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低血圧

 低血圧症とは、血圧が通常よりも低い低血圧により、何かしらの症状が現れる状態です。低血圧に確定的な定義はありませんが、一般的には上の血圧が100mmHg未満の状態を指します。本態性低血圧は明らかな原因が特定できないタイプの低血圧も知られています。低血圧症ではめまいやふらつき、倦怠感などの症状がみられます。ふらつきをきっかけとして転倒し、けがをする危険性もあります。症候性低血圧は、原因となる疾患などがあって血圧が低下するものです。原因疾患はさまざまであり、一例として脱水、甲状腺機能低下症、アジソン病、糖尿病、多発性硬化症、不整脈、低ナトリウム血症などが挙げられます。原因が特定できる低血圧症の場合は、ベースとなっている基礎疾患の治療が重要です。また、並行して症状に対する対症療法も行われます。ショックによる低血圧は、急激な経過で血圧が低下するものを指します。急性心筋梗塞、大量出血、重症感染症などが原因となります。生命に関わることも少なくなく、速やかな対応が求められます。起立性低血圧とは、急に立ち上がったときや長時間立ち続けたときに、立ちくらみやめまいなどを起こすものを指します。立っているとき、体の中では血液が重力の影響で上半身から下半身に移行する傾向がありますが、その変化にうまく対応できない状態です。原因疾患が特定できないこともある一方、糖尿病やパーキンソン病、シャイドレーガー症候群などが原因となることもあります。診断は、立ち上がる前と、立ち上がってしばらくした後の血圧を比較することにより診断します。具体的な診断の基準としては、立ち上がって3分以内に収縮期血圧(最高血圧)が20mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が10mmHg以上低下した場合を起立性低血圧としています。

漢方と鍼灸

 高血圧と同じツボから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。証が合っていれば苓桂朮甘湯でも血圧はあがります。証を捕えるために四診(望聞問切)があります。

高血圧

 血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。血圧は体のすべての血管にありますが、普通は動脈特に上腕動脈の圧力を意味します。血圧の高さは、心臓が血液を押し出す力血管の拡張で決まります。血管の弾力性も関係しています。また血圧は、腎臓や神経系、内分泌系、血管内皮からの物質など、多くの因子によって調整されています。血圧は常に変動しています。通常は朝の目覚めとともに上昇し、日中は高く、夜間・睡眠中は低くなります。また、冬は夏より高くなります。心臓は、収縮と拡張を繰り返して血液を送り出しているので、動脈の中の血圧は心臓の収縮、拡張に応じて上がったり下がったりします。動脈の血圧が心臓の収縮により最高に達したときの値が「最高血圧または収縮期血圧」、心臓の拡張により最低に達したときの値が「最低血圧または拡張期血圧」です。高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
 「本態性高血圧症」とは原因の判らないものをいい、高血圧症の約90%がこれに入ります。本態性高血圧症は遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しており、生活習慣病といわれています。原因としては以下のことが考えられます。過剰な塩分摂取、肥満、過飲酒、精神的ストレス、自律神経の調節異常、運動不足、野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足、喫煙などがあげられます。
「二次性高血圧症」とは体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気がある時にはこれを二次性高血圧症と呼びます。腎臓の血管の異常や腎障害が原因で生じる腎性高血圧や内分泌疾患である原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などによるホルモン異常によって高血圧が生じることもあります。そのほかに、睡眠時無呼吸症候群に続発する高血圧や薬剤性、遺伝性の高血圧も知られています。。血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標にしましょう。

漢方と鍼灸

 首の付け根に血圧、脳血流障害の状態が出るツボがあります。そこから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択していきます。固くなった血管でも辛抱強く継続して飲めば次第と下がってきます。

膵石症

 膵石症とは、膵臓の膵管と呼ばれる部位にできた石のことで膵管の内圧が上昇し、上腹部痛や炎症に伴う発熱などの症状が生じることがあります。膵石の主成分は炭酸カルシウムやリン酸カルシウムであり、慢性膵炎の方に多く見られます。膵石の有無は慢性膵炎の診断基準のひとつとなっています。慢性膵炎は膵臓に繰り返し炎症が生じることで起こる疾患ですが、長い経過の中で膵石が形成されると、膵管内圧が上昇し、痛みや仮性嚢胞の原因となるので、慢性膵炎の悪化につながります。また、膵がんを発症しやすくなるというデータもあります。膵石の外観は、白くゴツゴツと硬いのが特徴です。大きさはごく小さなものから、50gを超える巨大なものまであり、膵臓全体に多発性に散在するケースが多いです。明確な原因は判明していませんが、アルコールの大量摂取が主原因であると考えられています。アルコールの過剰摂取により、膵管内がたんぱく質の固まったもので塞がれ、これにコラーゲンやカルシウムが沈着して、膵石が形成されると推測されています。ほかには、胆道系の疾患や副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症も原因として挙げられています。膵液の流出が妨げられることで起こる、食後の上腹部痛や背部痛が代表的な症状です。この痛みは前かがみの姿勢をとると軽減することが特徴です。また、膵管内で炎症が乗じることで、発熱などの症状が起き、重症な場合はDIC(播種性血管内凝固症候群)や敗血症に陥ることもあります。慢性膵炎がさらに進行してしまうと、膵臓の機能不全状態となり、腹痛などの症状が現れなくなります。代わりに、消化吸収障害のために下痢や脂肪便(脂肪が多く含まれている便)、内分泌機能低下による糖尿病が前面に現れるようになります。

 膵石の治療は症状が安定していれば、禁酒や低脂肪食を中心とした食事療法、薬物療法が主体となります。低脂肪食は膵液の分泌を抑制しますので、膵臓を休ませることにつながります。症状が強いときには急性膵炎に準ずる治療が行われます。また、治療に反応しない頑固な疼痛や、持続性・反復性の疼痛があるときには、膵石を除去するように積極的な治療が行われることになります。

漢方と鍼灸

 石を溶かすお茶、膵臓から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択して良くしていきます。

急性膵炎・慢性膵炎

 急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は何らかの原因でアミラーゼなどの膵臓の酵素が活性化して膵臓の組織にダメージを与える病気のことです。一方、慢性膵炎は長い間、膵臓に小さな炎症が繰り返されたことで徐々に破壊され、膵臓の機能が低下する病気です。急性膵炎と慢性膵炎はどちらも男性に多く発症し、発症の原因はほぼ共通していますが、症状や経過は大きく異なります。
 急性でもっとも多い原因はアルコールの多飲によるもので、全体の約40%を占めます。次に多いのは胆石が膵管と胆管の合流部にはまりこんだもので、女性の急性膵炎に多くみられます。原因不明のものも約20%あります。そのほかには、内視鏡検査や手術などが原因となる医原性のもの、腹部外傷、膵臓や胆道の奇形、脂質異常症、感染症などが挙げられます。急性腹症の1つであり、症状は重症度によって大きく異なります。みぞおちから背中にかけての断続的で強い痛みが起こり、吐き気や嘔吐、発熱などの症状が続きます。重症になると、腹膜炎を併発し、腸管の運動が麻痺するために高頻度で腸閉塞を起こします。全身状態としては、頻脈や血圧低下、出血傾向、呼吸障害などがみられ、ショック状態になるなど非常に重篤な状態へ移行します。また、膵臓の組織が壊死えしを起こすため、膵臓から遊離した脂肪と血中のカルシウムが結合して低カルシウム血症を呈することがあります。

 慢性でもっとも多い原因は急性膵炎と同じくアルコールの多飲によるもので、男性では約70%を占めています。原因不明のものが約20%で、女性の慢性膵炎の約半数は原因不明の特発性とされています。そのほかには、胆石などの胆道系疾患、高脂血症、腹部外傷、奇形などが急性膵炎と共通した原因となります。症状は発症してからの時間によって異なります。発症してから10年ほどは、主な症状はみぞおちから背中にかけての痛みであり、飲酒や脂肪が多い食事を食べた後にひどくなるのが特徴です。また、発症後10年以降には腹痛は軽減しますが、膵臓の機能が低下し、消化酵素やインスリンなどのホルモンの分泌が次第に減少します。このため、脂肪が消化されず、脂肪便や下痢、体重減少などがみられ、インスリンが正常に分泌されないことで糖尿病を併発します。慢性膵炎はしばしば急激に悪化することがあり、その場合には急性膵炎と同様の症状が現れます。検査は造影剤を用いたCT検査がもっとも有用な検査です。急性膵炎では、膵臓の腫れや周囲の炎症がみられ、慢性膵炎では膵管の拡張や膵石がみられます。

 血液検査は膵臓と全身の状態を評価するために行われます。膵酵素であるアミラーゼとリパーゼは、急性・慢性共に上昇します。しかし、慢性膵炎の末期ではこれらの酵素が減少するため、膵酵素の値は慢性膵炎の進行を評価する目的で定期的に検査されることがあります。また、急性膵炎では炎症反応が上昇し、血小板や凝固因子の現象がみられます。重症例では、膵臓組織の壊死によってカルシウムの低下とLDHの上昇が見られ、これらは重症度を評価する指標の1つでもあります。

漢方と鍼灸

 急性も慢性も男性、アルコール多飲で発症することが多いので、発症したら禁酒です。臓器を休ませます。休ませずにまた飲酒を続けていると細胞が傷つき壊れていきます。膵臓、肝臓、胆嚢、癌のツボは必ず確認して経絡に落とし込んで漢方食養生ツボは押さえておきます。まず炎症を取ることです。膵臓はストレス(活性酸素)に弱い臓器とも言われているので、アルコールを飲んでいなくとも膵炎を起こしますので自律神経も確認しておきます。

【消化器】の対策と漢方

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【消化器】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状として胃痛・急性慢性胃炎・逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症・胃十二指腸潰瘍・機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)胃もたれ食欲不振などの増加が問題となっています。年を重ねることで、便秘脂肪肝なの方が増えています。成人・高齢化社会においても、消化器の健康は非常に重要です。

 当院の【消化器】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

【消化器】の病気と漢方東洋医学

胃痛・急性慢性胃炎・逆流性食道炎・非びらん性胃食道逆流症・胃十二指腸潰瘍・機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)胃もたれ呑気症食欲不振胃下垂ピロリ菌感染症腹痛・急性胃腸炎・急性虫垂炎・憩室炎・腸閉塞・虚血性腸炎腹部膨満感腹鳴(ゴロゴロ)腹水過敏性腸症候群慢性下痢やせすぎ(るい痩)便秘急性肝炎・慢性肝炎脂肪肝肝硬変・肝繊維症黄疸急性膵炎・慢性膵炎胆石症・胆砂膵石症痔核(内痔、外痔)・痔瘻・裂肛(切れ痔)・痔瘻癌

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「消化器」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

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痔核(内痔、外痔)・痔瘻・裂肛(切れ痔)・痔瘻癌

 痔とは肛門病の総称(肛門に発生する病気の全てを示す言葉)です。痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)などの病気を指しますが、痔核(いぼ痔)の意味で使われることがもっとも多いです。

 直腸や肛門の静脈にうっ血を生じて、こぶのように膨らんだ状態が痔核です。肝硬変、門脈圧亢進症などの病気の際に生じる直腸静脈瘤も静脈が拡張しますが、ある程度の長さをもって膨らみ、さらに枝分かれしているため、通常、長さが2cmまでの痔核とは区別されます。肛門の皮膚の部分と直腸の境目である歯状線よりも奥のほうにできるものを内痔核、歯状線より手前の肛門にできるものを外痔核と呼びます。部位により名称が異なりますが、構造的には内痔核と外痔核に大きな差はありません。長年にわたる排便習慣(排便時のいきみや便秘など)や生活習慣(排便を我慢する、長時間座り続けるなど)により、直腸や肛門の静脈にうっ血を生じ、痔核がこぶのように膨れて、表面の組織が薄くなり出血します(風船が膨れると薄くなり向こう側が透けて見えるように血液が沁み出しやすくなります)。さらに痔核を支えるクッション組織にも負担がかかり、伸びて弱くなるために痔核を支えきれなくなり、痔核が脱出するようになります。

 肛門内の歯状線の高さにある十数個の小さなくぼみ(肛門陰窩)から汚染物質や細菌が入ると、肛門腺の中あるいは内肛門括約筋を貫いた位置で炎症が激しくなります。それによって肛門の内と外がトンネル状につながり、皮膚の穴から膿うみが出るものが痔瘻です。肛門周囲膿瘍を形成した後に痔瘻になる場合が多いとされています。下痢をすると、歯状線にある肛門陰窩という小さなくぼみに便や細菌が入りやすくなります。肛門陰窩には、粘液を産生する肛門腺が開口しており、便中の汚染物質や細菌がこの肛門腺内を逆行すると感染を生じます。肛門腺内(内肛門括約筋内)、あるいは内肛門括約筋の外側で炎症が激しくなり原発巣を形成します。炎症はそこから抵抗の少ない組織の方向に拡がろうとしますが、集まってきた白血球が感染を抑えるために炎症の周囲に壁を形成して膿が限局した状態を“肛門周囲膿瘍”といいます。肛門周囲膿瘍は自然に破れたり(自壊)、切開排膿したりすることによって皮膚と交通します。肛門内から皮膚までのトンネルが閉じないと、穴から膿が持続的、あるいは間歇的に出るようになり、この病態を“痔瘻”と呼びます。

 歯状線より手前(肛門のふち側)にある肛門上皮が切れた状態です。切れ痔、裂け痔とも呼ばれ、痛みや出血を生じます。裂肛部の安静を保ちにくく、便などの汚染物質が通過するために、治らずに慢性化するケースも少なくありません。それを慢性裂肛と言いますが、急性裂肛のように単に切れている状態ではなく形がいびつで硬いため、肛門潰瘍とも呼ばれる。排便時に強い痛みと出血があります。通常、出血は紙に付く程度であり、多くはありません。硬い便や下痢便では、排便時の痛みが強くなります。裂肛が慢性化して深くなると、排便後も数時間痛みが続くようになります。

 痔核・痔瘻・裂肛は何れも良性の病気ですが、慢性の炎症が10年以上続くと、深部痔瘻では肛門管のがんである痔瘻がんの合併が報告されています。痔瘻がんは痔瘻の炎症が10年以上続いている人に肛門管のがんを認めた際にだけそのように呼ぶと決められています。しかし、わずか1年間、3年間の炎症でも痔瘻がんと同様のがんを認めた深部痔瘻の例があるので、長く放置しなければ大丈夫と考えないでください。痔瘻がんになると人工肛門や命に関わることもありますので、深い痔瘻は早く診断・治療する方が好ましいと考えます。

漢方と鍼灸

 肛門と直腸の境周辺で起こる病気といえるでしょう。便は汚染物質や細菌の塊です。また大腸、直腸の周りには静脈、動脈が走っていますが、冷え、立ち仕事、長時間の座り仕事、肝臓が疲れている、内臓下垂などで血流が悪くなるとうっ血を起こします。その上を固い便などが通過すると擦れて出血したり、より大きくなったり、傷口から細菌が入って膿んできます。ひどくなると管を勝手に作り別の場所から排泄するようにもなります。まず肝臓と静脈の血流を改善します。細菌感染があれば抗菌漢方を使います。痔瘻は自然治癒力によって管を塞ぐ方法を使います。免疫と血流を良くする漢方で1~2年ほどかかりますが手術を希望されない方はご相談ください。

胆石症・胆砂

 肝臓は内臓の中で一番大きな臓器で、この肝臓で1日に約500~800mlの胆汁が作られ、胆管という管を通り、膵臓の出口で膵管と合流し、膵液とともに十二指腸へと分泌され、脂肪や炭水化物の消化を助けます。胆のうはこの胆汁を一時的に溜めておくところで、胆汁を溜め込んだり濃く濃縮する働きがあります。胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。胆道の中でもどこに結石ができるかによって、胆嚢結石(約80%)、胆管結石(約20%)、肝内結石(約2%)に分けられます。胆汁の成分は、ビリルビン、コレステロール、胆汁酸、レシチンを中心とするリン脂質であり、濃縮される過程の中で、胆泥から胆砂、胆石と成長して生じます。胆汁成分の偏りがあったり、細菌感染により成分が分解されることにより、その成分が結晶となり石となるのです。結石ができる過程の違いで、コレステロール結石や色素結石など色々な性状の石ができます。日本で胆石症になる人の数は食生活の欧米化や高齢化によって増えているといわれており、その頻度は10人に1人といわれています。胆石は成分によってコレステロール石と色素石(ビリルビンカルシウム石、黒色石)に分けられ、それぞれ原因が異なります。コレステロール石は胆汁のコレステロール濃度が高くなることで発生し、色素石のうちビリルビンカルシウム石と呼ばれる胆石は胆汁の細菌感染が原因で発生します。黒色石ができる原因は不明です。これらの胆石のうちもっとも頻度が高いものはコレステロール石で、肥満、女性、40歳代白人、出産人数が多い人、糖尿病患者、血中コレステロール値が高い、血縁者に胆石症患者がいる場合などにリスクが高くなることが知られています。

胆石症の主な症状は胆道痛と呼ばれる右の肋骨の下辺りの痛み、みぞおちの痛み、右の背中の痛み、右肩の痛みで、食後に現れやすいのが特徴です。発作は、脂肪の多い食事を摂った後や、食べ過ぎた後の夜半に起きやすいという特徴があります。疝痛発作以外にも、吐き気や嘔吐、下痢や軟便などもしばしば伴います。炎症が加わると発熱もみられ、胆管に詰まると黄疸や肝障害も併発します。また、黄疸が発生して皮膚や白目の部分が黄色くなったり、ビリルビン尿と呼ばれる褐色~黒色の尿が出たりすることもあります。一方で、胆石症の2~3割は症状がほとんどみられないこともあり、無症状胆石と呼ばれます。また、一部の人では胆嚢や胆管に炎症を起こすことがあります。炎症が起こると高熱が出るほか、細菌感染が加わると敗血症と呼ばれる重篤な病気に発展することもあります。胆石発作(疝痛発作)に伴って、血液検査にて炎症反応やGOT、GPTなどの肝酵素や胆道系酵素(ALP、LAP、γ-GPT)の上昇が見られれば、胆石の存在を強く疑います。時に、胆のうから落下した胆石が総胆管の出口を塞ぎ、黄疸や急性膵炎を合併すると、ビリルビンやアミラーゼの上昇も見られることがあります。

漢方と鍼灸

 胆石を溶かす漢方、胆管を柔らかくする漢方、細菌感染をしている場合の漢方などが使われます。肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、細菌感染のつぼから経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択します。食養生も大切です。あまりに大きいものは手術になります。

黄疸

 血液中の赤血球は、ヘモグロビンという物質で酸素や二酸化炭素を運んでいます。血液中で酸素を輸送するヘモグロビンは古くなると脾臓でビリルビンという物質に変換されます。さらにビリルビンは肝臓で代謝を受け、水溶性の抱合型ビリルビンとなって胆汁中に排せつされます。抱合型ビリルビンは黄色から褐色(大便の色のもと)をしており、通常は便として排せつされますが、胆汁の流れ道に何か問題が起こると便に排せつされずに血液中に逆流するため、血液中の抱合型ビリルビンが増加し、全身が黄色くなるのです。

 日本人は黄色人種なので皮膚を見ても少し分かりにくいのですが、眼球結膜(白目)の部分は軽症の黄疸でも黄色が分かりやすい、といわれています。尿も褐色から黒色になるため、泌尿器の病気と思って病院に来る方もいらっしゃいます。皮膚のかゆみを伴うことも多いという特徴もあります。
 患者さん自身は黄疸に気付かず、しばしば家族や職場の同僚から指摘されます。ビリルビンが肝臓で抱合処理される前の黄疸は、赤血球が破壊される溶血性貧血に代表されます。また、遺伝的にビリルビンを分解・排泄できない病態を体質性黄疸といいます。最も頻度の高いのがジルベール症候群で、人口の2~7パーセントといわれています。一般に、肝酵素に異常はなく、間接ビリルビンの上昇が特徴です。通常は無症状で治療の必要はありません。一方で、ビリルビンが肝臓で抱合処理された後の黄疸は以下のものがあります。肝硬変や肝炎に代表される肝実質性黄疸は、肝炎ウイルス、アルコール、薬剤等で肝細胞が障害されビリルビンを胆管に輸送する力が低下し、肝逸脱酵素である血清AST/ALT優位の上昇が見られます。また肝内胆汁うっ滞型黄疸は、血清ALPやγ(ガンマ)GTPが高値になることが多く、急性の場合はアルコール多飲による肝障害が、慢性の場合は原発性胆汁性胆管炎などの病気が知られています。さらに、肝内肝外の胆管が機械的に閉塞された場合は、閉塞性黄疸と呼ばれます。ビリルビンを含む胆汁が便中に排泄されないため白色便となり、腹部超音波検査で肝内胆管の拡張を指摘されます。代表的な病気は、総胆管結石、膵炎(すいえん)、胆管がん、膵頭部がん、十二指腸乳頭部がん、胆嚢がんなどがあります。悪性疾患の場合は、腫瘍が進行した結果によって黄疸が生じるため、多くは進行がんとして発見されます。しかし、進行がんであっても遠隔臓器への転移がなければ外科切除治療の適応となり根治を望むことができます。閉塞性黄疸発症の前兆として、血清γGTPが単独で上昇していることもあり、単なる飲酒のためと決めつけて放置していると治療時期を逸する可能性もあります。一般的に、黄疸は深刻な状態と認識し、気付いた時点で早急に医療機関を受診して適切な検査、治療を受けるよう心掛けてください。

漢方と鍼灸

 総胆管結石、膵炎、胆管がん、膵頭部がん、十二指腸乳頭部がん、胆嚢がん、肝炎、肝硬変、肝臓がんなどで黄疸を発症します。ミカンの食べ過ぎで手が黄色くなるのとは区別が必要です。黄疸は白目も黄色くなります。患部、癌のつぼから波長をとって経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択して治療いたします。

肝硬変・肝繊維症

 肝硬変とは、慢性肝炎を発症して肝臓に長く炎症が生じることで、肝臓の組織が線維化して硬くなる病気のことです。原因は、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス感染、アルコールの多飲、過剰な脂質の摂取や肥満、免疫の異常が生じる病気など多岐にわたりますが、最終的には肝機能が著しく低下するだけでなく、肝臓がんを発症するリスクも高くなります。また、食道静脈瘤や肝性脳症など命に関わる重篤な合併症も起こしやすくなります。肝硬変の根本的な原因である慢性肝炎にはさまざまな原因があり、その中でも肝硬変の原因の約半数を占めるのはC型肝炎ウイルス感染によるものです。次いで多いのは、アルコールの多飲、B型肝炎ウイルス感染とされていますが、原発性胆汁性胆管炎や自己免疫性肝炎なども肝硬変に進行することも珍しくありません。肝臓は何らかの原因によって炎症が生じることでダメージを受けても、軽度であれば元の状態に戻ることが可能です。しかし、肝硬変が進行すると元の状態に戻ることはなくなるため、死に至る患者さんも多くなります。肝硬変を予防するには、慢性肝炎の段階で適切な治療を行うことが大切であり、そのためには定期的な検診や肝炎ウイルス検診などを受けることが推奨されています。肝硬変になっても、初期のうちは肝機能の低下が軽度であるため、まったく症状が認められないないことが多く見られます。肝臓が“沈黙の臓器”と言われるのは、そのためです。肝硬変が進行し肝臓の機能が著しく低下すると全身にさまざまな症状を引き起こします。肝臓はアルコールや薬剤など体内に取り入れられたさまざまな物質の解毒を行うほか、出血を止める凝固因子、血液中の浸透圧を調節するアルブミン、消化吸収を助ける胆汁の産生などを行っています。そのため、肝臓の機能が低下すると、体内で産生されたビリルビン色素の胆汁中へ排泄が低下することで黄疸(目や皮膚が黄色くなる症状)出血しやすさといった症状が見られるようになります。また、アルブミンが減少することで体内に水分が溜まりやすくなり、腹水が生じるようになります。そのほか、肝臓の組織内で血液が流れにくくなるため肝臓に流入してくる血管の圧が高くなり、本来肝臓に流れるはずだった大量の血液がほかの血管に流れることになります。その結果、食道や胃の静脈に過度な負担がかかって瘤が形成される“胃静脈瘤”や“食道静脈瘤”を発症しやすくなり、破裂すると大量出血で死に至ることも少なくありません。また、体内で産生されたアンモニアなどの有害物質が肝臓で十分に処理できなくなると、意識の混濁などを引き起こす“肝性脳症”を併発することもあります。さらに、肝硬変は将来的に肝臓がんに移行するリスクが非常に高いとされているため注意が必要です。肝硬変を発症するとたんぱく質の基となるアミノ酸の一種である分枝鎖アミノ酸が不足するため、それらを補う治療が行われます。肝機能の改善を目的に亜鉛製剤やカルニチン製剤の投与が行われることもあります。

漢方と鍼灸

 慢性炎症を抑え、線維化した肝細胞を良くしていくことです。肝臓から複数の経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを選択し良くしていきます。

脂肪肝

 脂肪肝とは、脂質の1つである中性脂肪が肝臓内に多く蓄積する状態です。アルコール性の脂肪肝はお酒の飲みすぎによって生じます。一方、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の場合、肥満やメタボリックシンドロームなどを原因として生じることが一般的です。NAFLDはさらに、進行しない非アルコール性脂肪肝(NAFL)と進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に2分化されます。80~90%は非アルコール性脂肪肝であり、それ以上進行しないことが一般的です。一方、残りの10〜20%は非アルコール性脂肪性肝炎であり、徐々に進行し脂肪肝炎や肝硬変などに発展することもあります。脂肪肝は無症状のまま経過し、健康診断などで初めて指摘されることもあります。脂肪肝を放置すると、肝炎から肝硬変、肝がんなどへと進行することもあります。このことから脂肪肝は重篤な病気の前段階の状態といえます。そのほか、やせ過ぎ、薬剤、遺伝性代謝疾患、妊娠といった特殊な原因によって脂肪肝が生じることもあります。脂肪肝は、明らかな自覚症状が現れにくい状態です。脂肪肝が進行して初めて食欲不振やだるさ、右上腹部の鈍痛などの自覚症状が現れるようになります。脂肪肝の状態が進行すると、その後に肝炎や肝硬変、肝がんなどの病気を発症することもあります。これらの病気が悪化するとむくみや黄疸、腹水といった症状が出現します。また、肝臓への血の流れが滞とどこおるようになると、破裂すると大量出血をきたす食道静脈瘤を形成する場合もあります。このように、脂肪肝は進行すると重篤な症状が現れる可能性がある状態です。無症状であっても、健康診断などで指摘されたときには放置せず治療を受けましょう。

漢方と鍼灸

 中性脂肪を減らす食事、アルコールを減らさないといけません。また肝臓の機能を高める方法、肝炎があれば炎症を止めなくてなりません。肝炎が出てくる前兆として目の周りが痙攣を起こしやすくなる、手掌の赤身、紅斑、足がつりやすくなるなどです。血液検査ではまだ異常が出ない頃ですから気が付きませんね。肝臓のイメージはレバーです。鳥や豚、牛のレバーは新鮮でないと食べれません。レバーの中には新鮮な血液が溜まっています。血が消耗していたり汚い血が溜まっていれば良い働きが出来ませんし食べても美味しくありません。人間の肝臓も同じです。お血を改善し血虚なら増やさないといけません。脂肪肝は漢方食養生で改善しやすい分野ですのでご相談ください。肝臓から経絡に落とし込んで漢方食養生ツボを見つけて治療いたします。