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眼瞼下垂症

 眼瞼下垂症とは、目を開いたときに上まぶたが正常な位置より下がる(下垂する)病気のことです。上まぶたの下垂が軽度な場合は、美容上の問題以外で特に症状が現れることはありません。しかし、重度なケースでは垂れ下がった上まぶたが視野の一部にかかり上方向のものが見えにくくなるため、目の疲れや肩こり、頭痛などさまざまな症状を引き起こします。
眼瞼下垂症には、大きく分けると“生まれつきのもの”と“生まれた後に発症するもの”があります。“生まれつきのもの”は、上まぶたを上げるために必要な上眼瞼挙筋などの筋肉や、筋肉を動かすために必要な動眼神経に生まれつき異常があることによって引き起こされます。一方、“生まれた後に発症するもの”は、加齢によって上眼瞼挙筋そのものが衰えたり、上眼瞼挙筋とまぶたをつなぐ腱膜が緩んだり、あるいは上まぶたの皮膚がたるんだりすることが主な原因です。しかし、なかには筋を動かすための脳や神経に異常をきたす脳梗塞・脳動脈瘤・脳腫瘍・重症筋無力症などの病気や外傷が原因になっていることも少なくありません。また、若い世代でも長期間にわたってコンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の使用を続けていると、挙筋を支える腱膜などに慢性的な刺激が加わって緩みが生じ眼瞼下垂症を発症するケースもあります。しかし、いずれの原因であっても何らかの自覚症状がある眼瞼下垂症は治療の必要があり、下垂した上まぶたを本来の位置に戻す手術などが行われます。

漢方と鍼灸

 上眼瞼挙筋や動眼神経に異常がないか気功で気の流れをみていきます。そして臓腑経絡に落とし込んで漢方をお出しします。鍼灸治療も同じ方法です。最近のご相談例でも、漢方で良くなった方がいます。大事なことは眼瞼下垂症の原因が外傷、ストレスなのか上記のような重大な病気なのかを判別することです。

メニエール病

 メニエール病とは、体の平衡感覚をつかさどる耳の奥の“内耳”にリンパ液がたまることによって生じる病気のことです。30~50歳代で発症することが多く、発症すると耳が詰まったような違和感や軽度の聴力低下が引き起こされます。そして、体の平衡感覚に異常が起きて回るようなめまいが生じ、耳鳴りやさらなる聴力の低下が起こるようになるとされています。このような症状は通常片方の耳にのみ生じますが、もう片方の耳に発症することも多く、一度症状が治まっても再発を繰り返していく過程で聴力が徐々に低下することが特徴です。
しかし、どのようなメカニズムで内リンパ水腫が生じるのか明確には解明されていません。現在のところ、内耳構造の生まれつきの異常やアレルギー、免疫の異常、内耳への血流不足などが要因として挙げられており、単独ではなくいくつかの要因が重なって発症するとも考えられています。また、メニエール病はストレスや疲れがたまったときに再発を繰り返しやすいため、自律神経のバランスの乱れも何らかの関係があるとの説もあります。
メニエール病の特徴的な症状は、ぐるぐる目が回るような“回転性めまい”、“耳鳴り・難聴”、“吐き気”などです。発症の仕方は個人差がありますが、一般的には耳が詰まったような違和感や耳鳴り、聴力の低下などが突然現れ、その後めまいの発作が生じます。めまいの発作は30分から数時間続くことが多く、吐き気や嘔吐を伴うことも少なくありません。そして、メニエール病はいったんこれらの症状が治まったとしても再発しやすいことが特徴のひとつです。再発を繰り返していくうちに症状は悪化していき、特に聴力の低下は低い音のみが聞こえにくくなる特徴があるものの、進行すると高い音も聞き取りにくくなります。メニエール病のような症状は聴神経腫瘍など頭蓋内の病気によって引き起こされることもあるため、それらの病気との鑑別を行うためにも頭部CTや頭部MRIなどの画像検査を行うのが一般的です。また最近は、高解像度のMRIを使用することで、内耳の内リンパ水腫を直接検出することも可能となっています。

漢方と鍼灸

 耳だけを見ても答えは出ず、木をみて森をみよ、つまり耳をみて全身をみよです。胃内停水、水毒体質、気の上昇、冷え性、腎臓機能低下、浮腫みやすい、冷たい物が好きなど問診で聞き出します。本治をしないので再発を繰り返します。つらいめまいを取ながら体質改善に取り組みましょう。

耳管狭窄症

 耳管狭窄症とは、耳から鼻への通り道である“耳管”が何らかの理由によって狭くなり、耳が聞こえにくくなったり、こもったようになったりするような耳の詰まり(耳閉感)を感じる病気です。耳管は、鼓室という鼓膜の奥にある空洞と鼻の奥をつなぎ、耳の中の空気圧をコントロールするはたらきを持っています。通常時は閉じており、物を飲み込んだり、あくびをしたり、口を大きく開けたときに開きます。耳管狭窄症では、耳管が狭くなることによって耳の中の空気圧がうまくコントロールできなくなり、耳の中の空気圧と外の気圧に大きな差が生じることで症状が現れます。耳管狭窄症の主な原因は、かぜや副鼻腔炎、中耳炎などによる耳管の炎症です。ただし、ときに鼻の奥に生じた腫瘍などが原因となって耳管が狭くなることもあるため、注意が必要です。また近年は、逆流性食道炎と耳管の関連性も指摘されています。また、耳管が狭い状態が続くと鼓室に液体がたまる滲出性中耳炎、癒着性中耳炎などに発展することもあります。健康診断で行われる聴力検査は1,000ヘルツと4,000ヘルツの2音のみが用いられますが、より詳しい検査では125ヘルツ~8,000ヘルツまで幅広い音を使い、聞こえの程度を判断します。またティンパノメトリーという検査は
耳の穴から空気圧を意図的に変化させ、鼓膜の動きを確認する痛みのない検査方法です。検査用の耳栓を装着し、そこから鼓膜に向けて音を発して、返ってきた音の強さを測定します。
鼓室に液体がたまっている場合には、気圧を変化させても鼓膜が動かないため、内部で中耳炎などが生じている可能性があります。

漢方と鍼灸

 風邪、中耳炎や副鼻腔炎が原因であれば本治としての漢方と、狭窄を通す漢方など様々な症状をとる標治漢方を併用します。鍼灸を補助で使う場合もあります。

外耳炎・外耳湿疹

 外耳は、耳介と外耳道からなり、外耳道は外側半分の軟骨部、内側半分の骨部に分かれます。外耳道には定在菌と呼ばれる細菌や真菌(カビ)が常に存在し、その数のバランスが保たれていると炎症は起こらないのですが、何らかの理由でそのバランスが崩れてある菌だけが増殖してしまうと、感染を起こしてしまいます。外耳炎や外耳湿疹の原因としては、耳そうじなどによる皮膚の損傷、中耳炎からの耳漏刺激、点耳薬などの薬物刺激、アレルギーなどが挙げられます。症状としては、疼痛、かゆみ、耳だれなどです。炎症による角化物(耳垢)が堆積したり、耳だれが溜まったりすると、難聴や耳閉感を伴う場合もあります。
治療は基本的に局所の清掃、消毒です。感染が疑われる場合には抗生剤の点耳薬が処方され、真菌が認められる場合は抗真菌剤を使用します。炎症の程度が強いと、ステロイドの局所使用が有効な場合がありますが、これは副作用の点から短期間の使用に限られます。かゆみが強い場合には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、抗不安剤などの内服薬が処方されます。外耳炎はまれに治癒までに時間がかかり、頻回の通院による局所処置が必要となる場合もあります。外耳炎の原因の一つに耳そうじのやり過ぎが挙げられます。特に、竹製などの耳かきで何回も皮膚をこすると、皮膚の表面がけずれて滲出液が生じ細菌が増殖しやすくなってしまいます。結果として、耳に強いかゆみが生じ、ますます耳をこするという悪循環が起こります。ごくまれですが、頻回の耳そうじによる慢性刺激が原因と考えられる外耳の癌の報告もありますので、耳そうじはあまりやり過ぎず、入浴後は綿棒で耳の穴の入り口付近をぬぐう程度にしたほうが良いでしょう。

漢方と鍼灸

 点耳の漢方漢方の抗生剤を使います。なるべく耳を触らないようしてください。

中耳炎

 

中耳炎とは、鼓膜より内側の中耳腔で起こる感染症です。細菌やウイルスが喉の奥と中耳腔を交通する耳管を介し感染して発症します。風邪を引いた時の喉のウイルスや細菌が耳管を介して中耳腔に侵入しますが、鼓膜に穴がある場合は穴からウイルスや細菌が侵入しても発症します。中耳炎を発症すると、耳痛や耳閉感、また発熱が起こることもあります。3歳以下の子どもは耳管が広いので細菌やウイルスが移行しやすいため発症しやすいですが、小さなお子さんの場合は症状をうまく説明できないため、発熱時には注意が必要です。
中耳炎の症状は、耳痛、発熱、耳閉感、耳漏(膿が出る)、難聴、また中耳炎は鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開いた状態)を引き起こすことがあります。小さなお子さんの場合は症状をうまく説明できないため、発熱時に耳をよく触る、機嫌が悪い、元気がない、食欲がないなどの場合、中耳炎の可能性もあります。中耳炎を起こしている場合、鼓膜が発赤したり、膿が中耳にたまることによって鼓膜が腫れたりします。また、膿がたまったときは鼓膜が破れて穴があき(鼓膜穿孔)、膿が流れ出ること(耳漏)もあります。

漢方と鍼灸

 中耳炎も漢方が良く効く疾患です。細菌、ウイルスが原因なので抗菌、抗ウイルスの漢方と併用して頂きます。抗菌剤で副作用が出やすい、長期で飲みたくない場合はご相談ください。
また副鼻腔炎のある方も中耳炎になりやすいので早めに治しておきましょう。副鼻腔炎も長期間、抗生物質を服用しなくても治せますのでご相談ください。

耳の閉塞感(耳管閉塞症・狭窄症)

 耳閉塞感は感性のある人間にとって不安な症状であり、著明な時には耐え難い苦痛となりえます。耳閉塞感は耳管狭窄症が主な原因とみなされていた時代もありましたが、外耳・中耳・耳管・後迷路のどの部位でも生じます。低音障害型感音難聴、突発性難聴、メニエール病、外リンパ瘻、音響外傷などの内耳疾患は見落とせません。耳管開放症は著明な耳閉塞感を伴うことが多く、急性中耳炎、急性乳突蜂巣炎の回復期に症状が生じることがあります。耳閉塞感を伴う鼓膜内陥症・感音難聴に耳管開放症が隠匿していることがよくあり、一症状・一疾患という観点ではとらえられない症状です。

 閉塞と言っても症状は様々で、耳の詰まった感じ、膜の張った感じ、耳の中へ水の入った感じ、新幹線でトンネルに入った感じ、飛行機で下降時詰まった感じ、高速エレベーターに乗った感じ、耳の中が膨らんだ感じ、水に潜った感じ、ボーとした感じ、なべを頭からかぶった感じなど突然、徐々に、常に、時折、決まった時間帯に発生します。

 原因となる疾患・症状を部位別にまとめると外耳では耳垢栓塞、異物、湿疹、真菌症、外耳道腫瘍、耳管では耳管狭窄症、耳管開放症、耳管閉鎖障害、軟性耳管、中耳では、鼓膜内陥症、滲出性中耳炎、急性中耳炎、急性乳突蜂巣炎、航空性中耳炎、気圧性外傷、慢性中耳炎、内耳では低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴、外リンパ瘻、音響外傷、進行性感音難聴、後迷路では聴神経性腫瘍、鑑別が必要な筋性耳鳴、聴覚過敏症、顎関節症の異常など多岐にわたります。

漢方と鍼灸

 原因となっている疾患を考慮しつつ、風毒塊、気血水、臓腑弁証、八綱弁証など東洋医学のものさしを使います。閉塞している箇所を見つけ、臓腑経絡に落とし込んで漢方をお出しします。気のつまりが多いので発散させる漢方を良く使います。またこれという食材を個別にお伝えします。鍼灸も同じやり方で究極のツボを見つけ治療していきます。

8月のお休みと営業時間について

[お休み]と[営業時間]のお知らせです。

8月6日(日)・7日(月)・11日(金)
※8月12日(土)は、朝10時から16時までの営業となります。
8月13日(日)・14日(月)
※8月15日(火)は、朝10時から16時までの営業となります。
8月20日(日)・21日(月)
8月27日(日)・28日(月)

お電話でのご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。

暑い日も、リフレッシュできますように。

咽頭結膜熱(プール熱)

 夏場になると、ヘルパンギーナやプール熱(咽頭結膜熱)に感染する子供が増えてきます。どちらもウイルスによる感染症で、夏に多くみられ、のどの痛みや発熱など、風邪と似たような症状があらわれることから、いわゆる“夏風邪”としても知られています。いずれの病気も予後は良好なことが多いのですが、まれに重症化することもあるので油断は禁物です。ヘルパンギーナは、毎年5月から8月頃にかけて流行します。原因の多くは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルスです。そのエンテロウイルスの中でも、「コクサッキーウイルスA群」による感染が最も多く見られます。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、唾液などがついたおもちゃや手指などからの接触感染で罹患します。主な症状としては「発熱」のほか、「のどの奥に水泡ができて赤く腫れ、強い痛みが出る」などがあげられます。わずかなケースですが、重症化し、髄膜炎や心筋炎を起こすことがあるので注意が必要です。プール熱は「咽頭結膜熱」とも呼ばれる病気で、1年を通じてかかる病気ですが、6月頃から増え始め、7〜8月にピークを迎えます。プール熱は、「アデノウイルス」に感染することによって発症します。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染、タオルの共有や手指を介した接触感染です。プールでも塩素濃度が不十分な場合は感染することがあり、目の結膜からウイルスが侵入することがあります。プールの水を介して流行することがあるため、プール熱と呼ばれています。代表的な症状は「高熱」や「咽頭炎による喉の痛み」、「目が赤くなる結膜炎」の3つです。ヘルパンギーナもプール熱も特効薬はありませんが、予後が良好な病気です。しかし、放置すると感染が広まったり、ときには重症化することもあります。子供に発熱やのどの痛みなどの症状があらわれ、つらそうなときは、なるべく早めに医療機関で診察を受けてください。ヘルパンギーナの原因のエンテロウイルス、プール熱の原因のアデノウイルス、ともに特効薬はなく、どちらも対症療法が中心となります。方法としては、解熱剤で熱を一時的に下げたり、脱水症状を防ぐために経口補水液などで水分補給を行います。ヘルパンギーナは、通常、1週間程度で治癒します。プール熱も、おおよそ1〜2週間で回復します。プール熱で結膜炎の症状が強い場合は、目薬が処方されます。どちらの場合も、発熱やのどの痛みで飲食がつらいこともあるので、薄味でのど越しのよいものを摂るほうがよいでしょう。また安静を心がけ、水分補給をしっかり行ってください。症状が重い場合は、点滴や入院などの治療が必要になることがあります。

漢方と鍼灸

 ウイルスが原因なので免疫力をつけて早く叩くしか重症化を防ぐことはできないですね。ドクターの治療がメインですので、補助としてお考えの時はご相談ください。免疫漢方をお子さまに飲んでもらうとクラスで一番早くに治ったとご報告いただいたことが多々あります。

自律神経失調症

 自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れることで起こるさまざまな症状を総称したものです。医学的に正式な病名ではなく、診断書などで診断名として用いられる際はストレスや不安などからくる軽症うつ病や、いわゆる神経症などの症状が一部含まれてくると考えられます。症状はさまざまで、身体的な症状としてはだるい、眠れないなどの全身症状と、頭痛、動悸、息切れなどの部分的な症状が、精神的な症状としては情緒不安定、いらいら、不安感などがあります。これらの症状があるにもかかわらず、体に医学的異常所見がなく、明らかな精神的疾患もない場合に、自律神経失調症と暫定的に診断されることがあります。こうした背景により、自律神経失調症は誰にでも発症する可能性がありますが、不規則な生活やストレス、ホルモンの乱れなどが原因になることから、不規則な生活を送っている人やストレスを感じやすい人、更年期でホルモンバランスが乱れやすい人などに起こりやすいと考えられます。自律神経失調症の症状はさまざまで、人によって現れやすい症状が異なります。たとえばお腹が痛くなりやすい人は下痢や腹痛などのお腹の症状が現れやすく、肩がこりやすい人はひどい肩こりが起こりやすくなります。また、複数の症状が一度に現れたり、治ったと思ったら別の症状が現れたりすることがあります。自律神経失調症で現れやすい症状は、倦怠感、疲労感、熱っぽい感じ、手足のしびれ、動悸、息切れ、めまい、頭痛、不眠、寝汗、食欲不振、胃痛、吐き気、肩こり、背中の痛み、腰の痛み、腹痛、下痢、便秘などです。

漢方と鍼灸

 自律神経失調症は漢方の得意分野の一つです。食養生、運動、睡眠の質、休息時間を改善し健康の土台作りをしましょう。その上で的確な漢方ツボなどが生きてきます。

慢性疲労症候群

 それまで健康に過ごしていた人が、原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、その症状が6か月以上続き、日常生活を送るのにも支障をきたすようになる病気。略称。おもな症状は、強度の疲労感、倦怠感、脱力感、頭痛、微熱、筋肉痛や関節痛、筋力低下、睡眠障害、思考力や集中力の低下、抑うつ症状などで、仕事や家事が手につかなくなり休養を余儀なくされる程度から、体を動かすことさえむずかしくなるほどの重症まで幅広い。抑うつ状態を呈する場合は気分障害や心因性の病態と診断されることがあり、筋肉痛や関節痛を伴う場合は、全身痛が主症状の線維筋痛症の病態ともきわめて類似する。そのため、医療機関でうつ症状や痛みの程度に応じた別の診断が下されることも多い。1988年にアメリカで初めて慢性疲労症候群として報告され、日本では1991年(平成3)に厚生省(現、厚生労働省)に研究班が発足、調査・研究が開始された。原因は解明されていないが、神経系、免疫系、内分泌・代謝系の異常が複雑に絡み合った病態であることが明らかになっている。また、PET(陽電子放出断層撮影)検査で重症患者の中脳や視床に炎症がみられることがわかっており、厚生労働省はCFSの診断にPETなどの特殊検査による客観的な評価を用いることを推奨している。治療は、抗うつ剤や抗不安剤の投与、免疫力を高めるための漢方薬や、抗酸化作用向上のためのビタミンCの服用などがあるが、確実で有効な治療法はみつかっていない。その後、厚生労働省が2014年度(平成26)に行った慢性疲労症候群の患者の日常生活に関する実態調査で、1日をほとんど寝たきりのまま生活する重症患者が30%以上に達することがわかった。また、回復に長い時間を要するほどの激しい疲労などが長期間続くだけではなく、神経系機能障害も伴う深刻な実態であることも明らかとなった。全体の患者数は24万~38万人と推計されている。国際的には、筋痛性脳脊髄炎(ME:myalgic encephalomyelitis)とよぶことがあり、こうした潮流から日本においても「ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)」の病名が用いられるようになっている。病態は中枢神経系の機能異常や調節障害が中心で、ウイルス感染後に発症することが多いとされる。国際疾病分類(ICD-10)でも、ME/CFSは神経系疾患に分類されている。

漢方と鍼灸

 各症状に対応して漢方をお出します(標治)。本治では脳の慢性炎症を取る漢方食養生ツボを駆使いたします。ドクターでもビタミンCや漢方は保険で、コエンザイムQ!0や健康食品など自費診療で対応しているようです。脳の異常反応をとらえて経絡に落とし込み漢方、食材、食養生食品、ツボを選択します。