安中散・安中散加茯苓
〔成分・分量〕
桂皮3-5、延胡索3-4、牡蛎3-4、茴香1.5-2、縮砂1-2、甘草
1-2、良姜0.5-1
〔用法・用量〕
(1)散:1 回1-2g 1 日2-3 回
(2)湯
〔効能・効果〕
体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、
ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐
などを伴うものの次の諸症:
神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱
【出典】和剤局方
【病位】太陰病
【方意】脾胃の虚証、脾胃の気滞
【脈】やや軟、やや弱、沈細遅、芤
【舌】無苔、湿潤、微白苔
【腹診】腹力やや軟、腹壁薄く弛緩性(アトニー体質)または緊張、心下痞硬、腹大動脈の拍動を触知、上腹部振水音
【応用】胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃酸過多症、胃下垂症、慢性胃炎、幽門狭窄、胃癌、胃動脈硬化症、月経困難症の疼痛、胆嚢炎、胆石、膵炎、神経症、ストレス性胃炎、冷え性、下腹部から腰背に及ぶ牽引性疼痛、過敏性腸症候群
【目標】①胃痛、心窩部痛(空腹時)②胸やけ③甘味を好む④腹中の動悸
【合方例】小建中湯合安中散 六君子湯合安中散、芍薬甘草湯合安中散、安中散合人参湯、安中散合茯苓、柴胡桂枝湯合安中散など
【参考】①更に虚し、症状強い場合、丁香茯苓湯②温かい物で服用すると効あり
【子供の病気】の症状でお悩みの方に
「もしも、【自分の子供】が病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
身近な症状として麻疹、気管支喘息・喘息、百日咳などの増加が問題となっています。学校に入学すると、登校拒否・ひきこもりなどの子供が増えています。高学年においても、子供の健康は非常に重要です。
当院の【子供の悩み】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬、鍼灸の施術と食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。
【子供の悩み】の病気と漢方(東洋医学)
麻疹、気管支喘息・喘息、百日咳、流行性耳下腺炎、川崎病、夜尿症、チック症・トゥレット症、登校拒否・ひきこもり、熱性けいれん、起立性調節障害、アレルギー性紫斑病(IgA血管炎・血管性紫斑病、単純ヘルペスウイルス感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)、とびひ(伝染性膿痂疹)、発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害【ADHD】、学習障害)、くる病・骨軟化症、睡眠障害
もしも、【自分の子供】が「子供の悩み」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。
■漢方の不二薬局、はりきゅう治療院 藤巻一心堂へのアクセスはこちら
■遠方の方は、オンライン(電話)でご相談いただけます。
睡眠障害
昼間は活動して夜間は眠るということができなくなり、日常生活に影響が出ている状態の総称です。睡眠障害には、不眠症や睡眠関連呼吸障害、中枢性過眠症、概日リズム睡眠・覚醒障害、睡眠時随伴症などが含まれます。日本人では約5人に1人が睡眠に関して悩んでいるといわれており、女性のほうが多いとされています。中でも不眠症がもっとも多いといわれています。原因は種類によって異なりますが、不眠症の多くは加齢が原因になるほか、カフェインの摂取、寝る前の飲酒や喫煙などの生活習慣が影響する場合もあります。睡眠障害の治療は種類によって異なり、薬物療法や人工呼吸器の使用、生活習慣の指導などさまざまです。睡眠障害は大まかに6つの種類に分けることができます。①不眠症……眠れないことで日常生活に支障が出る②睡眠関連呼吸障害……眠っている間に呼吸に異常が出る③睡眠関連運動障害……眠っている間やその前後で体の一部が勝手に動いたり(付随運動)、異常な感覚が出たりする④概日リズム睡眠-覚醒障害……体内時計のはたらきがうまくいかなくなることで、望ましいタイミングで眠ったり起きたりできなくなる⑤中枢性過眠症……夜間に十分に眠ったのにもかかわらず、昼間に眠くなり居眠りをしてしまう⑥睡眠時付随症……眠っているのにもかかわらず、異常な行動をする
睡眠障害の原因は多岐にわたり、生活リズムの乱れやストレス、睡眠に好ましくない寝室環境、睡眠前のカフェイン摂取や喫煙などの生活面に原因がある場合も多いですが、何らか病気によって睡眠障害が引き起こされることもあります。不眠症の原因には、①精神疾患:不安症(不安障害)、うつ病、統合失調症など②身体疾患:呼吸器疾患(咳や発作)、高血圧、心臓病(胸苦しさ)、腎臓病、糖尿病、前立腺肥大症(頻尿)、皮膚病やアレルギー疾患(かゆみ)、関節リウマチ(痛み)、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など③治療薬:降圧剤、甲状腺製剤、抗がん剤など④睡眠関連呼吸障害:肥満や扁桃や舌が大きい⑤睡眠関連運動障害:鉄不足をはじめ、腎不全の方や人工透析中の方、妊娠中の方に合併することが多いといわれています。⑥概日リズム睡眠-覚醒障害:体内時計と外の時間との周期のズレが生じることが原因です。これは主に光が関係するとされ、体内時計を早めるのは朝の光、逆に遅くさせるのは夕方の光だといわれています。このほかにも、食事や運動、仕事なども影響して体内時計にズレが生じるとされています。⑦中枢性過眠症:中枢神経のはたらきに異常が生じることが原因です。たとえば、中枢性過眠症の1つであるナルコレプシーは覚醒状態を維持するのに必要なオレキシンという神経ペプチドを作り出す細胞の変性・脱落が原因と考えられています。⑧睡眠時随伴症:心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、パーキンソン病やレビー小体病、多系統萎縮症などの中枢神経疾患が関係する場合や、睡眠薬や抗うつ薬の副作用としてみられる場合もあります。睡眠障害は種類によって症状が異なります。以下では代表的な睡眠障害の症状を説明します。不眠症では、寝つきが悪い(入眠障害)、途中で何度も目覚める(中途覚醒)、早く目覚めてしまう(早朝覚醒)、熟睡感が得られない(熟眠障害)がみられ、通常はこれらの症状がいくつか合わさって起こります。
また、不眠の状態が続くと、体のだるさ、頭重、めまい、食欲不振、意欲や集中力の低下、抑うつなど、さまざまな不調が日中に現れるようになります。睡眠関連呼吸障害の多くはいびきをかくことで知られていますが、自覚症状に乏しいことが特徴です。そのほかにも不眠や起きた時の頭痛、昼間の眠気などの症状があります。また、高血圧や脳卒中、狭心症などの循環器系の病気を合併するリスクが高まることが分かっています。睡眠中に勝手に手足が動いたり、睡眠前など安静にしている際に手足がムズムズしたり、痛い、かゆいといった感覚があり手足を動かしたいという衝動にかられることが特徴です。このような症状によって十分な睡眠が取れず、不眠や昼間の過眠が現れます。このほか、歯ぎしりや、こむら返り(ふくらはぎがつること)などの症状も含まれます。体内時計のズレによって、望ましい時間帯に睡眠し、起床することができなくなります。通常の時刻に合わせて無理に起床すると、眠気や頭痛、倦怠感や食欲不振などが現れることもあります。過剰な眠気によって集中力や判断力が低下し、勉強や仕事の能率が落ちるほか、居眠り運転事故、転落、転倒などの事故につながりやすくなります。悪夢、寝言、途中で起きて無意識の状態で歩き回る(睡眠時遊行症)、激しい叫び声をあげたりして飛び起きる(夜驚症)、睡眠中に夢体験と同様の行動を取る(レム睡眠行動障害)、おねしょ(夜尿症)、金縛り(睡眠麻痺)などによって睡眠が妨げられたり、睡眠の質が低下したりします。睡眠障害の診断は、睡眠の状態や生活習慣などについての詳細な問診が中心となります。必要に応じて睡眠日誌を書いてもらったり、アクチグラフという時計型の加速度センサーをつけたりして、睡眠の状態を把握します。睡眠関連呼吸障害では、簡易型の呼吸のモニターを用いてスクリーニング検査を行います。詳しく調べるために終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)や、反復睡眠潜時測定検査(MSLT検査)などが行われることもあります。背景に身体疾患や精神疾患があると考えられる場合には、その病気に対する検査も行われます。不眠症では睡眠薬に加えて精神安定剤や抗うつ薬、過眠症には眠気を覚ます精神刺激薬、睡眠時随伴症に対してレム睡眠を減らす薬やレム睡眠中の筋肉の緊張を和らげる薬が用いられることもあります。背景に病気がある場合にはその病気に対する治療も必要です。睡眠時無呼吸症候群では持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)、マウスピース療法、手術などが行われる場合があります。特に不眠症と概日リズム睡眠-覚醒障害は生活習慣との関連が強いため、以下のような生活上の工夫だけでも解消することがあります。就寝・起床時間を一定にし、起床後に太陽の光を浴びる、寝る前にリラックスできる時間を作る、寝る前のパソコン・スマートフォンの使用を控える、寝る前のカフェイン、たばこを控える、お酒は少量にして寝る3時間前に終える、適度に運動をする、ストレスをためないようにする、眠りやすい快適な寝室にする などです。
過眠症においても規則正しい生活を送り、夜間に十分な睡眠を取ることが大切です。睡眠障害の背景に病気があることも珍しくなく、原因疾患の中には生活習慣が深く関与しているものもあるため、生活習慣を改善することで睡眠障害だけでなく、さまざまな病気の予防にもつながります。原因疾患と関わりが深い生活習慣として、乱れた食生活(食べすぎ・偏った食事・過度の飲酒)、不規則な生活、肥満、運動不足、ストレス、喫煙などが挙げられます。原因疾患の発症予防のためにも生活習慣の見直しを図りましょう。
漢方と鍼灸
どの睡眠障害も不眠の反応穴から最適な漢方、食養生やサプリを選択し治療していきます。
登校拒否・ひきこもり
家族以外との人間関係がなく、社会参加をしていない状態を指します。必ずしも家に閉じこもっているわけではなく、外出をするような方でも家族以外の方との親密な対人関係がない状態は引きこもりに含まれます。不登校をきっかけとして、ひきこもりになる方もいますし、退職をきっかけとしてひきこもりの状態に陥ることもあります。どなたであってもひきこもりの状態になる危険性があり、大きな問題のない一般的な家庭でも起きてしまいます。ひきこもりになってしまうと、社会的な適応度が著しく低下します。さらに、長期化するとともに、精神症状や二次的な問題行動を引き起こしてしまう可能性があり、一生を棒に振りかねない状況におちいる場合すら珍しくありません。正確な情報に基づいて注意喚起を行い、抜け出したいと望む方には適切な支援がなされるように窓口を整備し、正しい介入を行うことが重要です。ひきこもりのきっかけとして大きいのは「不登校」と「退職」です。学生時代に不登校となり、そのまま卒業や退学になってひきこもりになってしまうパターンが多いことが知られています。また近年増加傾向にあるひきこもり状態は、会社を退職してから生じるものです。ひきこもりの原因として、生物学的脆弱性(ストレスなどに弱い性質)やトラウマとの関連については指摘されていません。また、遺伝との関連についても指摘されていません。ただ、性格的に内向的・非社交的な場合にはひきこもりになりやすい傾向があります。しかし、それ以外の方がひきこもりにならないかというとそういうわけでもなく、誰でもひきこもりになりえることが知られています。ひきこもりとは、社会との密接な関係性がなくなっている状態を指します。そのため初期の段階では家族以外の方と密接に関わらない状態で認識されますが、ひきこもり状態が長期化すると、周囲からの批判や自責の念によって、ひきこもっている本人に非常に大きなストレスがかかります。そうしたストレスや孤立状況(それ自体が病態形成的に作用します)に対する反応として、さまざまな精神症状が生じます。ひきこもりでは、高頻度に対人恐怖を認めます。他者によくない印象を与えるのではないか、という葛藤が強い不安をもたらします。その延長線上で、自己臭(自分の体から臭いが出ていて人から避けられる)、醜形恐怖(自分の顔や体がみにくいので人から避けられる)、さらに被害関係妄想(他者に悪く思われているに違いないという確信)や被注察感(周囲に見られている)、などの症状が出現することがあります。強迫観念(頭からある考えが離れない状態)や強迫行為(強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為)もよく起こる症状の一つです。その他、抑うつ症状や不眠、自殺念慮、摂食障害、心身症状(心が原因となって身体の不調が現れる症状)、心気症状(病気にかかっていると思い込むような症状)などが起きることがあります。また、家庭内暴力も多く見られ、ときに刑事事件に発展する場合もあります。ひきこもりを引き起こす原因となった精神疾患が隠れているような場合があります。たとえば、統合失調症や発達障害がひきこもりの裏に隠れている可能性があるため、注意してみていく必要があります。精神疾患がある場合には、原疾患、つまりひきこもりの根本にあるそれらの病気を診断し、それに対して治療をすることが望ましいです。ひきこもりはどんな方でも発症する可能性があると考えられており、未然に発症を予防することは現時点(2017年時点)では難しいと考えられています。そのため、ひきこもり状態になってから何らかの介入を行う、ということが一般的になります。ただし、医療の介入を必要とするかどうかは、本人や家族がひきこもりに対してどう思っているのか、が重要になります。本人がその状態に自足していて一人で充実した活動をしていたり、順調に何らかの成果を出していたりする場合に医療の介入は必ずしも必要ありません。本人がひきこもりをやめたいのにやめられない、周囲に対しても問題を及ぼしている状態では、何かしらの介入が求められます。ひきこもり対応の基本は、「ひきこもった原因を探すこと」ではありません。「何が抜け出すことを阻害しているか」を理解し、阻害要因をひとつひとつ取り除いていくことです。大きな阻害要因のひとつが、家族の誤った対応であることが少なくありません。ひきこもりの治療的支援は段階的になされます。(1)家族相談、(2)個人療法、(3)集団適応支援です。家族相談で重要なことは、本人がもう一度他者と触れ合うことができるように家族が協力することです。
漢方と鍼灸
生活リズム、食生活、運動を基本に心と体の調和を整えていきます。脳の反応穴、身体の症状などから最適な漢方、食養生やサプリ、小児鍼やマッサージを選択します。
熱性けいれん
乳幼児期に発症するタイプのけいれんの1つです。通常、生後6か月から5歳くらいまでのお子さんに見られるけいれんであり、発熱に伴って起こるものです。日本では10人に1人ほどの方が経験するといわれているありふれたもので、成長発達に問題がないお子さんでもしばしば見られるものです。1回の経験のみの場合もあれば、発熱のたびに起こることもあります。通常、年齢を重ねるにつれて、熱性けいれんを起こすことは少なくなっていきますが、5歳を過ぎても発熱時にけいれんが見られることもあります。一方、発熱がなくてもけいれんが起こるようなことがある場合は、てんかんなど別の原因があると想定されます。熱性けいれんは、発熱を誘発因子として発症するけいれんです。熱性けいれんを起こす年齢層の子どもは、ウイルスや細菌などによる感染症に罹患することが多いため、しばしば発熱する機会があります。熱性けいれんの原因は、現在まで完全には明らかになっていません。しかし、発熱に関連して神経ネットワークの制御が取れなくなることにより、けいれんが起こると推定されています。また、親や兄弟に熱性けいれんの経験があると熱性けいれんを発症する可能性が高まるといわれており、遺伝的な因子が関与しているとも推定されています。38℃以上の高熱時で、通常は熱が出始めてから24時間以内にけいれんが生じることが多く、手足のけいれん・意識消失・顔色不良などが見られます。この間、周囲に対して反応はなく、2〜3分ほどの経過で自然にけいれんは治まります。けいれんが治まった後は、多くの患者さんがしばらく寝てしまいます。典型的な(よくある一般的な)熱性けいれんの特徴は以下のとおりです。ただし、これらのような特徴をもたないタイプの熱性けいれんもあるため、どのようなタイプのけいれんであるかをしっかりと観察することが重要です。
- 38℃以上の高熱時で、熱が出始めてから24時間以内に起こるけいれん
- 左右対称性
- 数分間で自然に治まる
典型的な熱性けいれんの場合、基本的には脳に対してダメージが残ることはありません。そのため、けいれんを起こしたからといって神経学的な後遺症を残すことはないと考えられます。しかし、熱性けいれん以外にも“発熱”と“けいれん”を主要症状とする病気は数多くあるため注意が必要です。熱性けいれんを診断するためには、発熱してからけいれんが出現したタイミングや、けいれんの形を正確に評価することが重要です。また、周産期の情報、成長発達歴、家族歴なども同時に評価します。最終的に典型的な熱性けいれんと判断される場合には、必ずしも検査をするとは限りません。しかし、経過から熱性けいれん以外の病気が疑われる場合には、追加の検査が検討されます。たとえば、髄膜炎や脳炎・急性脳症、代謝異常症などが考えられる場合には、血液検査(炎症反応、電解質や血糖値など)、髄液検査、頭部CTやMRIなどの画像検査を行います。また、けいれんが起こり始めた当初は38℃以上の高熱を伴っていても、経過を追うごとに熱がなくてもけいれんを起こすようになった場合、てんかんの検査が必要です。子どもが目の前でけいれんしている状況では、落ち着いて対応することは難しいものですが、けがをしないよう周辺の環境に注意し、ベッドや床などに寝かせてあげましょう。また、けいれん中に嘔吐をすると窒息する恐れがあるため、吐物を吸い込まないように、体を横に向けた姿勢にさせるなどの対応が必要です。その際は、顔のみでなく、体全体を横向きにしましょう。なお、けいれん中に体を押さえつけたり、口の中に手や物を入れたりすることは、かえって悪影響であるため控えましょう。発熱時に出現したけいれんが、熱性けいれんかどうかを判断するためには、どのような形のけいれんであったのか、落ち着いて様子を観察することが重要です。携帯電話の録画機能などを利用してけいれん時の様子を収録すれば、病院で経過を説明する際に役立ちますが、どのような形であったかをきちんと説明できるのであれば、必ずしも撮影する必要はありません。熱性けいれんで見られるけいれんは、多くの場合数分以内に治まります。けいれんが治まった場合も念のため医師の診察を受けて、熱性けいれん以外のけいれんを起こす病気がないかどうかを判断してもらってください。5~10分以上けいれんが持続する場合には、けいれんを止めるための薬剤を使用しないと止まらないこともあるため、救急車を呼ぶことも検討します。けいれんが止まった後には追加の治療は通常は必要ありません。しかし、別の病気が原因でけいれんを起こすこともあるため、注意深く経過を見ることは必要です。発熱のたびに熱性けいれんを繰り返す場合でも、典型的な短い熱性けいれんの場合は、現在はけいれんを予防する薬を使わないことが多くなっています。ただし、典型的な熱性けいれんでない場合(たとえば、けいれんが長い、左右対称でない、24時間以内に2回以上けいれんする、発達の遅れがある、家族歴がある、1歳未満、発熱から1時間以内、38℃未満の場合)には、発熱時のけいれん予防薬の使用が検討されます。
漢方と鍼灸
風邪をひいて高熱が続いた場合、神経がダメージ受けることで発症します。回路が焼き切れるイメージですね。なるべく高熱が続かないように熱を下げてあげる必要があります。またウイルスを叩くために熱が上がるのでウイルスを叩きやすいように免疫をあげる必要もあります。漢方では牛黄、石膏、羚羊角などのはいったものを使います。発熱の反応穴、風邪の反応穴から最適な漢方、食養生やサプリを選択して改善していきます。
川崎病
遺伝学的な因子や環境因子などが複雑に関与していると推定されていますが、原因が完全に解明されているわけではありません。また、病気の引き金となるウイルスや細菌など環境因子も発症に関与していることが推定されています。しかし、発症の原因となる単一のウイルスや細菌が特定されているわけではありません。川崎病で見られる症状は、そのまま診断の参考にもなります。
・発熱
・両側眼球結膜の充血
・口唇の赤み・いちご舌(舌にいちごのようなツブツブができる)、咽頭の発赤
・発疹(形状や大きさ、場所が定まらない赤味を帯びた発疹、BCG接種痕の発赤)
・四肢の変化(手足が紅くなりパンパンに腫れる、指先から膜様に皮がめくれる)
・首のリンパ節腫脹
これら6つのうち5つ以上当てはまる際に、川崎病と診断されます。ただし、実際にはこれらの症状がそろわないことも少なくないため、診断が難しいケースもあります。また、心臓を栄養する冠動脈という血管に変化が生じることもあります。最終的には冠動脈瘤と呼ばれる心臓の合併症を起こすことがあるため、慎重に症状を見極めつつ診断し、早期に治療をおこなうことが求められます。川﨑病は、原因が完全に解明されているわけではないため、特定の検査項目によって診断されることはありません。臨床の経過からみられる症状をもとにして診断されます。また、いかに心臓の合併症を残さないかが重要であるため、定期的に心エコー検査がおこなわれます。心エコー検査で冠動脈の大きな変化が確認できる場合には、心臓カテーテル検査などでさらに詳しく調べる場合があります。心臓に対しての合併症(特に冠動脈瘤)を残さないことを目的として治療をおこないます。国際的に広く行われている標準治療は、免疫グロブリンを大量に静脈から点滴投与する“大量免疫グロブリン静注療法”と呼ばれるものです。こうした治療に加えて、血栓(血の塊)ができるのを防いだり、血管の炎症を抑えたりする薬(アスピリン)の内服も同時に行います。日本では、重症の川崎病には病初期から炎症を抑える作用をもつステロイドまたはシクロスポリンを免疫グロブリン静注療法と併用することも行われるようになりました。こうした標準治療に反応がなかった場合は、免疫グロブリンの再投与、インフリキシマブ、シクロスポリン、血漿交換などが選択肢になりえます。どの方法を選択するかは、病状や副作用などを加味しながら決定されます。急性期の治療が奏功せずに冠動脈瘤の形成を残した場合には、抗血栓療法が必要となります。
漢方と鍼灸
乳幼児を中心に発症し、全身の血管に炎症が起きる川崎病の患者数が、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以降、3分の2に激減したことがNPO法人日本川崎病研究センターの調査で判明した。川崎病は1967年に故川崎富作氏が報告し、いまだ原因が分からない。患者数の変化から、病気の原因を解明する新たな切り口につなげようと、専門家が調査を進めている(毎日新聞)。発症の原因が菌やウイルスであることがわかります。
ウイルスや菌の反応穴、各症状から漢方、食養生やサプリを選択していきます。
流行性耳下腺炎
おたふく風邪は、ムンプスウイルスに飛沫感染や接触感染することで引き起こされる病気です。“流行性耳下腺炎”とも呼ばれています。耳の下に位置する耳下腺(唾液を作る組織)に炎症が生じることから、同部位の腫れを特徴的な症状とします。両側が腫れた場合におたふくさんのように見えることから“おたふく風邪”と呼ばれます。発症した場合には両側が腫れることが多いですが、片側のみしか腫れない場合もあります。おたふく風邪は、保育所や幼稚園などで集団生活を開始したばかりの小児に多く見られ、6歳までの子どもが発症例の半数以上を占めると報告されています。一度、感染することで生涯の免疫が獲得されますが、中には成人になってから初めておたふく風邪にかかる人もいます。通常は大きな合併症もなく自然に治癒することが多い病気です。しかし、頭痛や吐き気を伴う髄膜炎の合併症は頻度が高く、ときに難聴や不妊の原因になることがあります。特に難聴は発症すると治らず、片側性が多いですが、両側性に発症した場合にはずっと聴力障害を抱えることになります。そのため、子どもも大人も予防接種を含めた感染予防策を徹底することが重要です。
おたふく風邪を引き起こすウイルスは、ムンプスウイルスです。ムンプスウイルスは感染者の唾液中に大量に存在することから、咳や唾液などを介して感染が周囲に拡散することが知られています。ムンプスウイルスは耳下腺以外の唾液腺(顎下腺、舌下線)、それ以外の膵臓や性腺(精巣や卵巣)など、消化液や精液などの液体成分を生成する腺組織と呼ばれる部位に感染します。その他にもムンプスウイルスは中枢神経に感染しやすいことも知られています。ムンプスウイルスが感染する部位を把握することは、おたふく風邪の合併症を理解するためにも重要です。ムンプスウイルスに飛沫感染や接触感染で感染した後、2~3週間ほどの潜伏期間を経ておたふく風邪の症状が現れます。おたふく風邪は、耳下腺の周りに炎症が生じることから発熱が生じることに加えて、突然耳の下が腫れたり同部に痛みを伴ったりするようになります。片側から腫れることが多く、1~2日ほどのタイムラグを経て反対側の耳下腺も腫れるようになります。片側あるいは両側に腫れが見られますが、両側が腫れることが多く、症状は一週間ほどで徐々に治っていきます。また、唾液を作る組織に炎症が起きているため、食事摂取(特に酸っぱいもの)により唾液分泌が亢進すると、耳の下や顎の下の痛みが強くなるという特徴があります。ムンプスウイルスの周囲への感染力が高い期間は、発症数日前から発症後5日までといわれています。症状が必ず現れるわけではなく、およそ3割の子どもはムンプスウイルスに感染しても症状が現れません 。これを不顕性感染といいます。症状が現れない不顕性感染の人からも感染する可能性があるため注意が必要です。おたふく風邪にはさまざまな合併症を伴うことがあり、“後遺症として残る”という観点から、難聴と不妊の2つはとても重要です。おたふく風邪に伴う難聴はムンプス難聴と呼ばれています。ワクチン接種率が低いためにおたふく風邪の流行が多い日本では見過ごすことのできない合併症のひとつです。毎年、多くの子どもや大人が聴力を失っています。聴覚障害は、主に片側が多いですが両側に難聴が生じることもあります。両側の耳が聞こえなくなると、言語を習得していない子どもでは、聞くことができないために言葉の発達に影響が及びます。部分的な聴力障害であったとしても日常生活に支障をきたすことがあります。ムンプス難聴の場合、聴力は回復することはなく、程度によって補聴器、人工内耳などが必要になります。主におたふく風邪になる機会が多い子どもで難聴が多いですが、その子育て世代の大人がおたふく風邪にかったことがなかった場合には、子どもから感染して難聴になることがあります。不妊は成人期に感染したおたふく風邪は、しばしば性腺(精巣や卵巣)に炎症を生じます。発熱に加えて、腹痛や陰嚢の腫れ・痛みを伴います。片方の性腺だけのことが多いですが、両側に炎症が起きることもあります。両側に炎症が起こった場合、まれに委縮して不妊の原因になることがあります。このほかにも、髄膜炎や膵炎などを合併し、それぞれ頭痛や嘔吐、腹痛などを生じることがあります。これらの合併症は、おたふく風邪が治ったと思われる時期(すなわち、耳の腫れが治まりつつある時期)にも生じることがあります。おたふく風邪の経過中数週間は、合併症の発生にも注意を払うことが大切です。おたふく風邪の診断は、主に臨床所見からなされます。しかし、耳下腺が腫脹する病気はほかにもあるため、判断に迷う際、もしくは合併症を呈して確定診断をすることが求められる場合には、ムンプスウイルス感染を証明する検査が行われます。ウイルス感染を確かめるためには、一般的に血液検査で抗体を調べるという方法がとられます。特殊な状況があるケースではウイルス分離やウイルスの遺伝子を同定する特別な検査が行われることもあります。おたふく風邪の治療は、対症療法が主体です。発熱や耳下腺の痛みに対しては、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬が使用されます。症状によっては水分が取れないこともあるため、点滴が適応になることもあります。難聴が生じた場合には、聴覚障害の程度に応じて補聴器や人工内耳を使用します。なお、おたふく風邪を発症した場合は、学校保健安全法で一定期間登校・登園を控えることが定められています。唾液腺が腫れてから5日間が経過して、全身状態がよくなるまでは自宅で安静にしていましょう。判断に困った場合には、かかりつけ医師の話をよく聞き、指示に従うようにしましょう。ムンプスウイルスに対する有効な薬は存在しないことから、ワクチンによる予防接種がとても大切です。ワクチンにおける予防効果は高く、合併症の発生率も有意に低下させると諸外国から数多く報告されています。そのため、多くの先進国では、ムンプスワクチンの定期接種が行われています。日本では、1989年から麻疹・風疹・ムンプスの3種混合ワクチンが定期接種として導入されました。しかし、ワクチン関連の無菌性髄膜炎が多く発生したことを受け、1993年にムンプスの入った3種混合ワクチンの定期接種は中止されています。そのため、現在の定期接種では麻疹・風疹のみの2種混合ワクチンが用いられています。こうした歴史的な背景もあり、日本においては2020年現在、ムンプスワクチンは任意接種ですが、近年ではワクチンの成分が分けられている、より安全性の高いムンプス単独のワクチンも登場しています。おたふく風邪は軽症のことが多いですが、難聴が合併すると回復しないため、子どもも大人もムンプスワクチンで予防するのが望ましいです。過去にかかったかどうか知りたい場合は、血液検査で調べて、かかったことがない場合にはワクチンを受けるべきでしょう。またワクチン接種歴がない場合、血液を調べないでワクチンを行う方法もあります。ムンプスワクチンは2回受けるのが望ましいです。不安を感じたり、判断に困ったりした場合にはかかりつけ医に相談するようにしましょう。
漢方と鍼灸
ワクチン接種が望ましいと思います。同時に自分の免疫の力を高めるのも大事です。耳下腺、ウイルスの反応穴から最適な漢方、食養生やサプリを選択し補助としてお勧めいたします。
百日咳
百日咳菌を原因菌とし、けいれん性の咳発作などを症状とする感染症のことです。小児に多くみられる病気で、1歳未満の乳児(特にワクチン未接種の生後3か月以下)では重症化し、死亡することもあります。大人がかかった場合は咳が長引くものの重症化することは少ないですが、周りの子どもに感染させてしまう原因となります。こうした百日咳による小児の重症化・死亡を防ぐために、世界各国で小児への百日咳ワクチンの接種が進められてきました。日本では定期接種に指定されており、2022年現在ではジフテリア、破傷風、ポリオに対するワクチンを含めた四種混合ワクチン(DPT-IPV)が導入されています。ただし、ワクチンの効果は4~12年で減弱するといわれており、近年では小学校高学年以上を中心に患者が増加傾向にあるといわれています。百日咳は主に百日咳菌を原因菌とした感染症です。百日咳菌と呼ばれる細菌が原因になります。飛沫感染と接触感染が主な感染経路で、細菌を含む飛沫を吸い込んだり、細菌が付着した手で鼻や口などを触ったりすることで感染します。全年齢でかかることがあり、特にワクチン未接種の生後3か月以下では死亡や重症化のリスクが高いといわれています。軽症であっても菌が排出されていることがあり、特に成人では気付かないうちに保菌者となり、ワクチンを接種していない小児に感染させていることがあります。百日咳ワクチンは重症化や死亡の予防に有効で、リスク減少の効果は80~85%です。また、最後に百日咳ワクチンを打ってから4~12年程度で効果の減弱がみられるため、百日咳ワクチンを接種していてもかかることがあります。カタル期、痙咳けいがい期、回復期と呼ばれる3つの経過がみられることが特徴です。これらの症状は、ワクチン未接種の乳幼児でみられることの多い症状です。カタル期は原因菌に感染してから7~10日程度の潜伏期間を経て、通常のかぜのような症状がみられます。次第に咳の回数や程度が強くなります。持続期間は約2週間とされています。痙咳期は約2~3週間にわたって、痙咳と呼ばれる、特徴的なけいれん性の咳の発作がみられるようになります。短い咳が続いた後に、息を吸うときにヒューという笛のような音が出る咳症状が発作的に繰り返されます。また、嘔吐を伴うこともあります。発作は夜間や何らかの刺激が引き金となったときに起こることが多く、発作がないときは無症状であることが多いです。月齢の低い乳児の場合は特徴的な咳発作がみられないことも多く、息を止めているような無呼吸発作がみられ、チアノーゼ(血中の酸素が不足して皮膚が青色に変化すること)、けいれん、呼吸停止に至ることがあります。回復期は激しい咳の発作が次第に治まり、2~3週間程度でみられなくなります。しかし、時折発作性の咳が現れることもあり、完全に回復するのは発症から2~3か月程度です。成人の場合は、咳発作がみられることなく回復期に移行することもあります。ワクチン接種をしている場合は、長引く咳などが症状のことが多いです。症状から百日咳が疑われ、百日咳菌の存在を示す百日咳検査で陽性となれば百日咳と診断されます。また、百日咳検査を行わない場合でも、百日咳の症状があり、さらに百日咳検査が陽性であった人との接触がある場合は百日咳と診断されることがあります。百日咳検査は、原因菌そのものの有無を証明する検査、原因菌の毒素に対しての抗体を血液で調べる検査があります。菌を直接検出するには、鼻の奥や気管から気道分泌物をとって行う細菌培養法があります。菌が多いと顕微鏡で菌がみえることもあります。百日咳菌は特殊な培養法が必要で培養検査ができない医療機関も多く、さらに培養自体も生えにくい菌なので、近年は、細菌の遺伝子検査(PCRやLAMPなど)、迅速抗原検査が行われます。抗体をみる血清診断法は、原則、急性期と回復期の2回の血液検査を行います。検査の方法によって診断のしやすさや検査に適したタイミングなどが異なるため、状況に応じて用いられる検査方法が決められます。百日咳の治療は、マクロライド系と呼ばれる種類の抗菌薬による薬物治療が中心となります。
特に、発症早期のカタル期に治療を始めるとよい効果が期待できますが、長引く咳になっている段階では、すでに菌はいないことが多く、気管支などのダメージがすでに完成しているのであまり症状の改善は得られません。抗菌薬の使用期間は、使用するマクロライド系の薬によって異なります。また、咳の症状に対しては鎮咳薬などによる対症療法が行われることもあります。呼吸が悪くなった場合には、人工呼吸器で呼吸をサポートしたり、換気ができなくなると人工心肺を使用したりすることもあります。百日咳は、百日咳ワクチンを接種することで80~85%の予防効果があります。日本では四種混合ワクチン(DPT-IPV)として定期接種の対象となっており、生後3~90か月の間に4回接種するように決められています。百日咳は小児で重症化や死亡リスクが高い病気であることから、対象の時期になったらなるべく早く接種を受けることが大切です。現代の最新医療の治療を行っても、ワクチンを接種していない乳児は重症化や死亡へと進行していくことがあり、治療よりもワクチンで予防することが何よりも重要です。ただし、ワクチンの免疫効果は接種後4~12年で減弱し、ワクチンを打っていても感染することがあります。日本小児科学会は、定期接種だけでなく、さらに2回追加して、就学前(5~6歳)、思春期(11~12歳)で三種混合ワクチン(DPT)を任意接種することをすすめています。知らず知らずのうちに重症化しやすい小児に感染させてしまうこともあるため、長引く咳症状がある場合などは、医療機関を受診するようにしましょう。
漢方と鍼灸
咳を長引かせない、菌を子供にうつさせないことが重要です。上咽頭、気管支、肺、ウイルスの反応のあるツボから最適な漢方、食養生やサプリ、ツボを選択して治療していきます。
麻疹
一般的に“はしか”とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる病気のことです。一度麻疹ウイルスに感染したり予防接種を受けたりすると免疫ができるため麻疹を発症することはないとされています。しかし、初めて感染した場合や免疫がなくなった場合などは38℃前後の発熱、喉の痛み、咳、目の充血など“風邪”のような症状が現れ、一度熱が下がった後に再び高熱が出るとともに全身に発疹が広がっていくのが特徴です。重症化すると肺炎や脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあり、乳幼児などでは命を落とすケースもあります。そのため、日本では“1歳児”と“小学校入学前1年間の幼児期”に1回ずつワクチン接種をすることが定期化されています。麻疹は麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされます。麻疹ウイルスは空気感染・飛沫感染・接触感染などさまざまな感染経路を持ち、非常に感染力が強いのが特徴です。特に空気感染は一般的な手洗いやマスク着用などの感染対策では予防することができず、感染者と同じ空間にいるだけで感染するリスクが生じます。そのため、公共施設や学校などでの集団感染が起こるケースも珍しくありません。麻疹は麻疹ウイルスに対して抗体(病原体を攻撃するタンパク質)を持たない人が感染すると次のような症状が引き起こされます。まず、麻疹ウイルスに感染すると10~12日間の潜伏期を経た後に38℃前後の発熱が2~4日間ほど続き、体のだるさ、喉の痛み、鼻水、咳、充血、目やになどの症状が現れます。その後いったん熱は下がるものの、半日程度で39℃前後の高熱が現れ、おでこ、耳の後ろ、首などに赤い発疹ができて2日ほどで全身に広がっていきます。この時期には上述したいわゆる“風邪症状”はさらに悪化していきますが、3~4日間すると徐々に熱が下がっていき、さまざまな症状も改善していくのが特徴です。このように、麻疹は通常であれば発症から7~10日間で回復しますが、重症化すると肺炎や脳炎などを引き起こすケースもあり、別の細菌感染による中耳炎などを同時に発症することも少なくありません。また、一般的に小児期にかかったときの症状よりも、成人になってからかかったほうが、より症状が重くなるといわれています。麻疹が疑われる際には、確定診断を下すため、重症度を評価するために次のような検査が必要に応じて行われます。麻疹ウイルスに対する抗体の有無を調べるための血液検査は麻疹の確定診断に必要な検査の1つです。麻疹ウイルスに感染した直後に増える“IgM”と呼ばれる抗体や“IgG”と呼ばれる抗体の量を測定します。また、そのほかに炎症や脱水の有無などの全身状態を確認する目的で血液検査をするケースもあります。ウイルスやウイルス遺伝子の検出は血液、咽頭拭液えき(鼻の奥を綿棒で擦って採取する粘液)、髄液、尿などに麻疹ウイルスや麻疹ウイルスの遺伝子が存在するかどうかを調べる検査が行われます。もっとも確定診断に適した検査とされています。肺炎や脳炎などの重篤な合併症が疑われる場合は、疑われる合併症の種類に応じてX線、CT、MRIなどを用いた画像検査が行われることがあります。なお麻疹は症状のみから疑うことができ、必ずしも上記の検査で麻疹ウイルスが感染したことを確認しなければならないわけではありません。ただし、麻疹は全例が国への届出の対象となっているため、麻疹を疑った医師は保健所と連携して診断します。その際には、ほぼ全例で何らかの検査が行われます。(麻疹患者との接触が明らかで臨床診断できる場合は臨床診断で届出を行います。)また、近年は麻疹の典型的な症状が出現しない“修飾麻疹”が時々見られます。これは、予防接種後に免疫がうまく獲得できなかったり、周囲に麻疹の流行がなかったりしたために強い免疫が維持できていない状態で麻疹にかかり、典型的な症状が出現しない状態です。海外への渡航後や、周囲に麻疹の流行がありワクチン接種が1回の状態で、発熱、発疹などが出現したら、麻疹の可能性も考えて医療機関で確認をしてもらうことも考えましょう。麻疹ウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、治療は発熱に対する解熱剤、喉の痛みに対する鎮痛剤などの薬物療法、高熱などによる脱水に対する点滴治療などの対処療法が主体となります。また、別の細菌感染による肺炎や中耳炎を合併した場合は抗菌薬の投与が行われ、重症化した場合は入院したうえで酸素投与などの呼吸管理が必要になるケースもあります。麻疹は重篤な合併症を引き起こすことがあり、さらに麻疹ウイルスは非常に感染力が強いため注意しなければならない感染症の1つです。現在、日本では1歳児と小学校入学前1年間の幼児期の2回にわたるワクチンの接種が予防接種法で定期接種として定められています。なお、ワクチン1回接種では免疫ができる確率は93~95%以上、2回接種では97~99%以上との報告があります。2015年にWHOによって日本は麻疹排除状態(野生株がいない状態)にあると認定されました。日本での麻疹の流行は基本的には海外からの輸入感染症であると考えられますが、排除状態を維持するためにも予防接種は必要です。そのほか、麻疹ウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染します。そのため、感染者がいる場合はできるだけ同じ空間を共有しないように注意し、地域で麻疹が流行している場合は人ごみに出歩かないなどの対策も必要です。また、空気感染を防ぐことはできませんが、手洗い、手指消毒、マスク着用などの基本的な感染対策も行うようにしましょう。
漢方と鍼灸
病院の治療に免疫の漢方や食養生をお勧めしています。ウイルスの反応穴から最適な漢方、食養生やサプリを選択してお伝えいたします。
【女性の悩み】の対策と漢方
「もしも、親や身近な人、あるいは自分自身が【女性特有】の病気になったらどうしよう…」そんな不安を抱いたことはありませんか。
身近な症状としてのぼせ、冷え性などの増加が問題となっています。年を重ねることで、更年期障害(女性)、乳腺症などの方が増えています。成人・高齢化社会においても、女性の健康は非常に重要です。
当院の【女性の悩み】の病気へのこだわりは漢方薬の選薬、鍼灸の施術と食養生を大切にしていることです。どこに行っても良くならなかった方の最後の砦になりたい、そんな気持ちでアドバイスさせていただきます。
【女性の悩み】の病気と漢方(東洋医学)
のぼせ、冷え性、妊娠悪阻、習慣性流産、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、不妊症(子宝相談)、乳腺炎、乳腺症、更年期障害(女性)、PMS(月経前症候群)、月経不順(生理不順)、月経困難症、膣炎、子宮筋腫、子宮内膜症・チョコレート膿腫、子宮腺筋症、子宮下垂・子宮脱、子宮頸癌
自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「女性の悩み」と思われる症状に気づいたら一人で悩まず、不二薬局にご相談ください。
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