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下肢静脈瘤

 下肢静脈瘤とは、脚の表面近くを通っている静脈がこぶのようにボコボコと盛り上がる、あるいはクモの巣状または網目状に浮き上がる病気です。静脈弁自体に問題がある場合のほか、深部静脈血栓症などの病気が原因となり発症することもあります。また、妊娠が原因になるケースもあります。基本的に自然に治ることはなく、時間の経過と共にゆっくりと進行します。脚の静脈血が心臓に戻る際には、血液の逆流を防止する静脈弁が重要な役割を果たします。しかし、静脈弁の機能が低下し逆流する血液が多くなると、血液が脚の下のほうにたまり血管が拡張します。このように拡張した血管が表面に太く浮き出たり、こぶのように盛り上がったりする状態が下肢静脈瘤です。静脈弁自体に問題がある場合のほか、深部静脈血栓症や妊娠、骨盤内腫瘍など静脈以外に原因があり静脈瘤ができる場合もあります。症状としては血管がこぶのように盛り上がる、血管が浮き出る、重くだるいような疲労感、ほてり感、痛み、むくみ(浮腫)、足がつる(こむら返り)、かゆみ、湿疹、皮膚炎、色素沈着、潰瘍があります。こぶのように浮き上がった見た目に精神的苦痛を感じる方もいます。しかし、下肢静脈瘤そのものによる痛みを感じることは少ないといわれています。ドプラー血流系は血管に超音波を当てて、血液の流速の変化を音としてあらわすことで、血管内で逆流が起きているかどうかを調べる検査で探触子(プローブ)という器具を皮膚の上から当てて検査を行います。また超音波を利用して血液の流れをカラー画像で表示するもので、血液の逆流が視覚的に分かります。ドプラー血流計と同様に探触子を皮膚の上から当てて検査をします。血管の内径や、血流の流速を測定することもでき、ほとんどの下肢静脈瘤の診断はこの検査のみで可能です。

漢方と鍼灸

 盛り上がっている血管、機能低下した静脈弁からの波長を経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。血管を柔らかく、血流をよくし、血液の質の改善、筋肉をつけて心臓に戻りやすくすることが早道ですし全身の血流が良くなります。血管は道路のようなもので一か所渋滞すると別の場所で渋滞が起こります。木をみて森をみよ  竹踏みや早歩きは足の裏の刺激で血管を柔らかくするNOという物質が出ます。同時に骨にも刺激がいくので骨も丈夫になります。自転車ばかりでは刺激が少ないですね。

動脈硬化症

 動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態のことを意味します。動脈は心臓から送り出される血液を全身に運ぶ役目を担うため、本来は弾力性があってしなやかな組織でできています。しかし、加齢による組織の変化や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気によって血管の内膜(内側の壁)にダメージが加わり続けることで新しい細胞が作られなくなると、動脈は弾力性を失って硬くなっていくのです。また、ダメージを受けた動脈の内膜にはコレステロールなどが沈着しやすくなり、血管を細くして狭心症を引き起こすことが知られています。さらに、内膜に沈着した塊が剥がれると血管を詰まらせて、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こすことも少なくありません。一方で、動脈硬化が進行して血管が脆もろくなると、血圧が上がったときなどに破けて脳出血を起こすリスクも高くなります。動脈硬化は高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などのリスクが重なるほど発症率が高くなることが分かっています。10歳代から徐々に進行していくことも分かっており、発症を予防するためには生活習慣の改善と生活習慣病の適切な治療継続が必要です。動脈硬化の発症メカニズムは明確に解明されていない部分も多いのが現状です。しかし、動脈硬化は加齢による動脈組織の変化、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などによって血管の内膜に長期間ダメージが加わり、血管の新しい細胞が作られなくなっていくことが原因と考えられています。そのほかにも動脈硬化のリスクとしては、喫煙、運動不足、過度なストレス、偏った食事、飲酒などが挙げられます。一般的には、これらのリスクが複数重なるほど動脈硬化を発症するリスクが高くなります。大動脈など太い血管に起こりやすいのは“粥状動脈硬化”と呼ばれ、ダメージを受けた動脈の内側の壁にコレステロールが沈着して塊(プラーク)を形成します。動脈の壁に沈着したプラークが剥がれると血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こします。また、冠動脈にプラークが形成されると冠動脈が狭くなって血流が悪くなり、狭心症の原因となることも少なくありません。一方、脳や腎臓などの細い動脈に生じる動脈硬化は“細動脈硬化”と呼ばれ、動脈が脆くなることで血圧の変化などに柔軟に変化することができずに破れて脳出血などを引き起こすこともあります。そのほか、動脈硬化には動脈の中膜と呼ばれる血管壁の内部にカルシウムが沈着することによる“メンケルベルグ型硬化”があります。
細動脈硬化やメンケルベルグ型硬化は血管の中膜が硬くなり、動脈瘤や動脈解離を引き起こすリスクが高くなるとされています。基本的に症状はありませんが、大動脈瘤破裂や大動脈解離などを引き起こして死に至ることもあるため注意が必要です。一度、動脈硬化が生じた動脈を元の状態に戻す方法は残念ながら確立していません。そのため、動脈硬化と診断された場合は、進行を抑制して心筋梗塞や脳卒中などの合併症を予防することが治療の主体となります。

漢方と鍼灸

 漢方は治療が確立していない分野に強いと言えます。異常箇所がわかればそこから、疾患があればそのツボから反応を経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。年単位の方もいますが固くなった血管が徐々に変化していきます。

心臓神経症

 心臓神経症とは、胸の痛みや呼吸苦、動悸など心臓に関わる症状があるにもかかわらず、検査などでは異常が認められず特定の身体疾患と診断できないものを指します。不安やストレス、抑うつ状態と関連していることが多く、不安神経症や身体表現性障害といった精神疾患に準じた治療が行われます。原因となるのは、心臓や肺などの臓器ではなく、日常生活や職場でのストレス、環境の変化などにより不安や緊張が高まっていたり、抑うつ状態であったりすることなどが発症の原因であるといわれています。胸の痛み、動悸、呼吸苦、めまいなど、狭心症や不整脈などの循環器疾患と同様の症状を自覚します。狭心症の症状は、運動時など体を動かしているときに起こることが多いですが、心臓神経症では安静にしているときに症状が起こることも多く、不安やストレスが強くなることに伴って症状が現れることもあります。狭心症や心筋梗塞などの冠動脈が狭くなって起こる虚血性心疾患の場合、心臓の筋肉から出てくる心筋逸脱酵素が上昇します。また、動脈硬化のリスクが高いかどうかを血液検査で調べることもあります。

漢方と鍼灸

 自律神経のツボと心臓のツボの合数が一致すれば自律神経が原因かもしれません。相談にいらっしゃる方のほとんどは検査をしても異常がないと言われて来ます。ストレスが続いて心労がたまるという言葉がありますが思慮深いですね。上記の反応穴から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

狭心症

 狭心症とは、心筋(心臓を構成する筋肉)に血液を行き渡らせる“冠動脈”が狭くなることにより、一時的に心筋が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。狭心症による症状は通常数分以内に収まりますが、放置すると冠動脈が完全に詰まる“心筋梗塞”を引き起こす可能性があるため、危険な病気の1つと考えられています。冠動脈に狭窄が生じる原因としてもっとも多いのは、“動脈硬化”です。動脈硬化は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病によって引き起こされる血管の変化のことであり、血管の内側の壁にコレステロールなどが沈着することで血管が狭くなります。冠動脈に動脈硬化が生じると、当然ながら心筋へ流れる血液が減少します。次のようなリスク要因を抱えていると、発症しやすいと言われています。高血圧、肥満(外見には痩せていても内臓のまわりに脂肪が付いている内臓脂肪型肥満=メタボリック症候群=も、リスク要因の一つです)、糖尿病、高脂血症(コレステロール値が高い状態)、高尿酸血症(痛風などと言われたことのある方に当てはまります)、ストレス、喫煙、家族歴から3項目以上当てはまる、男性なら50歳以上、女性なら60歳以上の人は、狭心症や心筋梗塞を発症する可能性が高いので、要注意です。

 労作性狭心症は、運動後など心臓の拍動が増えて心筋により多くの酸素が必要になったときに、いわゆる“酸欠状態”となって胸の痛みや圧迫感などを引き起こすのです。階段を上がったり、重いものを持ったり、運動をしたり、心理的なストレスを受けたりしたときに、胸に痛みや圧迫感を覚えます。力仕事や運動をしたり、ストレスを感じたりすると、それに応じて、体内にたくさんの血液を送り出そうと心筋が活発に働き始めますが、血管が細っていて血液供給が追いつかず、胸の痛みなどの症状が出るのです。毎回、ほぼ同じ程度の運動やストレスで生じます。

 異型狭心症は、冠動脈が一時的にけいれんを起こして強く収縮することによって発症することもあります。夜、寝ているとき(特に明け方)や、昼間、安静にしているときに、胸が苦しくなる発作を起こします。多くの場合、冠動脈が一時的に痙攣を起こして収縮し(この状態を「攣縮と言います)、血流を途絶えさせることによって起こります。大した動脈硬化がないのに起こることがあります。このようなタイプの狭心症は、血管を広げる作用のある“一酸化窒素(NO)”と呼ばれる物質の合成が加齢とともに低下していくことが主な原因と考えられており、安静時にも発症することが特徴です。

 不安定型狭心症は労作狭心症と違い、痛みが強くなる、発作の回数が増える、少しの動作や安静状態でも発作が起こるといった、痛みや圧迫感のパターンが変化します。それまで症状が安定していた人にそうした変化が現われたら、危険です。冠動脈が急速に狭まりつつあることを示している可能性があるからで、こうした場合は、すぐに救急車を呼ぶか、医師に連絡をとってください。

 そのほか、狭心症は大動脈弁狭窄症や大動脈弁逆流症、肥大型心筋症などの病気によって冠動脈の血流が低下することを原因として発症することもあります。

 狭心症の特徴的な症状は、胸の痛みや圧迫感が引き起こされる“発作”が生じることです。特に胸の痛みは、1か所にとどまらず、左肩、左腕、顎、歯、背中、腹部などに響くように放散することが特徴で、なかには胸の痛みを感じずに別の部位のみに痛みが生じるケースもあります。また、冷や汗や吐き気、めまいなどの症状を伴うことも少なくありません。通常、運動後に発作が生じる“労作性狭心症”では、安静にしていれば数分以内に発作が治まりますが、冠動脈がけいれんを起こすタイプの冠攣縮性狭心症では症状が30分近く続くことがあります。また、発作が頻回に生じる“不安定狭心症”は冠動脈が完全に閉塞してしまう前触れの症状であると考えられています。使用される薬剤は、冠動脈を広げる“血管拡張薬”や心臓の活動を抑えて必要な酸素量を減らす“β遮断薬”などです。また、冠動脈の動脈硬化が強い場合には、心筋梗塞を予防するため血栓(血の塊)ができにくくなる抗血小板薬などの内服が必要になることも少なくありません。一方、発作が生じたときには冠動脈を速やかに広げる作用のある硝酸剤が使用されます。

漢方と鍼灸

 胸の真ん中から左腕内側の強い痛みには括呂薤白白酒や半夏湯、木防已湯や増損木防已湯などに牛黄製剤、食養生を合わせることが多いです。心臓、血圧、自律神経のツボから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。食養生で有名なのはらっきょうです。心臓の形に似てますね。

低血圧

 低血圧症とは、血圧が通常よりも低い低血圧により、何かしらの症状が現れる状態です。低血圧に確定的な定義はありませんが、一般的には上の血圧が100mmHg未満の状態を指します。本態性低血圧は明らかな原因が特定できないタイプの低血圧も知られています。低血圧症ではめまいやふらつき、倦怠感などの症状がみられます。ふらつきをきっかけとして転倒し、けがをする危険性もあります。症候性低血圧は、原因となる疾患などがあって血圧が低下するものです。原因疾患はさまざまであり、一例として脱水、甲状腺機能低下症、アジソン病、糖尿病、多発性硬化症、不整脈、低ナトリウム血症などが挙げられます。原因が特定できる低血圧症の場合は、ベースとなっている基礎疾患の治療が重要です。また、並行して症状に対する対症療法も行われます。ショックによる低血圧は、急激な経過で血圧が低下するものを指します。急性心筋梗塞、大量出血、重症感染症などが原因となります。生命に関わることも少なくなく、速やかな対応が求められます。起立性低血圧とは、急に立ち上がったときや長時間立ち続けたときに、立ちくらみやめまいなどを起こすものを指します。立っているとき、体の中では血液が重力の影響で上半身から下半身に移行する傾向がありますが、その変化にうまく対応できない状態です。原因疾患が特定できないこともある一方、糖尿病やパーキンソン病、シャイドレーガー症候群などが原因となることもあります。診断は、立ち上がる前と、立ち上がってしばらくした後の血圧を比較することにより診断します。具体的な診断の基準としては、立ち上がって3分以内に収縮期血圧(最高血圧)が20mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が10mmHg以上低下した場合を起立性低血圧としています。

漢方と鍼灸

 高血圧と同じツボから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。証が合っていれば苓桂朮甘湯でも血圧はあがります。証を捕えるために四診(望聞問切)があります。

高血圧

 血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。血圧は体のすべての血管にありますが、普通は動脈特に上腕動脈の圧力を意味します。血圧の高さは、心臓が血液を押し出す力血管の拡張で決まります。血管の弾力性も関係しています。また血圧は、腎臓や神経系、内分泌系、血管内皮からの物質など、多くの因子によって調整されています。血圧は常に変動しています。通常は朝の目覚めとともに上昇し、日中は高く、夜間・睡眠中は低くなります。また、冬は夏より高くなります。心臓は、収縮と拡張を繰り返して血液を送り出しているので、動脈の中の血圧は心臓の収縮、拡張に応じて上がったり下がったりします。動脈の血圧が心臓の収縮により最高に達したときの値が「最高血圧または収縮期血圧」、心臓の拡張により最低に達したときの値が「最低血圧または拡張期血圧」です。高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
 「本態性高血圧症」とは原因の判らないものをいい、高血圧症の約90%がこれに入ります。本態性高血圧症は遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しており、生活習慣病といわれています。原因としては以下のことが考えられます。過剰な塩分摂取、肥満、過飲酒、精神的ストレス、自律神経の調節異常、運動不足、野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足、喫煙などがあげられます。
「二次性高血圧症」とは体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気がある時にはこれを二次性高血圧症と呼びます。腎臓の血管の異常や腎障害が原因で生じる腎性高血圧や内分泌疾患である原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などによるホルモン異常によって高血圧が生じることもあります。そのほかに、睡眠時無呼吸症候群に続発する高血圧や薬剤性、遺伝性の高血圧も知られています。。血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標にしましょう。

漢方と鍼灸

 首の付け根に血圧、脳血流障害の状態が出るツボがあります。そこから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。固くなった血管でも辛抱強く継続して飲めば次第と下がってきます。

膵石症

 膵石症とは、膵臓の膵管と呼ばれる部位にできた石のことで膵管の内圧が上昇し、上腹部痛や炎症に伴う発熱などの症状が生じることがあります。膵石の主成分は炭酸カルシウムやリン酸カルシウムであり、慢性膵炎の方に多く見られます。膵石の有無は慢性膵炎の診断基準のひとつとなっています。慢性膵炎は膵臓に繰り返し炎症が生じることで起こる疾患ですが、長い経過の中で膵石が形成されると、膵管内圧が上昇し、痛みや仮性嚢胞の原因となるので、慢性膵炎の悪化につながります。また、膵がんを発症しやすくなるというデータもあります。膵石の外観は、白くゴツゴツと硬いのが特徴です。大きさはごく小さなものから、50gを超える巨大なものまであり、膵臓全体に多発性に散在するケースが多いです。明確な原因は判明していませんが、アルコールの大量摂取が主原因であると考えられています。アルコールの過剰摂取により、膵管内がたんぱく質の固まったもので塞がれ、これにコラーゲンやカルシウムが沈着して、膵石が形成されると推測されています。ほかには、胆道系の疾患や副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症も原因として挙げられています。膵液の流出が妨げられることで起こる、食後の上腹部痛や背部痛が代表的な症状です。この痛みは前かがみの姿勢をとると軽減することが特徴です。また、膵管内で炎症が乗じることで、発熱などの症状が起き、重症な場合はDIC(播種性血管内凝固症候群)や敗血症に陥ることもあります。慢性膵炎がさらに進行してしまうと、膵臓の機能不全状態となり、腹痛などの症状が現れなくなります。代わりに、消化吸収障害のために下痢や脂肪便(脂肪が多く含まれている便)、内分泌機能低下による糖尿病が前面に現れるようになります。

 膵石の治療は症状が安定していれば、禁酒や低脂肪食を中心とした食事療法、薬物療法が主体となります。低脂肪食は膵液の分泌を抑制しますので、膵臓を休ませることにつながります。症状が強いときには急性膵炎に準ずる治療が行われます。また、治療に反応しない頑固な疼痛や、持続性・反復性の疼痛があるときには、膵石を除去するように積極的な治療が行われることになります。

漢方と鍼灸

 石を溶かすお茶、膵臓から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択して良くしていきます。

急性膵炎・慢性膵炎

 急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は何らかの原因でアミラーゼなどの膵臓の酵素が活性化して膵臓の組織にダメージを与える病気のことです。一方、慢性膵炎は長い間、膵臓に小さな炎症が繰り返されたことで徐々に破壊され、膵臓の機能が低下する病気です。急性膵炎と慢性膵炎はどちらも男性に多く発症し、発症の原因はほぼ共通していますが、症状や経過は大きく異なります。
 急性でもっとも多い原因はアルコールの多飲によるもので、全体の約40%を占めます。次に多いのは胆石が膵管と胆管の合流部にはまりこんだもので、女性の急性膵炎に多くみられます。原因不明のものも約20%あります。そのほかには、内視鏡検査や手術などが原因となる医原性のもの、腹部外傷、膵臓や胆道の奇形、脂質異常症、感染症などが挙げられます。急性腹症の1つであり、症状は重症度によって大きく異なります。みぞおちから背中にかけての断続的で強い痛みが起こり、吐き気や嘔吐、発熱などの症状が続きます。重症になると、腹膜炎を併発し、腸管の運動が麻痺するために高頻度で腸閉塞を起こします。全身状態としては、頻脈や血圧低下、出血傾向、呼吸障害などがみられ、ショック状態になるなど非常に重篤な状態へ移行します。また、膵臓の組織が壊死えしを起こすため、膵臓から遊離した脂肪と血中のカルシウムが結合して低カルシウム血症を呈することがあります。

 慢性でもっとも多い原因は急性膵炎と同じくアルコールの多飲によるもので、男性では約70%を占めています。原因不明のものが約20%で、女性の慢性膵炎の約半数は原因不明の特発性とされています。そのほかには、胆石などの胆道系疾患、高脂血症、腹部外傷、奇形などが急性膵炎と共通した原因となります。症状は発症してからの時間によって異なります。発症してから10年ほどは、主な症状はみぞおちから背中にかけての痛みであり、飲酒や脂肪が多い食事を食べた後にひどくなるのが特徴です。また、発症後10年以降には腹痛は軽減しますが、膵臓の機能が低下し、消化酵素やインスリンなどのホルモンの分泌が次第に減少します。このため、脂肪が消化されず、脂肪便や下痢、体重減少などがみられ、インスリンが正常に分泌されないことで糖尿病を併発します。慢性膵炎はしばしば急激に悪化することがあり、その場合には急性膵炎と同様の症状が現れます。検査は造影剤を用いたCT検査がもっとも有用な検査です。急性膵炎では、膵臓の腫れや周囲の炎症がみられ、慢性膵炎では膵管の拡張や膵石がみられます。

 血液検査は膵臓と全身の状態を評価するために行われます。膵酵素であるアミラーゼとリパーゼは、急性・慢性共に上昇します。しかし、慢性膵炎の末期ではこれらの酵素が減少するため、膵酵素の値は慢性膵炎の進行を評価する目的で定期的に検査されることがあります。また、急性膵炎では炎症反応が上昇し、血小板や凝固因子の現象がみられます。重症例では、膵臓組織の壊死によってカルシウムの低下とLDHの上昇が見られ、これらは重症度を評価する指標の1つでもあります。

漢方と鍼灸

 急性も慢性も男性、アルコール多飲で発症することが多いので、発症したら禁酒です。臓器を休ませます。休ませずにまた飲酒を続けていると細胞が傷つき壊れていきます。膵臓、肝臓、胆嚢、癌のツボは必ず確認して経絡に落とし込んで漢方食養生ツボは押さえておきます。まず炎症を取ることです。膵臓はストレス(活性酸素)に弱い臓器とも言われているので、アルコールを飲んでいなくとも膵炎を起こしますので自律神経も確認しておきます。

【消化器】の対策と漢方

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【消化器】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状として胃痛・急性慢性胃炎・逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症・胃十二指腸潰瘍・機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)胃もたれ食欲不振などの増加が問題となっています。年を重ねることで、便秘脂肪肝なの方が増えています。成人・高齢化社会においても、消化器の健康は非常に重要です。

 当院の【消化器】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

【消化器】の病気と漢方東洋医学

胃痛・急性慢性胃炎・逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症・胃十二指腸潰瘍・機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)胃もたれ呑気症食欲不振胃下垂ピロリ菌感染症腹痛・急性胃腸炎・急性虫垂炎・憩室炎・腸閉塞・虚血性腸炎腹部膨満感腹鳴(ゴロゴロ)腹水過敏性腸症候群慢性下痢やせすぎ(るい痩)便秘急性肝炎・慢性肝炎脂肪肝肝硬変・肝繊維症黄疸急性膵炎・慢性膵炎胆石症・胆砂膵石症痔核(内痔、外痔)・痔瘻・裂肛(切れ痔)・痔瘻癌

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「消化器」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

痔核(内痔、外痔)・痔瘻・裂肛(切れ痔)・痔瘻癌

 痔とは肛門病の総称(肛門に発生する病気の全てを示す言葉)です。痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)などの病気を指しますが、痔核(いぼ痔)の意味で使われることがもっとも多いです。

 直腸や肛門の静脈にうっ血を生じて、こぶのように膨らんだ状態が痔核です。肝硬変、門脈圧亢進症などの病気の際に生じる直腸静脈瘤も静脈が拡張しますが、ある程度の長さをもって膨らみ、さらに枝分かれしているため、通常、長さが2cmまでの痔核とは区別されます。肛門の皮膚の部分と直腸の境目である歯状線よりも奥のほうにできるものを内痔核、歯状線より手前の肛門にできるものを外痔核と呼びます。部位により名称が異なりますが、構造的には内痔核と外痔核に大きな差はありません。長年にわたる排便習慣(排便時のいきみや便秘など)や生活習慣(排便を我慢する、長時間座り続けるなど)により、直腸や肛門の静脈にうっ血を生じ、痔核がこぶのように膨れて、表面の組織が薄くなり出血します(風船が膨れると薄くなり向こう側が透けて見えるように血液が沁み出しやすくなります)。さらに痔核を支えるクッション組織にも負担がかかり、伸びて弱くなるために痔核を支えきれなくなり、痔核が脱出するようになります。

 肛門内の歯状線の高さにある十数個の小さなくぼみ(肛門陰窩)から汚染物質や細菌が入ると、肛門腺の中あるいは内肛門括約筋を貫いた位置で炎症が激しくなります。それによって肛門の内と外がトンネル状につながり、皮膚の穴から膿うみが出るものが痔瘻です。肛門周囲膿瘍を形成した後に痔瘻になる場合が多いとされています。下痢をすると、歯状線にある肛門陰窩という小さなくぼみに便や細菌が入りやすくなります。肛門陰窩には、粘液を産生する肛門腺が開口しており、便中の汚染物質や細菌がこの肛門腺内を逆行すると感染を生じます。肛門腺内(内肛門括約筋内)、あるいは内肛門括約筋の外側で炎症が激しくなり原発巣を形成します。炎症はそこから抵抗の少ない組織の方向に拡がろうとしますが、集まってきた白血球が感染を抑えるために炎症の周囲に壁を形成して膿が限局した状態を“肛門周囲膿瘍”といいます。肛門周囲膿瘍は自然に破れたり(自壊)、切開排膿したりすることによって皮膚と交通します。肛門内から皮膚までのトンネルが閉じないと、穴から膿が持続的、あるいは間歇的に出るようになり、この病態を“痔瘻”と呼びます。

 歯状線より手前(肛門のふち側)にある肛門上皮が切れた状態です。切れ痔、裂け痔とも呼ばれ、痛みや出血を生じます。裂肛部の安静を保ちにくく、便などの汚染物質が通過するために、治らずに慢性化するケースも少なくありません。それを慢性裂肛と言いますが、急性裂肛のように単に切れている状態ではなく形がいびつで硬いため、肛門潰瘍とも呼ばれる。排便時に強い痛みと出血があります。通常、出血は紙に付く程度であり、多くはありません。硬い便や下痢便では、排便時の痛みが強くなります。裂肛が慢性化して深くなると、排便後も数時間痛みが続くようになります。

 痔核・痔瘻・裂肛は何れも良性の病気ですが、慢性の炎症が10年以上続くと、深部痔瘻では肛門管のがんである痔瘻がんの合併が報告されています。痔瘻がんは痔瘻の炎症が10年以上続いている人に肛門管のがんを認めた際にだけそのように呼ぶと決められています。しかし、わずか1年間、3年間の炎症でも痔瘻がんと同様のがんを認めた深部痔瘻の例があるので、長く放置しなければ大丈夫と考えないでください。痔瘻がんになると人工肛門や命に関わることもありますので、深い痔瘻は早く診断・治療する方が好ましいと考えます。

漢方と鍼灸

 肛門と直腸の境周辺で起こる病気といえるでしょう。便は汚染物質や細菌の塊です。また大腸、直腸の周りには静脈、動脈が走っていますが、冷え、立ち仕事、長時間の座り仕事、肝臓が疲れている、内臓下垂などで血流が悪くなるとうっ血を起こします。その上を固い便などが通過すると擦れて出血したり、より大きくなったり、傷口から細菌が入って膿んできます。ひどくなると管を勝手に作り別の場所から排泄するようにもなります。まず肝臓と静脈の血流を改善します。細菌感染があれば抗菌漢方を使います。痔瘻は自然治癒力によって管を塞ぐ方法を使います。免疫と血流を良くする漢方で1~2年ほどかかりますが手術を希望されない方はご相談ください。