胃の手術をおこなった後や暴飲暴食、過労、ストレス、出産などによって胃下垂が引き起こされることもあります。早産児においては、消化器の成熟が未熟な場合にみられることがあります。また、ミルクアレルギーに関連した胃下垂もあります。さまざまなことが原因として関与する胃下垂ですが、原因が特定できないことも少なくありません。心窩部(みぞおち付近)の痛み、腹部膨満感、食欲不振、吐き気、便秘、胃酸の逆流、口臭などを伴うこともあります。食後にお腹の張りや吐き気などが増悪することもあります。また、胃が骨盤部まで落ち込むことで、お腹がぼってりと腫れて見えることもあります。一方で、特に自覚症状がなく、別の理由で行われた透視検査をきっかけとして、胃下垂の指摘を受けることもあります。

漢方と鍼灸

 胃下垂の方は食後眠くなる傾向があります。脾(消化に関与するところなので膵臓も含む)の弱りからくることが多いですね。内臓は筋肉なので消化速度が遅くなれば停滞し食物や飲み物の重みで下垂することもあります。代謝が落ちれば胃腸の運動も落ちますね。ストレスやうつ、仕事に集中しすぎなども胃腸の運動が悪くなります。胃腸も血管が無数に蔓延っています。血流が悪くなれば機能が落ちます。また腸と脳の関係から脳の伝達異常から胃腸の運動も関係してくる場合もあります。原因疾患の本治によって下垂も改善されやすいと思います。

食欲不振

 

なんとなく食事が食べたくない、以前のように食べられない、このような症状のことを食欲不振といいます。このごろ食欲がない…好きなものもあまり食べたくない、「何が食べたい?」と、聞かれても何も思い浮かばない、いつもお腹のあたりに違和感がある。このような症状があるとき、原因として考えられることはどのようなものがあるでしょうか。胃の炎症である胃炎や、胃や十二指腸の壁が傷つく胃・十二指腸潰瘍も食欲不振の一因です。みぞおちの痛みや不快感、胸やけ、吐き気、胃もたれなどがみられることがあります。胃酸の逆流により食道に炎症が起きる病気です。食欲不振の他、げっぷ、胃もたれなどの症状がよくみられます。逆流した胃酸を気管に吸い込むことで咳が出ることもあります。機能性ディスペプシアは胃の運動機能障害による食欲不振、胃もたれなどを起こす病気です。食事と関係して食後の胃もたれ、あまり食べられないなどの症状が出るタイプと、食事と関係なくみぞおちあたりに痛みが表れるタイプに分かれるとされています。肝炎はウイルスやアルコール、なんらかの病気などの影響で肝臓が炎症を起こしている状態です。炎症の程度により、肝臓の機能に障害が出ている場合には、食欲不振の他に、皮膚や白目が黄色くなったり、だるさ、吐き気などの症状が現れることもあります。甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。男女比は1:10程度と女性に多く見られます。初期症状はほとんどありませんが、次第に元気がでない、声のかすれ、皮膚の乾燥、足のむくみなどが出現します。抑うつ症状が出たり、疲れやすくなるのも特徴です。いわゆる拒食症は、太ることを過剰に恐れて過度の食事制限を行い、無理に体重を落とそうとする摂食障害の一種になります。自分では異常があると気づきにくい病気といわれているため、まわりが異変を感じたら受診に繋げることができるとよいでしょう。気分の落ち込み、喜びや興味の減退が2週間以上続く病気です。日本では100万人以上のうつ病患者がいるともいわれています。気分の落ち込みや憂うつさ、集中力欠如、イライラといった心理的な症状の他、疲れやすさ、頭痛、肩こりなどの身体症状が現れることもあります。癌は体のどの部位にもでもできる可能性があり、多岐にわたる症状を示します。特に胃など消化器系のがんの症状として、食欲不振、吐き気などがみられることもあります。ストレスは自律神経の交感神経を過剰に刺激します。そうなると消化吸収を促進している副交感神経の働きが抑制され、食欲が起こりにくくなることがあります。
ストレスの原因を取り除いたり離れたりすることも大切ですが、すぐには難しい場合には、趣味やスポーツなどに没頭できる時間を作るのも良いでしょう。短いひとときでもリラックスできる環境を整えることで気分転換をはかりましょう。高温多湿が続くといわゆる夏バテを起こすことがあります。夏バテは病気ではありませんが、消化器機能が低下し食欲不振に陥ることもあります。夏バテ防止のためには、日頃から疲れを溜めず体調を整えておくことがポイントになります。夏場はついシャワーだけですませてしまいがちですが、ぬるめのお湯にゆっくりつかるのもおすすめです。就寝時はクーラーのかけすぎも体力を奪う一因です。生活習慣の乱れも自律神経の不調から食欲不振を招きがちです。睡眠不足、運動不足、暴飲暴食などが続いているときには、生活習慣を見直すいいタイミングかもしれません。

生活習慣が乱れているときは1日3食、できるだけ決まった時間に食事をとるようにしましょう。早寝早起きの習慣をつけ、生活リズムを整えることができればなお良いでしょう。また、体を動かすことでエネルギーが消費され、気分転換できると自然に食欲が湧くこともあります。ウォーキングなどの手軽にできる運動を、できるだけ毎日の生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか。つわりとは、妊娠によるホルモン変化が原因で吐き気を感じたり、実際に吐いてしまうことです。妊娠初期に現れますが、多くの場合、食欲不振を伴います。食欲不振が見られなおかつ妊娠の可能性がある場合、まずは産婦人科を受診しましょう。もし妊娠していた場合、使用できる薬には限りがありますので、食欲不振があるからといって安易に市販の胃薬などを飲んだりせず、まずは医師の確認を受けることが大切です。
つわりであった場合には、妊娠5~6週頃から症状が出て、12~16週頃に落ち着くことがほとんどです。加齢によって運動する機会が減るとエネルギーの消費量も減り、食欲不振になりがちです。また、家族や友人との死別、環境の変化などによる心因性の食欲低下も見られます。高齢者の食欲不振は味覚・嗅覚の低下や、歯の衰えなども関係しているのではないかといわれています。食べられないからといって回数を減らすより、食事の機会は毎食設けるようにし、その上で食事内容を工夫してみるとよいでしょう。歯や飲み込みの状態に合わせ、刻んだり、食べやすい食品を選ぶことは大切です。会話をしながらの楽しい食事も食欲を増進させます。一人暮らしならばデイサービスなどを利用してみてはいかがでしょうか。以上食欲不振として考えられる症状、疾患、老化現象です。

漢方と鍼灸

 まず原因を問診しながら解いていきます。やる気を出してもらう、元気になっていただく、胃腸は元気の源です。お話を聞くことによって気づきがあれば対策もおのずと出てくることでしょう。気の流れが滞っている状態なので気を発散、巡りを良くしましょう。対策は疾患ごとに違います。

呑気症(どんきしょう)

 緊張した時の表現として「息をのむような」という事があります。本当に人は緊張した時に、空気をのみ込む事がよくあります。そして、それが胃の不快感、痛み、上腹部膨満感、おなら等の症状として表れる場合を、呑気症(どんきしょう)と呼んでいます。唾液を1回のみ込むと、同時に2~4mlの空気ものみ込みます。炭酸飲料をよく飲む人や早食いの人も、空気を多くのみ込みます。のみ込んだ空気が、のどや食道にたまると、のどの異常感や食道の異物感を感じます。その時、唾液をのみ込んで異物感を解消しようとすると、かえって空気を多くのみ込むことになります。胃に空気がたまると、胃の不快感や痛み、上腹部の膨満感が生じます。胃の空気が逆流して出て来るのがげっぷで、空気が小腸を通過し、大腸にたまるとおならとなって出て来ます。こうした症状が表れる呑気症は、ストレスの多い人、神経症傾向の人、うつ状態の人がなりやすく、これらの人は、不安や緊張から歯をかみしめる回数がおおくなり、かみしめることが発症を促す要因になります。一般に、安静にしているときは、上下の歯は離れています。かみしめるようになると、舌が上あごに張り付くため、のどの奥に唾液と空気がたまってきて、このたまった唾液をのみ込む際、空気ものみ込んでしまいます。また、呑気症の人は、歯をよくかみしめるので、歯をかみ合わせるときに使う筋肉が緊張して、あごやこめかみに痛みが生じ、そして肩や首の痛みや凝り、頭痛、腕のしびれ等の症状が表れることがあります。ストレスが多くてこの呑気症になる人は、自律神経を介しておこる過敏性大腸症候群を併発しやすく、併発すると、腹部膨満感がより強く表れ、便通異常もみられるようになります。日常生活をする上で、ストレスは避けて通れません。その人の性格的な問題もありますが、まずは、十分な休息・睡眠をとり、軽い運動、スポーツや趣味を活かしたストレス発散もいいでしょう。そして、物事にたいして100%を望まず、よりリラックスしたプラス思考で生活する事が大切です。炭酸飲料やビールなど、腸管内でガスを発生しやすいものは出来るだけ避け、食事はゆっくりと時間をかけ、よくかんで食べましょう。かみしめる傾向が強い人には、薄いマウスピースを装着する方法もあります。緊張の強い人には、緊張を軽減する抗不安剤、膨満感の強い人には、消化管運動機能改善剤、過敏性大腸症候群の症状がみられる人には、その治療薬を使用します。

漢方と鍼灸

 額にある自律神経のつぼから漢方ツボを選択します。また胃や腸の波長も調べ自律神経と同じなら、原因は自律神経です。違う場合、胃や腸の調子を整える漢方ツボで治療いたします。

胃もたれ

 胃もたれとは、食べ物の消化が遅いことで起こる不快感の総称です。日常生活の中で比較的多くの人に起こりやすい症状の一つで、「何となく胃が重く、苦しい」「胃の中にいつまでも食べ物が残っている感じがする」と表現する人が多く、なかには吐き気も胃もたれと感じる場合があります。不快な症状が長時間続くことが特徴で、「食べ過ぎたから胃薬を飲めばそのうち治るだろう」と軽く考えがちですが、胃がんを始めとする重い消化器疾患が胃もたれの原因になっている可能性がありますので、早期治療が大切です。「食べ過ぎたわけでもないのに胃が重く感じる」「夜中に胃がムカムカして目が覚める」「何となく胃が膨らんでいる気がする」など、胃もたれの症状の感じ方は人それぞれです。また、胃もたれと類似する消化器官の不快感として「胸やけ」があり、間違えやすいかもしれません。違いとして、胃もたれは胃の不快感が比較的長時間続くのに対し、胸やけはみぞおち付近から喉にかけて、じりじりとした不快感があります。その理由は、胸やけの場合、胃液および胃の内容物が逆流し、食道が炎症を起こすことで症状が現れるからです。胃もたれの代表的な一つは、食べ過ぎです。また、早食いや脂っこい食事が中心の食生活も胃もたれを起こしがちです。その他、ガムを多く噛んだり、炭酸飲料を飲み過ぎたりすることも胃の中に多くの空気を取り入れてしまいますので、胃もたれの原因となります。さらに、胃もたれの原因となるのは食事だけではありません。睡眠不足や精神的に不安定な生活が続くことによるストレスも、胃もたれを引き起こす可能性があります。健康志向の中、食事に関しては気を付けている人も多いと思いますが、生活環境や生活サイクルのリズムにも十分気を付けていただければと思います。胃もたれを引き起こす原因は、消化器疾患だけとは限りません。たとえば機能性胃腸症、別名「機能性ディスペプシア」と呼ばれる病気は消化器疾患ではありませんが、胃もたれにつながる病気の一つです。最近の研究によれば、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)は、ピロリ菌感染による胃炎、肉体的・精神的ストレスの影響など、複数の要因が重なることで発症することが判明しています。それ以外に胃癌、食道癌、逆流性食道炎、萎縮性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などがあります。

漢方と鍼灸

 まずは食べ過ぎているか、夕食が遅い時間か、よく噛んでいるか、刺激物、揚げ物、脂身の多い食事など内容の確認、胸やけ、口の中に酸っぱいものがこみ上げてくるか、胃痛は食前食後のどちらかなど問診していきます。アトニー体質かカタル体質かにより漢方も違ってきます。胃のツボは背中側にあり、そのツボから漢方ツボの選択をします。癌の疑いがある場合、背中のツボから反応をみます。

悪性リンパ腫

 悪性リンパ腫は、白血球のうちリンパ球ががん化する病気です。悪性リンパ腫は、がん細胞の形態や性質によって、大きくB細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫の3つに分かれます。細かくは、100種類近くのタイプがあります。B細胞リンパ腫は濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫などがあります。T/NK細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球のうち、Tリンパ球またはNKリンパ球ががん化する病気です。進行の速さによって、「低悪性度(進行が年単位)」、「中悪性度(進行が月単位)」、「高悪性度(進行が週単位)」に分類されます。種類は、末梢性T細胞リンパ腫、非特定型、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、皮膚のリンパ腫(菌状息肉症など)です。ホジキンリンパ腫は、リンパ球のがんである悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。日本で発生する悪性リンパ腫全体のおよそ5%を占めます。ホジキンリンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の2つに分けられます。古典的ホジキンリンパ腫はHRS細胞(Hodgkin/Reed-Sternberg細胞)、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫はLP細胞(lymphocyte predominant細胞)とよばれる腫瘍細胞が増えることが特徴です。血液細胞は造血幹細胞からつくられます。血液の中にある赤血球、白血球、血小板などを血液細胞といいます。血液細胞は、骨の中心部にある骨髄で、血液細胞のもとになる造血幹細胞から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれて成長します。骨髄系幹細胞からは、赤血球、白血球、血小板などがつくられ、リンパ系幹細胞からは白血球の一種であるリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)がつくられます。リンパ球は、リンパ系幹細胞から分化した白血球の一種です。
 症状は、痛みのないリンパ節の腫はれやしこりがあらわれます。多くの場合、頸部や鎖骨上窩(鎖骨の上のくぼみ)のリンパ節が腫れます。発熱、体重減少、盗汗(大量の寝汗)といった症状があらわれることもあり、これらの症状を「B症状」といいます。
検査は、血液・リンパのがんでは、ほとんどの場合、診断や病型を確定するために骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)を受けます。骨髄検査は、皮膚を消毒し局所麻酔をした後に、一般的には腸骨(腰の骨)に針を刺して、骨髄組織を採る検査です。
血液・リンパのがんは、がんそのものや薬物療法の影響で、健康な人には害のないような弱い細菌、真菌(カビ)やウイルスなどの病原体に感染しやすくなります。そのため、手洗いやうがいをしっかり行う、感染源を作らないためにけがをしないようにするなど、日常生活でも注意が必要です。

漢方と鍼灸

 癌の反応としこりのあるリンパ節の反応、腸骨の反応をとって漢方ツボを選択していきます。しこりの固さ、大きさによって生薬の量を加減していきます。血液の癌は脾が原因で起きていることが多いです。