本文へ

 

admin@fuji-kampo

【美容、抗老化】の対策と漢方

 「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【美容、抗老化】の症状になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
 身近な症状としてしみしわなどの増加が問題となっています。年を重ねることで、女性更年期障害男性更年期障害認知症などの方が増えています。成人・高齢化社会においても、美容、抗老化の対策は非常に重要です。

 当院の【美容、抗老化】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬鍼灸の施術食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。

【美容、抗老化】の病気と漢方東洋医学

しみしわ肝斑老人性色素班たるみいつまでも若くいたい・見られたい男性更年期障害女性更年期障害足腰を丈夫にしたい(フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドローム)認知症

 自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「美容、抗老化」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。

■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら

■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。

低カリウム血症

 低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が低下した状態を指します。一般的には血液中のカリウム濃度が3.5mEq/L未満になった場合に、低カリウム血症と診断されます。カリウムは体内に存在する電解質の1つで、細胞内の浸透圧を調整するはたらきや、神経の興奮や心筋のはたらきを助ける役割も果たしています。また、腎臓の機能が正常な場合は、ナトリウムを体外に排出するのを促す作用を持つため、塩分の取りすぎによる血圧の上昇を抑えるはたらきもあります。そのため、カリウムが不足するとこれらのはたらきが正常に行われなくなり、大きく不足した場合には脱力感、手足のだるさ、筋肉痛、こわばり、麻痺、不整脈、呼吸困難などの症状が出現することがあります。低カリウム血症は、食事からのカリウム摂取不足や低マグネシウム血症(血液中にマグネシウム濃度が低下した状態)によって起こる場合もありますが、典型的には嘔吐や下痢、利尿薬などによって大量のカリウムが体外に排出されることで生じます。また、カリウムの細胞内移動によって起こることもあります。カリウムは、野菜、豆類、魚、果物など多くの食材に含まれています。偏った食事などで摂取量が不足すると低カリウム血症になる場合があります。嘔吐や下痢が続くと消化管から大量のカリウムが失われます。また、利尿薬(ループ利尿薬、チアジド系利尿薬)漢方薬(甘草)アミノグリコシド系抗菌薬、グリチルリチン製剤などによって過量のカリウムが尿中に排出されることも原因の1つです。このような薬を原因とする低カリウム血症は薬の服用から数週間後に起こることが多いですが、数年以上経過してから発症することもあります。また、クッシング症候群をはじめとした副腎疾患があると、ホルモンの影響で腎臓から大量のカリウムが排出され、低カリウム血症を引き起こす場合があります。糖尿病の治療薬として知られるインスリンや、気管支拡張剤のサルブタモールなどの特定の薬は血液中のカリウムを細胞に移動させる作用があるため、使用すると低カリウム血症になりやすくなります。軽度の低カリウム血症では、症状が現れることはほとんどありません。血液中のカリウム濃度が3.0mEq/L未満の重度になると、脱力感、手足のだるさ、筋肉痛、筋力低下、こわばり、麻痺、不整脈などの症状がみられます。症状が進行すると、歩行不能や起立不能、呼吸困難、褐色尿、多尿などが生じることもあります。なお、心疾患がある人や心疾患の治療薬であるジゴキシンを使用している人は、軽度の低カリウム血症でも不整脈が起こることもあるといわれています。低カリウム血症を発症しているかどうかは、血液検査で血液中のカリウム濃度を測定することで分かります。一般的には血液中のカリウム濃度が3.5mEq/L未満の場合に、低カリウム血症と診断します。その後、発症の原因を調べるために薬の服用歴を確認したりしますが、原因がはっきりしない場合には尿検査で尿中に排出されるカリウム量を測定します。低カリウム血症になると不整脈が出現することがあるため、心電図検査で不整脈の有無を確認する場合もあります。低カリウム血症では不足したカリウムを補うことが治療の基本です。通常、カリウムの補充はカリウム製剤の内服によって行い、カリウム濃度が著しく低い重症例などではカリウム製剤を点滴で補充します。
腎機能が正常である場合には、スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬(腎臓からのカリウムの排出を抑える利尿薬)で治療を行うこともあります。また、病気が原因となっている場合にはその病気に対する治療を行い、薬が原因となっている場合には原因薬を中止します。薬を原因とする低カリウム血症では、軽度であれば原因薬を中止するだけで改善する場合もあります。

漢方と鍼灸

 昨今、漢方薬による低カリウム血症のことはよく話題になり、漢方薬は怖いというイメージがある方も多いのではないでしょうか?甘草の量が少なくても反応してしまう方もいらっしゃるので少なくすればいいという問題でもないようです。甘草を炙った炙甘草を使うと低カリウム血症になりにくくなります。しかし煎じる漢方ならできますが、エキス顆粒剤では甘草を使っていますので長期服用や高齢者、多種類の漢方を服用するときは注意が必要です。全く甘草が入っていない処方もありますが、入っている処方がほとんどです。漢方薬が3種類出ていてどれも3回飲むよう処方された場合は注意した方がいいでしょう。当院は甘草が体質に合うか炙甘草が合うか入れない方がいいか、量を少なくするか検討しています。また長期飲む場合は、カリウムを多く含むものをしっかり摂ってもらうよう食養生としてお伝えしています。逆にカリウムが多すぎて下がらない方には甘草を使って下げる方法もあります。甘草で悩んでいる方はご相談ください。

尋常性乾癬

 皮膚の表面の細胞が過剰に増殖することで銀白色の皮膚の粉(鱗屑)が付着した赤い皮疹(紅斑)が全身に生じる病気のことです。乾癬は併発する症状に応じていくつかのタイプに分かれています。乾癬には大きく5つのタイプがあります。1乾癬の大部分を占めるのは、皮膚の所々に皮疹が現れるタイプの“尋常性乾癬”です。2その次に多いのが、“乾癬性関節炎”です。これは、皮膚症状に加えて関節に痛みや腫れが生じるタイプの乾癬を指します。3また、皮疹がほぼ全身に広がったものを“乾癬性紅皮症”、4全身の皮膚の赤みや鱗屑に加えて、白い膿の入った袋状のもの(膿疱)ができるタイプのものを“膿疱性乾癬”と呼びます。膿疱性乾癬ではこうした皮膚症状に加えて発熱やむくみなどの全身症状を伴い、全身の炎症が続くことで時に命を脅かすこともあります。5また、感染症を契機として小さな皮疹がポツポツとできる“滴状乾癬”というものもあります。ほかの4つの乾癬が慢性的な病気であるのに対し、滴状乾癬の多くは感染症が治った後、遅れて症状は消えてなくなります。ただし、一部の患者さんで尋常性乾癬に移行することもあるため注意が必要です。尋常性乾癬とは乾癬の中でももっとも多い病気であり、乾癬患者の約90%を占めます。尋常性乾癬では、乾癬特有の皮膚症状が全身にみられます。皮膚症状の大きさ・数・形はさまざまで、皮疹同士がくっついて大きな病変をつくることもあります。尋常性乾癬は青壮年期に発症することが多く、発症により生活の質が低下し、精神的な影響が生じることがあります。尋常性乾癬は、重症度に応じて外用治療、光線治療、内服治療、生物学的製剤で治療します。乾癬発症には、遺伝的素因、環境因子、免疫学的要因が関わっていると推定されています。乾癬は家族内発症する割合が高いことから、遺伝的な素因が関与していると考えられています。欧米では家族内発症が20〜40%、日本では4〜5%に見られると報告されています。環境要因として考えられているものは、外傷などの外からの刺激、感染症や薬剤、食事内容、ストレスなどです。乾癬では、ヘルパーT細胞と呼ばれる白血球の一種が病変部位で免疫反応を起こすことが分かっています。TNF-α、IL-17、IL-23という炎症性物質を産生する細胞が炎症に関与していることも知られており、近年それらを抑制する治療法が開発され、実際に効果を示しています。尋常性乾癬では、全身にくっきりと盛り上がった赤い皮疹のような症状が現れます。皮膚は赤く盛り上がり、まわりには銀白色で皮膚に粉がふいたような状態(鱗屑)が見られます。好発部位は、刺激を受けやすい頭・肘・膝・お尻です。約50%の患者で皮膚症状にかゆみを伴います。また、爪が粗く研がれたように変形したり、へこんだりする症状も高頻度でみられます。皮膚などの症状は精神的なストレスとなり、生活の質を低下させます。また、尋常性乾癬ではTNF-αと呼ばれる物質が体内で増加し、これに関連して糖尿病の悪化、心血管病変の形成などを引き起こすことも知られています。尋常性乾癬は症状の出る部位によって、ほかの皮膚疾患と区別がつきにくい場合があります。この場合は、皮膚を少し採取して顕微鏡で確認する病理検査を行います。また、尋常性乾癬では糖尿病や心血管系イベントのリスクが高いため、血圧測定、血液検査(血糖やHbA1c、脂質など)を行うことも大切です。尋常性乾癬に使用される薬剤に関連して副作用を生じることもあるため、副作用の有無を適宜検索するための検査も重要です。尋常性乾癬の治療は、通常は外用薬(塗り薬)から開始します。使用されることのある外用薬としては、ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬および、これらの配合外用薬が挙げられます。また内服薬としては、ビタミンA誘導体、免疫抑制剤(シクロスポリン、メトトレキサート)、PDE4阻害薬などが挙げられます。尋常性乾癬では紫外線を全身に当てる紫外線療法が選択されることがあります。紫外線療法は、薬を外用(または内服)後、波長の長い紫外線を照射する治療です。近年では311nm前後の紫外線(ナローバンドUVB)が乾癬に有効であることが示されています。ナローバンドUVBの照射が可能になってからは薬外用(内服)も必要なく、照射時間も短くなり、現在はこのナローバンドUVB照射が急速に普及しています。また、難治の部位にはターゲット型のエキシマライト(308nm)による部分照射を行うことで全身の総紫外線照射量を減らすことが可能です。
 重症の尋常性乾癬に対しては、生物学的製剤を使用することを検討します。生物学的製剤の治療効果や奏功率はとても高く、ほとんどの患者において効果を期待することができるといわれています。2010年に認可された抗TNFα製剤に加え、3か月毎投与で効果を維持する抗IL-12/23p40抗体、さらにはIL-17関連抗体や抗IL23p19抗体などが続々と登場し、皮疹が完全に消失する患者さんも出現してきています。生物学的製剤とは、バイオテクノロジー(遺伝子組換え技術や細胞培養技術)を用いて製造された薬剤で、特定の分子を標的とした治療のために使われます。生物学的製剤は高分子の蛋白質であり、内服すると消化されてしまうため、点滴あるいは皮下注射で投与します。バイオあるいはバイオ製剤とも呼ばれます。リウマチ膠原病領域では、関節リウマチに対して最も使用されていますが、巨細胞性動脈炎や高安動脈炎、ANCA関連血管炎、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病などの膠原病のほか、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎など様々な疾患に対して使用されています。特定の分子を標的とした生物学的製剤は、一般的に治療効果が高く、また併用するステロイド内服量を減らせることも多いです。ただ、必ずしも全員に効果があるわけではなく、また各生物学的製剤が有効かどうかを事前に推測することは難しいです。薬剤ごとに特徴があるため、血液検査結果、合併症の有無、点滴製剤か皮下注射製剤かなど、様々な点を考慮して患者さんにとって最適な薬剤を選択する必要があります。副作用や注意点としては、感染症に注意が必要です。予防のために、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは積極的に接種しましょう。高熱、呼吸器症状(咳・痰、呼吸困難)、腹痛、皮膚の腫れなどがみられた際は早めに相談してください。帯状疱疹のリスクが高い製剤もあるため、ピリピリとした痛みや水ぶくれを伴う赤みがみられたら、すぐに医療機関に相談してください。また、結核やB型肝炎の潜在的な感染が考えられる場合、投薬を要することもあります。心不全や慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症のような脱髄疾患がある患者さんには使用が難しい薬剤もあるので、そのような持病がある方は主治医にお伝え下さい。費用は一般的に高額ですが、対象とする疾患や加入する健康保険の種類によって負担額は異なります。

漢方と鍼灸

 「皮膚は内臓の鏡」と言われています。必ず生活習慣、食事内容、よく噛んでいるか、ストレス、便通は時間をかけて聞いていきます。体内の毒素が表面に出てくるのが皮膚病。毒素は免疫にも影響します。原因の経絡上に出てくることが多いので参考になります。ひどい患部から最適な漢方食養生サプリツボを選択しご提案いたします。

足腰を丈夫にしたい(フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドローム)

フレイル

 フレイルとは、加齢や疾患によって身体的・精神的なさまざまな機能が徐々に衰え、心身のストレスに脆弱になった状態のことです。特に高齢者は、糖尿病や高血圧、骨粗しょう症などの慢性疾患、がんなどさまざまな病気を抱えているケースが多く、心身機能の低下と相まって生活機能が落ちたり、心身の脆弱性が加速されたりする危険性が高いことが知られています。一方で、フレイルは完全に介護が必要な状態ではなく、適切な生活改善や治療などを行っていくことで生活機能が以前の状態に改善する可能性があることが示されています。つまり、フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態との中間地点にある状態のことなのです。65歳以上の高齢者が27%を越える日本において、フレイルの改善や更なる進行の予防は非常に重要と考えられており、要介護状態に陥ることを避けるためにも早期に適切な改善がなされるべき状態として広く認識される必要があります。フレイルを引き起こす原因は、脆くなる領域別に“身体”・“心や認知”・“社会性”の3つに分けられます。身体的な面での原因としては、骨・関節・筋肉など運動機能に関わる器官の衰えが挙げられ、歩行や立ち座りなど日常生活を送るうえで必要な動作に支障をきたしている“ロコモ”と呼ばれる状態筋肉量が減少する“サルコペニア”と呼ばれる状態などが含まれます。慢性疾患や多剤併用などがこれらを加速させ、運動量の低下や食欲減退から、低栄養となり、筋力の低下を起こす悪循環が知られています。一方、心や認知の面での原因としては加齢に伴う認知機能の低下や抑うつ気分などが挙げられ、家事や買い物などさまざまな場面で適切な行動・判断ができにくくなることなどが問題となります。そして、社会性の面での原因としては、社会的に孤立しがちになることで引きこもりや孤食(1人で食事をすること)などが挙げられます。また、フレイルの特徴は、上で述べた3つの原因が重なることでさらに状態が悪化していくことです。たとえば、身体機能の衰えによって外出が億劫になることで引きこもりがちの生活になり、それが社会性の低下を引き起こします。また、引きこもりがちな生活が続くことでさらに身体機能や認知機能が低下することにもつながり、心身の機能がどんどん衰えていくという負のスパイラルに陥るのです。フレイルは、健康な状態と介護が必要となる状態の中間の状態を指します。年齢のせいと間違われる症状が多く、痩せてきた、握力が低下してきた(ペットボトルの蓋が開けにくい)、横断歩道が青信号の途中からでは渡りにくいなどが、診断基準にのっとった症状です。フレイルにおけるもっとも注意すべき症状は転倒、骨折です。その他、排尿障害、視力低下、活力低下、息切れ、物忘れなどが挙げられます。これらを見過ごしていると、更なる心身機能の低下が生じ、風邪をこじらせやすくなって肺炎を発症したり、転倒しやすくなって骨折したりする可能性が高くなり、最終的には介護が必要な状態に陥る危険性が増すとされています。フレイルは健康な状態と介護が必要な状態の中間地点にある状態のことを指すため、身体的・精神的に明らかな異常は見られないことがほとんどです。そのため、血液検査や画像検査などを行っても異常が見られないことも少なくありません。フレイル状態にあるか否かを判断する指標はさまざまありますが、一般的にはFried氏が提唱した基準が用いられます。具体的には、以下の5つの項目の内3つ以上が該当する場合をフレイルとし、1~2つ該当する場合をフレイルの前段階である“プレフレイル”とします。1体重減少(意図せず一年間に4.5㎏または全体重の5%の減少がある)2疲れやすい(何をするのも面倒だと感じる日が週に3~4日以上ある)3歩行速度の低下4握力の低下5身体活動量の低下です。一方で、早くフレイルの状態に進行した場合は、軽度な脳梗塞、潜在性の心不全、腎機能障害、COPD、 腰椎圧迫骨折などの思わぬ病気が隠れている場合もあります。そのため、症状に応じて画像検査や血液検査などを行う必要があります。フレイルの有効な治療法はなく、フレイル状態であると判断された場合は、更なる心身機能の低下を防ぐためのリハビリテーションや生活改善を行う必要があります。体的には、適正な筋肉量や骨量、そしゃくや嚥下など食事を取ることに関わる機能を維持するために必要な栄養バランスの取れた食事、適度な運動習慣、趣味やボランティアなどの社会参加をうまく取り入れた生活を送ることが大切と考えられています。フレイル状態に至ると適切な対処をしなければ介護が必要な状態に心身の機能が低下していくことになります。そのため、まずフレイルに陥りやすい危険因子を十分に調べ、個人にあった予防方法を実践することです。年齢を重ねたら、心身の機能が低下しないよう食事や運動などの生活習慣に注意し、積極的に人と接するなど社会性を失わないよう注意する必要ことが大切です。また、人は年齢を重ねるごとにさまざまな病気を発症しやすくなります。病気はフレイルの状態をさらに深刻化させる危険がありますので、定期的に健康診断などを受けて健康管理を続けていくことも大切なポイントです。

サルコペニア

 サルコペニアとは、筋肉量の減少に伴って筋力や身体機能が低下している状態を指す言葉で、ギリシャ語の“サルコ(sarco)=筋肉)”と“ぺニア(penia)=喪失”を合わせた造語です。一般的にサルコペニアの診断は、骨格筋量、握力、歩行速度の3つをもとに、骨格筋量と身体機能が一定以上低下している場合にサルコペニアと診断されます。サルコペニアになると、特に抗重力筋(広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群など)の低下が多くみられることから、立ち上がったり歩いたりするのが困難になります。頻繁につまずく、立ち上がる際に手をつくような場合にはかなり症状が進行していると考えられ、進行するほど生活の質(QOL)の低下を招き、寝たきりになってしまうこともあります。しかし、サルコペニアは筋肉量の減少が病態であるため、十分な栄養摂取や運動によって筋肉量を増やし、筋力を強くすることで進行をある程度、抑えることができます。サルコペニアは、加齢による“一次性サルコペニア”と、活動不足や病気、栄養不良によって生じる“二次性サルコペニア”に分けられます。一次性サルコペニアは筋肉量の減少は誰にでも起こるもので、一般的には25~30歳頃から始まり、年齢を重ねるにつれて徐々に進行していきます。このような加齢によるサルコペニアの背景には、運動ニューロンや筋衛星細胞の減少、成長ホルモンやテストステロンの分泌低下、炎症性サイトカインの増加、加齢に伴う食欲不振による体重減少などが関係していると考えられています。二次性サルコペニアは活動が不足すると骨格筋量が減少し、座る姿勢や寝る姿勢が長いと特に下半身の筋力が低下します。また、臓器不全や炎症性疾患、内分泌疾患、がんなどの病気に付随してサルコペニアが起こるほか、病気によって安静を強いられ、不活動になることもサルコペニアの原因です。栄養においては、エネルギー、総タンパク質、必須アミノ酸のうちBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)の摂取不足がサルコペニアの誘発原因になるといわれています。筋肉量が減少して筋力が低下することで、立ち上がりや歩くのが困難になる、頻繁につまずく、体が思うように動かないなどの症状が現れます。このような症状によってQOLの低下につながるほか、さらなる不活動を招き、寝たきりになってしまうこともあります。転倒や骨折の危険性が高まる原因にもなります。また、筋肉量が減少すると血糖値を調整する力が低下して血糖値が変動しやすくなります。物忘れや、免疫力の低下、嚥下機能低下、呼吸機能低下につながるという報告もあります。 サルコペニアでは、一般的に骨格筋量、握力、歩行速度の3つをもとに診断します。具体的には骨格筋量が一定以上低下していて、握力が男性で28kg未満、女性で18kg未満である、または通常歩行速度が1m/秒未満である場合にサルコペニアと診断されます。
歩行速度の代わりに、5回椅子立ち上がりテストや、SPPB(バランス、歩行テスト、5回椅子立ち上がりテストからなる身体能力テスト)が行われることもあります。骨格筋量の測定には、DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)やBIA法(生体電気インピーダンス法)が選択され、X線や微弱な電気を用いて測定します。サルコペニアの進行を防ぐためには運動と食事が有効であるため、サルコペニアと診断されたら運動指導と食事指導が行われ、患者自身で取り組むことになります。筋肉量を増やして筋力を強くするためには、レジスタンス運動(筋力トレーニング)がもっとも効果的だといわれています。
 レジスタンス運動とは筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のことです。スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えばスクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。無理のない範囲で「継続的」に行うようにしてください。また、ウォーキングや有酸素運動は、サルコペニアの予防には有効です。サルコペニアの治療には、インターバル速歩など速く歩くことがポイントです。
 インターバル速歩のやり方は、視線は約25m先を見て背筋を伸ばした姿勢を保ちます。足はできるだけ大股を意識して踏み出し、踵から着地します。初めは1.2.3と数えて3歩目を大きく踏み出すようにします。肘は90度に曲げて腕を前後に大きく振ります。速歩のスピードは「ややきつい」と感じる程度で行います。3分間の「速歩(さっさか歩き)と3分間のゆっくり歩きを1セットとし、1日5セット以上、週4日以上を目標にします。1日の早歩きの合計が15分になればよいので、朝・昼・夜とこまめに分けて実施しても大丈夫です。1週間で早歩きを60分以上、5か月間続けることを目標とするため、平日に時間がとれない場合は土曜日に早歩き30分、日曜日に早歩き30分を行ってもよいとされます。これらを組み合わせて運動を行い、運動後30分~1時間以内にタンパク質(アミノ酸)を摂取することでより効果的に筋力量を増やすことができます。次にインターバル速歩を行う際の注意点を示します。「さっさか歩き(早歩き)」の時は転び易いため、足元に充分注意し、無理をせずに、足がもつれない程度の速度で実施して下さい。心臓や肺の病気がある人や、脳卒中、パーキンソン病、水頭症などの診断を受けたことがある人は、インターバルトレーニングを実施しても良いか、かかりつけ医と相談してください。インターバル速歩を始める前後にストレッチを行い、怪我や疲労を予防します。とくに下半身のストレッチをしっかり行い、筋肉を柔らかくします。午後3時から午後6時頃は筋肉が柔らかくなっていて肉離れなどの怪我が起こりくい時間とされています。前屈みにならないように胸を張った姿勢を保ち、正しいフォームで歩くようにします。服装は軽い運動ができる程度のもの、シューズは底がやわらかく、曲がりやすいもので、踵にクッション性があるものを選びましょう。インターバル速歩では次の効果が得られます。体力の向上(筋力の向上・持久力の向上):筋力が10%、持久力が最大20%向上)、生活習慣病の改善:低体力の群で高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標※1の点数の値が20%改善)、気分障害の改善:うつ指標の値が50%改善)、睡眠の質の改善:睡眠効率(睡眠時間/寝床に入っている時間)が改善)、認知機能の改善:浦上式認知機能テストをPC用にアレンジしたプログラムによる認知機能測定の値が4%向上)。とくに軽度認知障害(MCI)の人たちでは認知機能測定の値が34%改善、関節痛の改善:膝関節痛の症状が、50%の人が良くなったと回答、骨粗しょう症の改善:骨密度が第2-4腰椎で0.9%、大腿骨頭部で1.0%増加、熱中症の予防:インターバル速歩後に糖質・乳タンパクを摂取すると、体温上昇に対する皮膚血管の拡張度、発汗速度が3倍亢進。このようにただ1万歩歩くより効率的に鍛えることができます。
 食事においては筋肉量の増加や老化の予防に関わる、タンパク質やBCAAなどの栄養素を多く含む食品を積極的に食べることが大切です。また、ビタミンDとカルシウムも重要な栄養素で、転倒や骨折予防につながります。タンパク質においては肉類や魚介類、卵、大豆製品、乳製品など、BCAAは鶏肉やまぐろの赤身、大豆製品、牛乳などに多く含まれています。このような栄養素を意識しながら、主食、主菜、副菜をそろえたバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

ロコモティブシンドローム

 ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念であり、年齢を重ねることによって筋力が低下したり、関節や脊椎などの病気を発症したりすることで運動器の機能が低下し、立ったり、歩いたりといった移動機能が低下した状態を指します。ロコモ自体は病気ではありませんが、高齢化が進む日本ではロコモから寝たきりや要介護への移行を予防することに力が注がれるようになっています。また、ロコモに該当する高齢者は、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を併発しているケースが多いことが分かっています。ロコモによる運動不足が生活習慣病を悪化させるケースもあれば、重度な生活習慣病に起因する身体活動の低下がロコモを悪化させるなど、互いに影響しあって全身の機能低下を引き起こしていることも少なくありません。そのため、ロコモはできるだけ早い段階で発見し、適切なリハビリテーションや治療を行うことが“健康寿命”の延伸につながると考えられています。コモは、移動機能が低下した状態にあることを指します。その原因は大きく分けて次の2つと考えられています。関節、骨、筋肉など運動器の病気で変形性関節症、骨粗しょう症、脊柱管狭窄症、関節リウマチなど関節や骨に異常を引き起こす病気は年齢を重ねるごとに発症率が上昇します。これらの病気は痛みや腫れが生じるだけでなく、骨折や骨の変形などを引き起こし、その結果、正常な関節運動ができなくなることで運動機能の低下が生じるとされています。もう一つは筋力やバランス力など運動機能の低下や運動器に起こる痛みで、正常な身体活動を行うための筋力やバランス力は加齢に伴って低下していき、それが運動機能の低下を引き起こすこともあります。また、筋力やバランス力の低下は転倒など思わぬけがをしやすくなり、それが原因で運動不足となることがさらにロコモを悪化させるケースも少なくありません。関節などに起こる痛みも運動不足の原因になります。運動器の病気がある場合は、その病気による症状が出現します。関節の病気では痛み・腫れ・変形を伴いますし、脊髄や末梢神経の病気では、痛み・しびれ・筋力の低下を伴います。運動器の病気があっても、骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉が減弱する疾患)では症状を伴わない場合もあるので注意が必要です。移動機能が低下することで身体活動量が低下し、肥満などの生活習慣病になりやすいこと、認知機能が低下しやすくなることも問題となります。ロコモかどうかの判定は3つのテストからなるロコモ度テストで行います。3つのテストは、どれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測る“立ち上がりテスト”、大股で歩いた距離を身長で割る“2ステップテスト”、日常生活や身体機能に関する25個の質問票に答える“ロコモ25”からなっています。これら3つのテストの結果によってロコモでないか、ロコモが始まっている段階のロコモ度1か、ロコモが進行している段階のロコモ度2か、ロコモがさらに進行して社会生活に支障をきたし自立できなくなるリスクが非常に高まっている段階のロコモ度3に判定されます。ロコモであると判定された場合、筋力やバランス力など運動器の機能低下があれば筋力やバランス力のトレーニングが必要です。また運動器の病気があれば、治療が必要です。特にロコモ度3と判定された場合は何らかの運動器疾患があり、その治療が必要な場合があります。また、ロコモは肥満などの生活習慣病を併発しやすく、互いに影響しあって悪化するという負のスパイラルに陥るケースもめずらしくありません。ロコモに至った高齢者は、単に運動機能の維持・向上に力を入れるだけではなく、生活習慣病の予防や治療を行っていくことも大切です。ロコモが進行すると寝たきりや要介護に至る可能性が高くなります。また、高齢者になる前でもロコモが始まっている場合があり、健康寿命を延ばすためにはロコモかどうかを調べて、日ごろから適度な運動をして骨や筋肉、関節の機能を維持すること、筋肉や骨をつくるために栄養バランスのよい食事を心がけていくことが大切です。さらに、ロコモになっていない場合でもロコモ度テストの性・年代別基準値と比べることで、自分の運動器の状態に気づき、運動器に衰えがあれば生活を変えるきっかけとすることができます。

漢方と鍼灸

 足腰、骨、脳、身体を温める、耳、膀胱、保守的な感情、髪、生殖能力を含めて腎(六味丸関連)と言います。腎虚はそれらが衰えること。筋肉の衰えは肝血虚(四物湯関連)と言います。筋肉の運動も血が潤滑剤の働きをしています。補気補血が基本です。補血は腎にも肝にも必要。補気は生きる力です。つらい箇所、基礎疾患の反応穴、腎、肝の反応穴から最適な漢方食養生サプリツボを選択しお伝えいたします。

肌荒れ

 肌あれとは、カサカサしてかゆい、赤く腫れて痛い、など不快な肌トラブルの総称です。ほとんどの方が一度は経験するもので、肌の弱い方は頻繁に起こることでしょう。こうした肌あれは乾燥によるものが大半を占めますが、中には病気が原因になっていることもあります。また、症状によっては早期の治療がすすめられる場合もあります。肌あれは主に皮膚の乾燥によって起こります。何らかの原因によって肌の潤いを守るバリア機能が低下し、肌内部の水分が外に逃げてしまうことで乾燥が起こります。そして乾燥すると外的刺激を受けやすくなり、肌あれが引き起こされるようになります。乾燥以外では、病気や花粉・化学物質の刺激なども肌あれの原因に挙げられます。肌あれの多くは乾燥による炎症で、肌あれの原因のうち約7~8割を占めるといわれています。乾燥は空気の乾燥で生じることが多いですが、シャンプーやボディーソープ、洗顔料などでも引き起こされることがあります。保湿などのスキンケアが不十分であることも原因のひとつです。肝臓の機能低下や内臓のがんによって、全身に紅斑(皮膚が赤くなること)などの皮膚症状が出現することがあります。そのほか、皮膚の病気が原因になっている場合もあります。花粉や化学物質、薬の副作用なども肌あれの原因になりえます。花粉が皮膚に触れることで紅斑やかゆみなどの皮膚症状が生じます。化学物質においては空気中に浮いている物質、化粧品や洗剤などに含まれている物質の肌への刺激が主な原因となります。下記のような日常生活上の要因も肌あれを引き起こすことがあり、肌あれだけでなく体の不調が起こることも多くあります。例えばストレス、ホルモンバランスの乱れ、環境(低湿度)、喫煙など。このような生活習慣が続くと内臓の病気の原因になることもあるため注意が必要です。下記のように、肌あれにはさまざまなものがあります。カサカサする、赤くかぶれる、ブツブツとした発疹ができるなどです。
また、肌あれは全身に生じる場合もありますが、頬や目・口のまわりなどによく起こります。
 内臓の病気などによって、全身に紅斑などの皮膚症状を伴うこともあります。このような肌あれの症状や部位によって、何が原因になっているかは異なります。乾燥が原因の場合には保湿を行うことが治療の基本です。保湿剤を使用して乾燥を防ぐほか、下記のような日常生活上の取り組みも重要になります。熱いお湯に触れない、加湿を行う、バランスのよい食事を心がけるなどです。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬、炎症が強い場合にはステロイド外用薬が処方されることもあります。病気が原因の場合は、その病気の治療を行うことが原則です。皮膚の症状に対しては、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン内服薬が使用されます。また、食生活の見直しなど日常生活上の取り組みが必要になることも多くあります。花粉や化学物質、金属などのアレルゲンにできる限り触れないようにすることが何より大切です。症状が出ているときには、下記のような薬により症状を抑える治療が行われます。抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬ストレスの発散、規則正しい生活、バランスのよい食事、禁煙など、日常生活上の取り組みが重要になりますが、原因に応じた漢方や薬が処方される場合もあります。喫煙習慣があるなど一部の原因においては、改善が難しい場合に多角的かつ長期的な治療が必要になることもあります。

漢方と鍼灸

 肌荒れの原因を四診から判断し最適な漢方食養生サプリツボを選択しご提案いたします。経絡上に出る皮膚の異常も関係が深いことが多いので参考にします。乾燥は中からと外からの保湿が必要ですが、なぜ乾燥するのかをしっかり調べる必要があります。保湿の標治と乾燥する原因を突き止めて良くする本治が大切です。対症療法だけにならないようにしましょう。

ニキビ

 にきび(尋常性ざ瘡)とは、毛穴を中心に起こる慢性的な炎症疾患です。毛穴の中には、毛根を包んでいる“毛嚢”と呼ばれる袋状の組織があります。毛嚢には脂を分泌する“脂腺”と呼ばれる腺が付いており、これが毛嚢の中に皮脂を分泌しています。しかし、ホルモンバランスが崩れる(女性では生理前後が多い)と、皮脂の分泌が過剰になることで毛嚢の中が皮脂で充満し、皮膚表面が盛り上がってきてしまいます。これが、にきびの始まりである白にきび(白色面ぽう)です。その後進行すると、炎症が生じたり、膿うみがたまったりするようになり、治癒後ににきび跡やケロイドが残ってしまうこともあるため、適切な治療を行うことが大切です。ケロイドは、通常傷が治っていくのに1年半〜2年くらいかかります。ただし、治癒していく過程でも傷あとに痛みやかゆみ(炎症)が続き、傷あとが盛り上がって赤みが出てくる体質の人がいます。カニの足のように傷あとから周囲に赤みと盛り上がりが広がってくる状態を真正ケロイドと呼びます。にきびはさまざまな年齢の人にみられますが、特にホルモンバランスの崩れやすい思春期の人によくみられます。成人以後のにきびは、ホルモンバランスのみでなく肝障害や薬剤の影響でみられることがあります。皮脂の分泌量が増え、毛穴の出口が詰まることによって皮膚表面が盛り上がった状態皮脂の中では、皮膚の中にいるアクネ菌の増殖がみられます。面ぽうには、ごく初期段階で自分にはほとんど目に見えない“微小面ぽう”のほか、角栓によって毛穴の出口が詰まっている“閉鎖面ぽう(白にきび)”と、毛穴が開き酸化によって皮脂が黒く見える“開放面ぽう(黒にきび)”があります。閉鎖面ぽうは時間の経過とともに開放面ぽうへと変化することもあれば、炎症を引き起こして紅色丘疹などに発展することもあります。紅色丘疹(赤にきび)とは、面ぽう内部でアクネ菌がより増殖し、炎症が起こった状態をいいます。“赤にきび”などと呼ばれ、痛みを伴うこともあります。紅色丘疹が進行したもので、膿を伴います。“黄にきび”と呼ばれることもあります。炎症により毛穴の壁が壊され、より広い範囲で炎症が起こるようになります。にきびの中でも特に重症の状態を指し、炎症が皮膚の深くまで進行することにより皮膚の一部が固く盛り上がったようになります。にきびの主な原因は皮脂の分泌が盛んになることと、毛穴の出口が固くなること(異常角化)です。いずれも男性ホルモンのはたらきが大きく関与していることから、ホルモンバランスの乱れやすい思春期に多くみられます。また、異常角化にはアクネ菌の存在も影響しているといわれています。なお、にきびを引き起こしたり悪化させたりする因子として、肌に合わないスキンケア過剰洗浄による皮膚の乾燥のほか、便秘、ストレスの蓄積、睡眠不足などが挙げられます。また、女性の場合、月経前は女性ホルモンが低下することでにきびが起こりやすくなる人もいます。にきびでは炎症の有無、度合いに応じてさまざまな症状が現れます。通常、面ぽう、紅色丘疹、膿疱が混在してみられることが一般的で、特に皮脂が分泌されやすい顔・胸・背中周辺によく現れます。放置していると、炎症後の色素沈着、にきび跡やケロイドとなり、皮膚に残ってしまう可能性もあります。にきびの診断は主に医師による視診などで行われ、特別な検査はしないことが一般的です。
 しかし、膿がひどいときには細菌培養検査を行ったり、真菌(カビ)やダニが発症の原因となっている可能性があるときには皮疹の顕微鏡検査を行ったりします。成人以後の治りにくいにきびはアトピー性皮膚炎酒査など、ほかの病気と合併していることもあるため、必要に応じて詳しい検査も検討されます。

漢方と鍼灸

 男性ホルモン優位になると悪化するので優位にならないように工夫が必要です。また思春期では、まだ肝臓が十分に整っていない時期で脂の解毒がうまく働かないので皮膚に出てくるようです。またストレスもホルモンを乱す原因となりますので要注意です。便秘はお血を生み出しますので改善しましょう。甘いもの食べると腸内細菌も乱れてすぐ肌に出ますので注意しましょう。男性ホルモンを抑える漢方やお血の漢方も種類がありますし、血虚の漢方も証に合わせて使います。脂の解毒に使う漢方やストレスを解消する漢方もあります。アクネ菌を除去する漢方も必要です。また食べ過ぎや胃腸虚弱で出るニキビもあるので胃腸の改善が必要な場合もあります。紫根を使ったスキンケアも取り扱っていますのでダブルチェックで合うものを調べておススメいたします。ニキビのひどい箇所から最適な漢方食養生サプリツボを選択してお伝えいたします。

老人性色素班

 老人性色素斑とは、いわゆるしみの1種です。褐色から黒色の1cm前後の色素斑であり、主に紫外線を浴びることの多い顔や手の甲などに生じます。年齢とともに認める頻度が増え、60歳代以降では目立つようになります。中には20歳代で色素斑を呈する方もいます。
 老人性色素斑そのものにより健康を損なうことはありませんが、中には悪性黒色腫を代表とする悪性疾患との鑑別が必要になることもあります。また、美容的な面で影響を与えることから、治療を希望される方もいます。老人性色素斑は、盛り上がりが大きくなると“脂漏性角化症”と呼ばれ、腫瘍性病変としての側面を有するため、レーザー治療による破壊・除去が有効です。そのほかトレチノイン・ハイドロキノン療法や、フォトセラピーと呼ばれる方法もあり、状況に応じて適宜使い分けることになります。角化とは表皮のいちばん内側の基底層で、細胞分裂によって毎日新しいケラチノサイト(角化細胞)が生まれています。ケラチノサイトは、後から分裂する細胞に徐々に押し上げられて角層に達し、角層細胞に変化します。その後、体の部位や環境などによっても異なりますが、さらにおよそ2週間かけて角層のいちばん上に到達し、少しずつ自然にはがれ落ちていきます。
 表皮のこの営みを「角化(かくか)」あるいは「ターンオーバー」といい、基底層で新しいケラチノサイトが生まれてからはがれ落ちるまで、およそ4週間以上の周期で繰り返されています。細胞間脂質を構成する「セラミド」や角層細胞の中でうるおいを保つ「NMF(天然保湿因子)」などの角層のうるおいを保つ因子は、角化の過程でつくられています。ですから、角層のうるおいが適度に保たれるためには、角化が正常に行われることも大切です。老人性色素斑はもっとも代表的なしみで、角化細胞(皮膚の表面を覆う細胞)の良性腫瘍です。角化細胞が紫外線に当たるとDNAに異常をきたし、良性腫瘍化します。角化細胞の腫瘍化に加えて、メラニン産生も増加することで“しみ”として認識されることになります。老人性色素斑は紫外線の照射により出現するため、日光に当たりやすい部位、特に顔や手の甲、腕などに多く発生します。老人性色素斑はしみの1種であり、褐色調から黒色調の色素斑を認めます。紫外線を浴びることが原因の1つであることから、顔や腕、手の甲などに認めることが多いです。大きさもまちまちであり、数mmほどの大きさであることもあれば、5cmくらいまでの大きさになることもあります。老人性色素斑が、通常の皮膚と比べて悪性化する頻度が高いというわけではありません。しかし、中には悪性黒色腫と呼ばれる悪性疾患との鑑別が必要となることもあります。悪性黒色腫は、皮膚色素の色全体が不均一であり、周囲の皮膚との境界も不明瞭で不整です。周囲の正常の皮膚と比べて色素部位が盛り上がりを呈することもあり、形も非対象性です。老人性色素斑と悪性黒色腫は、どちらも“皮膚のしみ”としての症状を引き起こしますが、治療方法がまったく異なるため両者を鑑別することは重要です。また、老人性色素斑と同じくしみの代表格として、肝斑と呼ばれるものがあります。肝斑は老人性色素斑と異なり腫瘍ではありません。皮膚への摩擦、紫外線、女性ホルモン、加齢が原因でメラノサイトが過剰産生されることにより発生します。メラノサイトは、妊娠中にも増えます。30歳代〜60歳代の女性に見られ、頬や目の下、額などに左右対称に薄茶色のしみとして現れます。一般的なレーザーを肝斑に照射しても不変であったり増悪したりするため、最初に老人性色素斑と肝斑を見分けることも重要となります。老人性色素斑の診断は、基本的には見た目の特徴からなされます。ただし、ときに悪性黒色腫を始めとした悪性疾患との鑑別が必要となることもあります。より詳細に皮膚を観察するために、ダーモスコープと呼ばれる拡大鏡を用いることがあります。この器具を使用することで、皮膚の病変部位をより詳細に観察することが可能となります。老人性色素斑はレーザーで破壊・除去します。レーザーを使いたくない方は、“トレチノイン・ハイドロキノン療法”という方法で薄くすることも可能です。また、“フォトセラピー”という方法もあります。フォトセラピーは濃いしみを薄くするのに利用される治療法で、肌へのダメージが少ないという特徴があります。老人性色素斑では、同じくしみの代表格である肝斑を合併することがあります。肝斑に対してレーザー治療を行うとしみが増悪することもあるため、両者が混在している状況では第一選択としてレーザー治療を照射することはできません。このような場合、まず肝斑の治療を行います。具体的にはトラネキサム酸の内服にピーリングやイオン導入、ときにレーザートーニングを組み合わせて肝斑を治療します。その後、レーザーで残った老人性色素斑を取ります。老人性色素斑の治療は、自由診療となることから医療費が高額になります。そのため、自身にとって適切な治療法を医師に相談し、納得したうえで治療を進めていくことが必要です。

漢方と鍼灸

 色素班から最適な漢方食養生サプリツボを選択してお伝えいたします。肝斑と考え方は同じですが、角化しているので少し違う生薬を使います。

いつまでも若くいたい・見られたい

 実年齢よりも若く見える方には、ある共通点があります。それは、お肌が綺麗なこと。
ほうれい線などのシワや顔のたるみ、シミなどが多いと年齢が高く見られがちですが、ハリのある美しいお肌の方は、とても若見えします。男性も女性も、加齢による変化が少ない方は自然と若く見られる傾向があります。そして反対に、「老け顔」と呼ばれる実年齢よりも年上に見られる方もいます。では、その違いは一体どんなことから生まれるのでしょう。ここでは若く見える方の特徴についてご紹介します。肌は年齢によって状態が変化しやすい部位です。年齢が上がるとシワができやすく、たるみも起こりやすくなるため、ツヤやハリがある肌は実年齢よりも若々しい印象を周囲に与えやすいでしょう。肌質は遺伝などの生まれ持ったものも大きいですが、毎日の生活を見直すことで美肌に近づくことは可能です。特に日焼けと乾燥への対策は重要。過度な日焼けは光老化を促進し、シミ、シワ、たるみの原因となります。また、肌の乾燥も老けた印象を促進するポイント。さらに、ジャンクな食べ物ばかり食べていたり、睡眠が足りていなかったりすると、肌のターンオーバーが乱れて肌のハリがなくなり、老いて見える原因になります。食生活の乱れを整える、睡眠不足を改善する、スキンケアを毎日きちんと行うなど、地道な努力が美肌への近道です。太り過ぎややせ過ぎは不健康で老けた印象を与えやすいので注意が必要。見た目が若々しい印象の人は、適度な運動を継続しておこない、スタイルキープを意識していることが多いもの。
 運動機能の低下、筋肉の低下は身体全体の老け印象のもとです。体型を維持するために食べ物に気を使ったり、体を動かす習慣をつけることは血管年齢や腸内年齢などの体内の年齢も若く保つことができ、肌にもポジティブな影響を与えてくれます。ただ痩せれば良いというのではなく、体型を維持するポイントは自分の体に合った体重や筋肉量を見つけること。
 無理をしてスリムな体型を目指さなくても大丈夫です。自分が心地よい体型を見つけてそれをキープするよう心がけましょう。肌が綺麗、体型の変化が少ないなど、いつまでも若若しい人には、共通点があると思いませんか?特に老けた印象を与えやすいシワの予防は、肝心。保湿により乾燥から肌を守り、うるおいを与えてハリを保っているとハリのある若々しい印象を与えることができます。特に気をつけたいのは、肌の乾き。乾燥した肌はカサつきやシワっぽさから老けて見られがちなほか、水分と油分のバランスが崩れたお肌は肌のバリア機能が低下しているため、様々な肌荒れを引き起こす可能性も高いです。乾燥予防をしっかりと行い、うるおいとハリのあるお肌を目指しましょう。身体のスタイルは年齢とともに崩れやすいため、意識的に運動を行うことでキープしていると若い印象を持たれやすいでしょう。スポーツジムに通う、好きなスポーツをするなど運動の機会を意図的に作ることはもちろん、エスカレーターやエレベーターを使用せず階段を使うなど日常的にも運動を取り入れているとなお良いでしょう。体を動かすと血液の流れが良くなり、新陳代謝も活発になります。心肺機能が高くなるほか、肌のターンオーバーも整うため、アンチエイジングに運動は不可欠です。心身ともに健康的な状態は周囲に老化を感じさせにくい傾向があります。しっかりした睡眠をとることで、心と体の健康状態を保つことができます。睡眠時間が短いと肌の新陳代謝を促すターンオーバーの周期にも悪影響が出やすく、肌への影響も大きいため、日々注意が必要です。食事は肌に影響しやすいため、栄養バランスを考えて食べ物を選ぶよう注意しましょう。皮膚の細胞をつくるタンパク質肌のターンオーバーの周期を整える効果が期待できるビタミンB2・B6・E・12、亜鉛などの摂取を心がけることがポイント。食事から必要な栄養素を得るのが難しい場合は、サプリメントを頼ることもおすすめです。辛いものなど刺激が強い食べ物は、胃や肌への刺激にもなるため、なるべく避けた方が良いでしょう。エイジングケア(年齢に応じたケア)には保湿状態、つまり肌の水分を長時間キープし、乾燥を予防することが求められます。シワを予防し、肌の正常な状態を保つため、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロテオグリカンなど保湿成分が十分に配合されたアイテムを使うと、うるおいをキープしやすいでしょう。目元、口元などの年齢を感じさせやすい部位はアイクリームや美容液を使用し、ポイントケアをすることも効果的。ケアアイテムは肌の状態や、塗る部位に合わせて選ぶと良いですよ。ハリやうるおいを保つ効果が期待できます。紫外線は肌に悪影響を及ぼし、乾燥やシミを引き起こす一要因です。日中は日焼け止めを使用し、紫外線から肌を守るよう心がけましょう。室内にいても窓から紫外線が入ってくるため、外出しないときも日焼け止めを塗ると良いですよ。若く見える方と老けて見える方の大きな違いは、お肌。肌がかさついていたりシワやシミが多いと老けて見えますが、健康的でうるおいのある肌をキープできていると若々しく見えますよね。
 特に肌の乾燥は老けて見えるだけでなく、肌荒れの原因にもなるため注意したいポイント。いつまでも若く見られたいという方は、しっかりと乾燥予防を行うことが大切です。
肌の潤いは、水分量と油分量のバランスが大きく関係しています。毎日のスキンケアで、長時間水分を与え続けてくれるような乾燥予防処方のアイテムを取り入れたり、化粧水と乳液をしっかり塗り重ね、水分が肌から蒸発しないよう注意しましょう。いくつものアイテムを使うのが面倒という方は、ひと塗りで肌を潤おすことができるオールインワンアイテムがおすすめ。乾燥対策にかける手間が減ると「面倒臭い」「時間がない」などスキンケアをサボる理由がなくなるため、結果として毎日しっかりと肌ケアすることができますよ。
 保湿力の高いもの、美白効果のあるものなど、肌のタイプや悩んでいる症状に合わせてアイテム選びを行ってみてください。また、ストレスを感じることもホルモンバランスを乱し、肌荒れの原因となります。自分の性格をきちんと把握し、ストレスを減らすことは肌や体調はもちろん、幸せな人生にもつながります。SNSやネット上の記事など入ってくる情報が多くなると、ストレスを感じる場面も自然と増えてしまいます。たまにはスマホやパソコンから距離をとり、ゆったりとした気持ちで過ごすことも大切かもしれません。乾燥対策とストレスフリーな生活で、若見えするハリのある美肌を目指しましょう。

漢方と鍼灸

 まず現在の体調に正直になることです。体がだるい、疲れやすい、痛みがある、よく眠れない、肩がこりやすい、いらいらしやすいなど自分と向き合ってみてください。病院の検査は正常でも内臓の疲れは数値に出てきません。そして生活習慣の乱れ。酸化したものばかり食べていたり、お野菜が少ない、食べる量が多かったり、よく噛まなかったり、お酒の量が多い、運動をしない、深夜まで起きている、携帯ばかり見ている、PCやコンタクトを長時間使っているなどありませんか。体の不調は顔に出ます。疲れの反応が出ている箇所から最適な漢方食養生サプリツボをお伝えいたします。とくにベースとなる食養生サプリは大切です。必須栄養素46種類に近く天然の形で摂取するのが最適だと思います。その上に漢方、コラーゲン、抗酸化の強いものなどを乗せていくと効果を実感しやすいように思います。

たるみ

 肌の弾力性やハリが失われると、皮膚が下がり「たるみ」につながってしまいます。頬や口元、あご下、デコルテなどにたるみがあると、実年齢よりも老けた印象になるため、早めの対策が大切です。紫外線によるダメージや、加齢によるコラーゲンなどの減少・変質がおきると、皮膚の弾力が失われてしまいます。また、顔の筋肉が減少することでも肌の弾力やハリがなくなり、それが「たるみ」につながってしまうのです。たるみによって、ほうれい線ができたり、目元が暗く見えたりするなど、見た目の印象に影響します。顔のたるみが気になり始めたら、原因と対策を考えましょう。顔・頬のたるみの原因には、大きく分けて「コラーゲンの衰え・減少」「筋力の低下」「むくみと脂肪の増加」の3つがあげられます。年齢を重ねるとコラーゲン繊維は、弾力が失われてしまうのです。肌の弾力やハリを支えているのは、真皮層にあるコラーゲンです。紫外線や乾燥、加齢によってコラーゲンを産生する力が衰えたり、量が減ったり、質が劣化したりすると、表皮を支えきれず「たるみ」になります。若いコラーゲン繊維は、互いに橋をかけるように結びついて弾力を作っています。しかし、年齢を重ねたコラーゲン繊維は、互いをつなぐ橋の量が増えるのです。そのため、硬くこわばり、弾力が失われてしまいます。加齢によって体の筋肉が衰えてしまうように、顔の表情筋も使わないままだと徐々に衰え、さらに重力により「たるみ」を生む原因となります。顔の表情筋は真皮層の奥でつながっており、実に40種類以上もあると言われています。しかし、たくさんある表情筋のうち使われているのは30%程度。残りの70%は日常的に動かしていないと言われています。筋肉のなかでも表情筋は鍛えるのがむずかしい部位です。意識して動かさないと衰えるので、表情筋を鍛えるようにしましょう。血流やリンパの流れが滞ってしまうとむくみが生じます。むくみは真皮層の組織の機能低下を招くため、「たるみ」を助長する原因となるのです。また、たるみは脂肪が多いところから生じると言われています。たとえば、急激に太ると顔の皮下脂肪が増えるので皮膚や筋肉を支える力が低下し、たるみの発生につながります。むくみや脂肪の増加を防ぐためにも、塩分の摂りすぎや暴飲暴食は控えるようにしましょう。合わせて、運動や顔の体操をして、老廃物が排出されやすく太りにくい体を作ることも大切です。顎のたるみの原因には、大きく分けて「姿勢が悪い」「食事のときにあまり噛まない」「筋力低下」の3つがあげられます。姿勢が悪いと血流が乱れ、老廃物が蓄積しやすくなります。背中を丸めた前かがみの姿勢は、顔も下向きになりやすいため、頬やあご周りに老廃物や水分が溜まり、顔のたるみが生じるのです。また「巻き肩」のクセが付いてしまうと、首太り、バストの下垂、首や肩のコリなどが影響して二重あごになってしまいます。「巻き肩」がクセになる前に、定期的に肩を回したり肩甲骨を動かしたりすることで、二重あごの予防をしましょう。噛む回数が減ると顎を動かす動作も減り、顎の筋肉が衰え、二重あごになってしまいます。たとえば、柔らかいものばかり食べていると、あまり噛まなくても飲み込めるので、噛む回数が減るのです。硬いものを食べる機会を増やし、噛む回数も増やしましょう。老化による表情筋や首まわりの筋力低下も二重あごの原因と考えられます。表情筋が衰えることによって皮下脂肪が支えきれず、顔の下方に落ちてきてしまいます。また首回りの皮膚がハリや柔軟性を失うと同時に、それらを支える筋力も衰え、二重あごにつながりやすいのです。たるみを改善するためには、以下の3つに留意することが大切です。顔の下半分は重力によって皮膚が下がりやすい特徴があります。猫背だと顔が下向きになるので、より皮膚が下に引っ張られて口角が下がりやすくなります。同様に、下を向いてスマートフォンやタブレットを見る姿勢も口角が下がる原因になるため注意が必要です。皮膚が下がることで、鼻の下や頬、あごにたるみが生じたり、ほうれい線やマリオネットライン(口の両端からあごまで走る縦ジワ)が刻まれたりと、老けた印象を与えます。猫背になったり、うつむいたりしないよう、日ごろから正しい姿勢を意識することが大切です。肌の弾力・ハリは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの繊維がピンっと張っており、かつ水分が十分にあることで保たれています。しかし、コラーゲンやエラスチンが加齢や乾燥によって減少すると、顔のたるみにつながるのです。皮膚の老化や乾燥を引きおこす原因の一つに「紫外線」があげられます。紫外線は皮膚の奥まで達し、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンを産生する線維芽細胞を傷つけるのです。また、紫外線によって発生した活性酸素はコラーゲン繊維を硬くします。そのため、皮膚の弾力やハリは失われてしまいます。紫外線対策や保湿を徹底し、できるだけ肌の水分を保つように心がけましょう。表情筋の衰えによるたるみは、加齢だけが原因ではありません。日常的な表情のクセによってたるみが発生することもあるのです。たとえば、眉間にシワを寄せるクセがあると、眉の上にある「皺眉筋(しゅうびきん)」や目の周りにある「眼輪筋」に力が入っています。常に筋肉が緊張している状態なので、筋繊維が肥大し、筋肉が大きくなります。盛り上がった筋肉に皮膚が引っ張られるので、額やまぶたの皮膚は下がり、たるみが生じるのです。ほかにも、頬やあごの周りの筋肉は口の動かし方や笑い方、歯並びの影響を受けやすいです。食いしばりや歯ぎしり、ストレスによる筋肉の緊張によっても、皮膚のたるみが発生します。表情筋は一つの大きな筋肉ではなく、小さな筋肉の集合体です。そのため、筋肉を全体的に鍛えると効果がでやすいですね。

漢方と鍼灸

 コラーゲンやエラスチンももとはタンパク質を分解してアミノ酸にし、そこから体の必要としている箇所に最適なものに作り変えられたものです。きちんとタンパク質を摂り、よく噛んで胃腸の働きをあげて吸収し、代謝をあげれば体の中で合成されます。コラーゲンでは栄養素が偏っているためちゃんとお肉や大豆などを沢山摂らないと必須アミノ酸は取れません。自分にあったタンパク質、ビタミン、ミネラルをきちんと摂る。これがお肌にとって最低ラインです。必須栄養素は46種類。どれか1つかけてもいい体はできません。そして胃と腸、肝臓、腎臓、ホルモン、血流、生きがい、ストレス発散、運動、顔のマッサージ、スキンケアなどを見直し、改善していけばおのずとたるみのないきれいな肌になります。一緒に根本から考えていきましょう。

肝斑

 肝斑は、いわゆる“しみ”の1つで、両側の頬を中心に生じる薄茶色の色素斑です。しみは肌にメラニン色素が過剰に蓄積することで発生し、肝斑以外にも老人性色素斑や雀卵斑(そばかす)など、さまざまな種類があります。多くは加齢紫外線によるものですが、肝斑では女性ホルモン摩擦による刺激の関与も指摘されています。肝斑の多くは女性に発生し、特に中年女性に多くみられますが、高齢者にはほとんどみられません。また、妊娠している人、経口避妊薬を使用している人に発生することが多く閉経後のホルモン補充療法によって生じることもあります。肝斑では薬を用いた治療が中心です。特殊な照射方法を除いて一般的なレーザー治療が無効であるため、内服薬や外用薬を使用して症状の改善を図ります。肌や髪などの色を構成する黒〜茶色の色素をメラニン色素といい、メラニン色素は体内にある色素細胞(メラサイト)から作られます。メラニン色素は紫外線から皮膚を守る役割も果たしていますが、紫外線を浴び続けるとメラニン色素が過剰に作られ、しみとなって現れるようになります。女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンによって色素細胞が活性化し、メラニン色素の分泌が促されるために、妊娠、経口避妊薬、ホルモン補充療法など、女性ホルモンのバランスの変化に伴って発生しやすくなります。そのほか、日光の作用によって肌が敏感になる薬や、自己免疫性甲状腺疾患なども肝斑のリスクを高めると考えられ、洗顔などによる顔への物理的な刺激も悪化の原因となります。肝斑では顔の左右対称に、薄茶色の色素斑が生じます。多くの場合、色素斑は頬からおでこにかけてみられ、目の周りを避けて起こるのが特徴です。顔の片側だけにできる場合もありますが、いずれにしてもかゆみや痛みは伴いません。ときに、肝斑と老人性色素斑など、複数の種類が合併することもあり、専門医でなければ症状だけで見分けるのは難しいとされています。肝斑の診断は通常(1)肝斑に特徴的な薄茶色の色素斑である(2)色素斑が目の周りを避けてできている(3)周囲との境界がはっきりとしている場合に診断されます。しみには肝斑だけでなく、老人性色素斑や雀卵斑など、さまざまな種類がありますが、種類によって治療法が異なります。そのため、これらの病気との鑑別を目的として、色素斑に紫外線の照明を当てて行うウッド灯検査が行われることもあります。これによって病変部をより鮮明に見ることができます。しみの治療というとレーザー治療が広く知られていますが、肝斑では一般的なレーザー治療の効果が期待できません。かえって色が濃くなってしまう場合があります。そのため、肝斑ではアミノ酸の1種であるトラネキサム酸や、ビタミンCの内服、メラニン合成抑制剤(ハイドロキノンなど)の外用薬で治療を行うのが一般的です。ホルモンバランスの変化に伴って発生・悪化しやすいため、女性ホルモン剤を服用している場合にはホルモン剤の中止も考慮されます。ホルモンの影響であれば、出産後やホルモン剤の中止によってよくなることが多いといわれています。このような治療でも効果が現れない場合は、“レーザートーニング” という低いエネルギーでかさぶたを作らないように照射をするレーザー治療が検討されることもあります。肝斑の発生・悪化を防ぐためには、第一に紫外線を避けることが大切です。帽子や日傘、サングラスなどを使用したり日陰を歩いたりして、紫外線対策を行いましょう。また、肝斑は肌への物理的な刺激も発生・悪化の原因になります。洗顔時にごしごしと顔を洗ったり、過度にマッサージしたりと刺激を与えないように注意しましょう。

漢方と鍼灸

 ストレスでも発生します。親の介護、離婚、ペットとのお別れなどで発生した事例を沢山みてきました。肝斑の意味は肝臓と関係していると見ます。肝臓は活性酸素を消去する酵素を沢山出しています。活性酸素は紫外線を浴びても発生します。量が多ければ細胞、血管を傷つけ、癌の発生、しみ、動脈硬化などを引き起こしていきます。ビタミンCも抗酸化作用を有しますが、もっと強い抗酸化なものを使います。また証により漢方も選択することもあります。外用のものも合わせればなおいいでしょう。まずいつから出始めたか、その時体調はどうだったか、現在の体調と合わせて問診していきます。肝斑のひどい部分、肝臓、問診から得られた箇所の反応穴から最適な漢方食養生サプリツボを選択しお伝えいたします。