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前立腺炎

 前立腺炎とは、男性にのみ存在する”前立腺”と呼ばれる臓器に炎症が起こる病気です。尿が出にくくなる“排尿障害”や、排尿時の痛みなどの症状が現れます。ほとんどの年代でみられますが、高齢者よりは若い男性に多い病気であるといわれています。前立腺炎は原因に応じて“細菌性前立腺炎”と“非細菌性前立腺炎”に分けられます。細菌が尿道から侵入し、前立腺に感染することによって起こります。感染当初は排尿障害や会陰部痛、発熱などの急性症状を伴う“急性細菌性前立腺炎”がみられます。治療後に会陰部痛が遷延する“慢性細菌性前立腺炎”に移行することがあります。細菌感染を原因とし、抗生物質による治療ができる細菌性前立腺炎に対して、非細菌性前立腺炎は明らかな原因がなく、難治化しやすい傾向があります。症状を繰り返す慢性的な経過をたどることが多く、ストレスや運動不足などで悪化することがあります。また急性細菌性前立腺炎の治癒後に慢性痛のかたちで会陰部痛を訴えることがあります。非細菌性前立腺炎は長時間の座り姿勢や過度の飲酒、ストレスなどで症状が悪化したり、再発したりすることが分かっているため、生活習慣に気をつけながら根気強く治療にあたる必要があります。細菌性前立腺炎の初期にみられる症状です。排尿時の強い痛みや頻尿、排尿障害のほか、38℃以上の高熱が出ることもあります。

漢方と鍼灸

 抗生物質で治ってしまうものは相談にきません。どちらかというと非細菌性前立腺炎か抗生物質が効かない場合でしょう。念のため菌の反応穴、前立腺、自律神経、既往症の反応穴から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。

前立腺肥大症

 前立腺肥大症とは、男性の体において膀胱に隣接して尿道を取り巻いている前立腺という臓器が大きくなり、尿道が細くなることによって排尿にまつわるいろいろな症状をきたす病気を指します。前立腺の分泌液の作用は精液中に分泌され精子の働きを助けることです。同時に、膀胱側の尿道を狭くして、精液が膀胱側にいかないように調整を行っています。前立腺は男性ホルモンの変化に影響を受けます。そのため、前立腺肥大症では、男性ホルモンのはたらきが衰え始める30歳代から前立腺が大きくなり始め、加齢とともに大きくなります。肥大する前立腺の大きさや形には個人差があります。また肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症なども関与しているようです。前立腺肥大症になると、尿道の一部が細くなるために尿に関するいろいろな症状が起こるようになります。具体的には、排尿困難(尿が出にくい)、または尿閉(尿が出ない)、おしっこが近い、夜中にトイレで何度も起こされる、突然おしっこに行きたくなる、尿を出しても出し足らない感じがする、尿を漏らしてしまうなどの症状が現れます。前立腺肥大症の検査では、日常生活で尿について困っていることを問診で伺ったうえで、さまざまな検査を行います。たとえば、尿流測定で実際に尿の出る速さを測定したり、腹部超音波検査で尿が溜まった状態の前立腺体積や形状、膀胱変形の有無などを調べたりします。また、トイレの後に膀胱内の尿の量を推定(残尿測定)したり、直腸診を実施し、肛門から指をいれて前立腺を触診して大きさや硬さ、表面のゴツゴツ感がないかなどを調べたりします。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAという値は前立腺肥大症でもが高くなることがあり、高値の場合は定期的なフォローやより詳しい検査を行います。前立腺肥大症の治療方法には、大きく分けて薬を用いた薬物療法と、手術で前立腺の一部を取り除く手術の2つがあります。通常はまず薬物療法を行いますが、効果が不十分であったり、尿路感染や腎機能障害などの合併症が生じていたりする場合や、重症と判定されるような場合には、手術など外科的治療を行うことが多いです。薬物療法で用いる薬には、前立腺や膀胱の一部の筋肉を緩めて尿の通りをよくするタムスロシンなどの交感神経α1受容体拮抗薬や、男性ホルモンのはたらきを抑える5α還元酵素阻害薬などがあります。また、近年では、タダラフィルというホスホジエステラーゼ5阻害薬も一般的になっています。手術は尿道から内視鏡入れて行う治療が標準的です。その方法には幾つかあり、尿道の内側から前立腺を削り取る経尿道的前立腺切除術(TURP)、ホルミウムレーザーを用いた前立腺核出術(HoLEP)やレーザーを用いた前立腺蒸散術(PVP)などがあります。

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 男性ホルモンの衰えを補う代表処方は六味丸系統ですが、生活習慣病も合併するケースが多いことからも肝臓、お血も絡んでいることが推測されます。肝臓、前立腺肥大の波長をとって漢方食養生ツボを選択します。

ネフローゼ症候群

 ネフローゼ症候群とは、尿の中にタンパク質が多量に出てしまい、血液中のタンパク質が減ってしまう状態を示す症候群です。尿の泡立ちやむくみなどが主な症状ですが、重症な場合は肺や心臓などに水がたまりやすくなるほか、腎不全になったり、血栓症などの合併症が現れたりすることもあります。ネフローゼ症候群には、腎臓疾患が原因となる一次性ネフローゼ症候群と、その他全身性の病気が原因となる二次性ネフローゼ症候群があります。一次性ネフローゼ症候群は指定難病であり、若年層に多い微小変化型ネフローゼ症候群や高齢者に多い膜性腎症などがあります。また、二次性ネフローゼ症候群の原因疾患には糖尿病などがあります。微小変化型ネフローゼ症候群は腎臓においてフィルターの役割を果たしている糸球体に機能障害が起こり、タンパク質が尿中に漏れ出る病気です。糸球体の変化は微細で普通の顕微鏡レベルでは分かりません。子どもから若年層に多くみられますが、中高年~高齢者にも発症します。発症は急性のことが多く、数日のうちにむくみが進行します。ステロイドがよく効く場合が多いですが、減量あるいは中止すると再発も多くみられます。巣状分節性糸球体硬化症は一部の糸球体に部分的な硬化がみられ、そこからタンパク質が漏れ出る病気です。発症は急性で、しばしば微小変化型ネフローゼ症候群との見極めが問題になります。ステロイド治療に反応しにくいことが比較的多く、透析が必要な末期腎不全に至ることもあります。膜性腎症は、糸球体のろ過面に抗体の沈着が起こり、タンパク質が尿中へと漏れ出る病気です。中高年層によくみられます。タンパク尿が軽症の場合には予後がよいとされており、症状を抑える対症療法で自然に改善することもあります。しかし、治療に反応しないステロイド抵抗性の場合は末期腎不全に至ることもあります。膜性増殖性糸球体腎炎は、糸球体のろ過面だけでなく、血管と血管を保持しているメサンギウムにも炎症が起こる病気です。ほかの病気に続発することも多くあり、原因は1つだけではなく、さまざまな病気が含まれるとも考えられています。ステロイドが効きにくいことが多く、10年の経過で約50%の人が末期腎不全に至ります。二次性ネフローゼ症候群は糖尿病、膠原病(全身性エリテマトーデスや関節リウマチ)、ウイルス性慢性肝炎、悪性腫瘍などが原因となって起こります。また抗リウマチ薬や、非ステロイド性消炎鎮痛剤などの薬剤が原因となることもあります。主な症状は体のむくみ、尿の泡立ち、体重の増加などです。そのほか、体のだるさや疲れやすさを感じる人もいます。手足や目の周りなどにむくみが生じ、体重の増加がみられることがあります。むくみが始まりやすい場所は病気によって異なりますが、まぶたや両側下肢から始まり、全身性のむくみに進行します。むくみは血液中のタンパク質“アルブミン”の減少と塩分が体外に排泄されにくくなることによって起こります。血液のアルブミンが減ると、血管内に水分を保持できなくなり、血管外に漏れ出てむくみが現れます。また、ネフローゼ症候群では腎臓から塩分が排出されにくくなるともいわれています。これらにより、体内に塩分・水分がたまり、むくみなどの症状が現れます。進行すると肺やお腹に水がたまることにより、息苦しさや食欲の低下、腹痛がみられることもあります。このほか、男性では陰嚢に水がたまることもあります。尿検査は尿タンパクを確認し、1日3.5g以上の場合、血液検査では血液中のアルブミン濃度を確認し、3.0g/dL以下の場合、この2つがある場合はネフローゼ症候群と診断されます。西洋医学的治療は副腎皮質ステロイド薬の内服、あるいは点滴によってタンパク尿を減らすことを目指します。点滴の場合は高用量のステロイド薬を3日間点滴する“ステロイドパルス療法”を行う場合もあります。副腎皮質ステロイド薬で改善がみられない場合には、免疫抑制薬の使用が検討されます。また、病気の種類によっては生物学的製剤の“リツキシマブ”などが検討されることもあります。むくみの症状が現れた際は、食事内容に留意し塩分を制限します。また、安静によってもタンパク尿は減少しますが、後述する血栓の合併症を防ぐため適度な運動は必要です。むくみが悪化し、体重増加がみられる場合には利尿薬の使用が検討されます。また、血管内の水分が不足してしまうことなどによる急性腎障害や、体に水が極端にたまってしまう場合には、一時的に透析療法が検討されることもあります。ネフローゼ症候群では血栓が生じやすくなることがあるため、軽い運動や足のマッサージで血行を促すほか、必要に応じて抗血小板薬や抗凝固剤といった血液をサラサラにする薬が処方されることもあります。また、降圧薬であるレニン・アンジオテンシン系阻害薬はタンパク尿の減少効果が認められているため使用が検討されることもあります。これらの降圧薬はタンパク尿を減らす効果は期待できますが、限定的な効果しかみられないこともあります。高コレステロール血症は、治療によってタンパク尿が減少すれば改善が期待できますが、コレステロールを下げる薬を使用する場合もあります。

漢方と鍼灸

 糸球体はフィルターの役目をしていますが、フィルターに穴が空いたり、ゴミが付着したりしておかしくなります。フィルターの穴を修理したりごみを洗い流したりして良くしていきます。浮腫んでしまった水を抜くのは標治、フィルターの修理は本治です。腎臓の糸球体部分、浮腫の部分から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。

肝臓癌

 肝臓がんは、肝臓にできるがんの総称で、「肝がん」といわれることもあります。このうち、肝臓の主な細胞である肝細胞ががん化したものを肝細胞がんと呼びます。同じ肝臓にできたがんでも、肝臓の中を通る胆管ががん化したものは「肝内胆管がん(胆管細胞がん)」と呼ばれ、治療法が異なることから区別されています。なお、日本で発生する肝臓がんの90%以上は肝細胞がんであるため、一般的には「肝臓がん」とは「肝細胞がん」のことを意味します。このページでは、肝細胞がんについて解説します。肝内胆管がんについては、「胆道がん」のページをご覧ください。肝細胞がんの発生には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などによる、肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。脂肪肝炎とは、脂肪が過剰にたまった肝臓(脂肪肝)が炎症を起こしている状態です。また、肝硬変とは、肝炎ウイルスや脂肪肝などによる炎症が長期間にわたって続いた結果、肝臓が硬くなった状態をいいます。肝細胞がんは、多くの場合、肝臓内で再発します。また、肺やリンパ節、副腎、脳、骨などに転移することがあります。肝臓以外の臓器にできたがんが、肝臓に転移したものを転移性肝がんといいます。転移性肝がんは肝細胞がんとは区別し、原発巣(最初にがんができた臓器)に準じた治療を行います。転移性肝がんは、肝転移といわれることもあります。肝細胞がんの人は、B型肝炎やC型肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患を伴っていることが多くあります。慢性肝疾患により肝機能が低下すると、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、むくみ、かゆみ、だるさや倦怠感などの症状があらわれることがあります。また、肝細胞がんが進行した場合は、腹部にしこりや圧迫感、痛みがあらわれることがあります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、炎症やがんがあっても初期には自覚症状がほとんどないため、医療機関での定期的な検診や、ほかの病気の検査のときなどに、異常を指摘されることも少なくありません。肝細胞がんの発生には、ウイルスなどによる肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。そのため、健康診断などで肝機能の異常や肝炎ウイルスの感染などを指摘されたときには、まずは内科や消化器内科、または身近な医療機関を受診するようにしましょう。

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 癌を抑える免疫力の漢方、脂肪肝や線維化した肝細胞を柔らかくする漢方、慢性炎症を抑える漢方を免疫反応穴、肝臓の癌部位から漢方食養生ツボを選択していきます。

腎硬化症

 腎硬化症は、高血圧が原因で腎臓の血管に動脈硬化を起こし、腎臓の障害をもたらす疾患です。高血圧が長く続くと、腎臓の糸球体へ血液を送る細動脈に圧力がかかるため、血管内の細胞がそれに反応して増殖し、血管の内腔が狭くなります(細動脈硬化)。豊富な血流が必要な糸球体で、血液の流れが悪くなると、徐々に糸球体は硬化し、腎機能が低下し、慢性腎不全に至ります。腎硬化症で慢性腎不全になった患者さんは、同時に腎臓以外の動脈硬化も進行しているため、生命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などの危険性が高いと考えられます。従来は高齢者の疾患でしたが、メタボリック症候群に代表されるように、働き盛りからもっと若い30代でも血管に硬化がきている患者さんも最近は多くなってきました。ほとんど症状はなく、血圧も降圧治療により落ち着いている場合も少なくありません。眼底検査では、高血圧ならびに動脈硬化の程度がある程度判定できます。尿検査では、多くの場合、尿蛋白を軽度認めますが、尿蛋白が陰性の場合も少なくありません。血尿は認めません。高血圧あるいは血圧が高かった方は(特に高齢者)、腎機能検査として血液検査でクレアチニンを測定することが奨められます。推定糸球体濾過値(eGFR)が60未満の場合は、腎硬化症による慢性腎臓病である可能性があります。血圧の変動、特に脱水などにより、腎臓への血流が急激に低下すると、クレアチニン値も急に上昇しやすく、逆にその改善に伴い、腎機能も回復するのが特徴です。そのため、急に腎機能が悪化した場合には、その原因を究明し、適切な治療を受けることが大切です。

漢方と鍼灸

 漢方には血管を柔らかくするものがあります。完全にもとには戻りませんが時間をかければ良くなります。血の流れ、血液の量、血液の質と血管の弾力、抗酸化力が大切です。
血圧の反応穴、腎臓の糸球体部分から漢方食養生ツボを選択していきます。

糖尿病性腎症

 糖尿病性腎症とは、糖尿病三大合併症の一つとされている疾患です。糖尿病によって高血糖状態が持続し、腎臓の内部に張り巡らされている細小血管が障害を受けることで発症します。悪化すると腎不全に移行し、血液透析などが必要となることもあります。平成22年度において、全国の新規透析導入患者の43.5%を糖尿病性腎症が占めており、その数は上昇傾向にあります。糖尿病性腎症は、ある程度進行するまで自覚症状がありません。しかし、糖尿病性腎症を発症すると、尿の中に本来は含まれないはずの尿蛋白(アルブミン)が含まれるようになります。この状態でさらに放置してしまうと、腎臓のろ過機能は低下し続け、血液内に余分な水分や不純物が残りやすくなり、全身のむくみやだるさ、貧血といった症状が現れるようになります。最終的には腎臓ではほぼ尿を作り出すことができなくなり、機械によって血液を浄化する「血液透析療法」が必要となってしまいます。尿蛋白(アルブミン)とは、文字通り尿に含まれる蛋白質のことです。尿中に尿蛋白が含まれているかどうかは、早期腎症の発見に最も重要な指標となっています。本来、蛋白質は腎臓のろ過機能によって再吸収されるため、本来は尿中に排泄されることはありません。しかし、腎症が進行し、ろ過機能が低下してくると、尿中の蛋白質を再吸収しきれず、微量が尿の中に残ったままとなってしまいます。血中クレアチニンとは、血液の中にふくまれているクレアチニンという成分を見る検査値です。クレアチニンは不純物の一つで、腎臓機能が低下して不純物を取り除けなくなると血液の中に残るため、腎機能を見るときに利用する検査値です。この血中クレアチニンの数値を年齢や性別によって計算し、腎臓のろ過機能がどれほど保たれているかを見る「GFR(糸球体ろ過値)」という数値もあります。糖尿病と診断された時点で、今後放置してしまうと腎機能が悪化してしまう恐れがあるということ、そして初期段階では症状が出ないからこそ、定期的に受診し、腎機能が悪化していないかどうかを確認していくことの大切さを指導していくことが、大切です。

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 まず血糖値、HbA1c値の改善をしましょう。また微小血管の血流改善、腎機能の改善をしていきましょう。微小血管があるところは目もそうです。糖尿の反応穴、膵臓、腎臓、出ている症状から漢方食養生ツボを選択していきます。

血尿

 尿が赤いなど、目に見えて血が混じっている血尿を肉眼的血尿と呼びます。尿の色はいつもと変わりないのに、尿検査で初めて分かる血尿を顕微鏡的血尿と呼びます。いずれにせよ、血尿には大きな病気が隠れていることがあります。尿路とは、尿を作り外に排泄するまでの通り道を指し、ふつう尿路は無菌状態で保たれていますが、しかし何らかの原因で尿路に細菌などが侵入し、炎症を起こすことがあります。これを尿路感染症と呼び、膀胱炎や腎盂腎炎などが代表的です。尿路感染症では、血尿に加え、トイレに行く回数が増える、尿が残っている感じがする(残尿感)、尿が出るときに痛みを伴う、下腹部痛などの症状が見られます。腎盂腎炎の場合には、高熱や腰部の痛み、悪寒などを伴います。腎盂腎炎が疑われる場合には、夜間や休日であっても受診しましょう。結石の位置によって腎結石、尿管結石など呼び方が変わります。腎臓から膀胱への尿の通り道を結石がふさぐと、腰や脇腹の激しい痛みが出現します。結石の場所によっては下腹部に痛みが出現したり、時に陰部にまで痛みがひびくこともあります。このように激しい痛みが急激に出現することが特徴ですが、反対に全く無症状のまま慢性的に経過する場合もあります。急激な痛みと共に血尿、排尿時の痛み、頻尿、残尿感が出現することがあります、吐き気や嘔吐を伴うことも多くあります。高熱を伴う場合には、尿管結石によって滞った尿に感染を起こしていることが考えられるため、夜間や休日であっても早めに受診する必要があります。腰などを強くぶつけたなどにより、血尿が生じることもあります。また、激しい運動のあとに血尿のような症状が出るものに横紋筋融解症があります。横紋筋融解とは、激しい運動により筋肉が壊れ、血液中にミオグロビンという筋肉の成分が流出する病気です。ミオグロビンが大量に尿に含まれると、血尿のような赤褐色の尿が出ます。横紋筋融解症の場合には手足の筋肉痛や痺れ、脱力、筋力の低下などの症状が見られます。横紋筋融解症は、急性腎不全を併発することも多い危険な疾患であるため、激しい運動の後に血尿に見えるような尿があった場合には、すぐに受診しましょう。血尿のなかには、腎臓や膀胱など尿路の悪性腫瘍によるものもあります。早期には特徴的な症状があまりないことも多いですが、尿の色がおかしい、長く続く、膀胱炎のような症状がいつまでも治らないなどのような場合には一度病院で相談してみましょう。腎炎とは、腎臓に様々な原因により炎症が起き、血尿やたんぱく尿と共に、腎臓の機能が障害される病気のことで、急性の経過をたどるものから慢性経過のものまで様々です。慢性の経過では、初期は無症状で進行し、血尿も肉眼で確認できるほどではないことが多いとされています。そのため、健康診断などで血尿やタンパク尿を指摘されて病気が発覚することが多いといわれています。急性の経過では、慢性経過の場合と同様目立った症状を認めない場合も多いですが、血尿やたんぱく尿に加え、顔面や脚のむくみ、血圧上昇、倦怠感、腹痛や吐き気など、様々な症状が出現することがあります。風邪などの感染症をきっかけにして発症することがあります。前立腺は男性だけが持つ生殖器官で、膀胱と尿道に隣接しています。
血尿の原因になる代表的な前立腺の病気には、前立腺炎、前立腺肥大症、前立腺がんなどが挙げられます。

漢方と鍼灸

 尿に血が混じっていたらどこかで出血してるので止めなくてはいけません。そのためには原因を探り少しでも改善しなければなりませんね。外傷なら止血漢方、感染症なら漢方の抗菌剤、腎炎なら炎症を抑える漢方、結石なら石を溶かす漢方、癌なら西洋医学的、手術、放射線、東洋医学的には免疫力、抗酸化力、食養生など、前立腺肥大症なら駆お血薬。

頻脈

 脈が不規則に打つ不整脈のうち、正常よりも脈が速くなることを頻脈と言います。脈が速くなる病気はいくつかあります。脈が規則正しく速いものと、脈が乱れてしまうものがあります。一番大切なのはご自身で脈を診ていただくこと(検脈)です。方法はいたって簡単です。手のひら側の手首、首筋にもう片側の3本の指を脈の触れる箇所に当ててみます。脈がどれくらいの速さなのか、規則正しいのか、乱れているか、脈が触れにくいなどを見ていただけると診療の参考となります。脈が規則正しく速いものの多くは、発作性上室性頻拍症と呼ばれるものです。その他には心房粗動と呼ばれるものや心室頻拍と呼ばれるものがあります。これらの多くはカテーテルの治療を行っていただくと完全に治すことができます。
脈が乱れているものの多くは、心房細動という不整脈です。この心房細動は厄介な不整脈です。脈が速くなり心不全を生じることがあります。また心臓の中に大きな血の塊(血栓)を作ってしまうことがあります。この血栓が血管を通じて飛んでしまうと、脳梗塞などを起こすことがあります。心房細動に関しても近年カテーテルの治療で予防できるようになっております。正常な脈拍は1分間に60~100回程度とされていますが、1分間の脈拍が100回以上の場合に頻脈とみなされて、これが120回以上の時には病気が原因で起こっていることが疑われるため、精密検査が必要になります。120回以上の頻脈では、全身に血液を効率的に送ることができなくなるので注意が必要です。もし脈拍を測られて100~120回以上の心拍数である場合、頻脈である可能性が高いと言えますので、精密検査を受けましょう。症状として動悸、息切れ、胸痛、めまい、立ちくらみ、失神、痙攣をともなう失神、心房細動(心房の痙攣)があります。心臓は微弱な電気信号により規則正しい脈拍を保っていますが、狭心症や心筋梗塞、心不全、虚血性心疾患などが原因で電気信号に異常が起こると頻脈などの不整脈が発生します。 心疾患以外にも、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患などで起こるほか、疲労の蓄積やストレス、飲酒・喫煙、睡眠不足などが原因で起こることもあります。頻脈を診断する検査として、心電図検査(12誘導心電図・ホルター心電図)や超音波エコー検査(心エコー)などがあります。

漢方と鍼灸

 まず病院での検査は大事です。また脈が規則正しいか不規則かは自分でも確かめられます。そして症状、血圧測定、現病歴、疲れ、ストレスなどと心臓のツボ、自律神経のツボ、血圧のツボなど関係のある個所から漢方食養生ツボを選択します。

夜尿症

 夜尿症とは、いわゆる“おねしょ”のことで、夜間睡眠中に無意識のうちに尿が漏れてしまう病気のことです。ヒトは排尿習慣が身につくようになる2~3歳ごろまでは、睡眠中でも無意識のうちに排尿します。このように排尿習慣が未熟なために生じるおねしょを夜尿症とは呼びません。また、排尿習慣が整った後も就寝前に飲み物を多く取ったなど、些細なことが原因でたまにおねしょをするのはよくあることです。しかし、5歳を過ぎても1か月に1回以上の頻度でおねしょをする状態が3か月以上続く場合は“夜尿症”と診断されます。7歳のころは約15%が夜尿症であると考えられていますが、年齢を重ねるごとに有病率は減少していきます。その一方で、成人になっても夜尿症が改善しないケースもあり、夜尿症に気付いた段階で適切な生活指導や治療を開始することが望ましいと考えられているのが現状です。夜尿症の根本的な原因は、膀胱内にたまった尿の量が膀胱の許容量を超えてしまうことです。当然ながら、睡眠中も日中と同じく腎臓では尿が産生されますが、脳下垂体から“抗利尿ホルモン”と呼ばれる尿の産生を抑制するホルモンが睡眠中により多く分泌されるようになるため、尿量は日中よりも減少します。しかし、多くの尿がたまって膀胱の壁が刺激されると、就寝中でも尿意を感じるようになります。通常は睡眠中であっても尿意を感じると目が覚めるものですが、小児は眠りが深いため尿意を感じても覚醒することができず、結果として尿失禁を引き起こすと考えられています。さらに、小児は膀胱の大きさや機能が未熟なため、多くの尿を蓄えられず、尿意を感じる前に膀胱が収縮して尿失禁を引き起こしやすいのも1つの要因です。そのほか、精神的なストレスや環境の急激な変化なども夜尿症の原因となることがありますが、現時点では夜尿症とそれらの要因との関連は解明されていません。また、夜尿症は“おねしょ”以外の症状は見られず、睡眠中に無意識に尿失禁を引き起こすため痛みなどの苦痛はないと考えられています。しかし、年齢が上がっても夜尿症が続く場合は、宿泊を伴う学校行事を極端に嫌がったり、自己否定感が強くなって親や友人とうまくコミュニケーションが取れなくなったりするといった精神的な問題を生じることも少なくありません。夜尿症が疑われるときは尿に細菌などが混入していないかを調べる検査を行うことがあります。これは、頻尿を引き起こす膀胱炎などを鑑別するための検査であり、そのほかにも尿たんぱくの有無や尿の濃さなどで腎機能を簡易的に評価することも可能です。夜尿症を改善するためには生活改善を行うことが必要です。具体的には、夕方以降は水分の摂取を控えめにする、就寝前に排尿を済ませる、利尿効果のあるカフェインを含んだ飲料を控えることなどが挙げられます。生活指導を行っても症状が改善しない場合は、尿の産生を抑える抗利尿ホルモン剤や膀胱の筋肉を緩めて容積を大きくする抗コリン薬などを用いた薬物療法が行われます。下着やオムツに尿漏れを感知するセンサーを装着し、尿失禁が生じる前にアラームが鳴って排尿行動を促す治療法です。尿意が生じても目が覚めずに尿失禁をしてしまうタイプの夜尿症の治療によいとされており、訓練を繰り返すことで自然に尿失禁がなくなっていくケースも多いことが分かっています。夜尿症は前述のとおり、深い睡眠や膀胱の未熟さなどによって引き起こされるものです。これは小児の身体的な特徴でもあるため、夜尿症を高い確率で予防する方法は残念ながらないのが現状です。

漢方と鍼灸

 脳、胃腸、腎、膀胱、冷えが原因。小さい子はまだ成長過程で、深い眠りに入りやすく、そのため脳からの指令がうまくいかずホルモンが分泌できない状態です。また胃腸が虚弱で冷えやすく、疲れやすい、気の巡りが悪い状態の場合もあります。自律神経のツボ、脳下垂体、腎臓、膀胱、脾胃から漢方食養生つぼを選択します。

尿道炎

 尿道炎とは、病原体が尿道口から侵入して尿道の粘膜に感染し炎症を引き起こす病気です。尿道炎は性感染症に含まれ、主に性行為によって淋菌やクラミジアなどに感染することで生じます。発症すると男女ともに、排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状がみられ、尿道口から膿が出ることもあります。尿道炎では病原体に対する薬を用いて治療を行いますが、病原体によって効果的な薬が異なるため、症状がある場合には泌尿器科を受診して検査・治療を受けることが大切です。また、尿道炎の多くは性行為によって起こることから、セックスパートナーも一緒に検査と治療を受ける必要があります。尿道炎のもっとも一般的な原因は、淋菌感染症(淋病)の原因菌である“淋菌”と、クラミジア感染症の原因菌である“クラミジア・トラコマチス”です。これら2つの細菌に同時感染する例も多くあります。そのほか、マイコプラズマ・ウレアプラズマなどによって尿道炎を引き起こすことがあり、このような細菌・ウイルスは通常、性行為によって尿道から入り込んで感染します。感染は普通の膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)によっても起こります。この場合、セックスパートナーの咽頭に病原体が潜んでいると考えられます。尿道炎を起こしても無症状の場合もありますが、通常は男女ともに排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状が現れます。淋菌やクラミジアが原因の場合、尿道口から透明~黄緑色の膿が出ることもあり、特に男性で多くみられます。淋菌性尿道炎は潜伏期間3~7日、クラミジア性尿道炎では潜伏期間1~3週と比較的長いです。また、淋菌性尿道炎は発症が急激です。一般的に淋菌では黄緑色の粘々とした膿が大量に出て排尿痛が強く、淋菌以外の病原体では透明の薄い膿が少量出て排尿痛が軽い傾向があります。薬としては、主に淋病にはセフトリアキソン(静脈注射1回のみ)、クラミジアにはアジスロマイシン(経口投与1回のみ)などが用いられます。淋菌とクラミジアの2つの細菌に感染する例も多いため、混合感染を考慮して淋病とクラミジアの治療を同時に行うこともあります。自己判断で治療を中止すると再発する場合があるほか、最初の薬が効かずほかの薬に変更する必要が生じる場合もあることから、医師の指示にしたがって治療を行うことが大切です。また、尿道炎の多くは性行為によって感染するため、ピンポン感染(男女間で互いに感染させる)を防ぐために、セックスパートナーも一緒に検査・治療を受け、完全に治癒するまで性行為を控えるようにしましょう。尿道炎を防ぐために、コンドームを常に正しく使用するようにしましょう。また、膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)でも感染するということを十分に理解し、感染が疑われる相手との性行為を避けることが大切です。

漢方と鍼灸

 抗生物質が飲めない、飲んでも効かないなどで悩んでいる場合、漢方の抗菌剤の中から同定してお出しします。また炎症を取りながら洗い流す作用のものも必要です。