本文へ

 

admin@fuji-kampo

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、座ったり横になったりすると、主に脚(人によっては脚だけではなく腰や背中、腕や手に症状が現れる場合もあります)にむずむずする、ぴりぴりする、かゆみ、痛みなどの強い不快感が現れる症状です。特に夕方から夜間にかけて症状があらわれるケースが多く、睡眠障害の原因にもなりやすい病気です。また、足が周期的にピクッピクッと勝手に動き続けていることが多く(周期性四肢運動障害)、これも睡眠を浅くします。
 日常の座ったままやじっとした姿勢の活動を阻害されるため放置していると日常生活に大きな影響を及ぼします。足を動かすとこの異常感覚はすぐに消えるのですが、じっとしていると再び出現してきます。
 レストレスレッグス症候群は主に40歳以上の中高年の方に多く、男性に比べて女性の患者さんの割合が多いと報告されています。鉄欠乏性貧血や、腎不全による人工透析を受けている人に多いことが知られています。
 レストレスレッグス脚症候群の原因はまだ明らかにはなっていませんが、有力な説として脳内の神経伝達物質の1つであるドパミンの機能障害や鉄が関与していると言われています。ドパミンは、さまざまな運動機能を潤滑にする働きをします。また鉄はドパミンを作る過程で欠かすことのできない物質です。その鉄の不足によりドパミンがうまく合成されないことで症状を引き起こすのではないか、と考えられています。
 レストレスレッグス症候群は、原因がはっきりわからないもの(一次性)と、他の病気や薬などが原因となって起こるもの(二次性)に分けられます。二次性の原因としては、慢性腎不全(特に透析中)、鉄欠乏性貧血、妊娠、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなどが挙げられます。

漢方と鍼灸

 緊張しやすい方、血流が普段から良くない方がなりやすいので自律神経、血流の反応穴からあなたに最適な漢方食養生サプリツボをお選びしお伝えいたします。

・抑肝散(柴胡・甘草・川芎・当帰・白朮・茯苓・釣藤)『保嬰撮要』
この薬方の主薬は釣藤散で、中枢性の鎮静、鎮痙作用と催眠作用があります。
・抑肝散加陳皮半夏(柴胡・茯苓・白朮・甘草・当帰・川芎・釣藤鈎・陳皮・半夏)『本朝経験方』
この薬方の主薬は釣藤散で、中枢性の鎮静、鎮痙作用と催眠作用があります。
・半夏厚朴湯(半夏・厚朴・紫蘇葉・茯苓・生姜)『金匱要略』
咽喉部に炙った肉片がくっついているように感じる方に使います。厚朴は緊張を緩め、半夏は鎮静作用があります。紫蘇葉は気分を晴れやかにします。
・四逆散(甘草・枳実・柴胡・芍薬)『傷寒論』
・逍遥散(甘草・芍薬・当帰・茯苓・白朮・柴胡・生姜・薄荷葉)『太平恵民和剤局方』
・加減逍遥散(茯苓・白朮・当帰・芍薬・柴胡・甘草・生姜・麦門冬・遠志・桃仁・蘇木・紅花)『世医得効方』
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(当帰・芍薬・甘草・木通・桂枝・細辛・生姜・呉茱萸・大棗)『傷寒論』
・当帰芍薬散(当帰・芍薬・茯苓・白朮・沢瀉・川芎)『金匱要略』
など(薬局製剤以外も含む)

ウィルス性難聴

 難聴は先天性、遺伝性、感染性、炎症性、薬剤性など様々な原因で生じます。この原因の一つにウィルスがあり、ウィルスによって生じる難聴をウィルス性難聴といいます。
 また、難聴を障害部位によって分けると伝音難聴、感音難聴、混合難聴に分けられます。感音難聴はさらに内耳性難聴と後迷路性難聴に分けられます。ウィルスによる難聴はこれらのどのタイプの難聴も起こしえますが、最も多いのは感音難聴、とりわけ内耳性難聴になります。感音難聴を生じるウィルスとして日常で起こりやすいのはムンプスウィルス、麻疹ウィルス、水痘・単純疱疹ウィルス、サイトメガロウィルス、風疹ウィルスなどによる感音難聴です。
 ムンプスとは流行性耳下腺炎の事で、一般的にはおたふく風邪と呼ばれています。原因となるウィルスはムンプスウィルスと呼ばれ、RNAウィルスの中のパラミクソウィルスに属します。
 突発性難聴は原因不明の急性感音難聴をきたす疾患です。難聴は急性に突然起こり、耳鳴、めまいを伴うことも伴わないこともあります。難聴の程度は様々です。中枢には病変がなく、蝸牛神経も含めた末梢性の疾患です。現在のところ、内耳膜迷路のウィルス感染によるという説と内耳の循環障害によるという説が有力です。

漢方と鍼灸

 発症当時の聞き取りは大事です。ウィルスによる感染、めまいを伴うもの、ストレスと関係するもの、老化によるものなどの関係性を探るのと異常個所を特定することも大切です。聴神経の伝達なのか蝸牛の問題なのかを探っていきます。
 患者様の望聞問切から全身をくまなくみて臓腑経絡、経筋から漢方食養生食品鍼灸治療ツボを選択し、治療していきます。

突発性難聴

 突発性難聴は、突然発症する原因不明の感音難聴です。感音難聴とは、内耳から脳に音がうまく伝わらない状態をいいます。音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられていますが、まだ明らかになっていません。
 何の前触れもなく突然聞こえなくなった、または朝に目が覚めて気づくような難聴が多いです。難聴の改善・悪化の繰り返しはなく、左右どちらか一方におこる場合がほとんどです。ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病など基礎疾患があると起こりやすいといわれています。聴力を回復させるためには、発症後早期の治療が重要となります。耳に血流障害が起きて血液の流れが長い時間滞ると、酸素不足により内耳の「有毛細胞」が壊れてしまいます。この有毛細胞は音波を電気信号に変えて脳へ送る役割をしていますが、一度壊れると再生しないため、治療が遅れると、聴力の障害がひどくなり治療が困難になると考えられています。

漢方と鍼灸

 何年も経っているものは治しにくいと言われているので早めの対策がおすすめです。
やはり標治と本治にわける必要があります。発症当時の聞き取りは大事です。めまいを伴うもの、ストレスと関係するもの、ウィルスや感染の可能性、血流によるものなどの関係性を考えて異常個所を特定することも大事です。聴神経の伝達なのか蝸牛の問題なのかを探っていきます。
 患者様の望聞問切から感染症、精神的ストレスのツボ、耳がなっている部位、めまいのツボ、上咽頭、全身をくまなくみて臓腑経絡、経筋から漢方食養生食品鍼灸治療ツボを治療していきます。

尿道腫瘍(尿道カルンクル)

 尿道腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。比較的よくみられる尿道腫瘍には、良性腫瘍の尿道カルンクルがあります。尿道カルンクルは外尿道口(尿の出口)の6時方向にできる腫瘍です。閉経後の女性に多く、男性が発症することはほとんどありません。尿道の出口のお尻側にできることが多く、大きさは大豆くらいです。血流が豊富なため、色調は朱色~赤色になっています。尿道からの出血や血尿が多く、「排尿後に拭くと血が付いた」と言われて受診されるケースが多いです。腫瘤が小さいと、無症状の場合が多く、患者さまが発症に気づかないまま過ごされることも多いです。腫瘍が大きくなると、尿道をふさいで排尿しにくくなることがあります。明らかな原因は分かりませんが、閉経後の女性に多いことから、更年期障害の1つと考えられています。女性ホルモン(エストロゲン)が加齢とともに減ることで、膣や尿道の粘膜に萎縮や変形を認め、尿道カルンケルが生じるということです。また、女性は尿道が短いため、尿道の炎症を繰り返すと尿道カルンクルが形成されるということもいわれています。また、便秘や妊娠、多産と関係するかもしれないともいわれています。視診が基本で、比較的すぐに診断できます。婦人科健診で見つかる場合もあります。尿道カルンクルは、基本的には軟膏を塗って経過をみます。腫瘍が大きくなり痛みや排尿困難などの症状が出る、症状が強くて気になる、出血を繰り返す場合は、手術も考えます。保存的治療としては、腫れや炎症をおさえる作用があるステロイド系の軟膏を使用します。ステロイド軟膏によって腫れや炎症がおさまれば、そのまま経過観察になります。尿道カルンクルの治療中や治療後は、排尿後強く拭いたりせず、なるべく患部を刺激しないよう注意してください。出血や痛みがひどい場合や、保存的治療法で改善しない場合は、尿道カルンクルを摘出する手術を行います。手術としては、局所麻酔をして、電気メスなどで腫瘍を切り取ります。手術時間1時間ほどの日帰り手術で済む場合が多いです。

 尿道の悪性腫瘍(尿道がん)は男性より女性に多くみられますが、頻度は非常に稀で、女性の全悪性腫瘍のうち0.02%未満とされます。尿道がんは、大きく、移行上皮がん、腺がん、扁平上皮がんといった組織型に分類されます。尿道がんの原因は解明されていません。発症する危険性が高まる因子としては、高齢であること、脂肪や糖分の多い食生活などがあるといわれています。排尿障害や血尿、尿道からの不正出血、疼痛などがあります。しかし、高齢女性の排尿障害は正常な場合でも認められることが多いため、早期発見が難しいと言われています。尿検査を行います。血尿があれば、尿細胞診検査により尿中のがん細胞の有無を調べます。ほかにも膀胱鏡尿道鏡検査(外尿道口からカメラを挿入し、尿道や膀胱を観察する検査)やMRI検査・CT検査などを行います。がんが疑われる場合には尿道腫瘍と思われる部分を一部針で採取して検査を行い、悪性の有無を確認することもあります。限局がんであれば、手術療法がや化学療法などを実施ます。手術は腫瘍切除および尿路変更術が必要となります。その後は再発の有無を確認するために、尿検査や画像検査(CTやMRI)などを行います。進行がんであれば手術療法は行えないため、化学療法を行い、同じように画像検査で経過を見ます。化学療法とともに放射線療法を併用する場合もあります。

漢方と鍼灸

 良性か悪性かを判断することがまず大切です。良性でも小さくする方向や、悪性化しないように生活改善など見直しましょう。患部(患部の写真)から漢方食養生ツボを選択していきます。女性スタッフによる相談ができますのでお伝えください。

視神経脊髄炎

 脳や脊髄では複雑な神経活動が活発に行われており、情報伝達には神経線維を伝わる電気信号が重要な役割を担っています。電気信号をより効果的かつ素早く伝えるために、神経線維はミエリン(髄鞘)と呼ばれる構造物で覆われています。視神経と脊髄および大脳の神経線維を覆うミエリン(髄鞘)が何らかの原因によって変性・脱落する病巣が生じることで視力低下や感覚異常などを繰り返す病気で、指定難病の1つに定められています。免疫の異常によって自分の体の組織が攻撃される自己免疫疾患の1つで、アクアポリン4というタンパク質に反応する自己抗体(抗アクアポリン4抗体)によって、脳・脊髄・視神経が攻撃されて発症すると考えられています。発症は子どもから高齢者まで幅広く、特に女性に多いことが分かっています。視神経脊髄炎では、ダメージが生じた部位に応じてさまざまな神経症状が現れます。最近では、再発を予防するための治療に複数の生物学的製剤が使用できるようになり、徐々に普及が進んでいます。しかし、何かしらの原因をきっかけにミエリンが変性・脱落すると(脱髄)、電気信号を伝える情報伝達経路に障害が生じます。視神経脊髄炎では、視神経や脊髄、大脳を中心に脱髄病巣が生じ、脱髄部位に関連した症状が誘発されます。視神経脊髄炎では、抗アクアポリン4抗体という自己抗体が産生されることでダメージが生じると考えられています。視神経脊髄炎は、同じく脱髄を繰り返す“多発性硬化症”という病気の一亜型であると考えられていましたが、視神経脊髄炎の患者に多くに抗アクアポリン4抗が確認されたことによって、多発性硬化症とは別の病気であると区別されるようになりました。しかし、なぜ免疫機構が自分自身(アクアポリン4)に対する抗体を産生するのかなどを含めて、詳しいメカニズムは解明されていません。視神経が障害された場合は、視力低下や視覚障害が現れることが多く、重い場合には失明することもあります。脊髄に障害が及んだ場合は、手足の麻痺、胸や腹部などのしびれや痛み、感覚低下、排尿障害などを認めることもあります。また、視神経脊髄炎では、視神経や脊髄以外にも炎症が及ぶことがあります。脳幹部が障害された場合は難治性のしゃっくり、吐き気、片麻痺をはじめ、呼吸循環機能など生命維持に欠かせない機能に障害が及ぶこともあります。大脳に炎症が及ぶと、認知機能の低下など高次脳機能の障害が現れることもあります。なお、視神経脊髄炎はさまざまな神経症状の再発を繰り返す点が特徴ですが、重症の場合には一度の発作で失明や麻痺など重篤な後遺症を残すこともあります。また、再発するたびに障害の度合いが蓄積して重篤な障害を招きやすいといわれています。視神経脊髄炎が疑われるときは、MRI検査や血液検査、脳脊髄液検査などを行います。MRI検査は、脳や脊髄を対象にMRI検査を行って障害部位を特定します。髄液検査は、髄液中の細胞やタンパク質の増加を確認するため髄液検査を行います。多発性硬化症では、髄液内で産生されるIgGという抗体のうち特定のクローンが著しく増加する現象(オリゴクローナルバンド)がみられますが、視神経脊髄炎ではみられないことが多いため、こうした違いを参考にしながら診断を進めます。視神経脊髄炎患者の多くで抗アクアポリン4抗体が確認されるため、この病気が疑われれば血液検査を行ってこの抗体の有無を確認します。これらの検査のほか、神経系の機能を評価するために、視覚誘発電位や体性感覚誘発電位などを測定することもあります。視覚誘発電位とは、電極を頭につけながら白黒点滅するモニターを見て、視神経から大脳皮質視覚野までの電気信号の伝達に異常がないかを調べる検査。また体性感覚誘発電位は、末梢感覚神経―脊髄―大脳皮質のどこが障害されているのか確認するために、手首や足首の神経に微弱な電流を与えて感覚神経の反応を調べる検査。視神経脊髄炎の症状が急速に悪化した際は、短期間のうちに副腎皮質ステロイドを大量に投与して自己免疫を抑える“ステロイドパルス治療”を行います。期待した治療効果が得られない場合は、血液中に存在する免疫物質(抗アクアポリン4抗体など)を取り除く“血液浄化療法”や、免疫グロブリン製剤を点滴投与する“免疫グロブリン大量静注療法(IVIG療法)”を行うこともあります。視神経脊髄炎は症状の再発時に高度の障害を起こすことがあるため、再発予防治療は大切です。これまではステロイドや免疫抑制薬による治療が一般的でしたが、ステロイドの副作用や感染症の併発が課題でした。最近では、補体C5 、IL-6 受容体、B細胞を標的とする生物学的製剤の再発予防効果が臨床研究で確認され、エクリズマブやサトラリズマブ、イネビリズマブなどの薬剤5種類が国内で保険承認されて徐々に普及しています(2024年4月現在)。再発の不安からの解放や、医療の標準化を目指す中で、生物学的製剤の役割は重要性を増しています。
 生物学的製剤とは、バイオテクノロジー(遺伝子組換え技術や細胞培養技術)を用いて製造された薬剤で、特定の分子を標的とした治療のために使われます。生物学的製剤は高分子の蛋白質であり、内服すると消化されてしまうため、点滴あるいは皮下注射で投与します。バイオあるいはバイオ製剤とも呼ばれます。主な対象疾患はリウマチ膠原病領域では、関節リウマチに対して最も使用されていますが、巨細胞性動脈炎や高安動脈炎、ANCA関連血管炎、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病などの膠原病のほか、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎など様々な疾患に対して使用されています。特定の分子を標的とした生物学的製剤は、一般的に治療効果が高く、また併用するステロイド内服量を減らせることも多いです。ただ、必ずしも全員に効果があるわけではなく、また各生物学的製剤が有効かどうかを事前に推測することは難しいです。薬剤ごとに特徴があるため、血液検査結果、合併症の有無、点滴製剤か皮下注射製剤かなど、様々な点を考慮して患者さんにとって最適な薬剤を選択する必要があります。感染症に注意が必要です。予防のために、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは積極的に接種しましょう。高熱、呼吸器症状(咳・痰、呼吸困難)、腹痛、皮膚の腫れなどがみられた際は早めに相談してください。帯状疱疹のリスクが高い製剤もあるため、ピリピリとした痛みや水ぶくれを伴う赤みがみられたら、すぐに医療機関に相談してください。また、結核やB型肝炎の潜在的な感染が考えられる場合、投薬を要することもあります。心不全や慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症のような脱髄疾患がある患者さんには使用が難しい薬剤もあるので、そのような持病がある方は主治医にお伝え下さい。一般的に高額ですが、対象とする疾患や加入する健康保険の種類によって負担額は異なります。高額療養費制度などを利用することで負担を軽減できることもあるため、主治医に相談するようにしてください。ンナ病変型で膀胱を拡張すると点状出血、五月雨状出血を有する場合には、間質性膀胱炎と診断されます。

漢方と鍼灸

 自己免疫疾患ですから免疫の調整、炎症を抑えることが大切です。のどの反応穴、自己免疫の反応穴、小腸の反応穴から漢方食養生ツボを選択していきます。

視神経炎

 目に入った物の情報を脳に伝える視神経に炎症が生じる病気です。発症すると視力の低下、視野の欠け、色が正しく認識できなくなるなど物の見え方に異常が現れるほか、目を動かしたときに痛みが生じることもあります。片目のみに発症するケースもあれば、両目に発症するケースもみられます。視神経炎の原因は多岐にわたり、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの自己免疫疾患(免疫の異常によって引き起こされる病気)や感染症などが挙げられますが、はっきりした原因が分からないこともあります。治療では、通常まず炎症を抑える作用があるステロイドを投与します。期待した治療効果が得られない場合は、病気の原因となる物質を血液中から取り除く血液浄化療法や、免疫グロブリン製剤を投与する免疫グロブリン大量静注療法(IVIG療法)を行うこともあります。免疫グロブリン製剤とは血液の中に存在する免疫グロブリン、または抗体と呼ばれるタンパク質を薬にしたもの。抗体は免疫に関与しており、病n発性硬化症、ステロイドが効きづらい視神経脊髄炎では、再発予防のために免疫を抑える作用のある免疫抑制薬や生物学的製剤が用いられます。視神経脊髄炎は免疫の異常によって体の組織が攻撃される自己免疫疾患の1つで、主に脊髄と視神経に強い炎症が起こる病気です。アクアポリン4という水チャネルに反応する自己抗体(アクアポリン4抗体)によって、脳・脊髄・視神経の表面に存在する水チャネルが攻撃されて発症すると考えられています。視神経炎は適切な治療を行うことで、1~2か月程度で回復し始めることが多いとされています。治療が遅れると視力低下などの後遺症を残すことがあるため、気になる症状がある場合はできるだけ早めに医師の診察を受けることが大切です。ほかの病気に合併して視神経炎が起こることもあります。しかし、はっきりした原因が特定できないケースも少なくありません。自分自身の神経を攻撃する免疫の異常によって発症する自己免疫疾患の1つです。視神経脊髄炎は中枢神経や視神経などに脱髄を繰り返し引き起こします。脱髄が起こると体の各部位に指令を出す神経伝導がうまくいかなくなり、視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状が現れます。このため、視神経が障害されたり、目を動かす神経に麻痺が起こったりします。MOG抗体関連疾患ではミエリン(髄鞘)の構成成分(MOG:ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク)に対する自己抗体によって脱髄が生じる病気です。中枢神経に生じる脱髄によって、視神経炎や脊髄炎をはじめ、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)や脳幹脳炎などさまざまな症状を引き起こします。結核や梅毒、HIVなどの感染症や、脳炎、髄膜炎、副鼻腔炎など感染症による炎症が視神経に広がって視神経炎を引き起こします。視神経炎は、目に入った情報を脳に伝える視神経にダメージが生じるため、発症すると物の見え方に異常が現れます。具体的には、発症から数日で急激な視力の低下が生じるほか、視野の真ん中など一部が見えなくなる“視野欠損”や“暗点”、赤・緑など特定の色が褪せて見えるようになる“色覚異常”を伴うことがあります。また、目を動かすと目の奥に痛みを感じることもあります。視神経は左右の目に1本ずつあるため、原因によって片方の目のみに発症するケースもあれば両方の目に発症するケースもあります。症状の程度は重症度によって異なり、重症の場合は失明に至るケースも報告されています。視神経炎が疑われる場合は、視力検査や視野検査、色覚検査などを行い、物の見え方に異常がないか、異常がある場合はその程度を確認します。また、視神経の状態を確認するために以下の検査を行います。眼底検査:視神経の腫れの有無などを確認します。中心フリッカー値測定検査:ほかに視力低下を起こす眼科疾患との鑑別を行い、視神経炎の重症度を評価します。光干渉断層計検査は視神経の厚さを測定します。視神経脊髄炎や多発性硬化症などによって視神経へダメージがあると視神経が薄くなります。また、視神経炎の原因は多岐にわたるため、原因を特定するために以下の検査を行うこともあります。血液検査は視神経を攻撃する抗体や感染症の有無を調べます。MRIなどの画像検査では視神経やその周囲に何らかの病変がないかを調べます。髄液検査は腰に針を刺して採取した脳脊髄液を調べます。視神経炎の治療では、視神経の炎症と過剰に働いている免疫を抑えるためにステロイドを大量に投与する“ステロイドパルス療法”を行います。多くはステロイドパルス療法を行うことで症状が改善しますが、十分な効果がみられない場合は、視神経を攻撃する抗体や炎症を引き起こす物質を血液中から取り除く“血液浄化療法”を行ったり、免疫の働きを調節する“免疫グロブリン製剤”という薬剤を投与したりします。また、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの病気が原因となっている場合はそれぞれに合わせた治療を行います。多発性硬化症や視神経脊髄炎は再発や寛解(回復)を繰り返すため、症状が落ち着いた後も再発を防ぐための治療を継続します。多発性硬化症の再発・進行を予防する治療としては、自己注射薬のインターフェロンベータやグラチラマー酢酸塩、オファツムマブ、点滴薬のナタリズマブ、飲み薬のフィンゴリモドなどの免疫抑制薬や生物学的製剤が用いられます。また、視神経脊髄炎の再発予防としては、エクリズマブ、サトラリズマブ、イネビリズマブ、リツキシマブ、ラブリズマブといった生物学的製剤が使用可能となりました。

漢方と鍼灸

 視神経の炎症をまず取ることが大切です。炎症を取る漢方、免疫を調整する漢方、眼の各症状を取る漢方を使います。視神経の炎症部位から漢方食養生ツボを選択していきます。

聴覚過敏

 聴覚過敏は,聴覚異常感の中でも耳鳴に次ぐ頻度で生じています。原因疾患を治療できれば改善しますが,原因を確定できないものがあります。
 聴覚過敏とは何か 「響く」,「割れる」,「エコーがかかる」などと表現され,ときに耳痛を伴います。多くが不快感,恐怖,苛立ちなどの感情を伴う場合があります。これは、聞こえ方の変調だけでなく,誘発される耳痛,頭痛,めまい,頸部の違 和感や疼痛,共感覚で生じることもあります。きっかけになる音声は限定される場合もそうでない場合もあります。音量もさまざまになります。
 聴覚過敏の原因は一つだけでなく、耳の機能的な問題や脳機能の影響、ストレスの影響などさまざまなことが考えられています。人によって何が原因となるかは異なります。
 聴覚過敏の原因として耳の機能の問題が考えられます。人間の耳には外部から入ってきた音を調節する内耳という器官があります。普段は大きすぎる音が耳に入ったとしてもうまく調整しているのですが、メニエール病などにより内耳の働きに異常が出て、音の調節などがうまくいかないと、聴覚過敏が生じる可能性があります。
 脳機能の影響も聴覚過敏の原因の一つと言われています。生まれつきの脳機能の偏りで生じると言われる発達障害のある方の中には聴覚過敏などの感覚過敏がある方も多くいると言われています。また、同じ脳機能の影響として、てんかんがある方にも聴覚過敏が見られることがあると言われています。
 さまざまなストレスも聴覚過敏の原因になると考えられています。大きなストレスを感じると神経が過敏になることがあり、普段は気にならない音でも不快感を伴って聞こえる聴覚過敏と同じような状態になることがあります。
 また、もともと聴覚過敏がある方もストレスや体調不良が重なるとより不快な音として感じるということもよくあると言われています。
 聴覚過敏は多くの方は気にしないような音でも、不快に感じて集中力が低下したり、心身に不調が出たりすることもある状態のことです。
 聴覚過敏があることで、日常生活や職場では「些細な音が気になって仕事に集中できない」「急に声を掛けられると混乱してしまう」「客先などで人がたくさんいるとひどく疲れてしまう」などの困りごとが考えられます。
 聴覚過敏の対策としては、イヤーマフなどの音を減らすツールの使用や、席の変更など自分でできること、周りに協力してもらうことなどがあげられます。

漢方と鍼灸

 患者様の望聞問切から精神的ストレスのツボ、耳がなっている部位、頸動脈辺りのツボ、上咽頭、全身をくまなくみて臓腑経絡、経筋から漢方食養生食品、鍼灸治療のツボを選択し、治療していきます。

心因性嘔吐(神経性嘔吐)

 心因性嘔吐は、原因となる疾患がなく、心理的なストレスが原因で慢性的に何度も嘔吐することをいいます。嘔吐はなくても吐き気があればこの病名が使われます。
 心因性嘔吐は、自律神経失調症(身体表現性障害)や機能性ディスペプシア(FD)の一症状とされることもあります。また吐き気は過食症や対人緊張などでもよく見られます。
心因性嘔吐の吐き気は、緊張する会食など、場面が限定されていたり、午前中だけなど特定の時間帯に偏っていたり、逆に終日症状が続くといったものがあります。
 吐き気の原因を本人が自覚しているとは限りません。このため吐き気以外の症状の有無や、症状の特徴、吐き気が出やすい状況などから原因を探します。
 ストレスは、精神的な負担だけでなく、身体的にも不調を引き起こすことがあります。
特に胃腸の働きは、自律神経のバランスが密接にかかわっているため、ストレスによる不安や緊張などが続くと、胃の粘膜を刺激し吐き気やおう吐を引き起こすことがあります。
吐き気は、脳のおう吐中枢が刺激されることで起こります。ストレスにより胃腸の状態が悪くなっている時に、迷走神経やおう吐中枢が刺激されると吐き気やおう吐につながることがあります。
ストレスが原因の場合は、意図せずに条件反射で吐き気が引き起こされるため、病院などで検査してもその原因をはっきりと特定できない場合がほとんどです。
ストレスがかかって吐き気が起こることは病気ではありません。しかし、ストレスが原因で吐き気を伴う疾患を発症することがあります。ストレスが原因で吐き気以外にも、腹痛や胸やけ、下痢、胃痛などを引き起こすことがあります。
ひどい場合は、過敏性腸症候群、急性胃腸炎、慢性胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍といった疾患を引き起こすことがあります。

漢方と鍼灸

 脳と胃腸の関係から起こる病気ですので、自律神経のツボ、胃のツボ、腸のツボ、腹痛箇所から経絡に落とし込んで漢方ツボ食養生を選択します。 

11月のお休みと営業時間

【お休み】
11月11日(月)・16日(土)・17日(日)・18日(月)・20日(水)

【営業時間】
火~金曜日:10時~19時
土・日・月・祝祭日:10時~17時(来店前に要確認)
※2日(土)・3日(日)・4日(月)・9日(土)・10日(日)・23日(土)・24日(日)・25日(月)・30日(土)

ご予約: 03-3300-0455 までお電話ください。

リラックスして、秋の収穫をお楽しみください。

自己免疫性胃炎(A型胃炎)

 自己免疫性胃炎(A型胃炎)は、自己免疫的機序により胃底腺領域の高度粘膜萎縮を認め,ビタミンB12や鉄などの吸収障害が起こり,神経内分泌腫瘍や胃癌を合併することがあります。胃底腺領域の萎縮が内視鏡や生検組織などで認められ,抗壁細胞抗体や抗内因子抗体が陽性となり,ガストリン値が高値,ビタミンB12が低値となります。
 慢性胃炎はA型胃炎とB型胃炎の二つに分けられています。A型胃炎の特徴は,胃幽門前庭部の粘膜が正常で、抗壁細胞抗体が陽性になります。胃体部にびまん性炎症がみられること,胃酸分泌が高度に障害されます。B型胃炎の特徴は,胃幽門前庭部にも炎症を認めること,抗壁細胞抗体が陰性であること,胃体部に巣状の炎症がみられること,胃酸分泌が中等度に障害されます。現在,A型胃炎は自己免疫性胃炎(A型胃炎)に,B型胃炎は,Helicobacter pylori(ピロリ菌)感染による慢性胃炎になります。
 自己免疫性胃炎は,無症状のまま緩徐な進行を示し,病後期に出現する症状も非特異的なため,診断されていない症例が多いようです。以前は,北欧の高齢女性に多い疾患と考えられていましたが,人種差や年齢差はないと考えられています。他の自己免疫疾患と同じように,女性の頻度が高いです。また,1型糖尿病や自己免疫性甲状腺疾患では,自己免疫性胃炎発生率は5-10倍高くなるなど,他の自己免疫疾患との合併が多いです。
 H+/K+-ATPaseに対する自己免疫反応が起こり,壁細胞が破壊されて酸分泌粘膜の機能が低下します。壁細胞が存在する胃底腺領域の高度萎縮および腸上皮化生が起こりますが,幽門腺領域の萎縮は起こらないことが特徴です。
 壁細胞の破壊により胃酸および内因子の分泌が低下します。胃酸分泌の低下により,胃幽門前庭部に存在するG細胞からガストリン分泌が増加します。鉄吸収には胃酸が重要ですが,胃酸分泌が低下することにより,鉄吸収が障害され,鉄欠乏性貧血を呈します。高ガストリン血症によりECL細胞が刺激され,その過形成から神経内分泌腫瘍が発生します。内因子分泌低下および抗内因子抗体によりビタミンB12の吸収が阻害され,ビタミンB12欠乏症状になります。ビタミンB12欠乏により,巨赤芽球性貧血などの血液学的および神経学的な異常がおこりやすくなります。また,慢性炎症により胃癌の危険度は約3倍となります。
自己免疫性胃炎自体の自覚症状はなく,胃粘膜萎縮が高度になり,胃酸分泌低下やビタミンB12などの吸収障害による症状をきたすまで,長期間にわたり無症状なことが多いです。

漢方と鍼灸

 免疫が深く関係していることから、ストレス、自律神経のバランスも影響していると考えられます。自己免疫、自律神経、胃の調子、ストレスなどの反応穴から経絡に落とし込んで漢方ツボなどを探していきます。