胃下垂
胃下垂とは、胃が正常の位置よりも垂れ下がっている状態のことを指します。成人でも小児でも生じることがありますが、原因は両者で異なります。また、原因が特定できないことも少なくありません。実際に何も症状がないにもかかわらず、偶発的に胃下垂が見つかることもあります。そのため、胃下垂そのものが必ずしも病的な意味を持つとは限りません。病的な原因としては、糖尿病に関連した胃下垂が多いです。そのほかにも、以下のようなさまざまな病気が原因となりえます。胆嚢疾患、膵炎、ウイルス感染症、神経性食思不振症、胃食道逆流症、胃がん、アミロイドーシス、パーキンソン病、甲状腺機能低下症などです。また、胃の手術をおこなった後や暴飲暴食、過労、ストレス、出産などによって胃下垂が引き起こされることもあります。早産児においては、消化器の成熟が未熟な場合にみられることがあります。また、ミルクアレルギーに関連した胃下垂もあります。さまざまなことが原因として関与する胃下垂ですが、原因が特定できないことも少なくありません。心窩部(みぞおち付近)の痛み、腹部膨満感、食欲不振、吐き気、便秘、胃酸の逆流、口臭などを伴うこともあります。食後にお腹の張りや吐き気などが増悪することもあります。また、胃が骨盤部まで落ち込むことで、お腹がぼってりと腫れて見えることもあります。一方で、特に自覚症状がなく、別の理由で行われた透視検査をきっかけとして、胃下垂の指摘を受けることもあります。
漢方と鍼灸
胃下垂の方は食後眠くなる傾向があります。脾(消化に関与するところなので膵臓も含む)の弱りからくることが多いですね。内臓は筋肉なので消化速度が遅くなれば停滞し食物や飲み物の重みで下垂することもあります。代謝が落ちれば胃腸の運動も落ちますね。ストレスやうつ、仕事に集中しすぎなども胃腸の運動が悪くなります。胃腸も血管が無数に蔓延っています。血流が悪くなれば機能が落ちます。また腸と脳の関係から脳の伝達異常から胃腸の運動も関係してくる場合もあります。原因疾患の本治によって下垂も改善されやすいと思います。
煎じ
・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
経産婦の方で腹壁が弛緩し、腹腔が大きく、胃部の圧重膨満感と牽引性の腹痛がある時に使われます。
・加味逍遥散(柴胡・芍薬・甘草・当帰・白朮・茯苓・生姜・薄荷・牡丹皮・山梔子)『和剤局方』
血の道の症状がある時に使われます。頭重、肩こり、めまい、動悸、便秘、月経不順などがある時に使われます。
・補中益気湯(黄耆・人参・白朮・当帰・陳皮・生姜・大棗・柴胡・甘草・升麻)『脾胃論』
胃腸の衰弱を回復し、弛緩下垂を緊張させる作用があります。
・延年半夏湯(半夏・生姜・桔梗・呉茱萸・前胡・別甲・枳実・人参・檳榔子)『外台秘要』
胃下垂の方で、左の肩背のコリがある方に使われます。気分の沈うつ、胃内停水、膨満感、足冷えなどがあります。
など(薬局製剤以外も含む)
食欲不振
なんとなく食事が食べたくない、以前のように食べられない、このような症状のことを食欲不振といいます。このごろ食欲がない…好きなものもあまり食べたくない、「何が食べたい?」と、聞かれても何も思い浮かばない、いつもお腹のあたりに違和感がある。このような症状があるとき、原因として考えられることはどのようなものがあるでしょうか。胃の炎症である胃炎や、胃や十二指腸の壁が傷つく胃・十二指腸潰瘍も食欲不振の一因です。みぞおちの痛みや不快感、胸やけ、吐き気、胃もたれなどがみられることがあります。胃酸の逆流により食道に炎症が起きる病気です。食欲不振の他、げっぷ、胃もたれなどの症状がよくみられます。逆流した胃酸を気管に吸い込むことで咳が出ることもあります。機能性ディスペプシアは胃の運動機能障害による食欲不振、胃もたれなどを起こす病気です。食事と関係して食後の胃もたれ、あまり食べられないなどの症状が出るタイプと、食事と関係なくみぞおちあたりに痛みが表れるタイプに分かれるとされています。肝炎はウイルスやアルコール、なんらかの病気などの影響で肝臓が炎症を起こしている状態です。炎症の程度により、肝臓の機能に障害が出ている場合には、食欲不振の他に、皮膚や白目が黄色くなったり、だるさ、吐き気などの症状が現れることもあります。甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。男女比は1:10程度と女性に多く見られます。初期症状はほとんどありませんが、次第に元気がでない、声のかすれ、皮膚の乾燥、足のむくみなどが出現します。抑うつ症状が出たり、疲れやすくなるのも特徴です。いわゆる拒食症は、太ることを過剰に恐れて過度の食事制限を行い、無理に体重を落とそうとする摂食障害の一種になります。自分では異常があると気づきにくい病気といわれているため、まわりが異変を感じたら受診に繋げることができるとよいでしょう。気分の落ち込み、喜びや興味の減退が2週間以上続く病気です。日本では100万人以上のうつ病患者がいるともいわれています。気分の落ち込みや憂うつさ、集中力欠如、イライラといった心理的な症状の他、疲れやすさ、頭痛、肩こりなどの身体症状が現れることもあります。癌は体のどの部位にもでもできる可能性があり、多岐にわたる症状を示します。特に胃など消化器系のがんの症状として、食欲不振、吐き気などがみられることもあります。ストレスは自律神経の交感神経を過剰に刺激します。そうなると消化吸収を促進している副交感神経の働きが抑制され、食欲が起こりにくくなることがあります。
ストレスの原因を取り除いたり離れたりすることも大切ですが、すぐには難しい場合には、趣味やスポーツなどに没頭できる時間を作るのも良いでしょう。短いひとときでもリラックスできる環境を整えることで気分転換をはかりましょう。高温多湿が続くといわゆる夏バテを起こすことがあります。夏バテは病気ではありませんが、消化器機能が低下し食欲不振に陥ることもあります。夏バテ防止のためには、日頃から疲れを溜めず体調を整えておくことがポイントになります。夏場はついシャワーだけですませてしまいがちですが、ぬるめのお湯にゆっくりつかるのもおすすめです。就寝時はクーラーのかけすぎも体力を奪う一因です。生活習慣の乱れも自律神経の不調から食欲不振を招きがちです。睡眠不足、運動不足、暴飲暴食などが続いているときには、生活習慣を見直すいいタイミングかもしれません。
生活習慣が乱れているときは1日3食、できるだけ決まった時間に食事をとるようにしましょう。早寝早起きの習慣をつけ、生活リズムを整えることができればなお良いでしょう。また、体を動かすことでエネルギーが消費され、気分転換できると自然に食欲が湧くこともあります。ウォーキングなどの手軽にできる運動を、できるだけ毎日の生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか。つわりとは、妊娠によるホルモン変化が原因で吐き気を感じたり、実際に吐いてしまうことです。妊娠初期に現れますが、多くの場合、食欲不振を伴います。食欲不振が見られなおかつ妊娠の可能性がある場合、まずは産婦人科を受診しましょう。もし妊娠していた場合、使用できる薬には限りがありますので、食欲不振があるからといって安易に市販の胃薬などを飲んだりせず、まずは医師の確認を受けることが大切です。
つわりであった場合には、妊娠5~6週頃から症状が出て、12~16週頃に落ち着くことがほとんどです。加齢によって運動する機会が減るとエネルギーの消費量も減り、食欲不振になりがちです。また、家族や友人との死別、環境の変化などによる心因性の食欲低下も見られます。高齢者の食欲不振は味覚・嗅覚の低下や、歯の衰えなども関係しているのではないかといわれています。食べられないからといって回数を減らすより、食事の機会は毎食設けるようにし、その上で食事内容を工夫してみるとよいでしょう。歯や飲み込みの状態に合わせ、刻んだり、食べやすい食品を選ぶことは大切です。会話をしながらの楽しい食事も食欲を増進させます。一人暮らしならばデイサービスなどを利用してみてはいかがでしょうか。以上食欲不振として考えられる症状、疾患、老化現象です。
漢方と鍼灸
まず原因を問診しながら解いていきます。やる気を出してもらう、元気になっていただく、胃腸は元気の源です。お話を聞くことによって気づきがあれば対策もおのずと出てくることでしょう。気の流れが滞っている状態なので気を発散、巡りを良くしましょう。対策は疾患ごとに違います。
煎じ
・補中益気湯(人参・黄耆・白朮・当帰・陳皮・大棗・甘草・柴胡・升麻・乾姜)『弁惑論』
体力低下、病後の方に使われます。
・柴芍六君子湯(柴胡・芍薬・茯苓・白朮・陳皮・甘草・人参・半夏・生姜・大棗)『本朝経験』
・小建中湯(柴胡・黄芩・人参・半夏・甘草・生姜・大棗)『傷寒論』
・生姜瀉心湯(生姜・黄連・黄芩・人参・甘草・大棗・半夏・乾姜)『傷寒論』
・清暑益気湯(人参・白朮・麦門冬・五味子・陳皮・甘草・黄柏・黄耆・当帰)『医学六要』
・人参湯(人参・甘草・乾姜・白朮)『金匱要略』
・人参養栄湯(芍薬・当帰・桂皮・甘草・陳皮・人参・白朮・黄耆・地黄・五味子・茯苓・遠志・生姜・大棗)『太平恵民和剤局方』
・半夏瀉心湯(半夏・乾姜・黄連・黄芩・人参・大棗・甘草)『傷寒論』
・茯苓飲(茯苓・人参・白朮・枳実・陳皮・生姜)『金匱要略』
・平胃散(陳皮・厚朴・甘草・蒼朮・生姜・大棗)『太平恵民和剤局方』
・六君子湯(人参・白朮・茯苓・炙甘草・半夏・陳皮・生姜・大棗)『世医得効方』
・不換金正気散(厚朴・藿香・陳皮・半夏・蒼朮・甘草・生姜・大棗)『太平恵民和剤局方』
・抑肝扶脾散(人参・白朮・茯苓・陳皮・青皮・竜胆・白芥子・柴胡・山査子・神麹・黄連・胡黄連・甘草・生姜・大棗)『古今医鑑』
など(薬局製剤以外も含む)
呑気症(どんきしょう)
緊張した時の表現として「息をのむような」という事があります。本当に人は緊張した時に、空気をのみ込む事がよくあります。そして、それが胃の不快感、痛み、上腹部膨満感、おなら等の症状として表れる場合を、呑気症(どんきしょう)と呼んでいます。唾液を1回のみ込むと、同時に2~4mlの空気ものみ込みます。炭酸飲料をよく飲む人や早食いの人も、空気を多くのみ込みます。のみ込んだ空気が、のどや食道にたまると、のどの異常感や食道の異物感を感じます。その時、唾液をのみ込んで異物感を解消しようとすると、かえって空気を多くのみ込むことになります。胃に空気がたまると、胃の不快感や痛み、上腹部の膨満感が生じます。胃の空気が逆流して出て来るのがげっぷで、空気が小腸を通過し、大腸にたまるとおならとなって出て来ます。こうした症状が表れる呑気症は、ストレスの多い人、神経症傾向の人、うつ状態の人がなりやすく、これらの人は、不安や緊張から歯をかみしめる回数がおおくなり、かみしめることが発症を促す要因になります。一般に、安静にしているときは、上下の歯は離れています。かみしめるようになると、舌が上あごに張り付くため、のどの奥に唾液と空気がたまってきて、このたまった唾液をのみ込む際、空気ものみ込んでしまいます。また、呑気症の人は、歯をよくかみしめるので、歯をかみ合わせるときに使う筋肉が緊張して、あごやこめかみに痛みが生じ、そして肩や首の痛みや凝り、頭痛、腕のしびれ等の症状が表れることがあります。ストレスが多くてこの呑気症になる人は、自律神経を介しておこる過敏性大腸症候群を併発しやすく、併発すると、腹部膨満感がより強く表れ、便通異常もみられるようになります。日常生活をする上で、ストレスは避けて通れません。その人の性格的な問題もありますが、まずは、十分な休息・睡眠をとり、軽い運動、スポーツや趣味を活かしたストレス発散もいいでしょう。そして、物事にたいして100%を望まず、よりリラックスしたプラス思考で生活する事が大切です。炭酸飲料やビールなど、腸管内でガスを発生しやすいものは出来るだけ避け、食事はゆっくりと時間をかけ、よくかんで食べましょう。かみしめる傾向が強い人には、薄いマウスピースを装着する方法もあります。緊張の強い人には、緊張を軽減する抗不安剤、膨満感の強い人には、消化管運動機能改善剤、過敏性大腸症候群の症状がみられる人には、その治療薬を使用します。
漢方と鍼灸
額にある自律神経のつぼから漢方とツボを選択します。また胃や腸の波長も調べ自律神経と同じなら、原因は自律神経です。違う場合、胃や腸の調子を整える漢方、ツボで治療いたします。
煎じ
・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
・香蘇散(香附子・陳皮・蘇葉・甘草・生姜)『和剤局方』
・苓桂朮甘湯(茯苓・桂枝・甘草・白朮)『傷寒論』
・半夏瀉心湯(半夏・黄連・黄芩・人参・乾姜・甘草・大棗)『傷寒論』
など(薬局製剤以外も含む)
胃もたれ
胃もたれとは、食べ物の消化が遅いことで起こる不快感の総称です。日常生活の中で比較的多くの人に起こりやすい症状の一つで、「何となく胃が重く、苦しい」「胃の中にいつまでも食べ物が残っている感じがする」と表現する人が多く、なかには吐き気も胃もたれと感じる場合があります。不快な症状が長時間続くことが特徴で、「食べ過ぎたから胃薬を飲めばそのうち治るだろう」と軽く考えがちですが、胃がんを始めとする重い消化器疾患が胃もたれの原因になっている可能性がありますので、早期治療が大切です。「食べ過ぎたわけでもないのに胃が重く感じる」「夜中に胃がムカムカして目が覚める」「何となく胃が膨らんでいる気がする」など、胃もたれの症状の感じ方は人それぞれです。また、胃もたれと類似する消化器官の不快感として「胸やけ」があり、間違えやすいかもしれません。違いとして、胃もたれは胃の不快感が比較的長時間続くのに対し、胸やけはみぞおち付近から喉にかけて、じりじりとした不快感があります。その理由は、胸やけの場合、胃液および胃の内容物が逆流し、食道が炎症を起こすことで症状が現れるからです。胃もたれの代表的な一つは、食べ過ぎです。また、早食いや脂っこい食事が中心の食生活も胃もたれを起こしがちです。その他、ガムを多く噛んだり、炭酸飲料を飲み過ぎたりすることも胃の中に多くの空気を取り入れてしまいますので、胃もたれの原因となります。さらに、胃もたれの原因となるのは食事だけではありません。睡眠不足や精神的に不安定な生活が続くことによるストレスも、胃もたれを引き起こす可能性があります。健康志向の中、食事に関しては気を付けている人も多いと思いますが、生活環境や生活サイクルのリズムにも十分気を付けていただければと思います。胃もたれを引き起こす原因は、消化器疾患だけとは限りません。たとえば機能性胃腸症、別名「機能性ディスペプシア」と呼ばれる病気は消化器疾患ではありませんが、胃もたれにつながる病気の一つです。最近の研究によれば、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)は、ピロリ菌感染による胃炎、肉体的・精神的ストレスの影響など、複数の要因が重なることで発症することが判明しています。それ以外に胃癌、食道癌、逆流性食道炎、萎縮性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などがあります。
漢方と鍼灸
まずは食べ過ぎているか、夕食が遅い時間か、よく噛んでいるか、刺激物、揚げ物、脂身の多い食事など内容の確認、胸やけ、口の中に酸っぱいものがこみ上げてくるか、胃痛は食前食後のどちらかなど問診していきます。アトニー体質かカタル体質かにより漢方も違ってきます。胃のツボは背中側にあり、そのツボから漢方、ツボの選択をします。癌の疑いがある場合、背中のツボから反応をみます。
煎じ
・安中散(桂枝・良姜・茴香・延胡索・縮砂・炙甘草・牡蛎)『和剤局方』
・六君子湯(人参・白朮・茯苓・炙甘草・半夏・陳皮・生姜・大棗)『世医得効方』
・小建中湯(柴胡・黄芩・人参・半夏・甘草・生姜・大棗)『傷寒論』
・柴胡桂枝湯(柴胡・黄芩・半夏・人参・芍薬・生姜・大棗・甘草・桂枝)『傷寒論』
・加味平胃散(蒼朮・陳皮・厚朴・甘草・神麹・麦芽・生姜)『医方考』
・半夏瀉心湯(半夏・乾姜・黄連・黄芩・人参・大棗・甘草)『傷寒論』
・甘草瀉心湯(甘草・黄連・黄芩・乾姜・大棗・半夏・人参)『傷寒論』
・茯苓飲(茯苓・人参・白朮・枳実・陳皮・生姜)『金匱要略』
・抑肝散扶脾散(人参・白朮・茯苓・陳皮・青皮・竜胆・白芥子・柴胡・山査子・神麹・黄連・胡黄連・甘草・生姜・大棗)『古今医鑑』
・清暑益気湯(黄耆・蒼朮・升麻・人参・白朮・陳皮・神麴・沢瀉・甘草・黄柏・当帰・麦門冬・青皮・葛根・五味子)『内外傷弁惑論』
・人参養胃湯(厚朴・蒼朮・半夏・藿香・草果・茯苓・人参・甘草・橘皮・生姜・鳥梅)『太平恵民和剤局方』
など(薬局製剤以外も含む)
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は、白血球のうちリンパ球ががん化する病気です。悪性リンパ腫は、がん細胞の形態や性質によって、大きくB細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫の3つに分かれます。細かくは、100種類近くのタイプがあります。B細胞リンパ腫は濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫などがあります。T/NK細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球のうち、Tリンパ球またはNKリンパ球ががん化する病気です。進行の速さによって、「低悪性度(進行が年単位)」、「中悪性度(進行が月単位)」、「高悪性度(進行が週単位)」に分類されます。種類は、末梢性T細胞リンパ腫、非特定型、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、皮膚のリンパ腫(菌状息肉症など)です。ホジキンリンパ腫は、リンパ球のがんである悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。日本で発生する悪性リンパ腫全体のおよそ5%を占めます。ホジキンリンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の2つに分けられます。古典的ホジキンリンパ腫はHRS細胞(Hodgkin/Reed-Sternberg細胞)、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫はLP細胞(lymphocyte predominant細胞)とよばれる腫瘍細胞が増えることが特徴です。血液細胞は造血幹細胞からつくられます。血液の中にある赤血球、白血球、血小板などを血液細胞といいます。血液細胞は、骨の中心部にある骨髄で、血液細胞のもとになる造血幹細胞から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれて成長します。骨髄系幹細胞からは、赤血球、白血球、血小板などがつくられ、リンパ系幹細胞からは白血球の一種であるリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)がつくられます。リンパ球は、リンパ系幹細胞から分化した白血球の一種です。
症状は、痛みのないリンパ節の腫はれやしこりがあらわれます。多くの場合、頸部や鎖骨上窩(鎖骨の上のくぼみ)のリンパ節が腫れます。発熱、体重減少、盗汗(大量の寝汗)といった症状があらわれることもあり、これらの症状を「B症状」といいます。
検査は、血液・リンパのがんでは、ほとんどの場合、診断や病型を確定するために骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)を受けます。骨髄検査は、皮膚を消毒し局所麻酔をした後に、一般的には腸骨(腰の骨)に針を刺して、骨髄組織を採る検査です。
血液・リンパのがんは、がんそのものや薬物療法の影響で、健康な人には害のないような弱い細菌、真菌(カビ)やウイルスなどの病原体に感染しやすくなります。そのため、手洗いやうがいをしっかり行う、感染源を作らないためにけがをしないようにするなど、日常生活でも注意が必要です。
漢方と鍼灸
癌の反応としこりのあるリンパ節の反応、腸骨の反応をとって漢方、ツボを選択していきます。しこりの固さ、大きさによって生薬の量を加減していきます。血液の癌は脾が原因で起きていることが多いです。
煎じ
・帰脾湯(白朮・茯苓・黄耆・竜眼肉・酸棗仁・人参・木香・甘草・生姜・大棗・当帰・遠志)『厳氏済生方』
・補中益気湯(黄耆・人参・白朮・甘草・当帰・陳皮・柴胡・升麻・生姜・大棗)『脾胃論』
・十全大補湯(茯苓・白朮・人参・熟地黄・芍薬・甘草・黄耆・桂皮・当帰・川芎・生姜・大棗)『太平恵民和剤局方』
・四物湯 (地黄・芍薬・当帰・川芎)『太平恵民和剤局方』
・半夏瀉心湯(半夏・乾姜・黄連・黄芩・人参・大棗・甘草)『傷寒論』
・六君子湯(人参・白朮・茯苓・炙甘草・半夏・陳皮・生姜・大棗)『世医得効方』
・通関散 (甘草・人参・白朮・茯苓・桔梗・防風・薄荷・荊芥・乾姜・附子) (寿世保元)
・真人化鉄湯(三稜・我朮・青皮・陳皮・神麴・山査子・香附子・枳実・厚朴・黄連・当帰・川芎・桃仁・紅花・木香・檳榔・甘草・生姜・大棗)(万病回春)
・瘰癧加味(貝母・夏枯草・牡蛎・括楼根・青皮)(陳修園)
・潰堅湯(我朮・紅花・升麻・呉茱萸・甘草・柴胡・沢瀉・神麴・青皮・陳皮・厚朴・黄ゴン・黄連・益智・草豆寇・当帰・半夏・生姜)(万病回春)
・防風通聖散(防風・川芎・当帰・芍薬・大黄・薄荷・麻黄・連翹・芒硝・石膏・黄芩・桔梗・滑石・甘草・荊芥・白朮・山梔子・生姜)『宣明論』
・紫根牡蛎湯(当帰・芍薬・川芎・大黄・升麻・牡蛎・黄耆・紫根・甘草・忍冬)(微癘新書)
・十六味流気飲(桔梗・人参・当帰・桂皮・甘草・厚朴・黄耆・防風・紫蘇葉・芍薬・烏薬・枳殻・檳榔・木香・川芎・白止)(外科発揮)
・二十四味風流飲(黄ゴン・防風・荊芥・連翹・白止・当帰・川芎・芍薬・黄連・山梔子・地骨皮・五加皮・白鮮皮・木通・木爪・苦参・金銀花・皂角刺・薏以仁・蝉退・白姜蚕・黄バク・しつりし・甘草・山帰来(万病回春)
など(薬局製剤以外も含む)
9月のお休みについて
[お休み]
9月3日(日)・4日(月)
9月10日(日)・11日(月)
9月17日(日)・18日(月)
9月23日(土)・24日(日)・25日(月)
ご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。
どうか皆様も、秋の夜長をリラックスしてお過ごしください。
【呼吸器】の対策と漢方
「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【呼吸器】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
身近な症状として風邪、インフルエンザなどの増加が問題となっています。年を重ねることで、気管支炎・慢性気管支炎・細気管支炎・閉塞性細気管支炎、気管支喘息・喘息なの方が増えています。成人・高齢化社会においても、呼吸器の健康は非常に重要です。
当院の【呼吸器】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬、鍼灸の施術と食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。
風邪、インフルエンザ、気管支炎・慢性気管支炎・細気管支炎・閉塞性細気管支炎、気管支喘息・喘息、気管支拡張症、肺炎、肺気腫、肺マック症(非結核性抗酸菌症)、間質性肺炎・肺線維症、肺高血圧