四十肩・五十肩・六十肩(肩関節周囲炎)
五十肩とは、肩関節の運動障害と痛み が現れることです。ちなみに、五十肩という名前で呼ばれるようになったことのルーツは江戸時代の中期にあります。その頃から巷では「人生五十にして肩など痛くなるものなり」と言われており、加齢と共に肩に起こる変化を「五十肩」と言っていたようです。ただし、現在の整形外科医は基本的に五十肩という呼びかたはせず、医学的には”肩関節周囲炎”と呼びます。五十肩は、50歳代を中心とする40〜60歳代に多くみられ、特別な原因がなく発症するとされています。 主な症状は片側の肩のみに痛みや運動障害がなどで、ときに日常生活に支障が生じるほどの強い痛みが現れることがあります。多くの場合は運動療法や薬物療法などの保存療法によって改善することができます。自然に治ることもありますが、進行すると肩関節の動きが悪くなる肩関節拘縮や凍結肩といわれる状態になる ことがあります。五十肩の明らかな原因は分かっていませんが、加齢に伴い骨・軟骨・靱帯・腱など関節の組織に炎症が起こる ことによって生じると考えられています。そのほか、運動不足や寒さによって血液の循環が悪くなると、五十肩が発症しやすくなると考えられています。 五十肩の症状は、五十肩の進行に応じて急性期、慢性期、回復期の症状に分かれます。五十肩が発症してから約2週間までを急性期 といいます。急性期では、運動時だけでなく、安静時や夜間でも肩に痛みが現れます。このとき、肩の痛みを気にしてあまり動かさないようにすると、肩の動く範囲が徐々に狭くなる原因になります。 急性期を経て慢性期には、肩の痛みは徐々に軽減します。しかし、この時期はまだ肩の動く範囲が狭いままで、この状態は約6か月続く といいます。慢性期が約半年ほど経過すると、回復期 に入ります。回復期に入ると、関節の痛みや動きが徐々に軽快していきます。自然治癒の場合、この3つの段階を経て回復するまでには、通常約1年前後かかるといわれています。 しかし、半数の患者は、痛みや可動範囲が制限されることが平均して7年も続く といった報告もあります。五十肩の診断では、問診のほか、X線検査やMRI、超音波検査といった画像検査を実施します。これらの検査によって、ほかの病気の可能性がないことを確認したうえで最終的に診断します。五十肩の治療には、保存療法と手術があります。保存療法は関節の痛みを和らげ、可動範囲を広げることを目的に行われます。薬物療法・運動療法・理学療法が一般的で、薬物療法では消炎鎮痛剤やテープ状の外用薬などが検討されることが一般的ですが、痛みが強い場合にはステロイド剤と局所麻酔剤を混ぜた薬、高分子ヒアルロン酸ナトリウムなどの注射が検討されることもあります。また運動療法や理学療法では、痛みを和らげるための生活習慣を指導するほか、可動範囲を広げられるようリハビリテーションなどが検討されます。これらによって改善しない場合は、手術が検討されることもあります。肩の血液の循環をよくするために、肩を温め、適度に動かすことが大切 です。具体的には、入浴時などに肩をしっかり温めることを心がけるほか、肩掛けを使うなどして日常的に肩を冷やさないよう工夫しましょう。また、腕を振ってウォーキングをしたり、ストレッチを行ったりすることも効果的です。ただし、すでに痛みが強く生じている場合は無理に動かさず 、病院の受診を検討しましょう。
漢方と鍼灸
痛みの部分から波長をとって経絡に落とし込んで最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ を選択し治療していきます。
【症例】48歳 左側の腕があがりにくくなり来院。肝経のツボ に置鍼をし、その後患部に一本さして終了。大分上がるようになりました。5回の治療で終了。 【症例】40歳 右腕をあげると痛みが出て本来のところまで上がらないという相談 。小腸経のつぼ に置鍼しながら腕をあげていくと少しずつ上がり始め、その後ロックする箇所に一本打って終了。4回で治療終了。 【症例】55歳 腕があがりにくい相談 。漢方 と鍼灸 を希望。2週間で治療終了。
痛風・高尿酸血症
痛風
痛風とは、血液中に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、関節などの組織に炎症を引き起こす病気 のことです。結晶化した尿酸が関節にたまって炎症が起こると、急激な痛みや腫れを伴う痛風発作 を引き起こします。足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなる ことが多く、風が吹いただけで痛みが生じるほど激烈な痛みを生じます。痛風発作は足の親指の付け根だけでなく、足・膝・手などのさまざまな関節にも生じます。 また、痛みや腫れの症状以外にも、関節や耳にこぶのようなものができる痛風結節 、腎臓のはたらきが悪くなる痛風腎や尿管結石 を起こすこともあります。痛風は、血液中の尿酸の濃度が高い状態が続く高尿酸血症に起因する病気 です。尿酸は、プリン体(プリン環の構造を持つものの総称。核酸の代謝によってつくられるもの)が分解されることでできる物質です。プリン体を多く含む食べ物を取り過ぎたり、代謝経路のどこかに異常ができたりすると、体内のプリン体は少しずつたまっていきます 。尿酸は、腎臓や腸管から排出 されます。血液中の尿酸値は、体内でつくられた量と排泄された量のバランスによって決まります。血液中の尿酸値が上昇(7.0以上)すると、高尿酸血症が現れます。痛風発作の痛みは耐え難いほどの激痛で、日常生活が困難になる人もいるほどです。通常、24時間以内に痛みのピークを迎えます が、強い痛みが数日間続き、7~10日間で症状は治まります。 さらに、高尿酸血症を放置しておくと、手足の関節や耳たぶの皮膚の下にも尿酸塩の結晶が沈着してこぶのようになります。これを痛風結節といいます。痛風結節は、痛風発作と違い痛みが生じることはありません。しかし、進行すると関節が変形したり、骨の破壊が起こったりして日常生活に影響が出ます。痛風の検査では、はじめに痛風関節炎(痛風で生じる関節の炎症)や痛風結節の有無が診察で確認されます。また、血液検査や尿検査を行うことで、血清尿酸値や尿中尿酸排泄量といった数値も調べるのが一般的です。診断が困難なケースでは、関節滑液中の尿酸塩結晶を調べることがあります。また、骨の状態を確認するためにX線撮影による検査が行われることもあります。尿酸結晶の沈着状態を超音波検査や特殊なCT検査(dual energy CT)で調べることもあります。治療では、高尿酸血症の改善が重要 です。痛風発作の急激な痛みに対しては、消炎鎮痛薬を使って速やかに痛みを和らげます。痛風発作が治まったら、血中の尿酸値を下げるために尿酸降下薬 の服用を開始します。薬物療法のほかに大切なのが、生活習慣の改善です。尿酸値が高い高尿酸血症の状態が続くと、痛風発作を繰り返す原因となります。尿酸を増やさないためには、尿酸の元となるプリン体が多く含まれる食品(肉や魚の内臓など)やアルコールを控えるとよいでしょう。肥満の解消も尿酸の低下につながります。
高尿酸血症
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態のことです。尿酸*が過剰になると、体内で析出して結晶を作り、痛風と呼ばれる病気を発症することがあります。尿酸の結晶は足の親指の付け根に形成されることが多く、激烈な痛みや発赤、腫れなどの痛風関節炎(痛風発作)を引き起こします。そのほか、腎臓にも結晶を作ることもあり、腎臓結石の原因にもなります。高尿酸血症は、アルコールや肉を多く摂取する、といった生活習慣と密接に関連していると考えられています。こうした生活スタイルは、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満などとも関連しており、動脈硬化を進行させないという観点からも治療を行う必要があります。日本人の原因としてもっとも多いタイプです。尿酸を腎臓から十分に排出できないために高尿酸血症を生じます。腎疾患により腎臓の機能が低下していたり、尿酸の排出に関与する利尿薬などの薬剤を使用していたりする場合には、尿酸の排出が低下する ために血中の尿酸値が上昇しやすくなります。肥満のひとつである内臓脂肪型肥満ではインスリン抵抗性を介して腎臓からの尿酸排泄が低下する ため血清尿酸値が上昇しやすくなります。内臓脂肪型肥満では尿酸の産生も高まるといわれています。乳酸が体内に過剰に存在すると尿酸の排出を阻害することが知られています。アルコールを摂取すると肝臓でのプリン代謝が増進されますが、乳酸はその過程において産生されます。アルコールは尿酸を増加させ、排出も低下させるため、過剰摂取には注意が必要です。 尿酸が通常よりも過剰に産生されることで高尿酸血症を生じます。溶血性貧血、白血病、リンパ腫といった血液系の病気や乾癬などの炎症性疾患が原因 となります。これらの病気では核酸の代謝が活発となり、老廃物としての尿酸を大量に産生する傾向があります。尿酸のもととなるプリン体を大量に摂取することも、高尿酸血症の原因になりえます。プリン体は、ビールやレバー類などに多く含まれています。したがって、こうしたものを多く摂取する生活習慣スタイルは高尿酸血症の原因となりえます。最近の研究では、遺伝的要因として尿酸の排出に関わるABCG2遺伝子の変異が発症リスクを上昇させることも報告されています。ABCG2の機能が低下すると腸管からの尿酸の排泄が低下するため血清尿酸値が上昇しやすくなります。 高尿酸血症そのもので症状が生じることはありません。しかし、高尿酸血症に関連して、痛風や腎臓・尿管結石を発症すると症状を自覚するようになります。痛風関節炎は足の親指の付け根など小さい関節に生じることが多く、激烈な痛みや発赤、熱感、腫脹といった炎症反応をみることがあります。そのほか、くるぶし、膝、アキレス腱などにも起こります。通常は数日で治まりますが、背景に存在する高尿酸血症に対して適切な治療が行われないまま放置されると、何度も発作を繰り返すことがあります。さらに関節の変形や運動制限などにつながることもあります。また、痛風結節と呼ばれる、黄色っぽく固いできものをみることもあります。好発部位は指、手、アキレス腱周囲などですが、腎臓など内臓に形成されることもあります。通常、痛みなどはありませんが、関節の変形につながったりすることもあります。高尿酸血症では、腎臓に結石を作ることもあります。この場合は、背部痛の原因となることもありますし、腎障害が進行することもあります。さらに、高血圧や脂質異常症、肥満、糖尿病などの生活習慣病を合併することもまれではありません。高尿酸血症の診断は、血液検査で尿酸の値が高いことからなされます。一般的には尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症 と診断されます。痛風では尿酸の結晶が形成されていることを確認するために、関節穿刺(関節内に注射針を刺し、関節液の一部を採取すること)や関節超音波検査、特殊なCT検査(dual energy CT)などを行うことがあります。腎臓・尿管結石の確認のために、尿検査や超音波検査、CTなどといった画像検査が行われることもあります。また、痛風に類似した症状をきたす病気との鑑別を行うために、血液検査や画像検査などが併用されることもあります。感染性関節炎や偽痛風、関節リウマチ、骨折など、多くの病気において痛風関節炎に類似した痛みをきたす可能性があります。高尿酸血症の治療は、大きく生活習慣の改善と薬物療法の2つに分けることができます。痛風関節炎に対しては非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が使われます。プリン体を多く含む食品(動物の内臓など)やアルコールの摂取を控えることが重要です。また、肥満を併発していることも多いため減量を行うことも求められます。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化のリスク因子があれば、それらに対しての治療も必要です。尿酸が産生されにくくする薬や体外への排泄を促す薬などの尿酸降下薬を使用することになります。尿酸降下薬の開始時には痛風発作が生じることもあります。 その場合においては、NSAIDsが併用されます。予防には、尿酸のもとなるプリン体の摂取を減らすことが大切です。プリン体を多く含む食品にはビール、レバー、肉、魚などが挙げられます。また、アルコールは尿酸値を上昇させるため、アルコール自体の摂取を控えることも有効です。
漢方と鍼灸
プリン体を多く食べても痛風にならない人もいます。またお酒を沢山飲まない人でも尿酸値が高い人がいます。なぜでしょう。肝臓の代謝が落ちていると考えられます。肝臓の代謝が落ちる理由は、アルコールだけでなくストレスや偏食、目の使い過ぎなども関係してきます。次に腎臓の排泄能力の低下、消化能力の低下による腸からの排出低下が考えられます。これらは血液検査であまりひっかかりません。疲れている状態ですので元気にしてあげましょう。また食べ過ぎ、飲みすぎは、やはりいけませんので食事も見直しましょう。痛みや結節の場所、肝臓、脾、胃、腎臓などから最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ を選択し治療していきます。
【症例】40歳 尿酸値7.8でご相談 。脾が弱っていたので1か月飲んで頂きました。結果6.9まで下がり終了。 【症例】56歳 尿酸値8.5でご相談 。肝臓の代謝と腎臓の排泄能力が低下していたので2種類の漢方 をお出しして2か月で7.0まで下がり継続中。 【症例】55歳 尿酸値8.0でご相談 。肝臓の代謝と膵臓の代謝が落ちていて3種類の漢方 を4か月飲んで頂き6.8まで改善 ※症例多数
煎じ
・大柴胡湯 (柴胡・黄芩・半夏・生姜・芍薬・枳実・大棗・大黄)『傷寒論』 ・桃核承気湯 (桃仁・大黄・甘草・芒硝・桂枝)『傷寒論』 ・防風通聖散 (防風・川芎・当帰・芍薬・大黄・薄荷・麻黄・連翹・芒硝・石膏・黄芩・桔梗・滑石・甘草・荊芥・白朮・山梔子・生姜)『宣明論』 ・疎経活血湯 (甘草・当帰・芍薬・地黄・蒼朮・牛膝・陳皮・桃仁・威霊仙・川芎・防已・姜活・防風・白芷・竜胆・茯苓・生姜)『万病回春』 ・黄連消毒飲(黄連・姜活・黄柏・黄芩・蒿本・防已・桔梗・当帰・地黄・知母・独活・防風・連翹・黄耆・人参・甘草・陳皮・蘇木・・沢瀉)『寿世保元』
ぎっくり腰(急性腰痛)
急性腰痛症は、腰痛が発症してから4週間以内のもの を指します。一般に“ぎっくり腰”と呼ばれている状態はこれに含まれ、重いものを持ち上げたときや腰をひねったりしたときなどに突然生じます。痛みの原因は、主に腰の関節やその周りの筋膜や靱帯 にあると考えられていますが、原因がはっきりとしないこともあります。安静にしていると自然に治ることも多く、必要に応じて鎮痛薬などの薬物療法や、痛みを和らげるための神経ブロック療法などが行われます。急性腰痛症の中には、骨折や感染症、腫瘍などほかの病気が原因 となっていることもあり、この場合はそれぞれに対応した治療が必要となります。厚生労働省による自覚症状の調査(平成28年度)によれば、腰痛は男性で1位、女性で2位と高く、日本人にとってもっとも一般的な症状であるといえます。急性腰痛症の予防のためには日常生活から姿勢に気を付け 、腰回りの筋肉を鍛えることが大切 です。急性腰痛症の痛みの原因はさまざまで、原因がはっきりしない場合もあります。老化、姿勢の悪さ、無理な力 がかかることなどによる腰の関節のずれ、椎間板という腰の軟骨の損傷、腰を支える筋肉や腱、靱帯の損傷などが原因 として多いと考えられています。そのほか、特別な病気として椎間板ヘルニア、脊椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症などが原因 となっていることもあります。また、ときに圧迫骨折やがんによる背骨の病的骨折、感染症による背骨や椎間板の化膿などが原因となって腰痛を引き起こす場合があるため、自己判断せず専門家の診断を受けることが重要です。腰に強い痛みが生じ、腰を前後に曲げることが難しくなります。症状が重い場合は痛みで動けなくなることがあります。 臀部や下肢に放散するような痛みやしびれを伴う場合もあります。安静にしていると痛みは和らぎますが、過度な運動制限は筋力低下を招き腰痛を悪化させる可能性があるため注意が必要です。症状は、重いものを持とうとしたときだけでなく、起き上がろうとしたときや咳・くしゃみをしたときなどに生じる可能性もあります。痛みは1日以上続き、1か月以内に治まる場合を急性腰痛症と呼びます。いわゆる“ぎっくり腰”とは異なり、感染症や腫瘍などが原因となっている場合は発熱や腰以外の痛みなど、ほかの症状が出る場合があります。腰痛にはさまざまな原因があり、また原因によって治療法が異なるため、必要な検査を行い正確に診断することが重要です。診断で重要となるのは問診・身体診察と画像診断です。診断では、まず問診と身体検査によって、痛みの範囲、悪性度、慢性化の可能性、進行性かどうか などを注意深く評価し、腫瘍や感染症、骨折などの重要な病気が隠れている可能性を慎重に検討します。必要に応じて、腰椎(背骨のうち腰の部分にある骨)の状態を調べるために、画像診断も行われます。もっとも多く行われるのはX線検査(レントゲン検査)です。より詳しい情報を得るために、MRI検査やCT検査が行われることもあります。また、ほかの原因が隠れていないか探すために、血液検査、尿検査、骨密度検査、筋電図検査、骨シンチグラフィー検査、PET検査などが行われる場合もあります。急性腰痛症は安静にしていると数日から数週間で自然に治ることもあります。治療としては、薬物療法、神経ブロック療法、装具療法などがあります。腰痛の背景に骨折や腫瘍、感染症など特別な病気が関わっている場合には、それぞれに対応した治療を行うことが重要となります。腰の痛みや炎症に対しては通常、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が処方されます。痛みによる筋肉の緊張や精神的な緊張を和らげる目的で筋弛緩薬や抗不安薬を使用することもあります。神経症状がある場合は、神経障害性疼痛薬を用いることが多いです。また、心因性の腰痛が疑われる場合は、抗うつ剤などの薬剤が用いられることもあります。脊髄(背骨の中を通る神経の束)を囲む硬膜という膜と骨の間の空間に局所麻酔薬を注射し、一部の神経を遮断(ブロック)することで痛みを軽減する方法です。痛みを感じる神経のブロックと、運動神経や交感神経の遮断で筋肉が緩み血行がよくなる効果によって腰痛が緩和されることが期待できます。コルセットなどを用いて痛みの出ている部分を安静に保つことで、痛みの軽減や早期の回復を目指す方法です。急性腰痛では、安静を続けるよりも無理のない範囲で日常生活を維持したほうが早く回復するという報告もあり、どの程度運動を制限すべきかについては医師との相談が必要となります。急性腰痛症を予防するには、普段から腰に無理な負担がかからないよう姿勢に注意するとともに、腰回りの筋肉を鍛えることが大切です。また、日頃から腰の筋肉のバランスを整えることは腰痛の再発予防にもつながります。精神的な落ち込みは腰痛を悪化させ、急性腰痛から慢性腰痛へと移行するリスクを高めることが分かっています。
漢方と鍼灸
まず痛みを和らげることが大切です。鍼灸では痛いところに針を打つと悪化することが多いので手や足、腹部、頭部で痛みをとることもできます。漢方 でも早く痛みをとるものがありますのでご紹介いたします。患部から痛みの波長を取って最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ を選択して治療していきます。漢方 と鍼灸 の組み合わせもできます。 【症例】50歳 急にぎっくり腰になり歩けなくなる。ご家族に連れられて来院。鍼灸治療 をして帰る頃には大分楽になり次の日には仕事に行けたそうです。3回通院で終了。 【症例】68歳 重たいものを持ってから腰が痛くてつらい。病院の痛み止めが効かないと言って来院。1回の治療で楽になり2回で終了。 【症例】71歳 年末31日に電話で往診に来て欲しいと言われ、元旦に病院にお見舞いに行きました。痛み止めが効かないらしい。当然治療はできないので手を握ってツボ を刺激して40分。すると楽になったからまた来てと頼まれ2日3日と通い、その後電話をもらい、あれから腰の痛みが楽になりリハビリができるようになりすぐ退院が出来ましたと感謝されました。 ※症例多数
【皮膚】の対策と漢方
「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【皮膚】の病気 になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。 身近な症状として肌荒れ 、湿疹 などの増加が問題となっています。年を重ねることで、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛・ハント症候群 などの方が増えています。成人・高齢化社会においても、皮膚の健康は非常に重要です。
当院の【皮膚】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬 、鍼灸の施術 と食養生 を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。
肌荒れ 、湿疹 、蕁麻疹 、手湿疹(主婦湿疹) 、アトピー性皮膚炎 、接触性皮膚炎 、ニキビ 、酒査(鼻の赤み) 、皮膚搔痒症 、レイノー病 、いぼ(疣贅) 、円形脱毛症 、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛・ハント症候群 、多汗症 、手掌多汗症 、尋常性乾癬 、白斑 、掌蹠膿疱症 、やけど 、、乾皮症(乾燥肌) 、脂漏性皮膚炎 、爪甲剥離症 、光線過敏症(日光過敏症) 、単純ヘルペスウイルス感染症 、手足口病 、ヘルパンギーナ 、とびひ(伝染性膿痂疹) 、白癬 、血管性浮腫(クインケ浮腫)
自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「皮膚 」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局 にご相談ください。
■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら
■遠方の方は、オンライン(電話) でご相談いただけます。
腰痛
腰(脊柱)に由来するものは、先天異常 や側弯症 、腰椎分離症 など主に成長に伴っておこるもの、変形性脊椎症 、椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、変性すべり症など主に加齢により生ずるもの、腰椎骨折 や脱臼などの外傷 、カリエス や化膿性脊椎炎 などの感染や炎症によるもの、転移癌 などの腫瘍によるものなどがあります。また腰以外に由来するものは、解離性大動脈瘤などの血管の病気、尿管結石などの泌尿器の病気、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気、胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気、変形性股関節症などの腰以外の整形外科の病気 によるものがあります。加えて身体表現性障害 、統合失調などの精神疾患 や精神的なストレスによる心理的な原因 による場合もあります。診断はいろいろな原因があり、また病態により治療法が異なるため、正確な診断が重要です。必要に応じてX線(レントゲン)検査、MRI検査、骨シンチ、筋電図検査、血液・尿検査などを行います。特に安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがする などの症状を伴っている場合は、放置したり自分で管理することは禁物です。予防と治療は、内服薬、ブロック注射療法、コルセットなどの装具療法、牽引などの理学療法、運動器リハビリテーション、手術治療があります。腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰え、また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛がおきやすくなります。悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど日常的姿勢に注意し、また腰の支持性を高めるための運動や体操を継続されるとよいでしょう。
漢方と鍼灸
腰痛の原因は様々、胃が疲れていても腰痛が出ることもあります。まずは問診で原因を把握することが大事です。また痛みの箇所から経絡に落とし込んで把握することもできます。腰痛の箇所から、ストレスの箇所から、各疾患の反応穴から最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ などを選択し治療していきます。寝ぬ前の全身のストレッチも有効です。
血管性浮腫(クインケ浮腫)
「クインケ浮腫」とは皮膚や粘膜に起こる急な腫れ・むくみを示す言葉 で、ドイツ人医師クインケが最初に報告したことにちなんで名付けられ、「血管性浮腫」と同義の言葉 となります。血管性浮腫(クインケ浮腫)はさまざまな原因で起こり、生まれつきの「遺伝性」と、それ以外の「後天性」の2つに大きく分けられます。 血管浮腫(または血管性浮腫、クインケ浮腫と呼ばれています)の特徴的な症状は、まぶたや口唇の「腫れ」 です。夕方から夜間 にかけて生じることが多く、朝起きたら目が腫れていた、などの症状がよくみられます。血管浮腫は、蕁麻疹の1種と言われています。蕁麻疹との違いは、蕁麻疹は皮膚の浅い部分で生じる反応である一方、血管浮腫は皮膚の深い部位で起こる反応を言います。 血管浮腫は、蕁麻疹のようなボコッとした皮疹などの皮膚の変化やかゆみも伴わないことが多く、単なる「腫れ(浮腫)」の症状だけが現れることが多いです。まぶたや口唇のように、粘膜に近い部位に症状が生じた場合、皮膚だけではなく粘膜の浮腫が生じることもあります。目が充血したり、口腔内が腫れることもあります。蕁麻疹は数時間で消えてしまうことが多いですが、皮膚の深い部位で生じる血管浮腫は、改善までに数日かかることがあります。血管浮腫の原因は、特定できないことが多く、それらを特発性の血管浮腫と言います。特発性の血管浮腫の場合は、誘因がなく突然症状がでますが、疲れやストレスなどが発症要因となりやすいです。特定の薬剤や食物を摂取した後に症状が出る場合は、それらが原因となっている可能性が高いです。 薬剤については、特に降圧剤であるACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)や、ARB(アンジオテンシンII 受容体拮抗薬)が原因となることが多いと言われています。新しい薬を飲み始めてから、まぶたや口唇が腫れるようになった場合は、薬剤性の血管浮腫を考える必要があります。 血管浮腫に特徴的な原因として、C1-INH(C1-inhibitor:補体第1成分阻害因子)の機能不全があります。C1-INHと言う血液中の1つの成分の機能が低下 し、ブラジキニンという物質が過剰に産生 されることにより、血管浮腫が生じます。これには、先天性のものと後天性のものがあります。先天性の疾患を遺伝性血管浮腫といい、皮膚症状だけではなく、腹部症状を伴うことがあります。採血を行うことで、診断は可能なので、まぶたや口唇の腫れを繰り返すような場合は、採血検査が必要です。血管浮腫の治療は、基本的には蕁麻疹と同様に、抗ヒスタミン剤の飲み薬が中心になります 。 慢性的に(数週間程度)繰り返してしまう場合は、抗ヒスタミン剤を症状が出ていない時を含めて長期的に内服する必要があります。抗ヒスタミン剤だけでは症状が治らない場合は、補助的な薬としてトラネキサム酸が有効とされています。 その他に、抗ロイコトリエン拮抗薬、H2-blocker、症状が強い場合は一時的にステロイドの飲み薬を併用 する場合もあります。先ほど説明したC1-INHが関与している場合、抗ヒスタミン薬が無効な場合が多い です。血管浮腫の原因として、血液検査でC1-INHの機能不全が関与していることがわかった場合、症状が出現した時には、C1-INH製剤(ベリナートP)の投与を行うことで症状が改善します。発作が頻回に起こる場合は、トラネキサム酸を予防的に服用する場合もあります。また、原因物質であるブラジキニンの受容体を阻害する薬(注射製剤)を自己注射することで、症状を抑える治療もあります。原因が分かっていませんが、リンパ腫などの他の病気に伴って起こったり、薬を服用していて起こったり、食物アレルギーによって起こったりします。 また、生まれつきの体質が関係していて、“遺伝性血管性浮腫(HAE)”という病気のために、血管性浮腫(クインケ浮腫)をくり返すこともあります。 血管性浮腫(クインケ浮腫)の対処法や治療法は、原因によって異なります。例えば、薬が原因の場合は、薬の服用を止めることで症状の改善が期待できます。また、遺伝性血管性浮腫(HAE)にはアレルギーに対する薬は効果がありません。 したがってクインケ浮腫と言われた場合には、さらに検査し、腫れ・むくみ、痛みの原因が「遺伝性」のものなのか、「後天性」のものなのかについて、特定してもらうように心がけてください。遺伝性血管性浮腫(HAE)とは、腫れやむくみが全身のさまざまな部位に繰り返し発生 する病気です。主に遺伝子の異常によって、C1インヒビターと呼ばれるタンパク質が減少したり、機能異常をきたしたりすることで、最終的にブラジキニンの産生を亢進させることにより発症します。症状は手足やまぶたなどの皮膚 に現れることが多く、粘膜にみられることもあります。まれに腫れが喉に発生する場合があり、気道を塞ぐと命に危険を及ぼす こともあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症率は5万人に1人 との報告が多く、遺伝子の病気ではあるものの全体の約25%は家族に同じ病気の人がいない孤発例であるといわれています。発作が発生したときの治療に加え、発作が起こるきっかけに対する発作予防による症状のコントロールが重要となります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の原因はC1インヒビターの減少や機能異常 です。C1インヒビターの遺伝子の異常によるものであることが多く、まれに遺伝子異常によらないものもあります。C1インヒビターはC1と呼ばれる補体*のはたらきを抑える効果がありますが、C1インヒビターの機能が不十分だとC1が過度に活性化してしまい、発作的な腫れやむくみが起こるようになります。発作はきっかけなく突然現れる場合もありますが、けがや抜歯、外科手術などの何らかのストレス がきっかけとなることが多いといわれています。 遺伝性血管性浮腫(HAE)の症状は、発作的に繰り返し生じる腫れ、むくみです。赤みやかゆみはなく、突然現れて通常は1~3日程で治まります。 腫れが生じる部位は手、足、腕、脚、まぶた、くちびる、口の中、舌、喉など全身 に及び、人によって異なります。腫れが喉に生じた場合は気道が塞がるため息ができなくなり、命に危険を及ぼすこともあります。また、消化管に腫れが生じた場合、腹痛、嘔吐、下痢 などの症状が現れることもあります。発作の頻度は個人差があり、多くの人が1か月に1回以上の発作が起こります。なかには週に1~2回と高い頻度 で起こる人もいます。遺伝性血管性浮腫(HAE)の診断は、自覚症状、家族歴、血液検査、遺伝子検査などに基づいて行われます。腫れやむくみなどの実際の症状は重要な診断材料となりますが、診断時に症状が現れていないと判断が難しいため、写真を撮って記録しておくことも有用です。遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者の多くは血縁者にも同じ病気の人がいるといわれているため、家族歴の確認も行われます。血液検査では、病気の発生に関わるC1インヒビターの活性やC4タンパク質量などを調べます。 また、病型の判断のため、C1インヒビターの量や第XII因子と呼ばれる物質の状態を調べることもあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療には、発作時の治療、短期予防、長期予防の3つの目的があります。腫れやむくみなどの症状が現れているときに症状を抑えるための治療です。保険診療では、C1インヒビター製剤、ブラジキニン受容体拮抗薬と呼ばれる治療薬が主に用いられます。C1インヒビター製剤は点滴・注射によって投与する必要があるため、治療には医療機関の受診が必要です。一方、ブラジキニン受容体拮抗薬は皮下注射する治療薬で、事前に医療機関でのトレーニングを受けていれば、自身で注射を打つこともできます。発作の部位によっては経過観察を行うこともあります。喉に発作が現れた場合は呼吸困難をきたすことがあるため、ICUで気管内挿管、気管切開などの緊急治療が必要になることもあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作は歯科治療や外科手術などのストレスがきっかけで発生することが多いため、ストレスの原因となる予定がある場合は、あらかじめC1インヒビターを補充する治療が行われることがあります。発作の頻度が高い場合(1か月に1回以上など)、1回あたりの発作の期間が長い場合(1か月に5日以上など)、発作が喉に発生したことがある場合などは、発作を予防するために長期的な治療を行うことがあります。長期予防としては、トラネキサム酸、ダナゾール、ラナデルマブといった薬の継続的な投与が検討されます。ただし、トラネキサム酸、ダナゾールは保険適用ではなく、トラネキサム酸では効果が限定的であること、ダナゾールでは肝障害や高血糖などさまざまな副作用がみられることにも注意が必要です。
漢方と鍼灸
蕁麻疹は三陰三陽で判断します。特に表面と奥から起こることから太陽病、少陽病合病が考えられます。標治は血管性浮腫ということで血管からリンパ液などの物質が漏れるので漏れを防ぐ漢方 も使います。また浮腫をとる漢方 などを合わせていきます。本治としてはストレスによる発症も多いのでストレスの反応穴で確認しておきます。別の相談 で来ていた方が、以前クインケ浮腫と診断され色々新薬を飲んだけどどれも効かないので一切やめてストレス発散をしたら治ってしまった過去がありますと教えてくれました。自律神経と関係があるかもしれませんね。ストレスの反応穴、皮膚病の反応穴、一番ひどい箇所から最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ を選択し治療していきます。
皮膚搔痒症
皮膚搔痒症とは、皮膚にはっきりしとした発疹はないものの、かゆみ(瘙痒)のある状態 を指します。しかしながら、痒みは引っ掻き行動を引き起こすため、二次的に掻き傷(掻破痕)や湿疹をつくったり、皮膚がごわごわして厚くなったり(苔癬化)することがあります。 これらの軽度な変化までを皮膚そう痒症の症状の一部として含むこともあります。かゆみが全身 にあらわれる汎発性皮膚瘙痒症と、陰部など一部のみ に症状がでる限局性皮膚瘙痒症に大きく分類されます。妊娠中の女性や高齢者に多い とされています。 汎発性皮膚瘙痒症(全身) の原因はドライスキン(乾燥肌)、代謝疾患(肝疾患、腎疾患など)、内分泌疾患(糖尿病、甲状腺機能異常症、痛風など)、悪性腫瘍、血液疾患(多血症、鉄欠乏性貧血など)環境因子(機械的刺激、湿度など)、薬剤、寄生虫症、食品(魚介類、豚肉、そば、トマト・ほうれん草等の野菜類、チョコレートなど)、妊娠、心因性(ストレス、過労など) 限局性皮膚瘙痒症(局所) の原因、外陰部皮膚瘙痒症の原因、排尿障害(尿道狭窄・前立腺肥大症)、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、肛囲皮膚瘙痒症の原因、便秘、下痢、脱肛、痔、蟯虫、ウォシュレットの使用が代表的 です。 皮膚に明らかな発疹がないにもかかわらず、強いかゆみがあることがこの病気の特徴 です。かゆみによるひっかきで、二次的に掻破痕や軽度の湿疹、苔癬化を伴うこともあります。特に高齢者では、皮膚の水分や皮脂の分泌が少なくなるため、冬季に皮膚が乾燥してかゆみが起こることが多く(老人性瘙痒症 )、就寝時に悪化 しやすいとされています。限局性皮膚瘙痒症があらわれる部位としては、陰部や肛門周囲が多いですが、耳、眼、鼻、頭部、手足などに症状が限局することもあります。皮膚に目立った発疹がないにも関わらず、強いかゆみを訴えることから診断がつきます。皮膚そう痒症の多くは加齢や体質の変化によって起こる良性の病気です。しかしながら、なかには腎疾患、肝疾患、糖尿病、悪性腫瘍、薬剤などが原因となることもあります。医師の診察により、これらの病気が疑われる場合は、血液検査や画像検査など全身検索が必要となる場合もあります。また陰部に生じた場合は寄生虫やカンジダ症などの検査が必要になることもあります。かゆみの原因となっている病気(糖尿病など)が存在する場合は、その治療が第一となります。原因となっている病気が改善することで、かゆみの症状も同時に改善されることがあります。 皮膚そう痒症の多くはドライスキンが原因であり、乾燥を予防するための保湿剤の塗布は十分に行う必要があります。保湿剤にはヘパリン類似物質添加外用剤、尿素を含んだ軟膏、ワセリンなどさまざまな種類がありますが、症状のある皮膚の状態や、自身にあった保湿剤を使用することが重要 です。またかゆみによる引っ掻きにより、二次的におきた湿疹に対しては部分的にステロイド剤を塗り 治療していくことも必要になります。かゆみに対しては、かゆみの原因となるヒスタミンという物質を抑える抗ヒスタミン薬の内服 が行われることが多いですが、効果は限定的です。また腎障害や肝障害のある患者さんのかゆみに対しては一部のκオピオイド受容体作動薬が用いられることがあります。皮膚そう痒症は精神的要因も大きく、ストレスや不安などで症状が悪化するとされています。 これらを取り除くことで症状が緩和されることがあります。日常生活においてお酒やコーヒー、香辛料などの過剰摂取を避ける、乾燥を避ける(特に冬季)、低刺激性の衣服着用など心がけることも重要 です。また入浴については、皮膚の清潔を保つだけでなく、入浴時にタオルで強くこすらない、刺激の強い石鹸の使用を避ける など生活環境の改善も治療の一部となります。
漢方と鍼灸
ストレスによって生じる場合も多いです。三陰三陽で証をとらるとわかりやすく、陰部のかゆみは少陽病が中心となる。老人性の掻痒症は太陰病、少陰病が多くなる。標治(かゆみをとる)と本治(かゆみの原因)を分けて治療していく。もっとも痒いところから最適な漢方 、食養生 、サプリ 、ツボ 、保湿剤、軟膏を選択し治療していきます。 【症例】65歳 皮膚にめだった炎症もないのに痒い。漢方 を1~2包でかゆみが止まる。
光線過敏症(日光過敏症)
光線過敏症とは、日光が引き金 となって皮膚のかゆみ、発疹、発赤、炎症などが生じる病気です。紫外線が原因 となる日焼けは健康な人にも起こり得るものですが、通常は反応を示さないような光の量や種類にも反応するものを光線過敏症と呼びます。 薬剤や化学物質などが原因となる場合や、遺伝性疾患などが原因で光線過敏症を引き起こす場合があります。小児にも成人にもみられ、小児の場合は遺伝的疾患が原因になることが多く、成人では薬剤やそのほかの物質が原因になっていることが多い です。光線過敏症は原因や症状に応じていくつかの種類があり、顔や首、手などの光が当たる部分にのみ 症状が現れるものもあれば、光に当たっていない部分にも症状が現れる ものもあります。症状が軽いうちは自然に症状が消失することもありますが、診断が遅れるなどして症状を繰り返すと、症状が強くなったり、皮膚が厚くなったりすることもあります。光線過敏症の原因には、薬剤、食品、化学物質などのほか、遺伝性疾患、代謝性疾患などがあります。光線過敏症の原因には、薬剤や食品、化学物質などがあり、その数は100種類以上にも及びます。これらの物質を口から摂取したり、皮膚に塗ることで紫外線による皮膚への刺激を強くしたり、光によるアレルギー反応を引き起こしたりすることで皮膚症状が現れるようになります。光線過敏症を引き起こす代表的な物質には、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗菌薬(飲み薬、塗り薬)
、抗真菌薬、利尿薬、抗不整脈薬、香料、日焼け止め、ライム、セロリ、パセリなどの植物
があります。また何らかの病気によって光線過敏症が引き起こされることもあり、原因となるものには遺伝性疾患、代謝性疾患、膠原病 などがあります。光線過敏症の原因となる代表的な病気はポルフィリン症、色素性乾皮症、全身性エリテマトーデス です。光線過敏症には、症状の特徴によっていくつかの種類があります。日光蕁麻疹は日光を浴びてから数分程度で蕁麻疹のような大きくて赤い、かゆみを伴う発疹 が現れます。数分~数時間以内に消失することが多いですが、長期間続くこともあります。蕁麻疹の範囲が広い場合は、頭痛や吐き気など皮膚以外の症状が現れることもあります。光毒性光線過敏症は日光を浴びた皮膚に痛み、発赤、炎症、皮膚の変色(褐色や青灰色)などの日焼けと似た症状 が現れます。通常、日光を浴びてから数時間以内に発生し、光線過敏症の原因となる薬剤や化合物を服用したり、皮膚に塗ったりした後に起こることがあります。光アレルギー性光線過敏症は特定の薬剤や化学物質に接触した後に日光を浴びることでアレルギー反応が起こります。日光を浴びた後に発赤や鱗屑と呼ばれるうろこ状のくず、かゆみ、蕁麻疹に似た水疱や斑点などが現れます。光アレルギー性光線過敏症では、日光を浴びていない部位にも症状が現れることがあり、日光を浴びてから24~72時間以内に発生することが多いです。多形日光疹は光線過敏症の中でも不明点が多いものの1つで、日光を浴びた部位にかゆみのある赤みや発疹、水ぶくれのようなものができます。原因は不明ですが、女性や日に当たる機会の少ない人にみられることが多い です。通常は日光を浴びてから30分~数時間で発生し、数日から数週間以内に自然に消失します。光線過敏症が疑われる場合、皮膚の症状が日光を原因としたものであるかを調べるために光線過敏試験と呼ばれる検査を行います。光線過敏試験では、いくつかの波長の異なる光線を背中に当てたときの皮膚の変化を観察したり、光線過敏症の原因として疑われる物質を貼った皮膚に光線を当てたときの様子を観察したりします。また、何らかの病気が原因となっていることもあるため、血液検査などで光線過敏症を引き起こし得る病気の有無を調べることもあります。光線過敏症が薬剤や化学物質への接触によるものである場合は、それらの使用を中止して患部の遮光を行います。 遮光は衣類やサポーター、日傘などを使用するほか、日焼け止め(サンスクリーン剤)を使用することも効果的です。遮光は原因物質を中止してから少なくとも1週間程度は続ける 必要があります。わずかな光線でも症状の悪化や再燃を引き起こすことがあるため、屋外、屋内にかかわらず注意する必要があります。すでに現れている症状に対しては、炎症を抑えるステロイド外用剤やかゆみを抑える抗ヒスタミン剤などを使用 します。また、症状が強い場合はステロイド剤の内服や注射 を行うこともあります。症状がなくなった後も症状を繰り返す場合があるため、数か月にわたって遮光が必要になることもあります。光線過敏症が病気によるものである場合は、原因疾患の治療を行うことで症状が改善することもあります。しかし遺伝性疾患などは治療法がなく、場合によっては生涯にわたって光線過敏症を防ぐ対策が必要になります。光線過敏症の予防には帽子や長袖の衣服を着用する、化粧(ファンデーション)や日焼け止めなど、治療の際と同様の対策が有効 です。
漢方と鍼灸
日光(紫外線)に過敏に反応してしまう体にしているのが病気や薬、食材ということです。外からの刺激や異物に対して過敏に反応するのは花粉症やアレルギーのような免疫の亢進です。患部から最適な漢方 、食養生 やサプリ、軟膏、UV剤 、ツボ を選択し治療していきます。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、頭皮、顔、腋わきなどの皮脂分泌が盛んな部位に生じる湿疹 で、患部の赤みと鱗屑(皮が剥けてカサカサとした状態)を特徴 とする皮膚の病気です。脂漏性湿疹と呼ばれることもあります。かゆみはないか、あっても軽度であることがほとんどです。皮膚に常在するマラセチア菌と呼ばれる真菌が関わり、皮脂が分解された成分が皮膚に刺激を与えることで発症する と考えられています。脂漏性皮膚炎は、乳児期に発症する(乳児型)または思春期以降のタイミングでみられる(成人型)ことが多く、乳児型と成人型では病気の経過が異なります。一般的に、乳児型は生後2~4週頃に発症し生後8~12か月は自然によくなることが多いですが、成人型は慢性化しやすく、特に中年以降 に生じたものはその傾向が強くなります。脂漏性皮膚炎の主な原因は、皮脂中のトリグリセリド(中性脂肪)がマラセチア菌などの皮膚の常在菌により分解され、その結果発生した物質が刺激となって発生する と考えられています。また、何らかの原因で皮脂の成分・分泌が変化したり、発汗、ビタミンB2、B6などのビタミン代謝が変化したりすることも発症に関わっている ことが知られています。脂漏性皮膚炎の症状は頭皮、髪の生え際、耳の後ろ、耳の中(外耳道)、眉、鼻の周り、胸、腋の下、背中の上部などの皮脂分泌が盛んな部位や、こすれて刺激が加わる部位 に現れます。鱗屑と呼ばれる皮が剥けてカサカサとした病変と赤みが特徴 で、フケのようにぼろぼろと落ちることもあります。乳児と成人では異なる特徴がみられ、乳児型では生後2~4週頃から生え際や眉毛、おでこを中心に黄味がかったかさぶたや赤い吹き出物のような病変 がみられることもあります。一方、成人型では頭部のフケが多くなり、場合によっては牡蠣かきの殻のような形状の固いかさぶたが頭部全体にみられることもあります。
脂漏性皮膚炎そのものは脱毛の原因となりませんが、悪化すると頭皮の環境が悪くなることで薄毛や脱毛につながることもあります。 脂漏性皮膚炎の診断は、症状の様子と症状が現れている部位に基づいて行われます。脂漏性皮膚炎に似た病気として、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、カンジダ症、ジベルバラ色粃糠疹、局面状類乾癬などの皮膚疾患 があるため、これらの症状との鑑別が重要です。特に乳児の場合は、頻度の高いアトピー性皮膚炎との鑑別が重要となります。一般的に、脂漏性皮膚炎は頭部や顔面 などの皮脂分泌が多い部位にみられるため、体幹部分や手足に湿疹や乾燥がみられる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性 が出てきます。また、脂漏性皮膚炎ではかゆみがないか弱いことが多いため、乳児がかゆみのために顔をこすりつけてくる、体をかくような動作が見られる、かきむしったような跡が見られる場合は、アトピー性皮膚炎などの別の皮膚の病気が疑われる ことがあります。脂漏性皮膚炎の治療は、生活習慣の改善と薬物療法 があります。洗顔や洗髪で患部を清潔 に保つことが基本です。精神的ストレスや身体的ストレスが脂漏性皮膚炎を悪化させる 可能性が指摘されていることから、生活リズムを整えて十分な睡眠を取り、ストレスを減らす ことも大切です。また、脂質の代謝を助けるビタミンB群を含む食品(牛乳、レバー、ほうれん草、大豆など)を取ることも有効 です。思春期以降の脂漏性皮膚炎ではマラセチア菌の影響がより強くなるため、抗真菌薬を含んだシャンプーが使用されることもあります 。乳児期 の脂漏性皮膚炎は症状が軽いことが多く、丁寧に洗顔を続けることで改善 することがほとんどです。じゅくじゅくとした浸出液がみられる場合は弱めのステロイドの塗り薬が使用されることもあります。成人型の脂漏性皮膚炎は慢性化しやすく、生活習慣の改善に加えて病院で適切な治療を受ける必要があります。外用剤による治療が中心で、炎症を抑えるステロイド外用剤や、マラセチア菌を抑える抗真菌剤の外用剤 が用いられます。また、かゆみが強いときは抗ヒスタミン剤の内服薬 が用いられることもあります。
漢方と鍼灸
処理できない脂を体外に出すために起きます。脂の分解は肝ですね。そして真菌が発生している場合は漢方 の抗真菌剤を使います。脂物を減らさないといけません。肝の働きを高める必要があります。逆に肝の働きが弱るのは、ストレス、薬の飲みすぎ、暴飲暴食、お菓子や揚げ物などの摂りすぎ、バランスの悪い食事、便通が悪いなどが挙げられます。菌の反応穴、患部から最適な漢方 、食養生 やサプリ 、ツボ を選択し治療いていきます。 【症例】60歳 頭に直径5センチ高さ3センチほどの脂肪の塊ができた相談 。漢方 をお出しして3か月。徐々に縮小していきポロリと塊が落ち、完治。月約3万円 【症例】43歳 頭から脂が出てくる相談 。漢方 を2か月服用、完治 月約2万円 【症例】57歳 額に直径3センチ高さ2センチのふくらみの先端から白い脂が出てくる相談 。2か月ほどで完治。月約1万円
乾皮症(乾燥肌)
乾皮症とは、皮膚の表面を覆う皮脂が減少することで皮膚が乾燥する病気 のことです。「皮脂欠乏症」とも呼ばれ、特に中年以降の方に発症 することが多いとされています。この病気は空気が乾燥しやすい秋から冬 にかけて発症・悪化することが多く、皮膚が乾燥して皮膚表面の角質が剥がれ落ちたり、ひび割れ を起こしたりするだけでなく、かゆみを伴う ため掻きむしると湿疹ができることも少なくありません。乾皮症は保湿剤などを患部に塗布することで改善していくことがほとんどですが、重症の場合は湿疹を改善させるためのステロイド薬の塗り薬や、かゆみを抑えるための飲み薬 などが必要になるケースもあります。そのため、重症化する前に適切な対策や治療を講じることが大切です。乾皮症は皮膚の皮脂が減少することが原因で引き起こされます。私たちの皮膚には多くの水分が含まれていますが、その水分の蒸発を防いで皮膚に水分を保持するはたらきを持つのが皮膚表面を覆う皮脂です。そのため、皮脂が不足すると皮膚の内部の水分が蒸発して皮膚の乾燥を引き起こします。皮脂が減少する原因として多いのは加齢による皮脂分泌機能の低下ですが、そのほかにも過剰な洗浄による皮脂の洗い流し、空気の乾燥などが挙げられます。 乾皮症は皮膚の乾燥が進むことによって、皮膚表面の角質層がポロポロと剥がれ落ちたり、ひび割れといった症状が引き起こされたりします。また、皮膚のバリア機能が損なわれるため、些細な刺激に対してヒリヒリとした痛みやかゆみを伴うのも特徴の1つです。特にかゆみを伴う場合は、掻きむしることで湿疹ができたり、皮膚にできた小傷から細菌が侵入して感染症を引き起こしたりするケースも少なくありません。発症部位は皮脂が減少すればどの部位にも起こり得ますが、手足に生じやすく、特にひざ下の部位に起こりやすい とされています。乾皮症は基本的に医師が皮膚の状態を観察することで診断が下されます。しかし、かゆみのために皮膚を掻くことで皮膚の小傷から感染症が引き起こされる場合もあり、その際には原因となる細菌や真菌などの病原体を同定するために膿などを採取して培養する検査が行われることがあります。また、アトピー性皮膚炎など皮膚の乾燥を引き起こす病気と鑑別をするために血液検査などが必要になるケースもあります。乾皮症は基本的に、患部に保湿剤を塗布して皮膚に潤いを与えることで自然に改善していきます。 しかし、重症化して湿疹が生じている場合はステロイド薬の塗り薬、感染症を併発している場合は、抗菌薬や抗真菌薬の塗り薬などが必要になるケースも少なくありません。また、かゆみがひどい場合は皮膚の掻きむしりによる湿疹や感染症を防ぐために、かゆみを抑える飲み薬が必要になることがあります。乾皮症はいわゆる秋から冬にかけて起こりやすい“ドライスキン(乾燥肌)”がさらに悪化して生じる病気です。そのため発症を予防するには、皮膚の乾燥が起こりやすい時期には、小まめに保湿剤を用いて皮膚の乾燥を予防・改善するようにしましょう。また、石鹸を用いて体を洗うことは感染症予防の面でも重要ですが、頻繁な入浴や刺激の強い石鹸による過剰な皮膚の洗浄は、必要な皮脂を洗い流してしまうことになるため避けましょう。ゴシゴシと皮膚を擦らず優しく洗い、入浴後はできるだけ早く保湿することが大切です。
漢方と鍼灸
乾燥させないよう中から外から潤いを助けることです。中からはまずは血流、栄養。外からは保湿、傷の修復。末梢の血流改善は必須です。栄養はアミノ酸、ミネラル、ビタミンが必須。保湿クリームや軟膏も大切。傷から感染している場合、抗菌剤の軟膏が必要です。もっともひどい患部から最適な漢方 、食養生 やサプリ 、軟膏や保湿クリーム、ツボ を選択し乾燥肌を改善していきます。 【症例】80歳 お風呂上りがいつも痒い。漢方 と軟膏で痒くなくなるが継続。